コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- Enjoy Club =第1章完結=
- 日時: 2013/06/23 07:18
- 名前: 友桃 (ID: KZXdVVzS)
- 参照: http://www3.plala.or.jp/banisingukyanon/
あるとき、世界に謎の薬品がばらまかれた。
数年後、不思議な能力を身につけて生まれてきた子供達。彼らは仲間を求めて、ある結社に集結した。
彼らと接触した女子高生・亜弓は、結社内の混乱に次第に巻き込まれていく——
ファンタジー&シリアス要素ありのラブコメです!
クリックありがとうございますm(__)m
はじめまして、友桃(ともも)です^^
初投稿です>< 長編になるのですが、ちょっとずつ更新していきたいと思います。
よろしければ読んでみてください^^
*参照はHP(Enjoy Club保管場所)です。このスレのものを修正したやつを、縦書き改行無しバージョンで載せていくのでよろしければのぞいてみてください。※ただいま更新止まっております
*たまに記事のNo.飛んでいるところがありますが、残りの返信数を増やすために必要ない友桃のコメントを消しただけなので気にしないでください^^
〜お客さま〜
・花見さん ・かれーらいすさん ・十六夜さん ・貴也さん
・勿忘草さん(亮さん、扉さん) ・咲さん ・gojampさん ・詩音さん
・セピアさん ・杏樹.さん(真白ちゃん・そふとくりーむさん) ・ハッチしゃnさん ・ARMAさん
・遮犬さん ・ひろあさん ・白桃さん ・ゆかさん
・aguさん ・皐月凪さん ・(朱雀*@).゜さん ・奈々☆さん
・ 蘭*。*さん ・山口流さん ・トレモロさん ・紅蓮の流星さん
・或さん ・ (V)・∀・(V)さん(十六夜さん) ・もちもちさん ・夜兎さん
・むーみんさん(椎奈さん) ・未来さん ・ゲコゲコさん ・てるてるさん
・こたつとみかんさん ・星ファン★さん ・そらねさん ・希蘭さん
・Eternalさん ・羅希さん ・霧雫 蝶さん ・あらびきペッパーさん
・抹茶.(小豆.)さん ・野宮詩織さん ・、璃瑚. さん ・ののさん
・友美さん ・亜美さん ・蜜姫. さん ・ネズミさん
・月読 愛さん ・紗夢羅さん ・黒揚羽さん ・優香さん
・ぱちもんさん ・Lithicsさん ・苺莢さん
読んでくださってうれしいですv ありがとうございますm(__)m
〜登場人物紹介〜
・友賀 亜弓 Tomoga Ayumi……主人公
・荒木 恵玲 Aragi Ere
・紫苑 風也 Shion Kazaya
・ウィル=ロイファー
・有希 白波 Yu-ki Shiraha
・棚妙 水希 Tanadae Mizuki
・芝崎 功 Shibasaki Kou
・月上 有衣 Tsukigami Yu-i
・三和 伸次 Miwa Shinji
・蓮田 夜ゑ Hasuda Yoe
・谷田 津波 Tanida tsunami
・沢田 美久 Sawada Miku
・幸崎 静音 Ko-saki Shizune
・町田 美沙 Machida Misa
・小松 幸道 Komatsu Yukimichi
・大崎 影晴 O-saki Kageharu
・天音 Amane
・天銀 Amagane
〔後半から登場or2章メイン登場〕
・篠原 扇 Shinohara Ougi
・安藤 園香 Andou Sonoka
・富永 春妃 Tominaga Haruhi
・神崎 迅 Kannozaki Jin
・風香 Fu-ka
・友賀 葵 Tomoga Aoi
*あだ名>>48
〜目次〜
<第1章>
プロローグ >>0
第1話『謎の闇組織E・C』
(1)>>1 (2)>>2 (3)>>3 (4)>>5 (5)>>6 (6)>>10 (7)>>11 (8)>>13
