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白雪姫はりんご嫌い / 短編
日時: 2011/03/28 16:52
名前: はるた ◆On3a/2Di9o (ID: VmcrDO2v)

挨拶 >>359

真っ赤な林檎もまだ緑色の林檎も、あたしは大嫌いです。だから毒林檎を齧って王子様を待つだなんて、到底無理なのです。
ねぇ意地悪な魔法使いさん。どうやったら王子様は会いに来てくれるのでしょうか?

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こんにちは、七海(元はるた)です。
この小説は短編集となります(^p^)
恋愛物が多いですが、糖分はかなり少なめです。甘々イチャイチャは無いと思います……そして鬱物や死ネタもあるので注意です。
それでは宜しくお願いします(´^ω^`)

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 白雪姫はりんご嫌い|目次

閲覧注意……★

 |短編

>>001 壊れかけた感情を、君へとぶつける ★
>>002 彼女は消える ★
>>003 甘酸っぱい恋、それはあたしとは無縁
>>004 赤く染まる世界★
>>013 プリーズ コール マイネーム!
>>016 僕の中に、君をしまう ★
>>017 花柄ワンピース
>>020 彼女依存症
>>024 愛してるを呟く僕は 解説>>025
>>032 Little magic
>>035 大嫌いなヒロイン
>>049 永遠の眠り姫にキスを ★
>>055 一部の落書き
>>057 壊れかけのロミオ ★
>>058 前野さんとあたしと嫉妬
>>059 夏休み
>>064 愛された事実
>>066 あなたとの距離
>>071 相思相愛ラバーズ!
>>074 壊れたロミオとジュリエット ★
>>085 寂しい背中
>>086 愛した君
>>091 怖いくらい君の名を呼ぶ
>>094 向日葵とシロツメクサ
>>103 嫌われ者プリンセス!
>>113 暑い夏とプール
>>114 絶望コーリング! ★
>>119 虫食いハート
>>124 嘘つき彼女★
>>125 レイニーサンデイ
>>129 自問自答
>>138 弱虫シンデレラ
>>142 我侭姫の憂鬱
>>146 涙色サンセット
>>147 曖昧だけど確かなこと
>>164 I need you ★
>>176 午後は甘い匂い
>>179 ある夏の日のこと
>>187 うさぎな彼女
>>194 先生
>>206 白いライン
>>214 恋愛摩擦
>>226 ぼやける
>>230 サマーホリデイ
>>232 塩素アレルギー
>>238 サマーバケーション!
>>242 境界線を越えられない
>>247 スターダスト
>>251 夢の中の自分
>>253 毒吐きガール
>>257 大嫌い
>>262 花火を知らない君
>>265 私の愛の表現の仕方 ★
>>280 大嫌いな理科の授業
>>283 ジレンマ
>>289 時よ止まれ!
>>290 高校受験
>>294 切れないと思っていた赤い糸
>>297 最後の部活
>>298 ミステイク
>>303 夏ときみ
>>306 嫌いになれない彼
>>309 涙の味
>>312 きらきら光る夜空の星
>>313 愛さなくていいのに
>>316 タイミング
>>320 募る想いに反比例する
>>321 君のいない世界
>>340 永遠に捉えられない言葉
>>353 知らない顔
>>354 嘘を重ねる自分
>>360 世界から消えた君
>>366 アナタとアタシの世界
>>367 失恋
>>370 それは酷く難しいこと
>>382 シューティングスター
>>391 空虚な恋心

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 |中編

1/3 >>104 2/3 >>109 3/3 >>116 泡沫サイダー
1/2>>218 2/2>>223 金魚とわたし
1/3 >>267 2/3 >>269 3/3 >>276 ラムネ瓶の中の世界
1/3 >>327 2/3 >>331 3/3 >>336 大嫌いな好きな人
1/3 >>374 2/3 >>378 3/3 >>381 心中ディスティニー

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 |メモ(※無断使用厳禁です)

