コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 亜麻髪のしにがみ
- 日時: 2010/01/31 21:12
- 名前: ダンプ (ID: YYcYgE9A)
クリックありがとうございます。ダンプです。
コメ遠慮なくどうぞ!
プロローグ↓
気が付いたら少女は死んでいました。
何故死んでしまったか少女は解りませんでした。
すると、そこに一匹の夜色をしたネコがやってきて言いました。
お前が持っているものを見ろ
少女は手元を見ました。
そこには大きな鎌がありました。そして、ネコは言いました。
お前はその鎌で人の命をここへ運ぶ…いや奪わなくてはいけない。
そう、少女は死神だったのです。
少女は思いました。
自分が誰なのかは解らないけど…今は与えられたことをしたら自分が誰なのか解るかもしれない…
少女は立ちあがりました。
そして、歩き出しました。亜麻色の髪を揺らして—
これは、ヒトヒラノ花ビラが散ルヨウニ…
ヒトヒラノ雪がトケテシマウヨウニ…
何処かやさしくて、何故かなつかしい…
死神になってしまった亜麻色の死神のモノガタリ
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- Re: 亜麻髪のしにがみ ( No.1 )
- 日時: 2010/01/31 22:29
- 名前: ダンプ (ID: YYcYgE9A)
『孤高のプライド』
あたしは幼い頃から気が強くて友達なんて一人もいなかった。
それでも、パパとママがいるならあたしの世界は暖かかった。
パパとママが居ればあたしは生きていられると思っていた。
だから、あたしの家が茜色に染まっていたのには意味が分からなかった。
あたしの家が燃えたのは2週間前。
あたしが学校から帰ってきた時だった。
家の中にはあたしの世界が燃えてしまっていた。
そして現在、あたしは独りになった。
あぁ…あたしはどうしたらいいの?
いつもどうり学校に行って、いとこの家に帰る。
パパとママが居た世界はもう…ない。
あぁ…もう死んでしまいたい…。
リン—。と鈴の音がした。
すると、あたしの目の前に亜麻色の長い髪に白のワンピース、赤色のブーツをはいた少女だった。
「あなた…死にたいの?」
少女は大人びた口調で聞いた。
「…誰?」
「あたし?あたしは死神」
「…死神?馬鹿言わないで!」
「本当の事なんだけどな?ユキ」
少女の隣に居た夜色のネコが言う。
「な、このネコ喋っている!?」
「何だよ?僕が喋るのがそんなにおかしいか?」
「おかしいわよ!」
あ…でも、ネコが喋るくらいだから死神も居るかもしれない…
「あたしはユキ。こっちは相棒のイヴ」
「よろしくな」
「あたしは柚木恵理奈…その死神さんが何のよう?」
「用件はさっき言ったでしょ?『あなた死にたいの?』っ
て?」
「…解らない。昨日死にたいって思ってたのに明日になる
と死にたいとは思わなくなって…」
すると少女は微笑んで、
「そう…なら、あなたは死なないわ。また会いましょ?」
「またって…あれ?」
少女は居なくなっていた。
「…ユキあの娘に会うのはまずかったんじゃないの?」
「でも、あの娘は生きなくちゃいけないと思うの」
「ホントお人よしだよね?でも、人の最期は決まっているんだよ?それを変える事だけはしちゃダメだからね?」
「…うん」
- Re: 亜麻髪のしにがみ ( No.2 )
- 日時: 2010/01/31 22:29
- 名前: ダンプ (ID: YYcYgE9A)
『孤高のプライド』
あたし—柚木恵理奈の前に現れたのは小学生ぐらいの幼い死神だった。
死神は言った。「あなた…死にたいの?」
「あなたは死なないわ」…と
意味が解らない—。少女が本当に死神なのかも…
でも、少女の手元には大きな鎌があった。
それが、少女が死神という証拠と思った。
死神に逢った翌日の事、転校生がやってきた。
「小柳和歌です。よろしくお願いします」
和歌はにこっと微笑んだ。
彼女はあたしと反対で人懐っこくってすぐにクラスの輪に馴染んでいた。
…いいな。なんてちょっとは思うけどあたしはあの娘みたいな性格じゃないし…
一生関らないタイプだろうな。と思っていたのに…
「柚木さんって何で喋らないの?」
「え…?」
関らないと思っていたのに何で関ってんの!?
