コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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私達の図書館紛争
日時: 2010/12/29 12:25
名前: 九龍 ◆vBcX/EH4b2 (ID: 7R690UrM)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode=view&no=13544

どうも、初めましてまたはこんにちは。
九龍です。

今回は、シリアス・ダーク版の『僕等の図書館』と、社会系の『虐め撲滅運動』の番外編をかきます。
『僕等の図書館』については、URLをクリックしてください。
とりあえず、ギャグ系の話をかこうと思っています。
あと、少し悲しいシーンも入れたいと思います。

御注意
・僕が嫌い? 帰った方がいいですよ。
・僕の書く文が嫌い? 帰った方がよろしいかと。
・荒らし・チェーンメールはお断りです。速やかにお帰りください。


……これでも残ってくださるんですか?
できれば、本編も呼んで行ってくださると嬉しいです。


一冊目の日記『大嫌い』>>1(館長とクロウのギスギスした腹の探り合い)
二冊目の日記『キャラメル』>>2(ひたすら寝相が悪いクロウと、お命頂戴されそうな館長)


お客様

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Re: 私達の図書館紛争 ( No.1 )
日時: 2010/12/17 18:21
名前: 九龍 ◆vBcX/EH4b2 (ID: nE04Zw/f)

寒い、寒い。手が、麻痺しそうだ。

これも、私、いや、僕の日常なんだろうな。
そう思いながら、小さくため息をつくと、あぁ、その息さえも白い。
そういえば、昨日は雪が降った。
そして、僕は仕事と宿題のことで、疲労がたまっている。
あぁ、昨日、ガンコナーさんと一緒に本を読んでいたのが悪かったかな。
僕はそう思いながら、苦笑した。

「……おや、クロウじゃないか」
「おや、じゃないんですよ。誰のために僕が来たか、考えたことってあります?」

僕がそう聞くと、黒いマントで身を包んだ男性は、喉を震わせて笑った。
その男性の嘲笑が、あまりにも鮮明に、頭に浮かぶものだから。
とても、気分が悪くなってしまって。
いや、『男性』というより、『館長』としてみているから、気分が悪くなるのかもしれない。
……こんな人が館長なんて、僕は絶対認めない。

「それは、俺に対する皮肉かな?」
「さぁ? 僕は知りませんよ。自分で考えなさい」
「君はいつも、そればっかりだ。ねぇ、クロウ?」

あぁ、そうですね。と、僕は本棚の本を一冊取り、どうでもいいように答えた。
館長がこんな人なんて、絶対認めたくない。
毎日毎日、シルクハットで顔も隠してるし、白い手袋はめてて、時々マントの下が見えたと思ったら、タキシード来てるし。
まず、その場相応の服装というものを教えないと、この人はだめらしい。
……前に抗議した時は、拗ねてパーカー着てきたけど。
それでも、マントだけは外そうとしないこの人は、どうかしてる。

「ほんと、貴方は館長には向いてませんよ……」

僕がわざと館長に聞こえるよう、そうつぶやくと、館長は口元を押さえる。
その手の下には、いつもの余裕の表情。そして、人を馬鹿にしたような笑い。
『笑う』事は出来るのに、『微笑み』なんて優しいものは見せてくれない。それがあなただ。

「それは、僕のことが嫌い、ということかい?」
「おや、そういうふうに聞こえました?」

僕が館長と一度も目を合わせずにそう言うんだから、館長も少しの間、口を閉じた。

静かな、図書館。聞こえるのは、僕が本を動かす音だけ。

「あのですね」

僕は声に笑いを含み、館長の名を呼ぶ。
館長は、自分の名前を呼ばれたことに驚いたのか、少しだけ顔を上げた。
一瞬だけ、目が合った気がした。

「あのですね、僕は……」





笑いを含んだその声は、その明るい声とは裏腹に。


僕にとって、そして、誰にとっても、最も残酷な言葉を発する。


『僕、あなたのことが、出会ったときから大嫌いだったのかもしれません』

Re: 私達の図書館紛争 ( No.2 )
日時: 2010/12/17 21:29
名前: 九龍 ◆vBcX/EH4b2 (ID: QB.PitpG)

重い。腹辺りが、とても重い。
そう思っていると、何か甘い香りが鼻をついた。
なんだか、いつもこの香りと同じようなものを嗅いでいるような気がするが……。
なんだか、嫌な汗が頬を伝った。
俺は気のせいだと願いながらも、ゆっくり目を開けた。

