コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 青春ライン*テスト勉強?ダリィだけだろ… 13話UP!
- 日時: 2010/08/03 21:10
- 名前: 梓 ◆hRE1afB20E (ID: 8I/v6BBu)
初めまして、こんばんは!
クリック感謝です^^
*
改めまして、梓と言います。
違う名前で雑談板とか巡回します←
小説は初めてですが、完結目指して頑張りますb
よろしくお願いします!
*注意*
・更新は 月〜金…不定期
土・日…どちらかに更新
・誤字脱字の出現率は高((黙
・主人公は不良の男子です
・オリキャラは近いうちに募集
・この小説のジャンルはラブコメ。たぶんコメディ重視
以上です!
*プロローグ*
人が変わっていくとか、環境が変わっていくとか、正直どうでもよかった。
別に周りが変わっても、別に俺にとっては些細な事。
ツルむ仲間がいたらそれでいい、今を過ごせたらとりあえずそれでいい。
だから自分は変わらなかった。
どんな目を向けられようが、どんなに非難されようが、俺は俺のままでいた。
そう信じて生きてきた。
———しかし、時というのは…こんな俺さえ、いつの間にか変えてしまっていた。
いつの間にか「不良」なんかと呼ばれて、怖がられる存在になっていた。
でも、それでも変わる気はない。
友人は、いてもいなくてもどっちでもいい。
ツルむ仲間くらいは欲しいが、深入りしてくるツレはいらない。
自由気まま。
高校も、そんな生活を望んでいた。
適当に過ごせたらそれでいい。
…中学の頃は、よく暴れ回ったりもした。
授業もさぼったり、やりたい放題。
自由気ままは俺の信条。
一生変わる気はない。
————そう、思っていたはずなのに、やはり時は人を変えてしまう。
この高校に入って俺は、いい意味でも、悪い意味でも変わった気がする。
でもまぁ、それも…今では悪くない。
*目次*
キャスト >>1 キャスト(オリ)>>8
オリキャラ用紙>>5
一章「長い一日」
1話 >>2
2話 >>3
3話 >>17
4話 >>21
5話 >>26
6話 >>29
7話 >>32
8話 >>38
9話 >>39
10話 >>42>>43
11話 >>44
12話 >>45
- Re: 青春ライン*おい…喧嘩で鬱憤晴らさせろ!! 8話UP ( No.39 )
- 日時: 2010/07/23 21:34
- 名前: 梓 ◆hRE1afB20E (ID: 8I/v6BBu)
9話
「……え?あの紅髪の人の怪我の具合…ですか?」
再び保健室、そこには私、葵、斎藤、翠憐と董と名乗る二人組という面子がいた。
状況把握がイマイチできぬまま、私は葵ちゃんや翠憐ちゃんの一方的に質問攻めされていた。
斎藤君は何かと私の側にいるけど…何かと口説いてくるし…。
私はそう思いながら苦笑した。
そして董君はというと、葵ちゃんと翠憐ちゃんの暴走の中和役(?)を務めていた。
「——そうそう、イガグリ君の足の具合!まぁボクはイガグリ君に会うだけでいいんだけど————」
私の返事を聞くと、翠憐ちゃんは身を乗り出しながらそう言い、
チラリと葵ちゃんの方を見た。
「…はい、私が少しその東城君の足の具合が気になって…。
あ、東城 渚って言うんですけど、怪我してるのに学校から逃げちゃって…」
…“東城 渚”
あの人…そういう名前だったんだ。
最初葵ちゃんと会った時、そう言えば葵ちゃんが口にしていた名前だった。
「あのアホは何を…
よく入学式早々大胆な事やりよるなぁ、完全先生共に目ぇつけたな」
斎藤君はと言うと、そう笑って話を聞いていた。
「もう…翠憐と葵ちゃんが追い回すから…;
…まぁ理由はともあれ、その東城君の行き先が気になる所だね」
