コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

episode2 変質者です。警察につうほうしませう。 ( No.4 )
日時: 2017/01/26 18:59
名前: 雪姫 (ID: CWUfn4LZ)






「こんっなカワイイ子狐に熱湯かけるとかマジありえねーし」

【とりあえずお風呂から上がり、
 こけし少女の部屋着を借りて着替えた謎のカレー娘はなんかうだうだやってます。】

ふわりふらり。

「ごくりっ」

尻尾です。ふわふわ、モフモフ、そうな尻尾が右へ左へ、ゆらゆら揺れてるのです。
触りたい。もふもふしたい。

「えいっ」
「んぎゃ!?」

気づいたらもう尻尾にダイブしてました。眼前にはもふもふが。

「おぉ。なかなか」

柔らかすぎず硬いすぎず、丁度いい触り心地なのです。
気持ち良くて、このまま寝てしまいそうなのです。

「これは…抱き枕に一つほしいですね」
「く、くすぐったいっ。や、やめろよー」
「ほえ?」

尻尾から声が…?あっいえ違います、頭の上からでした。
見上げてみると、先ほどお風呂場で突然現れた不審者さんが半泣きしてました。

「…それはともかく」
「ともかくじゃねーよ、さっさと放せよ!」
「風呂場に突然現れた謎のカレー娘。
 頭にはピンと立ったケモミミ、そしてもふもふ尻尾
 …これらから導き出される答えは」
「こ、答えは…ゴクリ(も、もしかして登場早々、正体がバレたのかぁぁぁ!?)」

『デッデーン♪テッテーン♪』

【こけし少女は自分でラジカセを持ってきて音楽を流し、ハイッポーズ。
 …を決め音楽を消し改めて一言】

「わからないので警察に通報するでせう」
「ズコーーー!!」

【めんどくさそうだったのでやっぱり警察に任せることにした】

「わぁぁん。おかしいだろー、突然変なの出て来てなんで警察なんだよー。
オレなにも悪いことしてないよー。わぁぁぁん」

コスプレイヤーさんがわんわん泣くので仕方なく、
警察に通報するのはやめにすることにしました。
とにかく泣き止んでもらいましょう。近所迷惑ですし。
なにか温かい言葉をなげてみませう。

「突然目の前に不審者が出て来たからですよ?」
「うわぁぁぁぁん」

【結果、余計に泣かせてしまった】

「おおおぉぉぉぉ」
「そもそも貴方は誰ですか。ハロウィンはまだ先ですよ」
「仮装じゃねーよ!ついでにコスプレでもねー」

おぉ。レイヤーさんが怒ると尻尾がブンブン揺れている。…おもしろいです。
今度は「もぉもぉ」と子供のように駄々をこね始めてしまいましたですよ。
おや…

「よく見れば頭につけてる耳もピコピコ動いてるです…?」
「っ」

触ってみると造花のような肌触りではないのです。
生暖かくそしてどことなくカレー臭い。

「これは、本物なのです?]
「ホンモノだよ!」
「では確かめるです」

フゥー。と付け耳に息を吹きかけてみたです。
するとカレー娘さんはまた声にもならない大声をあげて

「ぷすぅ」

その場に倒れてしまいました。
涙目で、「耳は敏感なんだからやめろよぉな」と言われました。
今の彼女の姿を少し可愛いと思ってしまいました。ムッです。

「レイヤーさんではないのならなんです?
 カレー「カレー娘でもないからな!」

涙を拭き取り、カレー娘さんは持ち直します。
ご自身のキャラ設定を思い出し世界観を創り出しました。
あれが厨ニ病と言うのでせうね。

「フッ。オレがダレだって?
 森羅万象。色々な時代で色々な呼ばれ方をされて来たが、
 たいてい人の子はいつもオレの事を“神”と呼ぶゼッ」

キラーン☆

「………」

【数分間、重い沈黙が流れた】

「お、おぃ…聞いてる?」
「ハッ!……通報しないと」
「えぇ〜〜」

目の前にいたのはイタい変質者でした。警察に通報しないとです。

ごてっ。

何かに躓いて転んでしまったのです。

「へっへーんだ。オレの話をちゃんと聞けってんだバーロ」

目の前に大きな毛玉があります。
今日、私が連れ帰ってきたあの毛玉です。
ああ、そうでしたか。
薄々は感じてたことでしたが、あの毛玉=カレー娘さんでしたか。納得です。

「あれ…ね、ねぇだいじょうぶ?
 も、もしかして頭とか打った?ケガとかわわわ」

毛玉さんは小心者なのですね。
先ほどまでも強がりが嘘のように、めそめそして…
涙が流れてます。泣き虫さんなのですね。

「大丈夫ですよ」
「よかった」
「それよりも私は貴方の頭の方が心配です」
「余計なお世話だよっ」

毛玉さんは忙しい人?です。
もう立ち直ってます。喜怒哀楽が激しくて大変じゃないではないのでしょうか。

ドロン。

またコスプレイヤーにしか見えない、人型の姿へ戻りました。
あ、服はちゃんと着たままなのですね。全裸で出て来られたら困りますが。