第2話『金髪のキミにひとめ惚れ』
(1)>>25 (2)>>30 (3)>>40 (4)>>46 (5)>>49 (6)>>50
第3話『我ら、麗牙光陰——』
(1)>>57 (2)>>58 (3)>>64 (4)>>70 (5)>>81 (6)>>86 (7)>>88,>>89 (8)>>98 (9)>>104,>>105 (10)>>108
第4話『あなたのために……』
(1)>>111,>>112 (2)>>120,>>121 (3)>>130 (4)>>136 (5)>>147 (6)>>152 (7)>>157 (8)>>166 (9)>>172 (10)>>180 (11)>>184 (12)>>188
第5話『不確かなもの』
(1)>>212,>>213,>>214 (2)>>256 (3)>>268 (4)>>285 (5)>>291 (6)>>306 (7)>>332,>>333 (8)>>346,>>347 (9)>>357,>>358,>>359 (10)>>370,>>371
第6話『衝撃の刻』
(1)>>397 (2)>>413,>>414 (3)>>425 (4)>>447,>>448 (5)>>474,>>475,>>476 (6)>>486,>>487 (7)>>518,>>519,>>520 (8)>>534 (9)>>557 (10)>>568 (11)>>576 (12)>>599 (13)>>627,>>628 (14)>>648 (15)>>696,>>697,>>698 (16)>>708,>>709,>>710
第7話『友を取り巻くモノ1』
(1)>>721 (2)>>726,>>727 (3)>>750,>>751 (4)>>784,>>785 (5)>>798 (6)>>813,>>814 (7)>>870,>>871 (8)>>>889,>>890
第8話『友を取り巻くモノ2』
(1)>>893 (2)>>901,>>902 (3)>>905,>>906 (4)>>910,>>911,>>912,>>913,>>914 (5)>>918,>>919 (6)>>923,>>924 (7)>>926,>>927 (8)>>931,>>932 (9)>>934 (10)>>936
第9話『混乱の夜明け』
(1)>>940,>>941 (2)>>945 (3)>>949 (4)>>955,>>956
エピローグ>>962
*初めて来てくださった方、できれば目次から行かないでコメも含めてよんでほしいです><
途中でキャラのプロフィールと絵がでてくるんで^^ てか某友人の書いたキャラ絵、神なんでv←
〜企画〜
≪第1回キャラ人気投票≫ 2010.8.27〜
結果>>225
≪第1回シーン人気投票≫ 2010.923〜
結果>>511
≪☆お客様方の小説紹介☆≫
第1弾 返信300突破記念 2010.9.25 >>304
第2弾 参照2000突破記念 2010.10.11 >>460
第3弾 参照3000突破記念 2010.11.18 >>661
≪返信400突破記念*E・Cラジオ*≫ 2010.10.6〜
NO.1 亜弓&恵玲 >>422
NO.2 恵玲&風也 >>495
NO.3 ウィル&白波 >>587
NO.4 亜弓&風也 >>676
NO.5 水希&茜 >>852
≪返信500突破記念 =キャラQ&A=≫ 2010.10.17
≪参照4000突破記念 =キャラ誕生秘話=≫ 2010.12.9
NO.1 >>743 NO.2 >>748
≪ Enjoy Club名言集*。* ≫ by杏樹.さん 2010.9.25・26・28
杏樹さんがつくってくださいましたーv
ネタばれになるんで本編一通り読んでから、ぜひご覧になってください^^♪
杏樹さん本当にありがとうございました!!!
