コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

野良犬と見た流星。
日時: 2010/11/01 18:35
名前: 梓莉兎梳☆彡 (ID: yMr7nvgj)

   .    .   .


私は咲夜莉。中1の不良っぽくない不良。

私は只の犬好き─


,ではない。

ダチからは「不良犬博士」と呼ばれる程

無類の犬好きだ。

でも どんなに犬が好きでも、

どんなに犬の知識があっても、


─私には関係ない。

だって私のお父さんは、私とは真逆で

無類の犬嫌い。

その上 犬アレルギー。

他の犬アレルギーの人よりも

43倍 アレルギー反応が強いらしい。

─だから、仮に犬嫌いを克服できても

犬を飼うのは無理 無理〜。

犬…か。

一度は飼ってみたいナァ。

Page:1 2



Re: 野良犬と見た流星。 ( No.1 )
日時: 2010/11/01 18:52
名前: 梓莉兎梳☆彡 (ID: yMr7nvgj)

─放課後─


散歩している犬がいた。


{…ウォン!!}


『わゎッ、びっくりした!!!』


私は、いきなり犬に吠えられた。


『すいませんネェ、この仔ったら元気が良くて。』


飼い主のオバさんに謝られた。


『いぇ、別にいいですけど…。』


(デカ過ぎじゃないッスか!?)


私は思った。


─その犬の種類はアイリッシュ・ウルフハウンド。

ゼンケンシュチュウ
全犬種中でも、かなり体高が高い方の犬だ。


『きっと貴方の事が気に入ったのよ。』


『この仔、初対面の人でも


すぐに気に入ってしまうのよ〜…。』


オバさんは困った様な顔で、そう話していた。


…へェ〜!


犬好きとして、犬に好かれるのは悪い気がしない。


『じゃぁ、サヨナラ!!』


『さよなら!』


オバさんと私は別れた。


あぁ〜あ、益々 犬が飼いたくなっちったナ!


威風堂々とした、

アキタイヌ
秋田犬とかが飼いたい─,


そう思っていた私は、この光景を見て


息を呑んだ。


─目の前に、ダンボール箱に入った


茶色の和犬がいるのだ。


仔犬なので、

シバイヌ
柴犬との見分けが付き辛い。

ヒタイ
額の模様を確認したところ、


私が飼いたいと思っていた秋田犬だった。


私は辺りをキョロキョロと見回した。


(このまま 持って帰っちゃおうカナ?)

Re: 野良犬と見た流星。 ( No.2 )
日時: 2010/11/01 19:07
名前: 梓莉兎梳☆彡 (ID: yMr7nvgj)

(…よしっ 持って帰ろう!!)


─寒くなってきた今日この頃。


厚手のコートを着てきた私って天才!?


秋田犬の仔犬をコートにくるんで家へ直行した。


─が、家まであと1歩!の所でお父さんと会った。


『おぅ、咲夜莉。学校帰りか。』


ゲッ!!話しかけられた…どどどどどーしよー;

『お、オッス!…』


げげ、いつも〝オッス〟なんて言わないのに…私!


怪しまれる〜…!


『ん?咲夜莉。そのお腹の膨らみは何だ?』


ヒぃ!!見つかった…何とか誤魔化さねば!


『何だろーね♪妊娠しちゃったかな?』


『14…イヤ 13才の母〜なんちて♪』


ぎゃ…私、どんだけ誤魔化し方 下手なの!?


天才どころか─逆に馬鹿じゃないか…!!


『ンん?』


お父さんが怪しみ、1歩、1歩近づいてくる。


(や…ばい——!!!)


私は手、額、首筋に滝の様な汗をかいた。

Re: 野良犬と見た流星。 ( No.3 )
日時: 2010/11/02 19:20
名前: 梓莉兎梳☆彡 (ID: yMr7nvgj)

─その時!


『ぶゎ──っくしょいぃ〜…』


『…ぶぇえ─っくしょい!!』


お父さんが、くしゃみを2連発した。


『汚ッッ!!!』

ヒマツ
飛沫が、私の顔面に飛んできた。


いやゃ、そんな事より犬が…!!!


