コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- episode4 ピッカピカの一年生 ( No.9 )
- 日時: 2017/01/16 09:24
- 名前: 雪姫 (ID: zEDABVSv)
【一か月後】
「あれから一ヶ月…。
色々あってユーリさんとも随分仲良しになりました。時が経つのは早いものです」
「早っ!早いつうか、時間が一言でかっとばされて結果だけ残ってる!
カットされちゃいけないシーン、カットされてる!!」
「途中経過が気になる方はいずれ書く(予定)の番外編をご参照ください」
「……いずれっていつだよ?」
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【春。入学、卒業、出会いと別れの季節。そして】
「新学期の季節なのです」
「え?しんがっき?」
新学期なのです。春休みが終わり、今日から市松とユーリさんは学校に通うのです。
めんどうなのです。本当はこのままずっと部屋に引きこもりドラマの再放送を見続けたかったのです。
「ちょ、ちょっと待ってよ?新学期?新一年生じゃなくて??」
「はい。新学期ですよ?」
どうしたのでしょう、ユーリさんがオロオロしてます。
あ、いえユーリさんはいつも挙動不審で情緒不安定でした。
気にせず学校に急ぎませう。遅刻したら大変です。
「待ていっ」
腕を掴まれました。少し痛いのです。
「オレ一ヶ月前に転校生として入って来たんだよね」
「そうですよ?もう忘れたのですか。ボケが始まったのですか」
「ちっげーよ!オレはまだピチピチだよ」
……ピチピチ。発言からカレー臭がするです。
「タイトル的にもおかしいし!ほら見てよ」
【episode4 ピッカピカの一年生】
「なにがおかしいのですか?」
「え」
「市松たちは中学一年生です」
「でっでもオレ一ヶ月前に……転校「ユーリさん
この世界はサザ●さん方式と呼ばれる方式が使われてるのですよ」
【どんなに季節が巡ってもこけしたちは成長ししないのだ】
・
・
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学校に到着なのです。
沢山の生徒さん達で校門から下駄箱への道のりはあふれかえってるのです。
……人込みをかきわけてて入るのは大変そうなので引き返して寮に帰ってしまいましょうか。
『あ!姫さま』『みんなー姫さまがご登校なされたぞー!!道を開けろー』
『『ははぁーーは』』
ズラー。
そういえば忘れてました。
ユーリさんは転校初日以来、男の子たちのハートを鷲掴み下僕として使っているのでした。
男の子たちは二列に整列し校門から下駄箱への一本道を作りました。
前にテレビで見た大富豪邸のメイドさんの出迎えみたいです。
「みんなーありがとー!大好きだよー」
にこっ。
『『おぉぉぉ』』
市松は知ってます。あの笑顔は黒いものだと。
『『鞄お持ちします。う、上靴お持ちしましたっ。どうぞ、ここに腰かけてくつをお脱ぎください』』
「ありがとう。こなたもみんなにやってもらいなよ、楽だよ」
貴方はどこかの貴族ですか。致せりつくせりなのです。
そんなこと市松には関係ないので、さっさと教室に向かうです。
「えっ、こなた?どうして行っちゃうのー、待ってよー!!」
知らないです。ユーリさんなんて知らないのです。市松にやきもちという感情はないのです。
『えーウソー』『マジ?サイアクなんだけどー』『やったーあの子と…』
「?」
廊下が騒がしいのです。
一か所に沢山の人が集まって、ざわざわしてるのです。
「はぁ。はぁ。階段きっつっ」
ユーリさんが今にも死にそうな息遣いで、階段を上がってきました。
ふらふらです。狐なのにちどりあしです。
「お年寄りはやはり足腰弱いのですね」
「やーめーてーよぉ、カレー臭いのと加齢臭はイコールじゃないよー。わぁぁん」
軽くつっこんでみたつもりがまた泣かせてしまいました。
でも市松は知ってます。実はユーリさん
「もうぅ…やめてよね、ぐす……うふふ」
頬をほんのり桜色に染めた特殊な体質の獣だということを。
ユーリさん自身は気づいていないようなので、このことは市松だけの秘密にしとくですです。