コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

episode3 憑かれました ( No.5 )
日時: 2017/01/26 20:52
名前: 雪姫 (ID: CWUfn4LZ)


「貴方は人間ではないのですね」

起き上がり改めてお話してみるです。飽きたので。

「おうともよ。オレはニンゲンたちが神と崇める存在の一人だったんだぜ?」
「一人ではなく一匹では?
 動物が擬人化したようなみたいな見た目ですし」
「ぐっ、ボケ〜としてなにも考えてなさそうなのに意外と鋭いなっ。
 そうだよ、生前はキツネの今はただの低級霊だよ」
「え、カレーではなく!?」
「どこに驚いてるんだよっ!!?
 カレーの神さまなんているわけがないだろ!!」
「いえ。トイレの神様がいるのでその親戚かと」
「そっちぃぃぃ!!?」

なるほど…彼女の正体はカレー神さんだったんですね。
どおりカレー臭いはずです。
衣服にカレーのシミがついているはずなのです。

「では謎は解けたのでお帰り下さい」
「やだ」
「え」
「オマエ、ヤな奴だから憑きまとってやる」
「は」

嫌な奴と言うのであれば帰ればいいのに。
どうやら私はとんでもない悪霊に憑りつかれそうになっているようです。
これはもう強制的にお帰り願わないといけませんね。

「チッチッチー。お嬢さん、台所のお塩くらいじゃオレには効かないゼ〜」
「それはどうでしょうか」
「は?なに言って…『グサッ』ふきゅうっ」

必殺、目つぶしをくらえです。

【物理攻撃は有効でした】

「うおおおお」

ドロン。

毛玉。アニマルver(バージョン)とでも命名しておませう。
になったので尻尾を掴みひょいっと持ち上げて窓からほうり投げてやりませう。
これでひと安心なのです。

「悪・霊・退・散!この平和な世界に悪が栄えたためしなし!」

…決め台詞も言えたことです。
録画したドラマをもう一度見るとするです。





【きちゃないカレー色の毛玉がこけし少女が住む寮に突如 現れてから
 三日が経ちました。今は学校で朝のHRが始まろうとしている時間です】



今日からドラマの再放送が再開です。
主人公とヒロインの恋がどうなるのか楽しみなのです。

【こけし少女は突如現れたカレー神のことなんてひとかけらも覚えていないのでした】

『ホームルーム始めるぞー、みんな席につけ』

先生が来たのです。
ホームルームなんて退屈なのです。
なにもすることはないし 対して面白いことも びっくりするようなことも 
ないのでつまらないのです。
空でも眺めてるです。
市松は面白い雲をさがすのがわりと好きなのです。
先生のつまらない話(お説教など)時などにボーと雲見てるのがいい暇潰しになりませう。
あ、あの雲。カレーパンに似てるのです。おいしそうなのです。じゅるり。

『えー今日はみんなに嬉しいお知らせがあります』
『『えー何々ー。なんだろー、楽しみー』』

【この時、こけし少女に嫌な予感がはしった】

ハッ。冷蔵庫のプリン賞味期限今日までだったかもです。
帰ったら確かめないと…なのです。
コンビニで三百円もした ちょっとお高めのプチップリン。
晩御飯に食べるカレーパンの後にドルチェとして買ってたのに
すっかり忘れてしまってたです。思い出せてよかったのです。

『転校生を紹介しまーす。ほら入っておいで』
「ハーイ」
『『わーい、転校生だって!?可愛い声〜、女の子だよきっと』』   
「姫野瀬 勇璃(ひめのせ ゆうり)でーす。よ・ろ・し・くちゃん」
『『キャー可愛いー。こっちこそよろしくねー勇璃ちゃん』』

ん。
ぼんやり空を眺め眺めながら プッチプリンの事を考えていたら
教室が騒がしいのです。
動物園の動物さんたち並みに騒がしいのです。
何か彼らが興奮するようなモノでも···

「あ」
「アー!!アナタはあの時のーー!」

【少女漫画的なフラグを背負ってカレー神さまが転校してきました】

説明するよりも 攻撃あるのみです!

「お・帰り・くだ・さい!「ごふぅーーー!!」

【悪霊には岩塩を投げつけます。物理攻撃は有効です】

『こらー、市松。転校生いじめるなよ。姫野瀬の席は、市松の隣な』
「っ!!?」
「ハーイ。これから(末永く)ヨロシクね、市松さん。にこっ」

【完全にマークされました】

こうして私こと 市松(いちまつ) こひなは
自称神様の低級霊に憑りつかれてしまったのです。

もしもの世界があるなら行ってみたいのです。

もしも——

市松があの路地裏で毛玉
ユーリさんを拾わなければこんなめんどうなことにはならなかったですのに···。

嗚呼 時間が巻き戻せたらなー。

ドラ●もん、タイムマシンをひとつお願いするですよー。






                  ドラ●もーーーん





               -To be continued-