第1弾>>317 (友桃コメ>>319)
第2弾>>338 (友桃コメ>>341)
第3弾>>362 (友桃コメ>>364)
≪E・C(1章)紹介文≫ by ARMA3さん
>>992 2013.1.27
≪Christmas Short Story≫ 2010.12.19
>>773,>>774
≪Happy Birthday≫
・5月…… (朱雀*@).゜.さん
・11月17日……杏樹.さん >>654
みんなでお祝いしましょ♪
*2010年冬・小説大会 コメディ・ライト小説大賞受賞。
*2011年夏・小説大会 コメディ・ライト小説銀賞受賞
みなさま、ありがとうございましたm(__)m
*2011.5.4 第一章完結
=Enjoy Club=
第1章
—プロローグ—
——熱い
燃えるように、煮えたぎるように身を焦がしていくモノは、先程注入した薬品か、はたまた我自身の高揚か……。体内に何か不可視の力がみなぎってくるのを、今全身で感じている。
目の前の金属の台に置かれているのは、たいていの科学者が用いているだろう多量の実験器具。その透明なガラスには幾色もの液体が沈み、わずかな振動で波紋を描いている。その隣には、青白い液の残った注射器が無造作に転がっていた。
興奮に身を震わせる私の隣に、線の細い少年が音もなく歩いてきて足を止めた。
「……」
台上の液体を見つめる顔は冗談でも健康的とは言えず感情も感じられないが、よく見るとまだ幼いことが分かる。眠っていないのか、黒くくすんだ眼元をごしごしとこすり、彼は黙って私に視線を向けた。
「君のお陰だ。君が手伝ってくれたお陰で、ようやく完成した……!」
この試みを始めてから8年という時が経過していた。寝る間も食う間も惜しんで、器具と薬品と毎日、毎日にらみ合い、無数に思えるほどの液体を調合し、実験をし、数値を示して再び薬品とのにらめっこ。長い、長い時だった。しかし何の組織にも属さない、2人というごく少数の科学者が8年で実験の成果を出す、ということは、あるいは幸運なことなのかもしれない。たった8年だった、というべきなのだろうか……。
何にせよ、実験は成功したのだ。私の努力がついに実を結んだのだ!
現実であることを確かめるように両の拳を力強く握ると、先程まで無言だった少年が、まだ声変わりしない声で囁くように言った。
「ぼく、……少しは“かげはる”様の役に立てた……?」
彼の至極純な気持ちが伝わってくる。はっきりと頷いてやると、少しはにこりとするかと思ったが、ごく僅かにも表情は動かない。
——この子は今何を感じているのだろうか
長きにわたる研究によって身に宿った、“透視”の能力。あらゆる障害物を無にし、普通視界に入るはずの無いはるか遠くにあるものをも見ることができる能力。しかしこの能力を持ってしても、人の心は、——彼の心は覗けない。
「——天音」
私は少年の目を覗き込んで、そう呼んだ。
「私と同じ、能力者になろう。そしていつかはこの薬を世界中にばらまいて——……」
試験管の中の色とりどりの薬品。それぞれが異なる性質のものであり、体内に入れたときにどのような能力を発するかは、今の段階では未知である。しかし、だからこそ、私は興奮するのだ。未知のものを追いかけたくなるのだ。
天音が一番手近にあった、桃色がかった液体を手で示す。私は満足感に笑みを浮かべた。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198
- Enjoy Club 第8話『友を取り巻くモノ2』(9) ( No.934 )
- 日時: 2011/04/03 12:48
- 名前: 友桃 ◆NsLg9LxcnY (ID: st6mEGje)
「——まぁそんなこんなで、今のトップ5——風也と功と伸次、それから夜ゑとアタシが集まったわけだ」
それまでの固い真剣な空気を振り払うように、有衣が軽い口調でそう言った。有衣と夜ゑの熱い語りはお世辞抜きに上手くて、思わずこちらまでが本気になって、革命に向け気持ちを奮わせてしまった。まるで自分がその場にいたような気分だ。膝の上で握ったこぶしが、いつの間にかうっすらと汗ばんでいる。私が興味津々な様子で話を聞くのを、2人は満足げに口角を上げながら見ていた。
革命の中心メンバー集結後、5人はこっそりメールアドレスを交換し、メールで連絡を取り合った。そして有衣ら言いだしっぺ3人が反乱仲間を探す一方で、風也と功は学校に行くふりをしてこっそりケンカの特訓をしていたらしい。大学生対策だったそうだ。
だんだん革命に向け本格的に動き出してきた昔話に、「ほぇ〜」と感嘆と尊敬の入り混じった声がもれた。頬が熱い。私は目を輝かせて、話の続きを催促した。ここまでいったらもうクライマックスだ!
