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- 悪天!
- 日時: 2011/04/07 15:27
- 名前: 紫 ◆v9jt8.IUtE (ID: IPYwA4yT)
この世じゃない物体がこの世に舞い降りてきたのである。以上。
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@ご挨拶
ど、どうも。二次でひっそりこっそり活動している紫です。
この小説はらくがき帳と言う名のぐへへへに描いてみた絵が元となっております。
尚、この小説はギャグ60%、ラブコメが40%です。ギャグが苦手な方は戻るを押す事を推奨します。
ではゆっくりしてってください。
@お客様
リアさま 蘭さま
@目次
一話 お届け物=人形
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:スレッド生成 3/29
- Re: 悪天! ( No.1 )
- 日時: 2011/03/29 13:53
- 名前: 紫 ◆v9jt8.IUtE (ID: 6sz9.CTE)
一話 お届け物=人形
さて、誰だろうか。このちんちくりんな人形を送って来たのは。明らかに送り間違いだよな、例え箱に俺の名前が書かれていたとしても!
ふふ、同姓同名なんてこの世にいくらでも居るさ。だから多分これは送り間違いだ、そうに決まっている。と思いつつ住所が書かれている場所を凝視。何度も凝視。だけど事実は変わらない。
何で俺なんだよ、何でこんなもんが俺に届いて来るんだよ。明らかに子供向けじゃねーかよ、俺は子供なんて作ってねーぞ。高校生で子作りなんて不純だ。多分。
「何でこんなもんが……」
漫画で言う小悪魔? って言う様な羽根のついた人形と天使って言ってそうなこれまた羽根のついている人形。俺は天使やら悪魔やらに興味は無いんだ。そうしてゴミ箱に捨てる……のは勿体無いな、新品だし。
しかし、この人形、妙にオシャレだ。何で人形の癖にスカーフ巻いてヘソチラしてんだよ。何で人形の癖にタイツにギザギザスカートなんだよ。
「ここに置いてても誤解されそうだしなー……」
誰かにあげようと思って立ち上がると、白い煙が上がった。誰だよ、煙玉なんかを投げたのは! 何にも見えねえじゃねーか! てかこれ俺の家なのになんで煙出てんだよ、不思議でならねーよ!
「どこに行くだって?」
「おにいたーんっ」
ちょっと待って理解不能って言うか機能停止。どうなってんだ。とりあえず、誰かに襟首を掴まれて誰かに抱きしめられてるのは確かだ。多分、声質からして二人とも女。
煙が上がって来た頃に、やっと目が機能してきた。正面には、うん、誰? 灰色に金のラメが入ったスカーフに、細身で長身。モデルの方かな? 目つきが悪くて何故だか目が赤でヘソチラ……ん? これはもしかして……。
「おにいたんっ!」
考えは可愛らしい声に遮られた。どうやら、俺はこの声の主に好かれている様だ。何歳年下なんだろうかと思い声がした後ろを振り向く。俺の背骨に頬っぺたすりすり……? いや違う、問題はそこじゃないんだ。
コイツ、俺と同じくらい、もしくは年上じゃね……? しかもコイツ天使の羽根生えてるぞ。ランドセル背負って背筋、ピーン! じゃないじゃない。正真正銘、背中から白い羽根が生えてるのだ。
「待てお前ら、とりあえずそこに二人共並べ!」
- Re: 悪天! ( No.2 )
- 日時: 2011/03/29 14:58
- 名前: 紫 ◆v9jt8.IUtE (ID: 6sz9.CTE)
「あいよー」と、全身に黒い服を纏った彼女が気の抜けた返事を出して、今俺の背骨に顔をすりすりさせている彼女を引っ張って二人は整列した。俺がさせたんだけど。
うーん、こうしてみると凄いなコイツら。さっきは見えなかったけど、この黒い奴もちゃんと小悪魔らしい羽根がしっかりついてるし。
やっぱりこの二人、さっきの人形と同じ……なはず。しかし、なぜ俺の家に。傍迷惑だぞ。
