コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

episode6 ( No.12 )
日時: 2017/01/18 18:57
名前: 雪姫 (ID: BLmVP1GO)





「……アンタがお隣さん」

これは…。危ないのです。危険なのです。不良に目を付けられてしまったのです。
このままでは校舎裏に連れ出されて、カツアゲされてしまうのです。
パシリとして生涯生きていくとになってしまうのですよ…。
こうなったら……仕方ないです。

「先手必勝!」
「あぶなっ」

むむぅ。必殺ベアクローをかわされてしまいました。ピンチが大ピンチになってしまったのです。
これはもう…

「逃げるが恥じだが役に立つ、なのですー」

ぴゅい〜〜〜ん。

「あっ、ちょっ、待てっ」







市松は逃げました。校舎内を全力で逃げ回りましたのです。
でも何故か不良さんはしつこく何処までも市松を追いかけてきます。どこかのカレー臭いストーカーを思い出すしつこさです。

「はぁ、はぁ」

市松はインドア派なのでそんなに体力が続かないのです。
このままでは不良さんに追いつかれて、捕まって、校舎裏に引きずられて、学校一の人気パン 焼きそばパンを買わされてしまうのです。
それは困るのです。市松はカレーパン派なので。







階段を駆け上がります。何処へ向かって逃げてるのかもう市松にもわからないのです。
目の前にドアが現れたです。ドアしかないです。行き止まりのようなのです。

「飛び込むですっ」

不良さんがすぐそこまで迫って来てたので、ドアを開けて飛び込みました。

episode6 壁(に)ドーンからの〜ピュ〜ン ( No.13 )
日時: 2017/01/19 09:18
名前: 雪姫 (ID: mkDNkcIb)



ギィィ。

びゅ〜〜〜う、ピューーーウ。

ドアを開けた先は屋上でした。もう春だというのにまだ風が冷たいのです。
風だけまだ冬なのです。おこたでぬくぬくしてたいのです。…ではなくて。

「逃げ場が…「やっと、追いついた」…ぁ」

ドンッ。

屋上の周りを囲うフェンスの所で立ち往生してると、不良さんに追いつかれてしまったようです。
不良さんは両手でフェンスを掴み、市松の逃げ道を奪います。
…嗚呼、これが壁ドンというものですか。確かにドキドキするでせう。恐怖で。

「なぁ…アンタ」

…嗚呼、不良さんの顔が近づいて来ます。市松もここまでです。
走馬灯のように、大好きなドラマ達が流れてくるです。嗚呼、今日は渡る世間は鬼しかいねー、コンチクショーがありましたのに。
見れないのですか。残念なのです。市松の人生は悔いだらけなのです。…来世に期待するでせう。

【こけしがいろんな意味で覚悟を決めたその時でした。救い?のヒーローが現れたのだ】

「こなたにナニするんじゃ、コノッ不良がぁぁぁ!!」
「………」

ひょっい。

【ヒーローの必殺 飛び蹴りは不良少年にかすりもせず、
 大きく外しフェンスがたまたま壊れてて出来た隙間から

「にゃに〜〜〜」

 ぴゅ〜〜〜ん。とヒーローは飛び去って(屋上から落ちて)行きました】









「……なんで避けるしっ」
「「………」」

数分後。ボロボロになったユーリさんが上がって来ました。

「ユーリさんが勝手に落ちて行っただけでは」
「…だな」
「しどいっ!こなたを助ける為に、体張ってがんばったのにー」
「そうなのですか。あのくらい市松一人でもなんとかできたのです。
 ありがた迷惑なのです」

ガーーーン。

「そんな…そんなコトって…ないよ…うぅ」

ユーリさんが屋上の隅で体操座りをしていじけてしまったです。本当にめんどくさい人なのです。

「狐、そんなに落ち込むな」
「うっるちゃいっ!そもそも、お前がこなたを追いかけ回したのが原因なんだぞ」
「…?」
「なぜに首かしげる!?」

不良さん、ユーリさんの事を「狐」って呼んだです?ユーリさんが狐の霊だってこと知ってたのでしょうか。
このことは市松だけが知っている事だと思ってましたのに…。むぅ。

「不良さんとユーリさんはお知り合いなのですか。
 もしかして不良さんも人間ではない…」
「不良さんじゃなくて…「そうそう。こいつ、狼男なんだぜっ」

狼男。
別名狼人間、人狼など呼ばれている。あの狼男ですか。
普段は人間として生活していて、満月やまん丸な物を見ると狼男に変身する。あの狼男ですか。

「俺は…」
「ならば…「しょうこを見せろでしょっ。ほらっカイト」
「…ん」

ユーリさんは話が早くて助かります。困る時の方が多いですが。
狼男さんは静かに深呼吸をしてブルブルと体を震わしますと…

「おぉ…これは…」

目の前には、二本足で立つ狼がいました。

「どうっすごいっしょ。ニホンオオカミだよ」

あのニホンオオカミですかっ。絶滅してもうこの日本にはいないとされる。

「…売ったら「売るな」あう」

怒られてしまったのです。
狼男を政府に売り飛ばせば、世界中のカレーパンが買えたですのに。残念なのです。

「…で。俺は「そういえばお二人はどんな関係なのですか」

狐と狼が知り合った経緯。気になります。
もしかしたら、ディ●ニーアニメであった狐と犬の友情物語が聞けるかもです。

「…あぁ。知り合いというか、腐れ縁」
「腐れ縁とゆーか、恋人?アモーレだよなっ」
「ッ!?」

ユーリさんの恋人!?恋人がいたのですかっ。
…あっ、いえ。そんなこと市松にとってはどうでもいいことなのでした。なぜ驚いてしまったのでしょう。

「お二人は恋人同士なのですね」
「そーそ。もしかしてこなたぁ〜やきもちぃ〜」

ニヤニヤ。

ユーリさんがいつも以上にうざいです。ここはハッキリと言ってフラグをへし折るのです。

「市松にヤキモチと言う感情はないのです。特にユーリさんに対しては」

ガーーン。

ユーリさんはまた深いどん底に落ちて行ったです。でもしょうがないのです。市松に恋愛フラグは必要ないのですから…。
そうです、恋愛フラグなんていらないのです。

「ま、政略結婚みたいなものだけどな」
「あっ馬鹿ッ!」
「え。どうゆうことなのです?」
「お互いにやれ身固めろだの、孫の顔を見せろだの、親や親戚連中がうるさい歳だからな」
「「………」」

お互いの利害が一致しただけの仮初の恋人同士だったのですか。仮面夫婦ですね。
なんだかちょっとほっとしたでせう。胸のモヤモヤがすっきりしたみたいな気持ちなのです。
そしてやはりカレー臭いあの人は…なのですね。ちゃんとつっこんでおくです。

「ユーリさんはやはり「そんなことないもんっ!オレはこなたと同い年だもっ、まだ若いもん」

【狐さんは永遠の乙女だそうです。年齢は乙女の秘密です】