「————あ、それなんですけど」
と、董君の言葉に葵ちゃんが反応した。
「東城君の居場所分ったんです!ただ——————」
しかし、そこまで言うと葵ちゃんの表情が急に暗くなり、
苦笑いしながら葵ちゃんはこう言葉を絞り出した。
「——ただ…東城君の怪我が酷くなるかもしれない…です……」
*
「ぅ……っ…!」
そう苦悶の声を上げているのは、紛れもない俺だった。
相手の顔面に蹴りをぶち込んだ所まではよかった。
だが、その衝撃に耐えきれず————足が折れた。
頭に血が上って、捻挫している事をすっかり忘れてしまった結果がこれだ。
俺はとっさにしゃがみこみ、足を押えた。
俺とした事が…、ずっと蹴りで喧嘩してきたからか…
相手はと言うと…俺が完全に動けなくなった事をいい事に、
俺の頭を蹴り、思い切り踏みつけた。
「!」
バランスを崩し俺の頭は道にぶつけられただ、ソイツは尚も俺の頭に圧力をかける。
『くっ…
…調子乗んなよコイツ等………!』
———プツッ
俺はそこで、頭の中が真っ白になった。
思考停止状態。
足から急激に痛みが引いてゆく。
訳も分らないうちに体が勝手に動き、いつの間にか相手の足を押しのけ体勢を整えると、
今までに出した事のない勢いで相手の顔面を潰す勢いで殴りかかっていた。
「ぶっ……!」
相手はとっさの事でよけきれず、その餌食になった。
———ズキッ
と、そこでまた徐々に足の痛みが甦ってきた。
『————と、危ねぇ…。もうちょいでキレるとこだった…』
俺はその痛みを感じると、少し安心した。
…もしキレてたら、騒ぎが大きくなって———最悪、入学早々停学になるところだった。
実際…一瞬キレたが、まぁセーフ…という事にしておこう。
しかし、相手のほうはというと…
「この餓鬼が…!調子に乗りやがってぇえええっ!」
と、ブチ切れ、真正面から猛烈なパンチをくりだした。
『———…、
あー、無理だ。よける体力残ってねぇ…』
だが、俺は心の中でやけに冷静にそう思った。
足怪我して、追い回されて、歩かされ、そして喧嘩。
もう体力など残っている筈もない。
しかも、足の痛みのせいで足は動かないし…避けれるわけがない。
俺は、殴られる事を覚悟した。
———しかし、それはその時だった。
「…見つけたぜぇ…」
その声は、低くあまり大きなものではなかったはずなのに、
やけにその声は大きく聞こえた。
「————?」
俺とその集団は、一斉にのこ声のした方向を向いた。
そこには、背の高い少しクセのある黒髪のオールバックの男が立っていた。
そして、荒々しい形相でこちらを睨み、恐ろしいと言ってもいいほどの笑みを浮かべていた。
「手間ァかけさせやがって…流石にイライラしてんだけどよぉ」
男はそう言いながら、ゆっくりと距離を詰めてくる。
…俺の事、か?
俺は背中に寒気を走らせながら、ゴクリと唾を呑んだ。
葵の知り合いか?じゃないと、こんな男が俺を探すはずもない。
つーかこの男…絶対ヤバい。
見たら分る、この男は危険だ。
逃げろ、じゃないと本気で殺させる気がする。
…そんな感じだ。
「大体よー、テメェが悪ぃんだろ?なのに何で逃げんだ」
…いや、それは俺は悪くねぇよ。あいつ等がしつけぇから…
心の中でそう思った。
が、その瞬間、その男は俺の緊張感をフッ飛ばす発言をした。
「テメェが喧嘩フッかけて来たんだろ?なのに1番に尻尾巻いて逃げやがって—————宇都宮よぉ」
?
『“うつのみや”?』
誰だ宇都宮って…
と、思った時———俺に殴りかかろうとしていた奴が、
「…何で…テメーが此処にいんだよ!」
と、叫んでいた。
…、
あぁ、俺じゃなかった訳ね…
拍子抜けだが、でも、何やらその二人に険悪なムードが漂っていた。
「俺はもう不良から更生したっつったろーが…!
