コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- episode0 毛玉拾いました ( No.27 )
- 日時: 2017/01/27 11:50
- 名前: 雪姫 (ID: CWUfn4LZ)
夕暮れ
沢山の人であふれる商店街を黙々と歩く 家へ帰宅途中の少女が一人
商店街には様々な音があふれていました
店の主人の客寄せのダミ声
行き交う人々の話声
足音
そのどれにも耳を貸さず 少女は家路を目指す
そう
なぜなら今日は夕方から見たいドラマの再放送があるからだった
先週のラストでは
主人公とヒロインが両親の反対を押し切って
駆け落ちしようとなぜか崖へ行った際に
神の悪戯か 悪魔の欠伸か
神風がふぅ〜と吹き
ヒロインのスカートがふわっとめくれ上がる
めくれ上がったスカートの中身にに見とれていたアホ主人公は
ヒロインの強烈ビンタをもらい
崖から転落してしまったのだ
そこでドラマは終わり
少女は話の続きが気になってしょうがないのだ。
少女は速足で家路を目指す
【ここからは少女視点でどうぞ】
速足で帰ってるのは録画し忘れたからではないですよ?
ドラマはちゃんと抜かりなく録画済みなのです
でもリアルタイムで見るのと録画したのを見たのでは感動が
全然っ違うのですっ
例えるのならワカメとコンブくらい違うのですっ
だから一秒でも早く帰って……
「クゥ〜ン」
だから一秒でも早く帰らないといけないので……
「クゥ〜ン」
色々な雑音に混じって何処からか
弱弱しい動物の鳴き声のようなものが聞こえてくるのです
どこからでせう?
立ち止まり声の主を探してみるませう。
あっちからです
声が聞こえる方向に歩いて行くと
薄暗い路地裏に着いたのです
そして小さなダンボール箱が置いてありました
どうやらこの中から声がするみたいなのです
蓋が閉じてたので開けてみると 中には…
「クゥン」
カレーうどんを食べていたら汁が服に飛んで
慌てて拭いたけどシミが残った
あの色のふわふわの手乗りサイズの毛玉と
[可愛い猫です。拾って愛してください]
と書かれた紙が添えてありました
この物体が捨て猫なのですか?
と不思議に思いつつ毛玉をつんつんとつついてみますと
「クゥ!」
「わっ」
毛玉が飛びついて来ました
驚いて思わず、尻餅をついてしまいました
毛玉は甘えた声を出して体をこすりつけてます
どうやら懐かれてしまったようなのです
どうしませう
[ピンポーンパンポーン
五時です 五時をお知らせします
ピンポーンパンポーン]
あ アナウンスです
この商店街では時刻を流すアナウンスが流れるのです
それはおいといて です
ドラマの再放送は五時半からなのです
このままではドラマが始まってしまいます
見逃してしまうかもなのです
でも毛玉は市松にくっついたままです
どんなに引っ張っても離れてくれないのです
…こうなっては仕方ありません
ドラマ最優先なのです
毛玉の事は後回しにして ここまま帰りませう
「貴方の事はひとまず保留なのです」
「クゥ?」
立ち上がり
私は急いで寮へ帰りました
走って帰りました
息がぜえぜぇのはあはぁなのです
インドア派にダッシュはきついのです
これは寮にたどり着いたあとに気づいたことなのですが
どうやら市松はとんでもないものを拾ってきてしまったようなのでせう
道端に落ちている毛玉なんて拾う物じゃありませんね
-To be continued-