「それで、その後はどうなったんですか? 革命当日とか!」
声が弾む。小さなテーブルに肘をついて、気持ち身を乗り出す。
するとなぜか突然、有衣に思いっきり爆笑された。ポカンと口を開け疑問符を浮かべた顔で有衣を見ると、彼女は目じりをぬぐいながら笑いの収まらない状態で言ったのだ。
「そっれがよぉ、革命当日はほっとんど風也が大学生片付けちまって特別話すことねぇんだ! なんつーか期待以上の働き? あの時の後藤の唖然とした顔ときたら、ほんとマジ笑いが止まらね……っ」
ついにはテーブルをバンバンと叩きだす。その“後藤の唖然とした顔”が具体的にわからない私は、彼女がなぜそこまで笑えるのかがいまいちピンとこなかったが、とにかく風也の活躍がすごかったということだけはわかって誇りに似た思いを感じていた。実際に見てみたかった気もするが。
夜ゑも手で口元を隠しながら、肩を震わせ笑っている。
「後藤達、敵わないってわかって自分から下橋出て行ってくれたしね」
「でもアイツら、その後また別の地域のグループ入って時々下橋にもケンカ売ってくんじゃん! 懲りねぇよなーっ、ほんと」
なんだか盛り上がっている2人に置いてきぼりをくらったようでついきょときょとと視線をさまよわせてしまったが、2人とも体を震わせるほどに笑っているので、だんだんとこっちまで楽しくなってきてしまった。つられて笑い声をもらす私に、有衣がひーひ—言いながら続きを話してくれる。
「それで……っ、その後は誰がリーダーになるかで、もめたんだけどよっ。アイツ、えっと功が、……自分リーダーやる柄じゃないしケンカあっちのが強いからって、風也にゆず……っ、けほっ、たんだ……けほっ、ひー腹いてーっ」
「ちょ、大丈夫ですか有衣ねーさん!?」
「有衣は笑いすぎー。何がそこまでツボだったの」
「わっかんねーっ」
顔を伏せて笑いを止めようとする有衣。背中ほどまである、大きくふんわりと波打った豪奢な髪が紅潮した頬まで覆っている。妖艶な大人っぽい外見をあおっているその茶髪を見、私はその視線をアルバムの写真に移した。高校の制服姿の彼女は、今とは全く雰囲気が変わって前下がりのボブにしている。同じ茶髪でも、高校生の頃の方が色がずっと明るく、金に近い。高校から髪をずっと伸ばしていたんだなとぼんやりと考えながら、その視線を今度はまた別の写真——夜ゑとその友人らしき女の子が映っている写真に向けた。その写真の中の夜ゑも、今とは全く違う長い髪。しかも強く巻いている。そしてその隣に映っているのが、革命の話には一度も出てこなかったポニーテールの見知らぬ女の子。カメラに向かってピースをつきだしている。よく見ると、とても目力の強い、はっきりとした顔立ちをしていた。
私の視線が謎の少女のところで止まっているのに気が付いて、夜ゑがふっと微笑んだ。
「その子は園香っていって、あたしの中学のときからの友達なの。高校からは離れちゃったけど、今もたまに会ってるんだ」
私はアルバムから顔を上げ、彼女に尋ねた。
「下橋とは関係のない人なんですか?」
「うん、高校のときの写真だから置いといただけ」
納得して頷き視線を戻すと、夜ゑが一緒にその写真を覗き込んでくる。両腕で頬杖をつきながら、次はいつ会えるかな、と期待するような声で独り言をもらす。
するとようやく笑いの収まった有衣が、じっと写真に視線を落とす私達に声をかけた。
「そろそろ下戻らねぇ? 話ひと段落したし」
私達はそろって顔を上げ、もちろん同意をし席を立った。夜ゑがアルバムを閉じるのをちょっと名残惜しく思いながら見つめ、それからぐるっとこの物置部屋を見回す。衣類が置いてあるせいか、生活のにおいがこの部屋からは感じられる。
ドアのところにいる有衣に手招きされて慌てて部屋を出ると、電気を消した有衣が私を振り返って、今の下橋の生活のことをざっと教えてくれた。
今下橋には小学生から大学生が50人近く通っていて、皆学校や部活が終わると下橋の自分の所属するグループに帰ってくる。有衣達なら、緋桜の家——つまり、ここに帰ってくるわけだ。
「下橋に帰ってからは皆好きなことやってるかな。駅前の広場で遊んでる奴もいれば、家でおやつ食べて喋ってる奴もいる。ケンカ強くなりたくて練習してる奴も。もちろん、グループ同士で対戦しようぜ的なときは、ほぼ全員広場に集まったりもするんだけどな」
