コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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コメディ小説って何書けばいいのさ?
日時: 2012/04/11 15:06
名前: 大嘘吐き ◆ivrU1TOGVQ (ID: 83yASpp9)

どうも、大嘘吐きです
コメディ小説、いざ書くと言うと何を書けば良いのやら
そんなこんなで、奮戦するシリアス小説を得意とする人のお話しでも描いてみようかな……

一応、注意事項としては荒らしが来ても無視スルーくらい
理由があれば批判も、受付けます
と言うより、むしろそう言った批判ください

序章
>>1

第一章【コメディ小説って、何だろう?】
>>2#>>9-16

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Re: ラノベって何書けばいいのさ? ( No.13 )
日時: 2012/04/11 15:08
名前: 大嘘吐き ◆ivrU1TOGVQ (ID: 83yASpp9)

 三時間目が終わると同時、私の前の席……一年の周りに5、6人の女子の集団が押しかけた。 彼の顔がいいからだろう。
 実際、腹のそこでは何を考えているのかなど分からないものだ。

 「ねえ、一年くんって何処から来たの?」
 「何高から?」
 「彼女居るの?」

 質問攻めに会うが、彼は一切気に留めた様子も無く、口を開く。

 「そうだな。 和歌山の紀ノ川って所から、高校は途中退学した。 彼女は……どうだろ? そうだね、後ろの席」

 まさか、取り巻きの視線を自分に振られるとは思って居なかった。
 慌てて視線を持っていた小説に戻すが、遅かった。 リーダー格であろう女が、私の前に立ちふさがる。
 無理するなと言いたげな視線で、こちらを見てくるわけだが……この際無視させて頂こう。 

 「シカトしてんじゃねーよ!」

 机に蹴りが入り、視界がぶれる。
 何だ、この女。 何様のつもりだよ?
 今言うのもなんだが、私はとても沸点が低い。 大体、大人しいやつほど弱気なのだが、私の場合はそんな一般常識に当てはまる方が珍しいと言うべきだろう。
 しおりを挟み、本を制服のポケットの中へ。 そして、椅子から立ち上がると冷静に相手の顔を見据えた。

 「何か、用?」

 私の言葉に、後ろの数人は、
 「うわ、声初めて聞いた」
 「喋れるんだ」
 などと、まあ……ざわついているわけだが。 そいつらに興味は無い。

 「シカトすんなっての」

 「シカトしたら、机蹴るんだ。 へー」

 私は冷静だ。 冷静で、冷静で、自分が何をしたのか分かっていて、相手が何をしたのかも分かっている。 そして、相手と自分を天秤に掛けた結果。
 スカートであることを気にも留めず、強烈な上段下し蹴りが相手の顔に叩き込まれた。
 まさか相手は、反撃をされるとすら思っていなかっただろう。 謝れば許すつもりはある。 だが、もう遅い。
 相手に非がある場合、私の躊躇いと言うものは全くと言ってもいいほど無い。
 そして、こんな性格でよく外へ行けばビッチどもにも絡まれる。 見たまま、形を真似ただけだが、まかりなりにも護身術紛いのものくらい扱える。
 率直に言えば、私は喧嘩っ早くて暴力的だ。

 「常識じゃ、先に手を出した方が悪いんでしょ?」

 静かにそう言い放つと、私は席に着き、ポケットから取り出した本のしおりから。 読書を再開した。
 それを見てか、一年がうっすら笑ったように見えたのは……私の気のせいだったのだろうか?

Re: ラノベって何書けばいいのさ? ( No.14 )
日時: 2011/10/08 14:09
名前: 大嘘吐き ◆ivrU1TOGVQ (ID: QwdVpVQe)

 踵落しは、どうやらやりすぎていたらしい。 いや、明らかな過剰防衛だと注意を受けた。
 ただ、私に非はない。 むしろ、被害しか受けた覚えが無い。
 前の席に居る一年が私に彼女の話題を振らなければ、あの群れは私に構う事はなかったし、あの群れが私に攻撃を仕掛けなければ、蹴られる事も無かったのだ。
 私は、ただ単純に鏡なのだ。 相手の行動をそのまま返す。 言動をそのまま返す。
 それも、反転して同じものを。
 損をするのは、いつもこっちだ。 慣れきっているが、やはり煮え切らない。 納得できない。
 相手が手出さなければ、何も起こらなかった。 なのに、相手はお咎めなし。 不条理とでも言うべき、この現実。
 物語と、現実が入れ替われば面白いのに……。 そう思うのも、そのせいだ。
 物語は、そういった不条理を努力以外に幸運によって解消していくのだ。

 結局、学校から家に帰され、戻って小説を綴る。 そして、布団に入ってすぐに寝息を立て始めた。
 そこまでは、いつも通り。 だが、今の音は一体……?