>>63 >>67 >>130 >>254 >>291 >>315

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 |お題(使用等ご自由にどうぞ!※自作発言は禁止です)

:失恋でお題5個 >>266
:少し暗い恋で五題 >>284
:おとぎ話のような恋で五題 >>299

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 |お客様

:ゆえさま :凛さま :かおり、さま :ゆっきー★さま :金平糖さま :ちかさま :tapiさま :あさ子さま :空色さま
:美純さま :仁菜さま :春透さま :彩愛さま :peachさま :亜里抄さま :真凛さま

 |お題を提供して下さった方

:紫雲さん(白いライン「青春恋愛」)
:譲羽さん(金魚とわたし「抱き枕」「梅雨」「金魚」)
:金平糖さん(塩素アレルギー「日に焼けてない部分」「スクール水着の形に日焼け」「塩素アレルギー」)
:KEIさん(境界線を越えられない「宿敵なのになぜか憎めない」)
:あさ子さん(毒吐きガール「鋭利な彼女の言葉」)
:明華さん(花火を知らない君「花火大会に行ったことがない女の子」)
:るりぃさん(私の愛の表現の仕方「愛ト狂気ノ狭間デ」)
:郷里さん(大嫌いな理科の授業「君を好きすぎて」)
:桜子さん(ジレンマ「好きな人が二人いる」「幼馴染」)
:まちさん(時よ止まれ!「二人乗り」)
:tapiさん(ミステイク「恋の駆け引き+募る思いに反比例する」)
:ちかさん(嫌いになれない彼「野球部の男の子に恋する女の子の、とびっきり切ない話)
:金平糖さん(愛さなくていいのに「気持ちも嬉しくない」「依存」)
:仁菜さん(タイミング「中学生の友情関係」)
:peachさん(大嫌いな好きな人「ずっと待ってた」「他の女の子といるなんて」)
:KEIさん(知らない顔「仮面の科学者」)

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 June,20th Start

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Re: 白雪姫はりんご嫌い ( No.265 )
日時: 2010/07/27 14:39
名前: 七海 ◆On3a/2Di9o (ID: L0k8GmDX)


 いつも通学に使っている道は夕方にもなると夏でもかなり暗く、人通りもかなり少ない。家も数える程度しかなく、しかもいつも明かりが消えている。多分空き家なんだろうな。それから空き地がやけに多い。買い手がつかないのだろうか? 知らないけれど。
そんな気味の悪い道を通っているのは、俺の通っている高校へかなり近道だからだ。そりゃ朝は睡眠時間というものを少しでも増やしたいし、放課後はとっとと家に帰りたいし近い道の方が都合が良い。

 だけど、こんなことに遭遇するなんて考えたことも無かった。
 五メートルくらい離れた先に真っ黒な髪を胸元あたりまでのばし、真っ黒なセーラー服に身をつつんだ肌の白い美少女が微笑を浮かべて立っている。うわ、靴下とローファーまで真っ黒だと驚いている場合じゃない。

 その少女の手にはナイフが握られていた。

 暗いこの道でもどこかからの光をうけ、光るナイフの切っ先。少女はそれを俺に向けてニコリと笑う。
「初めまして、あたしはあなたのことを殺しに来ました」
 爽やかな声調でそう言うと、いっきに走り出しナイフを俺につきさそうと向かってくる。「うわっ!」間一髪それをよけ、距離を取ると少女は尚も笑いながら美しい顔をこちらへ向ける。
「一目ぼれだって言ったら、信じてくれますか?」
 少女はそう言い体制を直してナイフを俺に再度向ける。恐怖よりも疑問が脳内を埋め尽くしていく。一目ぼれ? 意味がわからない。悪いけど、この少女のことを俺は知らないし出会ったことも無い。
「いつもこの道を通るあなたを、あたしはあの空き家からずっと見てたんですよ」
 そう言って少女は一軒の空き家を指差す。ボロボロで本当に人が住んでいたのか不思議に思えるほどだ。
「あーあたし好きだなぁと思って、どうやったらこの愛をあなたに伝えられるのかなぁと思って。普通に告白するんじゃきっとあなたはあたしのこと意識してくれないなぁと思って。だから殺そうかなって。殺せば一生一緒にいられるし、他の女も寄り付かないですもんね。だから」
 饒舌を振るいながら少女は笑顔を絶やさない。本当、見た目だけは凄く可愛いなとか呑気に考えてる場合じゃないことは痛いほど分かってるのに。