———なのに喧嘩売るマネなんてしてくれやがって…、ブチ殺されてぇか!あぁゴラァ!?」
いやいやいやいや、
言ってる事と辻褄合ってねーぞこの男…思いっきり喧嘩腰じゃねーか。
「なっ…!あ、あいつ等は…?
———どうやって此処に来たんだよ!?大勢…20人も居たんだ、逃げれる訳がねぇ!」
その宇都宮と呼ばれていた男は、悲鳴を上げるかのように男にそう言った。
その男はその問いにイラッと表情を歪ませながら、「そりゃあ———決まってんだろ」と口を開いた。
「…全員動けなくなるまで俺が相手してやったに決まってんだろーが」
——20人っつってなかったか?
俺は驚きのあまり目を見開いた。
そうか、この宇都宮っつ—奴…俺の前にもコイツに喧嘩フッかけてた訳か…
…つーかコイツ、『さっきアイツにちょーっと痛い目に遭わされたから———』つってたよな…
…という事は…
俺は、息を飲んだ。
コイツ等が全員、絶対的な脅威として視ていたのが————この男ってことか。
この威圧的な感じに見るからに危険な男…コイツ等が脅威に思うのも分る気がした。
- Re: 青春ライン*最も危険な男… 9話UP ( No.40 )
- 日時: 2010/07/23 22:24
- 名前: 金平糖 ◆dv3C2P69LE (ID: TQ0p.V5X)
お、更新されてますね^^
謎が多い人物がパンパン出てきてドキドキして来ました!
次の話が楽しみでなりません!
*教師オリキャラ用紙*
名前/読み【小林 蝶子/コバヤシ チョウコ】
性別【女】
担当学年【一年】上の注意から選ぶ
担当科目【国語兼副生徒指導】
年齢/誕生日【24/9月13日】
性格【気が強く負けず嫌いでしっかり者の厳しい先生。
その反面、生徒の相談事にも乗ってくれる優しい所も少しだけある】
容姿【肩までの黒髪を高い位置でポニーテールにしている。結構な高身長と凛々しい顔立ち。
スタイルが良い。毎日しっかりとしたスーツとかを着ている。】
備考【実は毛深い、既婚者】
設定【夫を尻に敷いているちょっとS気のある人。
若い頃は結構やんちゃやってたのもあって、不良に対する偏見とかは無い。趣味は麻雀】
サンボイ【何故、不良になるのかは聞かないであげるわ。だって不良っていつの間にかなっている物だものね】
【学校にこんな物を持って来てはいけないと言っているでしょう!没収です】
【声が小さくて聞こえないわ!しっかり大きな声で読みなさい!】
その他【旧姓は蚯蚓山。つまり和歌穂の姉だが妹には授業に関してだけは人一倍厳しくしている。学校以外では妹に普通に優しい】
設定変更等があってもいいですか?【おk!】いいえ、でもOK!
- Re: 青春ライン*最も危険な男… 9話UP ( No.41 )
- 日時: 2010/07/25 07:23
- 名前: 梓 ◆hRE1afB20E (ID: 8I/v6BBu)
>金平糖さん
コメ&オリキャラありがとうございます^^
主人公のクラスの担任って事でいいですか?
独断ですいません←
本当にありがとうございました!