「あ、あたし小柳和歌って言うの」
「いや、知っているけど…小柳だっけ?あたしと一緒にいていいの?」
「何で?あたしは皆と仲良くしたいもん」
あ…こういう性格なんだ。ちょっと苦手だな…
それから、小柳は何度も話しかけてきた。
あたしは何度も冷たく対応した。
小柳の事は嫌いじゃないけど小柳と一緒にいるとなんか不安になる。
居なくなってしまうのではないか…とか思ってしまう。
そして今日も—
「柚木ちゃんおはよっ♪」
小柳は微笑むけどあたしはスルーする。
何で…あたしなんかに関わるのよ…?
一方、小柳は困っていた。
どうしたら柚木ちゃんと仲良くなれるんだろう?
そんな事を考えている時だった。
クラスメートの女子達がやって来た。
「和歌、もういいじゃん。あんな奴ほっときなよ?」
「いやだよ!あたし皆と仲良くなりたいの」
「あぁ…もう、あんたを見ているとムカツクんだよね?」
「え?」
小柳は耳を疑った。
「今…何て?」
「だからぁ、あんたムカツクって言ってんの。というか皆あんたの事が嫌いなの」
「皆…?結っちゃんも実夏も…?」
小柳は特に仲が良かった二人を見た。
二人は顔をそらした。
それからだった。小柳がいじめの対象になったのは—。
あたしは最初、気付いてなかった。
また、ふざけあってるな…。しか思ってなかった。
でも、小柳の机や持ち物に「しね」とか書かれている時に気付いた。
まさか小柳が—?
それでも、小柳は毎日毎日あたしに話しかけてきた。
痛かった…そんな小柳を見るのが…。
放課後、教室の中にいるのはあたしだけ…
リン—。
鈴の音がしたような気がした。
「また、逢えたね」
ふりかえるとあの死神の少女がいた。
「…今日は隠さないんだ。その鎌?」
「まぁね、今日は運んだから」
「そうなんだ…何しに来たの?」
「あなたは死ぬことになる」
「え?この前は死なないって言ってたじゃない?」
「この前はね…でも今は違う。だから…精一杯頑張って」
?意味が分からない。でも少女の目は全てを語っているような気がした。
リン—。
鈴の音がした。少女は居なくなっていた。
その翌日の事だった。
- Re: 亜麻髪のしにがみ ( No.3 )
- 日時: 2010/01/31 22:30
- 名前: ダンプ (ID: YYcYgE9A)
『孤高のプライド』
朝、小柳はいつも「柚木ちゃんおはよ♪」と言う。
それは小柳がいじめられていた時でも言っていた。
でも今日は小柳は何も言っていなかった。
今日は珍しく小柳はイジメにあっていなかった。
そして、あたしに話しかける事もなかった。
なんか、胸騒ぎがした。
5時間目、小柳はいない。小柳が授業をサボった事もなかった。
なんか変な感じがした。
あの死神と居る時みたいな変な感じがした。
「あなたは何をしているの?」
耳元で誰かの声がした。そこには死神がいた。
「何でここに?」
「お前が死んでいるかの確認だ。つーかお前白い目で見られているぞ?」
「えっ?」
クラスメートがあたしの事を白い目で見てた。
「あ、何もないです」
クラスメートは黒板の方を見る。
「あなた…何をしているの?」
「何って…」
「…それが解らなかったら、あなたは救えない。でも今なら間に合うわ」
「救えない?」
あたしが問いかけるときには少女は消えていた。
救えない…?自分の命を?
