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　「うさぎ！」
「あっ美夢菜ちゃん」
「最近さ、湊の様子何かおかしくない？」
「…うん。」
少し前から蒼井君の様子がいつもと違う。話しかけただけで動揺したり、上の空だったり———…
「そういえば、うさぎって好きな人いるの？」
「ほぇ!?」
あたしはびっくりして持っていた物を落としてしまった。
「いっいないよ」
「なーんだせっかく可愛いんだから恋すればいいのに」
「そっそう言う美夢菜ちゃんはいるの？」
「いるよ」
「えっ誰！」
「ないしょ。あっじゃあね」
「あっうん」
…好きな人か。私には、まだ早いって思ってたけど、よく見るともうまわりは恋してるんだね。
————…帰り道私は、グラウンドをのぞいた。そこにはイケメンって噂の田中先輩や、同じクラスのいっちーこと一葉ちゃんがいた。もちろん蒼井君も。私が一葉ちゃんを見ていると、後ろから誰かが近づいて来た。振り返ると、蒼井君がいた。
「山川。俺だけを見とけよ」
そう言うと蒼井君はコーチに呼ばれて、行ってしまった。胸が、締め付けられるようなこの気持ち。今わかった、私は蒼井君が好きなんだ。