しかし、黒い方はスタイルいいな。足長いし細いし。一応顔可愛いし。目つきは悪いが。白い方は、黒い方に比べるとぽっちゃりしてるな。まあ、世間で言う良い位なのだが。ほんわりしてるし。金髪長いなー。目が青いなー。
「ジロジロ見んな」
はい、突っ込みを入れられました。気を取り直して、質問。
「えーと、二人とも名前は?」
「自分から名乗れ」
「白月ーっ!」
お、おお。天使の方はあっさりと名乗ってくれたぞ。おまけに挙手までして。黒い方はさっきからぶっきらぼうだな。
仕方ないから、俺から名乗る事にした。
「俺は、木原咲だ」
「ダッセー名前」
なんだその感想は。そこの黒。確かに女々しい名前だが俺は嫌いではない。てかお前そろそろ名乗ってくれよ。
「オレは黒鈴だ」
て言うか一人称オレかよ。僕っ娘はまだ居る様な気がするけどオレっ娘って。そんなに居ないぞ。
「ところで、お前らなんで来たんだ?」
「えーと、追い出されました」
二人で揃って追い出されたって言われてもなー。どこから追い出されたのか詳しく説明して欲しいわ。主語つけろよ。
「どういう経緯で追い出されたのか詳しく」
「なんかお前態度悪いから追い出してやるー! だって、閻魔が」
質問すると、案外まともに答えてくれた黒鈴さん。確かに態度悪いな。人の家なのにソファに座ってテーブルに足乗っけてるし。しかしこんな奴を送ってくる閻魔も閻魔だわ。ここに送るな。
「白月さんは……?」
「私の名前呼んだ! もう付き合っちゃおうか」
「お断りします。ここに来た理由は? って事ですよ」
名前呼んだら付き合うってどういうカップルですか。お断りしたからちょっと彼女は拗ねている。可愛いけど答えてくれ。
「白月はねー、変態だから追い出された訳よ」
「は?」
いやいやこんな可愛い奴が変態って神様は天使の性格も選ぶのか。
- Re: 悪天! ( No.3 )
- 日時: 2011/03/30 15:52
- 名前: 紫 ◆v9jt8.IUtE (ID: 6sz9.CTE)
「変態って……」
「そ。こんな可愛いけどコイツ変態なんだよ」
いや、そんなクールに答えられてもですね。反応が困るってもんですよ黒鈴さん。まあさっきから馴れ馴れしくおじいちゃんとか呼んでくるし……会って早々抱きつかれるし。
「おにいたーん、とか愛嬌振り撒いて男によく寄ってくんの。本人によると好みとかもあるらしいけど?」
おにいたんだったか、そうだよな。俺まだ十七だし。老人になるまで後四十三年あるし。て言うか老人って六十からだよな?
「おにいたんは全部好みだよー」
と先程まで拗ねていた白月さんは居ないらしく、なんかどっからか持ち出した熊のぬいぐるみで遊びながら、にへっと顔を傾けて笑う。うーん、可愛いだけど好きになれる気がしないなー。
「おにいたんの頬にすりすりー」
何か寒気が下から上へと。チキンな肌がぞくぞくと刺激を。確かにこれは変態レベルだ。気持ち悪い。
そしてなぜか黒鈴さんが冷たい様な目でこっちを見ている。待て、これは俺が求めてやった行為じゃないぞ。その証拠に今鳥肌だって立ちまくりなんだ!
「まあ抵抗しないって事はアンタもなんだろうけど、とにかくソイツはかなりの変態って事が分かっただろ?」
「その誤解を解かせてくれ」
「誤解って言うか真実だから良いじゃんよ」
「真実違うぅぅぅ!」
俺は白月さんにすりすりされながら、あらぬ誤解をかぶせられ、更には黒鈴さんに笑顔を向けられると言う哀れな状態に陥った。何で初対面で数時間しか経ってないのにあらぬ誤解を受けなければならないんだ。
「うん、分かったから。とりあえず腹減った」
「お前ら失礼な奴だな」
「その言葉もう聞き慣れたから。さっさと客人もてなしな」
話をスルーされご飯作れって。客人ならもっと遠慮するべきだろ。白月さんをどかして俺は仕方なく台所に向かう。丁度俺も腹減ったし。俺の為にご飯を作るんだ、だから黒鈴さんの言いなりなんて事はない!
「何つくんのー?」
さっきどかした筈の白月さんが、無邪気な笑顔で訊いてきた。
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