そして、他の地域の不良グループと比べて、下橋特有の過ごし方と言えるのが、“勉強”だった。テスト前になると、それぞれの家に作られている勉強部屋で問題集と格闘する人が出てくるらしい。しかも、わからない問題があればその場で大学生に聞ける。特に緋桜には、英才教育で育った元お嬢様の有衣がいるのだ。
有衣がお嬢様育ちだと知って心底驚いた私は、呆気にとられて彼女の顔を凝視していたが、全く気にもされずに話は進んだ。
「若干塾みたいになってるけどな、テスト前に限っては。とにかく今の下橋では、“真面目に勉強してやがる、だっせー”って言った奴は逆に白い目で見られるね。まぁこれはたぶん、アタシらの影響なんだけど」
「その“アタシら”にあたしと伸次は含まれないからねー。勉強嫌いだもん」
さりげなく夜ゑが口を挟んだ。確かに嫌そうに唇を尖らせている。
私はそれに深く賛同して何度もうなずこうとし、そこで突然、
「あーっ!!」
おそらく下橋に来てから最も大きな声を上げていた。何事かと目を見開いて振り返る有衣と夜ゑに、私は泣きそうになりながら声を震わせて訴えた。
「つ、追試……っ。追試の存在忘れてたのですー!!」
廊下中に響き渡る、嘆きの声。
有衣が憐れむような表情を浮かべ、空笑いをもらしていた。
- Re: Enjoy Club ( No.935 )
- 日時: 2011/04/04 13:28
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: O/vit.nk)
@友桃さん
デカワンコの多部ちゃんみたいな格好したいですね〜♪
友桃さんのゴスロリ姿も見てみたいなぁww
どちらかというと5人のチームワークを生かした戦いが見たいですね^^ 風也vs功も見てみたいけどww 2人が戦えば周りの人まで被害にあいそうww
私もシリアスに走っていっちゃいそうですww 結末がバッドエンドしか思い浮かべない…;←
こういう面でシリアス・ダークの方があってるんだろうけど…; でもファンタジーも確実に入っちゃうし(困りww
あーちゃん可愛いっ!!
追試忘れちゃうとか…ww 思い出せてよかったなぁ…www
最近風也が私の中でランキング上昇中w 読めば読むほどかっこいいなぁ…って思いますww
- Enjoy Club 第8話『友を取り巻くモノ2』(10) ( No.936 )
- 日時: 2011/04/05 13:05
- 名前: 友桃 ◆NsLg9LxcnY (ID: st6mEGje)
「なつき、こっちパス!」
「いけーっ、シュートシュートー!」
「あ〜、おっしいー」
にぎやかな声が飛びかっている。私は広場の隅に置かれたドラム缶にタオルを敷いて座り、直射日光に顔をしかめつつも、とてもさわやかな気分で眼前の光景を見守っていた。
目の前の広場には、夢中でバスケットボールを追いかける小中学生。そしてその中に混じる数人の高校生、大学生の姿が。午前中功と通りかかったこの駅前の広場で、彼らはずっとバスケに明け暮れていたらしい。さすがは小中学生、遊びにかける体力は無尽蔵だな、と思わず感心してしまう。
バスケのゲームを楽しむほとんどが、まだ女の子と大差のない背の低い男の子達なので、その中に身長170センチを超えるような人がいるとかなり目立つ。そのほとんどがおそらく高校生以上なのだろうが、知らない顔が多いのではっきりとは言い切れない。しかしそののっぽの中に1人だけ、見覚えのある顔が混じっていた。
「伸兄、ジャンプしちゃダメー」
小学生の男の子に、楽しそうな表情で文句を言われている青年——三和伸次。有衣と夜ゑと同い年の大学生だ。朝しっかりとセットしてあった茶髪はやや乱れていたが、本気を出していないせいだろう、息も乱さず余裕の表情でゆるゆるとボールを追っている。たまにバスケの経験者らしき子がボールをとると、彼もギアをチェンジするようにキレのいい動きを見せていた。ステップを踏んでシュートを決める時なんか、思わず黄色い声を上げてしまいそうになるくらいにかっこいい。そしてそんなかっこいい姿を見せた直後に、ボールをついて走る小学生をちょっと邪魔するようなそぶりを見せるのを見ると、微笑ましくなってしまう。伸次の手を避けようとする小学生はもう必死の形相だし、伸次はちょっとからかうように楽しげに笑っていて、まるで仲のいい兄弟みたいだなぁとあたたかい気持ちになった。