「あたしの、愛の表現の仕方がすこし人とは違ってた、それだけのことです」
 そう言いながら少女は俺に向かって走ってくる。自分でもよく分からない声をあげながら避けようとするけど、一瞬遅く。

 わき腹に鋭いような、だけどすこし鈍いような痛みを感じる。じわじわ、血が流れ出ていく感触。腹を伝って、下半身へと伸びていく血の筋。
「だーいすき、です本当に」
 少女の甘い声を聞きながら、視界がフェードアウトしていって、もう何も分からなくなった。

(私の愛の表現の仕方)

お題提供:るりぃさん「愛ト狂気ノ狭間デ」

Re: 白雪姫はりんご嫌い ( No.266 )
日時: 2010/07/27 18:14
名前: 七海 ◆On3a/2Di9o (ID: L0k8GmDX)


:失恋でお題5個

・切れないと思っていた赤い糸
・募る思いに反比例する
・失われた温もり
・涙の味
・消えた唇の感触

暇だったから作ってみた^p^
いつか使おう……ということでメモメモ。
私も使いますが、使い方いたらどぞご自由に^o^
報告無くてもいいですが、していただいたら小説覗きにいきます^p^

Re: 白雪姫はりんご嫌い ( No.267 )
日時: 2010/07/28 15:22
名前: 七海 ◆On3a/2Di9o (ID: L0k8GmDX)


 そのとき俺は確か小学校五年生で、宿題なんて存在を忘れて夏休みを満喫していた。毎日六時に起きて近くの公園に行きラジオ体操をするのが日課。そしてそれが終わったあと、家で兄とゲームをやりながら昼になるのを待つ。そして昼になると外へ出て蝉取りをしてみたり、近所の友達を集めてキックベースやハンドベースをしてみたり色々することはたくさんあった。思えばあの頃が一番楽しくて、何と言うか、夏らしさを感じてたんだろうな。
 その日も俺は時計の針が一時を指した頃、家を飛び出して公園へと向かった。公園に行けば大抵友達の一人や二人はそこに居るはずなのだ。だけど公園の入り口の門を通ったところで、公園内に知ってる友達の姿は見受けられなかった。何だ、皆いないのか……つまらないやと溜息をつき、仕方が無いので誰かを待ってようとベンチに座ったときだった。

 一言でいうなら、線の細い美少女。同じ年くらいだと思うけど、少し大人びた表情で物憂げな大きな瞳が目立つ。小さな頭にかぶった麦藁帽子が凄く似合っていて、そして日に焼けていない肌が眩しいほど白い。肩甲骨あたりまで伸ばした色素の薄い髪は風に靡いて、サラサラと音が聞こえてきそうだ。そんな女の子がいつの間に、俺の隣に座っていた。「うわっ!」驚きのあまり、失礼極まりない声をあげてしまったが、女の子は大して気にしてない様子で俺を見る。それは無表情で、少しも感情が感じ取れなかった。
「ご、ごめん」
 慌てて謝ると女の子は少し首を傾げ「別に気にしてないわ」と細く、だけど美しい声で呟いた。実はこの女の子は俺と同じくらいに見えるだけで、大人なんじゃないか? と思わせるような声調だった。それにしても自慢じゃないが俺はこの公園にかなり入り浸っているけど、こんな女の子見たことが無い。夏休みということもあり、親戚の家に遊びに来ているのだろうか? 不思議に思い、
「家とかってどこらへん?」
 と訊ねると、女の子は
「あたしの家はこの町には無いわ。今は従兄弟の家に遊びに来てるの。従兄弟の家も、ここからはかなり遠いのよ」
 と変わらない表情のまま、淡々と言った。
「へ、へー……そうなんだ」
 と馬鹿みたいな相槌をうつと「そうよ」と女の子は遠くを見るような目をして言った。

