コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- Love in My home
- 日時: 2010/12/24 14:19
- 名前: 或 ◆zyGOuemUCI (ID: BojjKUtd)
──みんな大好き。
[> 挨拶
初めましてもしくはこんにちは。或(ある)という物です。間違えました人です。
主な更新はもう一つの小説の方になるので、こちらの更新はかなり遅いです。
良くて一週間に一回更新くらいと思われます。
そしてこの小説に完結があるのかは謎です。話は繋がってるんだけど、短編のような……。
そんな変な小説(というか駄文)です。あと女の子はめったに出てきません。
それでもOKバッチコイな方は是非!
[> お願い
・荒らし、(いないと思いますが)パクリは禁止です。
・無断転載も禁止です。
・誤字は指摘してください。
[> お客様
友桃さん
[> 目次 ◎Since 2010 , 12 , 10
Character * >>001
Prologue * >>002
◇Episode01 「家訓」
01 / 03 * >>003
Page:1 2
- Re: Love in My home ( No.1 )
- 日時: 2010/12/10 21:50
- 名前: 或 ◆zyGOuemUCI (ID: BojjKUtd)
Character
槻谷 准一 (つきたに じゅんいち) - 男性
槻谷 悠二 (つきたに ゆうじ) - 男性
槻谷 三月 (つきたに みつき) - 男性
槻谷 四海 (つきたに しかい) - 男性
槻谷 楓五 (つきたに ふうご) - 男性
- Re: Love in My home ( No.2 )
- 日時: 2010/12/10 21:51
- 名前: 或 ◆zyGOuemUCI (ID: BojjKUtd)
Prologue
──この物語は、両親はいないがとても幸せに暮らす五人の兄弟の日常である。
「何か美味しそうな匂いがするぅ」
寝ぼけ眼で現れたのは長男の槻谷准一。現在高校三年生の十七歳。せっかく先日美容院に行って綺麗に染めた栗色の髪の毛は、寝癖が酷い。まるで先程まで下敷きで頭を擦っていたような跳ね方だ。
着ているグレーのスウェットはサイズが合っていないのか、ズボンの裾が床についている。だが本人はズボンを引きずってしまっている事を特に気にしていないようだ。いや、もしくは気付いていないのかもしれない。
長男でありながら何処かふわふわとしていて地に足がついてない様な雰囲気だが、弟たちの将来を心配したりと、意外としっかり者である。
「准ちゃんおはよう。早く着替えないと遅刻するよ」
炊きたてのご飯を茶碗につぎながら、准一に優しく微笑んだのは次男の槻谷悠二。高校二年生の十六歳。准一と同じ高校に通っている。脇辺りまである茶色の髪は襟足だけ残して下の方で結んでいる。黒のヘアゴムは苺の飾りが付いていて、とても可愛らしい。
白シャツに青のネクタイ、緑のチェック柄のズボンという至ってシンプルな制服の上から黒のエプロンを着ている。エプロンの左胸には悠二を指す“Y”のアップリケが縫い付けられている。
家族の為に働く兄の准一を少しでも楽にさせてあげたいという思いから、家事は全て悠二がこなしている。成績優秀なので、偶に弟の課題等も見てやっている。
「准にーちゃん、おはよー!」
かなり元気良くそう言ったのは、三男の槻谷三月。中学三年生の十四歳。前髪をヘアゴムで結んでいるので、白い額が丸出しの状態。この前、准一の真似をして栗色に染めた髪の長さは耳下五センチくらい。
淡いピンク色のシャツに赤のネクタイをして、その上から黄土色の薄いカーディガンを羽織っている。二週間程前はまだ風が冷たかったのでジャケットを着用していたが、最近は大分暖かくなってきたこともあり、薄手のカーディガンに変えた。ズボンは紺色でシンプルなデザインだ。
良く言えば無邪気、純粋で素直。悪く言えば……というか直球で言ってしまえば空気が読めない馬鹿である。ほぼ何も考えずに行動する。
「おはようございます准一兄さん。昨日より五分早い起床だね」
読んでいる新聞から目を離さず口だけで挨拶したのは、四男の槻谷四海。中学一年生の十三歳。三月と同じ中学校に通う。漆黒の髪はボサボサという言葉が相応しく、お世辞にも綺麗とは言い難い。結構な童顔で、特徴的なのは右目下の黒子。
薄い黄色のシャツに三月と同じ赤色のネクタイ、寒がりの為未だにニットセーターを着て登校している。ズボンも三月と同じ紺色。パソコンのやりすぎで視力が悪い為、黒縁眼鏡をかけている。
理科の授業や実験が大好きで、学校から帰ると白衣に着替え自分の部屋に籠るので四海の部屋は通称“実験室”だ。しかし大した実験はやっていないので白衣は新品同然驚きの白さ。
「おはよう准にぃ。昨日“遅刻ギリギリに家出るのもうやめよう”とか言ってたの誰だっけ?」
そう言ってぷっと吹き出すように笑ったのは、五男の槻谷楓五。小学六年生の十一歳。色は四海と同じ漆黒の髪だが、四海と違うところは“よく手入れされている”というところ。風に揺れる度サラサラと音が聞こえてきそうな、とても綺麗な髪である。年齢にしては大人びた顔つきで左目下には黒子がある。
グレーのVネックTシャツにデニム、上から羽織っているのは黒のロングカーディガン。末っ子だが、この槻谷家で一番洋服のセンスがあるだろう。……というか、他の四人が洋服に興味が無さ過ぎるのかもしれない。