つい十数分前、唐突に追試の存在を思い出し緋桜の家の中で騒ぎ立てていた私は、有衣の「残りの夏休みは下橋に勉強しに来ればいいじゃねぇか」という当たり前といった調子の台詞に、いったん落ちつきを取り戻していた。彼女の自信にあふれた強気な口調はやはり頼もしくて、“大丈夫だ”と言われると本当にどうにかなる気がしてくるのだ。しかもまた風也が追試科目を教えてくれるらしく、私としては一安心というところだった。
そしてほっと息をつく私の横で、色々と会話が為されあれよあれよと話が進んでいき……
気が付いたら、ここに連れてこられていたのである。ちなみに連れてきた張本人の風也は、すぐそこの喫茶店で買ってきたピーチティをそばの壁にもたれて悠々と飲んでいる。聞く話によると、そのピーチティは期間限定で結構お気に入りなんだとか。私は膝の上にのせたミルクティに、ふと視線を落とした。さっき風也に買ってきてもらったものだ。プラスチックカップの底に沈んでいる黒いタピオカをぼんやりと見つめ、独り言のように呟く。わりとぎこちない声が出た。
「私……こんなとこでぼーっとしてて、いいんですかね……?」
チラッと横目で視線を投げてくる風也。それを顔を上げて見返す私。
彼のショートカットにした金髪は、まばゆい日光で白っぽくつやを増している。この日差しの下には似合わない色白の頬。まぶしいのか少しだけ釣り目を伏せて、顔をしかめていた。それを見たら私までつられて、つい手でひさしを作ってしまった。
視線を正面——バスケをやっている少年少女達の方に戻した風也は、さも当然といった風に言う。
「今からやってもどうせエネルギー切れで夕方までしかできねぇし。1時間くらいここでぼーっとしてたって大丈夫だろ」
なぜここなのかと即問い返そうかと思ったが、寸前で理由に思い当って口には出さなかった。たぶん彼も目の前で繰り広げられているバスケのゲームに、そのうち参加するつもりなのだろう。だとしたら、とても楽しみである。
バスケをしている彼を想像してふやけてしまった頬を両手で押さえながら、私も広場の中心に意識を戻した。
スポーツというのは不思議なものだ。たとえ自分が苦手だったとしても、一生懸命動いている人を見るだけで体に力が湧いてくる。がんばれ、と本気で応援したくなる。私なんかは球技が大の苦手だと言うのに……なぜだろう。皆が必死にボールを追うのを見るのが楽しくて、自然と口元に笑みが浮かんでしまう。前かがみになって、つい真剣にゲームを見つめてしまう。そしてそのうち、なぜかこっちまで体がむずむずしてくるのだ。あの輪に加わりたい、でも球技はできないからやっぱり嫌だ、そんな葛藤。
いつの間にか、恨めしげな目で彼らを見つめてしまっていたのだろうか。風也が明るい光を灯した目でこちらを見、ついで顎で広場の中心をさした。
「バスケ、やるか?」
「え!?」
バッと勢いよく彼を振り返って、声を上げる。やりたそうな顔をしていたのは私だろうに。
それでもやはり決心がつかずに風也を見ると、彼は口元に柔らかい笑みを浮かべながら首をかしげ目で問いかけてくる。いつもより少しだけ幼く見える表情。つい一瞬目を見開いて凝視してしまう。それから沈むように視線を落とした私は、ちょっと考えて、やはり弱々しく首を横に振った。
「無理です、私球技できないのです……」
「別に苦手な奴だって普通に混ざってるぜ。ほら」
気にした風もなく、ゴール前でボールを掲げている男の子を指す風也。まだ小学生らしきその男の子は、下投げでゴールを入れようとし勢いをつけすぎて、後ろにボールを放った上にひっくり返ってしまっていた。周りにいた子達が皆お腹を抱えて笑い飛ばしている。聞いていて気持ちの良い、好意的な笑い声だった。どうやら皆、ボールの扱いが苦手な彼のためにシュートをするのを待ってあげていたようだ。
それにしても、と私はむむっと真剣な表情で目を細める。
——……あの子、私と同レベルです……!