 夜中。 私の体内時計では、午前三時をさしている頃。 家のチャイムがなる。
 だが、親は一切反応しない。 まるで、私以外の時間が全て止まっているかのような。 そんな、得体の知れない雰囲気の中。
 私はパジャマ姿のまま、玄関へ。 下駄箱の上に立てかけられていたレンチを片手に、扉を開く。

 「や、久しぶり」

 そこに立っていたのは、癖毛の男。 街灯などの逆行で、その姿は黒い影にしか見えない。 ただ、その金色の瞳は私を見据えている。

 「……誰?」

Re: ラノベって何書けばいいのさ? ( No.15 )
日時: 2011/10/08 14:04
名前: 大嘘吐き ◆ivrU1TOGVQ (ID: QwdVpVQe)

 逆行に対し、目を凝らす。 すると、徐々にその人物の像が浮きあがってきた。
 暮れの歩けの男は、金色の瞳で私を見据えている。 恐怖を感じるも、表には出ない。 というより、出せない。

 「や、学校以来だね」

 その言葉を耳にした直後、それが誰なのか。 私の頭にはっきりとした人物像が浮かんだ。 一年である。

 「こんな夜中に、何か用ですか?」

 怒りを通り越して、呆れが私の感情を支配する。
 夜中に、急に来られても何も出来ないし。 家族全員寝てるし。

 「いや、君を探してたところでね。 丁度良かったんだ、運命を書き綴る預言者……。 ボクの世界の運命は、これから君の綴る書の中に全てが記される」

 意味不明だ。 二次元妄想が酷いのか? 学校で見た限り、早くも友達が出来たようだし、元よりこいつはリア充なのに。
 というか、リア充は絶滅しろ。 群れて、私に突っかかって来る奴は大体がそうだ。
 今日の翔テストだって、授業中は寝ていた癖に満点を取っていたし、体育も男子の陸上競技の学年記録を大幅に塗り替えたという事を耳に挟んだ。
 そしてこの、イケメンだ。 これをリア充と呼ばずして何と呼ぶか。 こんな奴、

 「今すぐにでも滅びてしまえ」

 私は無意識の内に、その呪いの言葉を吐き出す。 が、彼はそれを華麗に受け流す。
 そして、私の手の握ると同時。 景色がまるで砂の城を突いたかのように崩れ去った。

Re: ラノベって何書けばいいのさ? ( No.16 )
日時: 2011/10/25 22:25
名前: 大嘘吐き ◆ivrU1TOGVQ (ID: I69Bg0jY)

 「おーい、起きろよ」

 これは、気絶という奴か? 良くある、異世界へ行くときのお約束のパターン。 そして、私の体験した事のない現象だ。
 何だか、深い眠りから一気に覚めたような、案外気分のいい感覚。
 けれど、いつまでもその感覚に浸っているわけにも行くまい。
 寝ぼけ眼を半ば強引に押し開き、ピンボケ写真のような周囲を見回すうちに、目のピントが合ってきた。 目の前に、楔形の箱がいくつも並んでいる。 何だろう? 何て思ったのは一瞬だった。
 それは、見て分かるとおり。 “棺桶”で、私の寝ていたところに目をやると、やはりそこは棺桶の中。
 小説で書くときにイメージするそれとは若干イメージが異なるが、棺桶で間違いない。

 「ようやく目を覚ましたようだね」

 私に、“彼”が話しかけてきた。
 玄関のところにいた、張本人。 そして、それは見れば見るほど、忘れもしない“奴”そのものであると思い知らされる。

 「一年……何で?」

 彼は困ったような顔で、顔を掻きながら口を開く。

 「いや、何でって……ボクはこの世界の住人で、この場所の守護者だから……」

 その仕草と、表情は明らかに女ウケが良さそうで、見ているだけでどうしてもムカつく。
 蹴りを入れよう課などと考えたが、ここで関係が悪くなって何処にいるかを聞きそびれれば大変だ。 ムカつくがここは、大人しいふりをするべきだろう。 いや、大人しいとは思われていないかもしれないが……。
 もちろん、表面上だけ。 腹の内では死ねばいいのにとか考えているのも、口に出してはいけない。

