コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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   rainy blue......
日時: 2010/09/23 17:46
名前: 美純 ◆dWCUS.kIT. (ID: kQLROmjL)

*+。...  *+。...

 走っても走ってもこのてのひらに温もりはなくて
 それでもひたすらに走り続けた
 頬に伝う涙は空から零れる雨になって
 見上げた先には ひたすらに広がるrainy blue


...。+*  ...。+*


挨拶*+・。*
 諸事情によって小説が書けなかったのですが、此度復活いたしました(^o^)
 更新は亀更新です。来る時間帯は不定期ですが、大抵は夜だと思います。来ない日もあります。
 今回の作品はレイニーブルーです。意味は知りません(@_@;)←
 適当で大雑把で飽きっぽい作者ですがどうぞ、広い目で見てあげてくださいm(__)m 


目次
 第一章 退屈〈Borebom〉
  001>>006 002>>016 003>>018 004>>023 005>>026

 第二章 空の涙〈Empty tears〉
  001>>027 002>>028

お客様
 そらね様——理桜様——ちいこ様——tapi様——

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Re:    rainy blue...... ( No.16 )
日時: 2010/09/11 17:57
名前: 美純 ◆dWCUS.kIT. (ID: kQLROmjL)

002


「だ、大丈夫!? 怪我して無い? 足捻って無い? 骨折してたらどうしよう!」
 一人で急におろおろし始めたから、俺はポカンと口を開けたままになっていた。我に返ると、悪戯心が湧いてきて驚かせてやろうと顔を歪めた。小学、中学校演劇部に入っていた実力を思わぬところで発揮することになった。
「ってえ……。腕マジ痛いんだけど」
 明らかに単純そうなその子はえっと叫ぶと腕を思いっきり掴んだ。いや、痛い痛い痛い。
「ご、ごめんなさい! 骨折ってないよね!? え、捻ったの? わーどうしようっ」
 また一人で百面相し始めて、もう笑いを堪えるのが限界に達していた。
「ふっ……あははははっ! ヤベ、こいつウケるわー!」
「ほ、ほえ?」
 その女子はきょとんとした顔で大きい目をさらに大きくした。
「冗談だよ、あんたの反応面白いからさついからかっちまっただけ」
「えー!? もうっ、酷いな!」
 ぷくっと頬を膨らませるそいつとしばらく見つめあっていた。女子がぶっと頬の内側に入った空気を出したのを合図に、弾けたように笑いあった。

 もう、怒りの気持ちは消えていた。


「そういや、名前何て言うの?」
「私? 榎並逢来って言うの。逢いに来るで逢来。貴方は?」
 榎並逢来。それが彼女の名前だった。逢いに来る、それこそ俺に逢いに来たのではないかと思ってしまった。嗚呼、自分の妄想がキモい。うん、キモすぎる。
「えと、俺は神楽奏。奏でるで奏。よろしく逢来」
「……うん、よろしく奏」
 それから少しの沈黙があったけど、すぐに話が弾んだ。


——ガラッ。
「かーなでー! 部活終わっ……って、榎並逢来!?」
 部活終わりの若葉がいつも俺の事を迎えに来る。だけど今日は目を大きく見開いてずかずかと俺の前まで大股で歩いてきた。怒っているような、怯えているような、変な人を見るみたいな。そんな表情をしていた。
「若葉、逢来の事知ってんのか? っておい!?」
 若葉は見かけによらない馬鹿力で俺を思いっきり図書室の外へ引っ張り出した。逢来は驚いた顔をしていたけどそれ以上は見えなかった。

「若葉っ何処まで行くんだよ!」
 校門の前まで来て、俺はやっと若葉の腕を振り払うことに成功した。でも若葉は複雑な表情をしていた。
「榎並逢来の噂知らねえ……よな。お前の事だからな」
「だったら何だよ?」
 若葉はいつもにへにへと笑っているからこんな表情は貴重だ。若葉ファンに渡してあげたいほどだ(居ればの話だけど)。
「榎並、榎並逢来はな——……」
 俺は若葉の真剣な表情に息をのんだ。




       「——暴走族の娘、なんだ」


Re:    rainy blue...... ( No.17 )
日時: 2010/09/11 17:53
名前: 美純 ◆dWCUS.kIT. (ID: kQLROmjL)


とりあえず、スレ主の生存を確認ついでに安芸

Re:    rainy blue...... ( No.18 )
日時: 2010/09/12 10:58
名前: 美純 ◆dWCUS.kIT. (ID: kQLROmjL)

003


「いや、冗談だろ。どう考えたって逢来は……」
 逢来にはどう考えても人を倒したり、ましてや暴走族など考えが付かなかった。人は見かけによらないってよく言うけど。
「だから、噂だけど注意した方がいいぞって事。実際、榎並が友達とかと居るところ見たことないからさ」
 じゃあ、と手を振って足早に去っていく若葉を呆然と見つめていた。俺も〝噂だしな〟と解釈し、若葉と逆の道を進んだ。

 この時、気が付いていればよかったんだ。もっと、気にかけていればよかったのに。


「おっはよー奏!」
 昨日と真逆のテンションの若葉。まあ常にプラス思考の彼にはきっと昨日の事などゴマ粒ほどだ。今回は……違うかもしれないけど。
「なあなあ、昨日の続き。榎並さ、この前男を背負い投げしてたってさ! やっぱ、暴走族の娘は——」
「やめようぜ、その話は」
 もう、逢来の噂に振り回されたくはない。逢来だって、事実でもない噂に振り回されて困っているはずだ。
 それはただの、下世話な興味。
「……あ、榎並だ」
 複雑な表情をして俯いていた俺はバッと顔を上げた。それは確かに逢来だった。だけど、昨日の雰囲気とは全く違う。
 声をかけるな。そう言っているような雰囲気に、皆もすっと半歩下がった。俺の横を通り過ぎる時も、全く俺の方を見ようとしなかった。
 何故?
「——だから言ったろ? アイツはそう言う奴なんだよ」
「違うよ」

 違う。逢来はそんなことを望んでいないはずだ。

「は? 何が違うって?」
「周りが悪いんだろ! 事実かどうかも確認せずに、適当な噂流して。ちゃんと本人に聞いたのかよ!?」
 若葉の返事も聞かずに俺は屋上に走った。この行き場の無い苛立ちをどうにかしたくて。

 空は、どんよりと曇り始めていた。

Re:    rainy blue...... ( No.19 )
日時: 2010/09/12 11:35
名前: ちいこ ◆x.bwJIzDsU (ID: oYpakyoC)

久しぶりに来たw
あげる!

あんど…

感想ww

みーちゃんの最後の一文がかっこいい(^ω^)
憧れるわあ^p^*

Re:    rainy blue...... ( No.20 )
日時: 2010/09/12 12:58
名前: 美純 ◆dWCUS.kIT. (ID: kQLROmjL)

ちーちゃん

 安芸ありがとう!

 最後の一文ってwww
 「空はどんよりと〜」ってくらいんだけどね(汗

 


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