死神は言った。「あなたは何をしているの?」と
「今なら間に合うわ」
あぁ…わかんない。あたしはふと窓を見た。
「え?小柳?」
あたしは目を疑った。
窓の向こうには小柳が屋上から飛び降りようと靴を脱いでいるところだった。
あたしは授業中だけど教室を飛出した。
「あなたは死ぬ事になる」「だから…精一杯頑張って」
「あなたは何をしているの?」「今なら間に合うわ」
死神が言った言葉全部小柳のことを言ってたんだ。
「小柳は死ぬ事になる」「だから…精一杯頑張って」
「あなたは何をしているの?」「今なら小柳を救える」
あの死神は小柳を助けれるのはあたししかいない事を知っていたんだ。
バタン—。屋上の扉が開く。
その向こうに小柳が居た。
「小柳!」
「…柚木ちゃん」
あたしは小柳に近づいた。
「来ないで!」
あたしは小柳の方へ足を運ぶ。
「来ないでって言ってるでしょ!?」
小柳まで3m、2m、1m…0m
「…柚木ちゃん…何で?」
「小柳、死にたいの?」
屋上に冷たい風が吹く。
「死にたいよ…」
「…本当に?もしかしたら今日死にたいって思っていたけど明日生きたいって思わない?」
「…わかんない。あたしはただ皆と仲良く…友達になりたかっただけなんだよ!?」
「小柳…」
小柳は裏切られたんだ。友達と思っていた人に…。
「あたしには、学校しかなかったの!だから死ぬの!」
小柳は飛び降りた。
「小柳!」あたしは小柳の手をつかんだ。
そのおかげで小柳は落ちなかった。
「何で?離してよ!あたし死ぬんだから!」
「わっ!ちょっとそんなに揺らしたらまたおちっ—」
落ちた。
小柳もあたしも…脳裏に蘇ったのはあの茜色に染まった家
パパ、ママ…あたし今になって小柳があたしにとってどんな存在かわかった。
「柚木ちゃん!柚木ちゃん!」
ん?あれ?死んでなかった?
「小柳…?」
あたしの顔の前に泣きじゃくってる小柳の顔があった。
「柚木ちゃん!死なないで…」
「いや、死んでないみたい」
心電図や点滴とかある…病院みたい…
「柚木ちゃん!あたっあたっあたし……ごめんなさい」
「別にいいし、小柳もあたしも生きているから」
「…柚木ちゃん。何であたしなんか…」
「小柳とあたし友達じゃないの?」
「…柚木ちゃん。ごめんなぁさい」
小柳は泣きじゃくりながらあたしに抱きついた。
「ちょっと痛いって!もうしょうがないな…和歌は」
退院後—
「あのさ、和歌…何であたしだけ重症なの?」
車椅子に乗っている少女が聞く。
すると車椅子を押している少女があぁとうなずく。
「あたしは落ち葉の上おちたんだけど恵理奈は木の上に落ちたらしいよ?」
「何それって…まぁ、いいか」
二人の少女は笑う。
その二人を木の上から見ている亜麻色の髪をした少女がいる。
その少女の肩に座っている夜色の猫が言った。
「ユキ、本当はあの娘あのまま落ちて死んじゃってたのに…」
「あたしは何もしてないよ。ただあの娘と喋っていただけだよ」
「あーもう…知らないから」
「ほら、もう帰るよイヴ?」
「ハイハイ。分かりましたー」
リン—と鈴の音がした。
- Re: 亜麻髪のしにがみ ( No.4 )
- 日時: 2010/02/01 20:00
- 名前: ダンプ (ID: YYcYgE9A)
こんにちわ、ダンプです!
