コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- episode13 宿題はやらない派 ( No.25 )
- 日時: 2017/01/26 08:49
- 名前: 雪姫 (ID: nsrMA1ZX)
市松たちは縁側で星空を見上げてるです。
本日は雲が一切ないので、星がハッキリ見えて夜空が綺麗なのです。
チリーン。
やはり風鈴は良い音出すのです。あっ 流れ星。
「コラコラ。感じませんじゃないでしょ。どうすんの宿題!」
「ユーリさん。
この雄大な星空を眺めていると人間の小ささに気づきませんか?
自分たちの宿題(なやみ)なんて取るに足らないものだと」
あっ 夏の大三角形。
「わぁロマンチック〜。でもこなたは星空じゃなくて、問題集を眺めようね〜」
「大丈夫なのです。ユーリさん」
「ん?」
「市松は先生に怒られても動じません」
「開き直るなー!!」
どうやら市松とユーリさんは分かり合えない運命なようなのです。
ユーリさんは市松の肩を掴み
「諦めたらそこで夏休み終了なんだぞ!?」
カクカク。
上下左右に市松を揺らします。
頭がグラグラするのでせう。脳ミソがフリーズするのでせう。
「あばば…」
「狐。やりずぎ」
カイトさんがユーリさんの腕を掴みます。
ユーリさんが揺らすのをやめてくれました。でもまだカクカクグラグラするでせう。
「宿題くらいで大袈裟」
「はぁ!?」
「夏休み、永遠に続けばいいのに…」
「オマエもかっ!」
【狼さんもまた、夏休みの宿題をやらない派でした】
そうなのです、市松はカイトさんの意見を肯定しませう。大賛成なのです。
夏休みの宿題なんてやるだけ損なのです。
べつにやらなくても先生に怒られるだけで市松は平気なのです。
「も〜オマエらな…」
「ユーリさん先生。カレーパンが食べたいです」
「わかった。食べていいから宿題しよーな」
「はいなのです」
カレーパンという買収を受け、市松は嫌仕方なく夏休みの宿題と向き合うことにななりませう。
畳の上に丸いちゃぶ台を置きます。
イメージするなら野球アニメに出て来た頑固な親父さんがひっくり返したあのちゃぶ台なのです。
その上に鞄を置いて中身をぶちまけませう。
夏休みに入ってから一度も触らなかったのです。中身は夏休み初日のままなのです。
はむはむ。
「でも宿題はむずかしいのです。無理なのです」
「そんなこと言うなよー。手伝ってあげるから」
「じゃ、始めるよ」と言うユーリさんの言葉を合図に、夏休みの友(問題集)を開くです。
文字が沢山書いてあるのです。
うつら
「解らない所があったらすぐに聞」
うつら うつら。
カクン。
「すうすうzzzz」
【開始 三秒のことでした】
「お き ろ!」
「う〜ぬ〜」
せっかく気持ちよくうとうとしてたですのに、ユーリさんが市松の頬をぐい〜んと力いっぱい引っ張るせいで、目が覚めてしまったでせう。
「まぁまぁ狐。俺に良い策思いついた、から」
「あ?」
「おかっぱさん。宿題なんてしなくても大丈夫」
?
策なんてなくても市松は宿題をやらない派なので大丈夫なのですが…?
「古来より、木を隠すなら森の中と言う。俺の故郷の森でも言われてた」
「だからなんだよ?木と宿題はカンケイないでしょ」
「狐甘い。
呪詛の大天才、玉藻の前(たまものまえ)先輩に頼んで、生徒全員の宿題を忘れさせればいい。
そうすれば先生の怒りは分散されて、俺もおかっぱさんも安心!」
ビクン。
「「(悪霊め!!!)」」
カイトさんの怖すぎる意見は当然却下されました。
「駄目か?
あとは呪詛って学級閉鎖を起こすくらい?
他所の宿題を略奪とか…」
「全部却下だ!とゆーか、オマエが言ったらシャレにならん!
ジョーダンに聞こえねぇー」
「そんなっ」
ガーン!!
気づいてなかったのですか。
カイトさんは大きく膝から崩れ落ちました。
人間が持つ狼男のイメージアップのために人間界へ来たと言ってらしたのに、これじゃあ逆効果なのです。
イメージダウンなのです。
狼は知性が高い動物だと前にテレビでやっていなのですが、どうやらカイトさんのおつむは弱いようなのです。