お父さんのくしゃみは、犬アレルギーのせいだった。


───,

        「ワン!」


『!!』


ヤベぇ。


何が─って、勿論 犬が吠えたのもあるケド。


犬が、私の上着から 顔出しちまった。


『…咲ァ〜〜夜ォオ莉ィイ?』


ウワ。


私は、父ちゃんの今までにない怒りを見た。


『犬を家に入れようとしただろぉ──ッ!!!!!』


『お前には〝思いやり〟というモノが無いのか!!』


………これぁ やべぇナ。


─逃げよう。


『うひゃぁ─ッッ!!!!!!』


私は一目散に逃げた。


当然の如く それを追う父ちゃん─。


父ちゃんの怒声と 私の悲鳴が町中に響く。


(近所迷惑も甚だしい…)


私は自分で思った。


通りすがりのオバさんが、こっちを白い目で見る。


『見世物じゃないっつ─の!!』

  「ミセモノジャナイッツ─ノ!」

   「ミセモノジャナイッ…」


私の声がこだまする。



Re: 野良犬と見た流星。 ( No.4 )
日時: 2010/11/03 10:43
名前: 梓莉兎梳☆彡 (ID: yMr7nvgj)

逃げる私。


それを追って来る父ちゃん。


そして──


キビス
踵を返して走り去る犬─。


…デモ、


よく考えたら、あの犬は まだ仔犬。


あの犬が私を助けようとした所でどーにもならない。


─と考えていた その時!


私を追う父ちゃんの背後から、

センコウ
閃光のような物が見えた。


─あの犬だ!


でも、私はふと疑問に思った。


犬は、おそらく捨てられた時に入っていた


ダンボールに、縄を付けた物を持ってきた。


あれは一体─?


犬は、物凄く速いスピードで 


父ちゃんを抜かしたかと思うと、


私を、あの縄付きダンボールに放り込んだ。


そして、ダンボールに付いている縄をくわえて


走り出した。ダンボールに入っていたので、


私は引きずられずにすんだ。


まるで─、

イヌゾリ
(犬橇みたい!!!)


私は思った。


─と同時に、


この犬、仔犬なのに頭良いなァ…


私は感心してしまった。


犬のスピードに、父ちゃんは 


とうとう付いていけなくなった─。


Re: 野良犬と見た流星。 ( No.5 )
日時: 2010/11/03 16:36
名前: 梓莉兎梳☆彡 (ID: yMr7nvgj)

私は、犬に連れられて(?)


公園に来た。


『ここ どこの公園だろう…?』


私は公園を見渡した。


すると、ひとつの看板が見えた。


【犬を連れ込まないように!! 仲良公園】


『わわっ!!犬、早く公園から出よう!』


私は犬を抱いて一目散に公園から出た。


─どーしよう。


このまま犬を置いて帰るなんて…できない。


だって!一度とは言え、この犬は私を助けてくれた。


何があっても、この犬に食わして行きたい─


守りたい────!!


─私は、犬を連れて 家の前に来た。


『…………………。』


『ごめんね 犬。明日─ご飯を持ってくるから。』


『待っててネ!』


そういって私は家に帰った。


帰ったときには夜の10時だった。


父さんは──寝てる。良かった。


明日になれば、父さんも忘れるよネ。


私は安心して自分の部屋のベッドに入った。


(でも 相手は犬。)


(家の前で待っててくれる筈はないよネ。)


   .     .    .   .  ,


—次の日—


『行って来まース!!』


学校専用のスクールバッグを持って私は家を出た。


あの野良犬は…いるか?


私は犬を捜した。


─その時,


「ワン…」


犬の声がして、私が振り向くと


電柱の向こうにあの犬がいた!


『ゴメンね、犬。』


そう言って、隠し持っていたチーズを犬にあげた。


犬は、ガッついて食べた。


ごめんね…腹ペコだったよネ。


私は犬の頭を撫でて、学校へ向かった。





Page:1 2



この掲示板は過去ログ化されています。