募集していたキャラも、2章からどんどん出てきます
あと2、3話くらいで1章が終わりです
長、一章長っ!自分でも思いますね…何かすいません
今日は更新できるか分かりませんが、執筆の方は頑張ります^^
- Re: 青春ライン*最も危険な男… 9話UP ( No.42 )
- 日時: 2010/07/27 21:03
- 名前: 梓 ◆hRE1afB20E (ID: 8I/v6BBu)
10話
「…お前が『東城 渚』だな?」
ふらりと現れたその男は、しゃがみこんでいる俺にそう言った。
「…あぁ…」
俺は、その男に対しての警戒を解かぬまそう言う。
すると男は、「テメー…入学早々騒ぎを起こすな」と、
若干イライラしながら俺にそう言った。
『……ッ』
と、その時俺に言いようもない恐怖が俺を襲った。
殺される気がする…
「————くっ…、
こいつに勝てる訳ねぇ…!おい、行くぞ!」
一方、俺に絡んできた奴等はそう言い、180度体の向きを変え逃走を計っていた。
しかし、男がそれを見逃す訳もなく、宇都宮の後頭部に持っていたカバンを
叩きつけるように投げ飛ばした。
————ゴッ
「……かっ…!」
そのあまりに猛烈すぎる追撃に、宇都宮は声にならない声を出して、
道にぶっ倒れながら昏睡してしまった。
…それは、一瞬ともいえる早業だった。
*
「……」
俺は、その光景をボーっと眺めていた。
助かった
だが、どの道この男から逃げないと———学校に逆戻り…
…って、骨折したから病院か?
……そっちは余計にカンベンだ。
そう思えば、まだ学校のほうがいいか…
「…立てるか?」
と、俺がそんな事を考えていると、その男は両膝を折り、俺の目の前でしゃがみ込んだ。
「あー…、つーかよぉ、できればあんまり騒ぎ起こさねェで欲しいんだわ、
その度に俺が先生とか生徒会に文句言われんだからよォ」
…「学校に泥塗るような真似はしてくれんなよ?」と言いながら、
男は面倒くさそうに頭をかいていた。
………そうか
俺はやっと合致がいった。
コイツ…普通に20歳くらいの大人だと思ってたが———桜華岬川高校の3年な訳か。
何で葵がこんな大人と、いかにも危なげなこの男と、
何故知り合いなのか疑問に思ってたら…この男はアイツの言う“上級生の知り合い”って訳か…
「———以後気をつけとく…」
俺はそんな事を考えつつ、苦笑を浮かべながらもそう言うと、
男は満足げに表情を和らげた。
「素直なのは嫌いじゃねぇ。
…それを守ってくれさえすりゃあ、俺から言う事はもうねぇよ」
そう言うと、男は徐に携帯電話を取り出し、誰かに電話をかけ始めた。
「…お前歩けなさそうがから迎え頼んどくから」
「———どうも」
俺はそう言うと、近くにあるベンチまで肩を貸してもらいつつ座った。
『…見た目とは反比例して———いい奴だな…』
俺は携帯電話に耳を傾け、面倒くさそうに欠伸をしている男を眺めつつ、そう思った。
「—————五十嵐?俺だ」
『…え、マジで!?雲仙ジャン!!何、謹慎から復帰?おめっと〜』
すると、電話の向こうからやけにテンションの高い声が聞こえてきた。
『つーか俺に用?俺、今ゆずとはぐれてそれ所じゃー…
———そうそう、聞いてくれよ!俺のゆずがさあ、今日も可愛いわけ!
お前にも見せてやりてぇよー、しかも今日から高1で制服着てる訳ジャン?
似合うのなんのって、———あぁ〜ヤッベェ!超可愛い!思い出しただけでテンション上がる!
…なぁ、俺のこの気持ちわかる!?』
————なーんか…エラい変わった奴と電話してんだな…
俺は若干温度差を感じながらそう思った。
無論、電話をしている男、雲仙と呼ばれたその人物も、
余計に面倒くさそうな顔をしながら溜息をついていた。
「…相変わらずシスコンだな、五十嵐ィ。肝心の妹はまったくもってブラコンじゃねーから安心しろ。
後、その自慢話も後回しで———実はお前に頼みたい事があってな」
そして、ピシャリと切り捨てるようにそう言うと、真面目な声でそう言った。
『ん?お前が頼みごとって珍しいな…———あ、そうか、聞いてる聞いてる!