槻谷家一番の常識人で、末っ子なのに家計簿をつけたり兄達の悩みを解決したりと、かなりしっかりしている。だが言葉をオブラートに包むという事を知らずバッサリと切り捨てる事から、兄達は「毒舌」と言う。
──個性溢れる五人の兄弟の日常は、楽しく、とても温かい。
- Re: Love in My home ( No.3 )
- 日時: 2010/12/17 19:41
- 名前: 或 ◆zyGOuemUCI (ID: BojjKUtd)
Episode01 「家訓」
01 / 03
槻谷家は然程教育に厳しいというわけでもないのだが、三つだけ、守らなくてはいけない家訓がある。
一つ目。門限は厳守すること。小、中学生は八時、高校生は十時までに帰宅しなければならない。
「准一兄さん、今日、六時間目理科室で実験なんだよ。ちょっとだけ、居残り、だめ?」
「だぁーめ。“ちょっと”つっても、しーちゃん下校時間ギリギリまで居残るでしょ。家から学校遠いんだから、門限に間に合わないよ」
左手に茶碗、右手に箸を持ちながら首を傾げ精一杯可愛く頼んだのも空しく、四海のお願いは准一によって却下された。因みに准一が言う“しーちゃん”とは四海のことだ。
あっさりと却下された四海は、自嘲的な笑みを浮かべながら肩を落とした。四海だって分かってはいたのだ。准一が許可するわけないというのは。が、やはり心のどこかで少し期待してしまっていたので、結構ショックは大きかった。
「四海、そんな落ち込むなって。俺バイト頑張って、また何か実験器具買ってやるからさ」
悠二は見かねて慰めるように言った。直後、四海の瞳が、キラリと光った。
「有難う悠二兄さんっ! 顕微鏡、買ってくれるんだね?」
つい先程まで不気味に薄ら笑っていた四海の表情は一転、まるで獲物を見つけた獣のように、瞳からキラキラとした光線でも出ているのではないか、と悠二が思うほどに、嬉々として輝いていた。
悠二はどんどん血の気が引いて行き、顔面蒼白状態。それもそうだろう。新手の詐欺に引っ掛かったのだ。誰でもあんな顔になる。
二つ目。出かける際は、必ず目的地とそこに行く理由、帰宅する時間を家族の誰かに伝えてから行くこと。伝える相手が居なかった場合は、玄関の壁に掛けてあるホワイトボードに書かなければならない。
平日の朝はいつも兄弟全員揃っているので、みんなで今日の予定を伝え合う事が恒例になっている。
「准にぃから年の順で、どぞ」
と、楓五が准一に話をふる。
「学校行ってバイトがあるからいつもの本屋行ってぇ……八時には帰ってこれるよ」
准一は今にも“ふにゃ”と聞こえてきそうなくらい柔らかな笑みを見せる。その後、ちらりと悠二に視線をよこす。
自分に向けられた視線に気付いたのか、悠二は「ああ」と言って手に持っていた茶碗を置き、その茶碗の上に箸を置いた。
「勉強する為に学校に行って、そのまま家に直帰しまーす。今日は六時間だから、遅くても七時までには帰ってこれると思うよ」
そう言って茶碗の隣に置かれた硝子製のコップを手に取り、入っていた麦茶を一気に飲み干した。ぷは、と小さく息を吐く悠二を横目に、三月は話し始めた。
「がっこ行って、サッカーの練習して帰ってくる! 悠にーちゃんと同じく、七時までには帰る!」
言い終わるとすぐ、右手に持っていた箸を、ダイニングテーブルのほぼ真ん中に置かれた大きな白い皿の上の卵焼きに突き刺す。そんな三月に“箸ぐらいちゃんと使えや”とでも言いたげに睨んでいるのは、四海。
「……学校行って、居残りもせずにまっすぐ、どこのクソ真面目だよってくらいにまっすぐ帰ってきます。時間は大体六時半」
ついさっき、准一に居残りはダメだとバッサリ切り捨てられたのを根に持っているのであろう。四海はやけに“まっすぐ”を強調して、やや嫌味をきかせて言い放った。
だがそんな小さな反抗は、准一に対しては全く効果がないようで、相変わらずふにゃっとした笑顔で「えらいねぇ、真面目だねぇ」とのん気に言っている。
いつもは准一を尊敬している四海も、この時初めて准一に対して殺意が湧いた。殺意はどうにかして抑えたが、苛立ちはどうにも抑えきれず、准一をこれでもかというくらい睨みつけながら小さく舌打ちをした。
そんな四海を内心小馬鹿にしつつ、楓五は淡々とした口調で言った。
「学校行く。今日クラブ無いから五時過ぎには帰る」
言い終わるとすぐ立ち上がり、食べ終わり空になった自分の茶碗と、中に注がれていた牛乳を飲み終わった自分の黄色いマグカップを持って、台所へ向かった。
「楓五! 挨拶は?」
持って行った茶碗とマグカップをシンクに入れて、そのまま無言でリビングのドアに向かい出て行こうとする楓五を慌てて悠二が呼び止め挨拶をするように促した。
「ごちそーさまでした」
楓五は眉間にしわを寄せ、ぺっと吐き捨てるように言った。
実はこれが三つ目。どんな時でも挨拶はきちんとすること。これには、只今絶賛反抗期中の四海と楓五が異議を唱えている。「そんな幼稚園児にさせるようなことめんどくさい」と。だが准一はいつも「幼稚園児ができることなんだからちゃんとやろうよ」と返している。
そんなわけで、三つ目の家訓は守られなかった事は無いのだが、一つ、二つ目の家訓はどちらも一度だけだが守られなかった時があるのだ。
次は、一つ目の家訓が守られなかった時の話をしよう。
Page:1 2
この掲示板は過去ログ化されています。