すると風也が、飲み干して空になったプラスチックのカップを片手で軽く握りつぶし、もたれていた壁から背中を離した。ゴミを捨てつつ、ぶらぶらと散歩をするように、コート脇で交代を待つかたまりの中に入っていく。その様子を甘いミルクティーをすすりながら見つめていると、彼がその集団の中から私の方を手で示した。彼らの興味津々な熱い視線が、一斉に私に集まる。
——嫌な、予感がした。でもそれ以上に、心地よい緊張を含む期待が、胸の内で膨らんでいた——……
——私が、あの下橋で皆と一緒にバスケをやったと言ったら、皆はどういう反応をするだろう。好奇に満ちた瞳をらんらんと輝かせて一心にボールを追う下橋の子達に交じって、一緒になって汗をかいてきたと言ったら、皆は驚くだろうか。
お母さんは? 津波や美久達は? そして……恵玲は? ……もしかしたら恵玲は、そんなに驚かないのかもしれない。
——“下橋は不良のたまり場”
そんな今となってはでたらめな噂なんて、無くなってしまえばいいのに。
心から、そう思った。
- Re: Enjoy Club ( No.937 )
- 日時: 2011/04/05 11:56
- 名前: 小豆. ◆1TtGcOAK06 (ID: n7Gkh7Ku)
- 参照: ★.! 隠れオタクでごめんなさい *`
抹茶です!!
名前かえますた@@
最後いいですね@@
終わり方*、
こういう終わり方好きです@@
もうソロソロで1章終わりですよね??
2章が楽しみですなぁ*
まだまだ執筆ふぁいとです!!
- Re: Enjoy Club ( No.938 )
- 日時: 2011/04/07 15:31
- 名前: 友桃 ◆NsLg9LxcnY (ID: st6mEGje)
8話終了でーす!!
ここまで読んでくださった方ありがとうございましたm(__)m
次の9話が1章の最終話になります。ラストスパート頑張るぞー\(^^)/
あと9話が予定より短くなったので、ページ数余裕で足りそうですww よかったぁ。。。
(朱雀*@).゜. さん>
ゴスロリ着てる人は見たいけど、自分で着るのはなぁ……^^;
5人のですか!! だったらそのうち本編に出てくる……かも?←
私個人的には風也vs有衣ねーさんも気になるかも。あ・でもやっぱ一番書いて面白いのは互角な風也とえれさまなのかな……
バッドエンドですか!! 星の子がバッドエンドってちょっと意外です^^ E・Cはどうなるんだろう……ww なんかハッピーともバッドともとれるような終わり方になりそうです。どっちつかず……><
星の子はたしかに最近シリアス入ってますょねww シリアス大好き大歓迎\(^^)/ww
あ・でもファンタジー入っててもシリアス・ダークの方はありなんじゃないかな?
てか最近ファジーのページができたじゃないですか? E・Cそっちだったかもなぁって最近ちょっと思ってます^^;
実は追試のことを忘れていたのは作者の方です(←ォィ;
忘れてたっていうか、追試の話題を出すところが無くて困ってた感じなんですけど>< 下橋で日常の話が出てよかったぁ(ほっ
まぢですか風也ポイント上がってますか!!ww それはうれしいですww
ただちょっと2章で下がる気がして怖いから、今のうちにポイントを……!!(←ォィ;
それではコメントありがとうございましたーww
ぜひまたいらしてください♪
小豆.さん>
こんにちわっ^^ コメありがとうございます!!
ほんとですか、最後気に入っていただけましたか!?
よかったです……なんかほっとしましたww
なんかどうやって下橋の話終わらせればいいのか悩んでたんで^^; 結局ベストな終わらせ方ではないんですが……。終わらせ方は難しいです><
はい、次の9話でおわりですww その9話もたぶん短いと思うので^^
わ〜2章楽しみにしていただけるとは……!! 本当に光栄です、ありがとうございますww
執筆まだまだがんばります!!
また見に来てくださるとうれしいですっ(^^)/ww
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198
この掲示板は過去ログ化されています。