 昼時ということもあり、日差しが痛いほどささる。滑り台やブランコのもち手など、金属の部分は火傷するんじゃないかというくらい熱くなるのだ。

 そんな中、俺と女の子の夏休みが始まった。

(ラムネ瓶の中の世界)1/3

Re: 白雪姫はりんご嫌い ( No.268 )
日時: 2010/07/28 15:40
名前: 七海 ◆On3a/2Di9o (ID: L0k8GmDX)


 >>0を少し変更しました!

Re: 白雪姫はりんご嫌い ( No.269 )
日時: 2010/07/28 18:56
名前: 七海 ◆On3a/2Di9o (ID: L0k8GmDX)


 ジージーと蝉が何かを主張するみたく鳴いている。俺は気まずさのあまり、視線をあちらこちらへと動かしてその場を凌いでいた。この女の子と話が続く気がしない……早く誰か来いよ、皆何やってんだよ……と心の中でぶつぶつと文句をたれる。当時の俺は気づいてなかったが、その日は学校でプール課外があり、友達は皆そっちへ行ってしまったのだった。俺は夏休み前の先生の話なんてちっとも聞かなかったため、こんなことになってしまっていたのだ。そんなことは露知らず、誰か来ないかなと願ってると「ねぇ」と隣の女の子が声をあげた。
「何?」
 慌てて聞き返すとその女の子はじいっと俺を見て
「今日一日しかこの町に来られないから、思い出が作りたいの」
 と呟くように言った。その声は感情が含まれてない淡々としたものだったんだろうけど、俺には凄く寂しそうに聞こえて、
「分かった」
 と言ってしまったのだった。

 公園にたってる時計はもう一時半を過ぎていて、家を出てからもう三十分もたったんだと実感した。
じゃあ蝉取りしようぜ! とか女の子にさせる遊びじゃないだろって突っ込まれそうな馬鹿な発言に、その女の子は「うん、楽しそうね」と呟いた。多分真意じゃないと思う。
「あ……っと、ところで名前は?」
 忘れていたことを女の子に聞くと、首を傾げて俺を見つめながら、
「ひいらぎ、みちる。木に冬でひいらぎ、みちるはカタカナ」
 と言った。柊ミチル。何か不思議な雰囲気のする名前だった。
「俺は白井翼。俺はミチルって呼ぶから、翼って呼んでくれて構わないから」
 当時俺はかなり男女関係なく仲良くできるタイプで、女子のことを下の名前で呼ぶことなんて普通に出来ていた。中学に入り、思春期に差し掛かってからはなんとなく恥ずかしくなり出来なくなったのだが。
「つ、ばさ」
 片言なミチルの呼び方に、思わず笑ってしまう。そしてその細い手をつかみ、
「公園のアスレチックの下に虫取り網とカゴ隠してあるんだ! 取りに行こうぜ!」
 そう言うとミチルは何も言わず、俺に手を引かれながら駆け出した。色素の薄い髪がゆらゆらと揺れる。あ、綺麗だなとか幼いながら思っていた。

 アスレチックの下に隠しておいた虫取り網とカゴを二個ずつとり、ミチルに渡す。小柄でいかにも大切に育てられましたという雰囲気を醸し出しているミチルには不釣合いなそれを、珍しいものでも見るような目で見ている。
「蝉なんて結構そこらにいるから! ジージー鳴いてるだろ?」
 そう言うとミチルは「うん」と頷いてぎゅっと虫取り網のもち手を握る。本当白いな、とか思いながら俺はミチルの細い腕に目を奪われた。

(ラムネ瓶の中の世界)2/3


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