 「ここ、何処?」

 余計な言葉を口にしないよう、必要最低限の一言を脳が選び出し、口から吐き出した。
 一年は、困ったように周囲を見回し、

 「君を、この世界に連れてきておいて言うのもなんだけど……。 ここが何処だか、ボクにも今一良く分かってないんだよね。 あ、そうそう、これ」

 一年は紅い表紙の書物を拾い上げ、こちらに渡す。 が、受け取りを拒もうと、手を伸ばさなくともそれをこちらへ突き出すので、渋々受け取った。

 「ボクの居るこの世界がどのように進むかを示す予言の書。 どうやら、君がこれの所有者らしくてさ。 この本が選んだ所有者でなければ、この書物に記された事は予言にもならない。 それに、誰か別の人間がこの書物にいたずら書きを使用ものならその人間は不慮の事故でこの世を去ることになる。 さて、君はこの恐ろしい本で、明るい未来を記してくれるかい?」

Re: ラノベって何書けばいいのさ? ( No.17 )
日時: 2011/12/07 23:24
名前: 大嘘吐き ◆ivrU1TOGVQ (ID: 0R1fmnoy)

 「……荷が重過ぎるよ。 何で、私はこんな夢を」

 何だかな。 ここまでシリアスに受け止めておいて、ここで言うのも何なのだが。 
 私はよく、この手の夢を見る。 何だろう、今回に限っては相当深く作りこんであるし。 悩みが反映されたのか、何なのか。
 まー、どうせ夢だし。

 「それが君の運命だ」

 「……電波リア充は……死ね!」

 取り敢えず、ムカつく一年の顔面をどこからとも無く出現させた金属バットで強打。 クリーンヒットしたらしく、一年はそのまま吹っ飛んだ。
 鼻血を流している辺り。 少しやりすぎたかとも思ったが、夢の中だし……許されるだろう。
 それに、もっと言うと。 私は話のかみ合わない電波も大嫌いだ。 
 内容が電波のリア充。 この上なく、ムカツク。
 会話の口調もムカつけば、その内容までムカつく。 
 相手に悪意があるわけではないが、夢の中の出来事だ。 特に、気にすべき事でもない。

 「悪いね、まさかリア充が夢に出てくるとは思わなかった」

 基本、私の言葉は小説と同じ。 殆ど喋らない私が口を開いた場合。 そのときに発せられる口の悪さがそのまま、小説のキャラに反映される傾向にある。
 活字はいいのだが、実際喋るとなると相当抵抗がある。 ただ、やはりここは何度考えても夢の中。
 例えこいつを殺したとしても、罪に問われる事はないわけだ。 ただ、人殺しは如何に夢の中とはいえ、やりたくない。
 これに関しては、活字の中だけだ。 西手も、久々に夢がこんなんだと、凹むな。
 瞳を見開き、目が覚める。 日差しがカーテンを通り抜けて、微かに部屋の中を照らしている。

 「……寝起きがここまで悪いのも……困ったな」

 そんな言葉とともに、上半身を起こす。 そんな時、ある物体が、私の目に映る。
 枕元に置かれた……紅い表紙の書物。 夢で見たのと全く同じ。
 手にとって中を確認するも、それは白紙に罫線の入った何もかかれていない本。
 ……なに、これ?

 「え……嘘……」

 「嘘じゃないよ、夢に出ただけでボクのことを金属バットで殴るなんて。 可愛い顔してる割には、凶暴だね」

 おびえるとか、そんな次元ではなかった。 私の身体は既に、思考を介さずアクションを起こした。
 右からの、上段蹴り。 それを彼は、平然と避ける。

 「ボクが別の世界の住人で、素晴らしく高い身体能力を持てることを忘れたのかい? 君の蹴り、当たっても痛くないし。 金属バットで殴られても、鼻血だけで鼻が折れたりとかも無い。 簡単に言えば、君のこれから綴る小説のキャラクター……一年って名乗っているけど、名前なんか無いさ。 早く名前を付けてくれると、嬉しいな」

 彼は笑顔のまま、私に歩み寄ってくる。 私は、弱い。
 平然と人を殴れる、蹴れる。 躊躇しないというアドバンテージがあって、強い振る舞いをする。 だが、相手もそれを理解している。
 そして、私の腕力はよくて中の下。
 男なんかに、敵わない。

 「……分かったよ。 そうだな、君は……」

 

 登場人物一人目、リゲル・ルービック。
 常に笑顔で人と接する、気長な性格。 金属バットで殴られても、銃で撃たれても。
 平気な顔をしていられるほどの強度を持つ。 人柄から、危険度はEクラス。
 ランクA能力者。 恋愛ごと、異性の感情に疎い。

 


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