東城ってやつだろ?葵からさっき連絡があってな、事情は大体把握済み』
「じゃあ話が早いな、今からバイクでこっち来てくれ。
嫌っつったらどんなるか分ってんだろうなテメェマジ泣かすぞ全力で泣かすぞ」
『脅し!?待て待て暴力反対。大体お前、不良から更生したって言ってなかったか!?』
…あ、ソレさっき本人も言ってたよな…
俺も電話の相手の五十嵐って奴に同感した。
すると雲仙は「…っだぁぁぁああああああ!またやっちまった…!!」と絶叫していた。
「くそ…、何やってんだ俺…言葉や言動には注意してるってのに…
——俺は不良じゃない不良じゃない健全な男子高校生だ、ただの男子高校生っつってんのに何やってんだ俺マジ殺すぞ」
————ダメだなコイツ…
俺は心の中でそう言った。
そしてそれと同時に、電話の相手でもある五十嵐が、
『直ってない、直ってない、自己暗示全く効果ないし!とても言葉に注意して発言してるとは思えねーから』
と、雲仙と立場が逆転して、呆れてそう言っていた。
「ぐぬぅっ…————い、いいから来い!
五十嵐、1分で来いよ、1秒でも遅れたら———その、なんだ…ボコるから」
『…、
…ダメだこりゃ。お前、言い方変えてるけど対して内容は変わってないからな?ソレ…
—————まぁ、とりあえずそっち行くから待ってろ!』
…何だかんだで話がまとまったらしい、雲仙は「1分な」と念押ししてから電話を切っていた。
切る直前に、『いや、ソレは無———————』と聞こえたが、
雲仙も俺もあえて無視した。
- Re: 青春ライン*最も危険な男… 9話UP ( No.43 )
- 日時: 2010/07/27 21:07
- 名前: 梓 ◆hRE1afB20E (ID: 8I/v6BBu)
*
「—————五十嵐ィ、2分17秒も遅れやがったな…後で存分にいたぶってやる」
「ひでぇなぁ、穏便にいこうぜ。大体3分以内で来れたのもある意味奇跡だろ」
あれから少し時間がたった時、バイクにまたがった黒髪に白いメッシュを入れている男が現れた。
男の俺でも美形だと言っていい程の整った顔立ちだ。
「で、あいつが東城 渚?
———何、思ったより足重症じゃん!?大丈夫?」
と、五十嵐がバイクから降り俺の方に近づいてきた。
「うわぁ〜、コレ折れてんな絶対…。
——何してたのお前等、喧嘩か?喧嘩なのか?」
骨折した足を覗き込みながら、五十嵐は「痛そー…」と眉をひそめていた。
「…嗚呼、なるほど、歩けないからコイツを後ろに乗っけろって事か。
…馬鹿か雲仙!俺、罰金早える金持ってきてねぇのに!」
『いやいや、問題は払えるかどうかじゃねぇだろ…』
俺は苦笑を浮かべながらそう思った。
「ま、頑張れや。裏道使えばすぐ学校行けんだろ。
———くれぐれも警官に見つかんねぇよーになぁ」
「へいへい、まぁ頑張るわ」
———ブォオンッ
そして、五十嵐は大きなエンジン音を立てながら、バイクを発進させた。
「————あ、名前言ってなかったな!俺、五十嵐 蓮!よっしくー」
五十嵐はまだ自分が名乗って無い事に気が付くと、後ろの俺にそう言った。
…五十嵐 蓮か…
五十嵐 蓮…
五十嵐…
——————五十嵐?
俺は、その名字である人物の顔を思い浮かべた。
『五十嵐 柚季』———昼過ぎに俺が会った奴の名前だ。
あいつも確か『お兄ちゃんが———』とか言ってたし、
雲仙とのやり取りでこの五十嵐は『シスコン』って言われてたよな。
………アイツ、コイツの妹かよ…!
合致がいった瞬間、俺の背中にぞぞぞ、と、寒気が走った。
「———どした?さっきから全く喋らねーけど…気分悪いとか?」
すると、五十嵐はミラー俺の顔色を窺いながらそう言う。
「……いや、別に…」
俺は苦笑を浮かべて————そう言うしかなかった。
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