すると、俺の目に映ったのは、黒のパジャマを着たクロウ。
クロウの髪の色と、着ているパジャマが夜闇に溶け込んでいるようで、あまりよく見えない。
だが、足元を見ると、俺の腹辺りに、クロウがまたがっているのが見える。
あぁ、そう言うことか。


クロウは、寝相が悪い。
まぁ、普段は普通としか言いようがないのだが、時々、寒い冬であるというのに、目を覚ますと布団をはいでいる、ということがしばしばある。


今回も、そのパターンだ。まぁ、それよりだいぶ悪化しているが。
仕事をしていたら、疲れた、眠い、などというから、俺の部屋にあるいくつかのベッドの一つを貸してやったのはいいが、まさか、俺の腹に馬乗りになるなんてことは、考えもしなかった。
ここまで寝相が悪い人は、そういやしないだろう。


「館長ー」

クロウが、なんともふわふわとした声で、俺を呼んだ。
なんだか、その声にとても寒気を覚えた。
その時、クロウが俺の顔のすぐ横にフォークを振りおろす。
冷や汗が、どっとあふれる。クロウはにこにこと笑いながら、フォークを抜いては、俺を狙って刺してくる。
最初こそあたりはしなかったが、回数を重ねるごとに、俺に近づいてきている。さっきは頬をかすったくらいだ。

「クロウ」
「はい?」
「少し落ちついて。話を聞いてくださいませんか?」

俺がそう言うと、クロウは両腕をダランと下げて、攻撃する気はないということを示した。
俺はほっと胸をなでおろし、話を続けた。

「クロウ」
「はい?」
「なんで、俺にこんなことをするんです?」

俺がそう聞くと、クロウは間髪いれずに、答えを出した。

「きゃらめるー」
「……キャラメル?」

クロウの答えは、とても簡単なものだった。
キャラメル。そう言えば、クロウはキャラメルが好きだったような……。

「きゃらめる、頂戴」

寝ぼけていても、はっきりと言い切るクロウは、とても性質が悪く見えた。

「いや、そもそも、俺はキャラメルは持ってませんし」

俺がそう言ってまた眠ろうとすると、クロウは顔をしかめて、またフォークを持った手をぶんぶんふりまわして、喚く。
あぁ、なんなんだ、この人。
どっからどうみても、まるっきり、だだをこねるガキじゃないか。
だが、ガキはフォークを持って、親を脅したりしないな。子供よりも、性質が悪い。

「解りました、明日、買ってあげますから」
「はい、約束ですよ」
「はいはい……」

俺の答えに満足したらしく、クロウは自分が寝ていたベッドへと戻った。



翌日、約束通り、クロウにキャラメルを一袋買ってきてやった。
昨晩、なぜあのような事をしたのか聞いてみると

「僕の目の前で、館長がキャラメルを食べている夢を見たんですよ。
 あまりにもおいしそうに食べるので、なんだかイラッときまして」

クロウはキャラメルを一つ口に入れて、そう答えた。

あぁ、もう、いいですよ。
どんなに貴方が私を困らせようが、別にいいですよ。

……言い返したら、またフォークで刺されるでしょうしね。

Re: 私達の図書館紛争 ( No.3 )
日時: 2010/12/19 14:37
名前: 粕魅 (ID: OYLS3/iM)
参照: http://シドの歌は素晴らしい

粕魅と申します。

小説書くのお上手ですね。

ボクはお笑い系の小説を書いています。

では、また来ますね。

Re: 私達の図書館紛争 ( No.4 )
日時: 2010/12/19 16:02
名前: 九龍 ◆vBcX/EH4b2 (ID: n71ZnujR)

粕魅様へ

どうも、初めましてです。

それは、ありがとうございます。
私のところでは、基本全ジャンルです。

では、またおこしください。

Re: 私達の図書館紛争 ( No.5 )
日時: 2010/12/19 17:34
名前: 粕魅 ◆Dq9zTDROkE (ID: OYLS3/iM)
参照: http://シドの歌は素晴らしい

また来ました。

全ジャンルって凄いですね。自分にはとても出来ない事ですw

自分は、シリアスだけ書いていないと思います。今度九龍さんの小説を、シリアスで見つけたら、見てみようと思います。


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