ヒトヒラノ…はこんな感じに短編集でやっていくつもりです。
ま、そういうことでよろしくお願いします♪
2話目のプロローグ↓
お前はいつもいつも阿呆みたいに笑いやがって…
お前がそんな目に逢ったのは俺のせいなんだぞ—
俺と逢わなかったらお前は今頃…
幸せに生きていたのに—。
- Re: 亜麻髪のしにがみ ( No.5 )
- 日時: 2010/01/31 22:31
- 名前: ダンプ (ID: YYcYgE9A)
「淡い紫のネックレス」
お前はいつもいつも阿呆みたいに笑っていた。
阿呆みたいに人懐っこくて…阿呆みたいに俺のことをいつもいつも「大好き」って言ってやがった。
そんなお前が何で死なないといけねぇんだ。
それは、いつもどうり一緒に帰って居る時だった。
俺—鈴谷健吾(すずや けんご)は
このいつもおっとり…いや天然バカ幼なじみ渡辺葵といつもどうり帰っている。
「ケンちゃん、あのね今日ね…でね…なの…すごいでしょ?」
「おいおい、葵あんまり早く喋るな。全然わかんねぇから」
「あ、うん。ゴメンネ」
葵とはお隣さんで幼なじみ。クラスのヤツラに「怖い」と思われているらしいけど葵だけは俺を怖がる事がなかった。
「…ケンちゃん、大好き!」
葵は俺の腕に抱きついた。
「………」
「…ケンちゃんさようなら」
「?葵?」
葵は俺の腕から離れるように地面に倒れた。
「葵!?どうしたんだ!?」
俺は葵を抱き上げる。葵の顔は真っ青に染まっていた。
「どうしたんだ!?今病院に連れていくからな!」
「それは、無理よ」声と同時に鈴の音がした。
俺の前に現れたのは亜麻色の髪をして白のワンピースに紅いブーツをはいて手には大きな鎌。少女の身体には大きすぎる鎌だった。
「それはどう言う意味だ?」
「言った通りよ。その娘は死んだわ」
凛とした口調で言う。
「何言ってんだ!お前そんなこと言ってんなら手伝えよ!」
「お前じゃない、ユキって呼んでよね?」
「なぁ、そろそろ運ぼうよ?」
ネコが喋った!
「な、何だそのネコ!」
少年の驚きにはスルーで少女は鎌を葵の身体の上に円を描いた。
「何して—!」
描いた後、葵の身体から葵が出てきた。
それは健吾のほうをじっと見つめ消えた。
「今のは…」
「あの娘を天上に送ったの」
少年は不可思議な少女の方を見た。
「お前は一体…?」
「あたしは死神。後はよろしくキミ」
リン—。少女は消えた。
その後、葵は死んだ。俺のせいだ。
何で、あんなイイ奴があんな目にあわねぇといけねぇんだ?
「健吾くん、最期に葵に話してくれないかしら」
「はい…」
俺の前に葵の身体がある。
俺は腰をかけ、呟いた。
「お前は昔から人懐こくって阿呆みたいに笑いやがって…何でお前は俺と一緒にいたんだよ。少しは頼れよ。心臓が悪いなんて知らないぞ…」
「あの娘はそれを望んだの」また、声と同時に鈴の音がした。
「死神…何しに来た?」
「あの娘がね、キミの事が心配で天上に行けないの」
「葵が…?」
「そう…で、あたしが伝言しようかって言っていたけれど彼女は自分で言いたいって言ったから連れてきたの」
「どう言う意味だ…?」
「こういう事よ」死神は持っていた鳥かごに入っていた白いモノを葵の中に入れた。
「…ん?」
「葵!?」健吾は死神を見た。
「十分だけ魂を戻したわ。じゃ、お話をどうぞ」
少女は消えた。
「…ケンちゃんごめんね」
「いや、葵も大変だったな…急に死んで…」
「ううん、あたしは知っていたの」
「え?」
「1週間前、ユキちゃんにあなたは1週間後死んでしまうって、持病の心臓病で死ぬって知っていたの」
「…」
「だから、最期の1週間は大好きな人と一緒に居たかったの」
「葵…お前…」
「ケンちゃん、あたし本当にケンちゃんのこと大好きだったの」
「葵、俺も本当は葵の事…」言いかけた唇、葵は人差し指で俺の唇の動きを止めた。
「知ってる。ケンちゃんもあたしの事大好きなんでしょ?」
すると、葵は俺の頬にキスをした。
そして、
「もう逝かなくちゃ」
葵はゆっくり眼を閉じた。しばらくすると葵の中から白い何かがでてきて、死神が持っていた鳥かごの中に入った。
「話は出来た?」
「あぁ」
死神は微笑み「そう…それは良かったわね。じゃあ、さようなら」
「あ!待て」
「?」
少年はポケットの中から何かを取り出した。
それは淡い紫のネックレスだった。
「これ…あいつの誕生日にあげようと思ってたんだけど…」
「分かった。渡しておくわ」
リン—。少女は消えて居なくなった。
健吾は葵の身体にありがとうなっと呟いた。
ケンちゃんにしてはこのネックレス、センスいいね。—
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