コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- ☆魔法術殺師みならいハック☆
- 日時: 2011/07/14 20:43
- 名前: 千鳥 (ID: EfKicuSN)
これは、上級位魔法術殺師をめざす少年ハックの奮闘記です
ハックはエリート魔法学園、エストレーラ・ルーノ学園へ運良く...というかまぐれで
入学することが決まり、喜んでいたのも束の間、始業式当日からいきなり抜き打ちテストを
されられます。立派な魔法術殺師を目指すとはいえハックは初心者でまわりはエリート。
どんどんハックは身体的、技術的にも遅れを取ってしまい、挫けかけてしまいますが、
そこで謎の青年ガオウと出逢い、変わっていくお話です。
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- Re: ☆魔法術殺師みならいハック☆ ( No.1 )
- 日時: 2011/07/14 22:14
- 名前: 千鳥 (ID: EfKicuSN)
30XX年 春.
「ハックッ!さぁ、こっちを向いて」
「ほらハック!笑って!」
「わ、わかってるって。父さん、母さんも;」
少年の名はハック・ローレンス 15歳。
駄目で元々の学園を受験し、見事合格したはいいのだが....
その学園は、普通の学園ではない、何を申そう由緒正しき『魔法学園』だったのである。
今日は入学式当日。
ハックはもちろん全世界からこの学園へ入学してくる生徒達は多い。
しかしハックはこのとき、全く予想だにしない出来事が起ころうなどとは知る由もなかった。
知る人ぞ知る名門エリート魔法学園、エストレーラ・ルーノ学園。
今年で創立1856年になろうというのに、装飾から外壁にかけてまで何一つと言っていい程
劣化が見られない。いや、劣化していない。
建てられてから今に至るまで全く変わらない形で今に現存されている。
「新入生代表、シュリー・ナイトウィッチ。」
「はい」
教頭の声で教壇にあがっていくのは、小豆色の髪を縦ロールした少女だ。
「かわいい...」
思わず口に出してしまい、あっ.と口を塞ぐと、隣にいた男子が話しかけてきた。
「お前っ、当たり前だろ!シュリーちゃんはお嬢様なんだぞ!」
「えっ そうなの?」
「そうだよ!だから凡人のお前みたいなやつが近づけるような子じゃないんだよ」
わかったら変なこと考えるなよ、と言ってその男子は教壇の方にに体を向け直した。
別に変なことなんか考えてないんだけどなぁ...ただ純粋にそう思っただけなのに。
ぼぉっとそんなことを考えているといつの間にか話は終わっていた。
入学式も終わり、自分のクラスに戻ろうとしたときだった。
「ねえ。」
反射的に後ろを振り返るとそこにはシュリーちゃんがいた。
「あ、君は...」
「シュリー・ナイトウィッチ。これから1年間よろしくね」
えっ、もしかして...同じクラス...!?
「あなた、運良くこの学園に入れたらしいけど、私そんな実力無視で入学できた甘ったれ
なんて絶対認めないから。それじゃ、また教室で会いましょ、ヘ・タ・レ」
...?
今、なんて?
へたれ?
「あ...うん。また...」
「あ、それから。私には敬語で話しなさい、ヘタレ。」
またヘタレって言った!!
2回も言ったぁああああああああ!!
去っていく小豆色の髪を見ながら、心の中で激しく叫びをあげるハック。
しかしこんなことはこれから起こる学園生活の幕開けに過ぎなかった。
- Re: ☆魔法術殺師みならいハック☆ ( No.2 )
- 日時: 2011/07/17 22:59
- 名前: 千鳥 (ID: EfKicuSN)
”ヘタレ”
「う...」
”ヘタレ!”
「....」
”ヘタレヘタレヘタレヘタレヘタレヘタレヘタレヘタレヘタ..”
「ぅあああああああああああああああッッ!!」
ジリリリリリリr...
なんなんだよもうッ!
今日は始業式だっていうのにさぁ!!
ん...? 始業式...?
「しっ、7時すぎてるーーーーーーっ!!!!」
ドタバタと階段を降りて起きてきたハックに母・カレンが呆れた様子でこちらを見た。
「ハック...新学期が始まるっていうのにあなたにはどうしてそう緊張感がないのよ...」
「そ、そんなことより朝ごは...」
「大体、もう中学生じゃないのよ?いつまで経ってもそんなことじゃ、だめ。」
腰に手をあてて緩く説教をするカレンをよそに時間はどんどん過ぎていく。
ハックは早く朝ご飯を食べさせてほしいのと、学校に遅刻しそうになっているため
半泣き状態で必死に目で訴えている。
「...ってハック?ちょっと聞いて...あら?やだッ!!ハック!もうこんな時間よ!?
早く支度しなさいっ!!」
「母さんが起こしてくれなかったんじゃないかぁっ;」
「お母さんはちゃんと起こしました!ハックが悪いのよっ」
そのとき、あくびをしながら父・クラウスが起きてきた。
「ハック、学校はいいのかい?」
「え。」
慌てて時計をみるともう8時をまわりそうになっている。
ハックの家は学校からかなり遠くはなれたところにあるので急がなければ遅刻は確実だ。
結局、朝ご飯を抜きにして身支度を整えたハックは急いで家を飛び出した。
...弁当を忘れて。
〜 〜 〜
キーンコーンカーンコーン..キーンコーンカーンコーン
なんとか間に合ったハックは自分の座席にすわり、朝のホームルームを待っていた。
すると、ガラガラ、と扉をあけ、若い女性教師が入ってきた。おそらく担任だ。
髪は短めできっちり揃えられており、薄緑色で赤いメガネをかけている。
背は標準よりも高めといった感じで、スタイルもいい。
「今日からこの1−sの担任になった、『ハノ・セリーエ』です。よろしく」
無表情で自己紹介をし終わると、さっそく出席をとる....
と思いきや、とらなかった。
疑問に思った最前列の男子が、
「先生、出席はとらないんですか?」
と聞くが、ハノの態度はさっきと変わらず、無表情である。
そして少し考えるとこう言った。
「あたしさ、君らの名前なんか別にどーでもいいんだよね。」
と。
「子供嫌いだしさ。まあ適当に魔術勉強して、とっとと卒業しちゃってくださーい。」
ハックはまるで時間が止まったかのように感じていた。
周りを見渡すと、皆あり得ない...といった様子でハック同様固まっている。
そんな空気を一変するかのように後ろから声がした。
「先生は本当にこのエストレーラ学園の先生なんですか?」
突き刺すような視線をハノに送りながら問いかけるのは、シュリーだった。
「そうだけど。それが何?」
マニキュアを塗った爪を見ながらハノは返事をする。目は一切シュリーを見ない。
そんな担任教師の姿を見てシュリーは半笑いでこう言う。
「先生なのにそんな態度でいいんですか?私ママに言っちゃうけど」
すると至極めんどくさそうにハノが口を開いた。
「あぁ、あんたが有名なオジョウサマ?ハハッ、どーぞどーぞ。言うなら言えば?」
それまで爪ばかり見ていたハノが突然シュリーを見た。
「できるもんならね。」
次の瞬間、急に教室の電気がフッと消えたかと思うと、黒くうごめく影がシュリーの前に
現れた。それはどんどん姿を変えてみるみるうちに...
闇のように黒い髑髏になった。
「ひっ...」
シュリーは言葉にならない声を出しその場に立ちすくむ。
すると黒い髑髏はシュリーの背中にまわり込み、持っていた剣をシュリーに近づけ
刃先を喉元に当てた。
「殺しちゃだめだよ、シャレコウベ。」
「あいよ。」
がたがたと震えているシュリーに尚もハノは続ける。
「あたしはこの学園の教師という教師の中でも一番強い。わかったね。
もしこれを誰かに言ってみな。あたしの地獄仲間があんたを消すから、さ。」
じっとシュリーを見ながら言うハノに、ハックは恐怖を感じていた。
「返事は?」
「はっ...はい」
「よし、もういいよシャレコウベ。」
「お前生かされたな、嬢ちゃん?」
「いーから早く戻れ。」
髑髏はケタケタケタ..と笑うと煙のように舞い上がり、消え去った。
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