コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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ココロの鎖(23話up)
日時: 2015/08/20 01:04
名前: ミケ (ID: h/uHI0ph)
参照: http://ameblo.jp/mikeneko-mikety/

こんにちは!

はじめまして!!

ミケというものです(ペコリ)

今回ここで小説を書いていこうと思い、チャレンジしています。なので全くの初心者…。わからない事だらけです……((焦

このコメント(?)もちゃんと載るのかな??という状態です。

そんなミケですがよろしくおねがいします

頂いたコメントとその返信(コメント、返信の順です)
ハリーポッターさん >>14 >>15
ルシファーさん>>19 >>20

登場人物 >>01
第1話 >>02 第2話 >>03 第3話 >>04

第4話 >>05 第5話 >>06 第6話 >>07

第7話 >>08 第8話 >>09 第9話 >>10

第10話 >>11 第11話 >>12 第12話 >>13

第13話 >>16 第14話 >>17 第15話 >>18

第16話 >>21 第17話 >>22 第18話 >>23

第19話 >>24 第20話 >>25 第21話 >>26

第22話 >>27 第23話>>28

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ココロの鎖 ( No.2 )
日時: 2012/05/14 21:48
名前: ミケ (ID: l/9ga28M)

ココロの鎖


中学になって急に存在感を増したあいつ。小学校よりも中学の方が人数が少ないから、その分男女の距離も近くなる(?)から当たり前と言ったら当たり前。そのちょっとした変化に、私はやられてしまったのかもしれない。

神谷中はクラスが二つしかない比較的小規模な中学。生徒はそのほとんどが小学校からの持ち上がりの為、気心が知れた仲間が多い。そんな中学の小さな体育館の中で、私はぼんやりと座っていた。バスケ部に入部した為、体育館はすごく身近な場所だ。練習前のフリーシュートの時間。ボールがたてるダムダムとした低音が耳につく。その音が私のすぐ後ろでしたから、私は振り返った。目に入ったのは黒地にピンクのラインが入ったバスパン。
未玖みく、どうしたの?」
「フリーシュートしないの?」
「うん。」
「ふーん。」
じゃ、わたしも休憩しよーと言って未玖は私の横に座った。私は何となく自分が着ている体操服に目を落とす。サインペンで書かれている「桜花 真梨(おうか まり)」という名前。自分で書いたから、少し斜めになっている。それから隣に視線を泳がせる。バスケのTシャツとバスパンを着て、すっかりバスケ部らしい未玖。Tシャツの肩の部分に城で谷野たにやと刺繍してある。
「未玖、そのTシャツ、谷野って 書いてある。」
あ、これ? と未玖が自分の服を引っ張った。
「お店でやってもらったんだ。入部フェアとかいってさ、無料だったんだ。」
ニコニコで話してくれた未玖。私は壁に寄りかかって、体育館の上の方にある窓から外を見た。山の隣の学校だからか、木が見える。夕日が木の葉をキラキラと緑に輝かせている。
「いいなぁ。私も早くバスパンとか欲しいよ。ねだろうかな。」
「ねだれねだれ。本当に必要なんだしさ。」
「うん。帰ったら言ってみる。」
入部してからまだ一週間だから、バスケ用具なんて揃ってない方が普通のような気もする。でも、部活なんだし親にねだっても悪くはないだろう。
ピイィーー!!

ココロの鎖 ( No.3 )
日時: 2012/06/21 14:27
名前: ミケ (ID: G2fsKg0M)

体育館に入って来た先生が笛を吹いた。集合だ。今日は会議の都合で部活時間が短いらしい。
「五時下校、か。」
時計を見た。部活は後四十五分しかできなかった。
夏にはまだ早い為、五時といえども道は薄暗かった。部活の運動量に慣れていない為、私の足はフラフラだ。
「だっはぁ〜! やっぱり部活はきついねぇ!!」
いきなり未玖が言った。
「だっはぁって…おっさんみたいだよ。」
「いーのいーの。気にしない。」
「気にするの。青春真っ只中の中一女子がいう事じゃないでしょ。」
「いーいーのぉ! どうせ二人だけじゃないかぁ!」
かたいかたい、と言って未玖は伸びをした。それにつられて私も伸びた。夕方のひんやりとした空気が身体中に巡って気持ち良かった。
部活が始まった事で、一日の早さが格段に上がった。毎日毎日、勉強して部活をして、へろへろで家に帰った。あっという間に体育祭が終わり、テストを終えた。
そして、夏が来た。
ジリジリとした太陽光線が肌に突き刺さる。蒸し暑く、応援の声が響き渡るいつもの体育館。いつもと違うところは、他校がいるところ。保護者の人達がいるところ。
三年の先輩の夏の公式戦。私は精いっぱい応援した。男子チームも応援してくれている。
三年間練習試合して来た、他のどの体育館よりも思い出が詰まった体育館。
そこで、先輩の引退は決まってしまった。
「お疲れさまです。」
なんて、言えなかった。先輩たちはただ泣いていて、とてもそんなことを言えるような雰囲気ではなかった。
「……だからここでは試合したくなかったんだよ…。」
泣きながら一人の先輩がつぶやいた言葉が、やけに大きく響いた。
それからしばらくは、三年生がいない体育館が無駄に大きいような感じがして仕方がなかった。
「つまりさ、いい先輩達だった、て事でしょ?」
「そう、だね。」
「いーじゃん、別に。体育館広く使えるようになったから。」
少し寂しいけどね、と付け足した未玖。横顔が一瞬悲しみで満ち溢れているように見えた。
「次は、私達と二年の先輩のチームだね! 頑張ろ!」
未玖の背中を軽く叩いた。

ココロの鎖 ( No.4 )
日時: 2012/06/21 15:08
名前: ミケ (ID: G2fsKg0M)

春ーーー新しい出会いがなぜか異常に多い季節。それはどこでも同じ。実際に私の身の回りでも、すでに多すぎて名前が覚えられない程の出会いがあった。
「真梨先輩、おはようございます。」
「おはよー。」
そう、後輩。新一年生が入学して来たのだ。
「おはよー、未玖。」
「真梨ぃぃ!!!」
「な、何…? どうしたの。」
未玖の目は今までになくキラキラとしている。
「こ、後輩だよ…。」
「うん。」
「おはようございますって言われるの、めちゃくちゃ新鮮!!」
「ああ、そうゆう事ね。」
今まで学校の人は全員が先輩。常に気を使い、敬語を使っていた。それが今年からは使わなくていい学年ができた。その事に、敬語を使うことが大の苦手だった未玖は私が想像できない程に感動しているのだ。
「部活、何人入部するかなぁ…。」
「たぁ〜くさん! たくさん入部させようね! ね、真梨!!」
未玖のこの勢いに、私はうん、という返事以外を封じられた気がした。

ダムダム……という体育館の中の音。去年の夏からはや一年。次は、新三年生の夏の公式戦が迫って来ていた。そのせいか、自然と練習にも熱が入ってくる。今では私もバスパンにTシャツというバスケ用具が揃っている。練習前のフリーシュートものびのびとするようになった。
「ッたぁ…!」
いきなりのガンッという頭への衝撃。目の前で弾むバスケットボール。誰かのボールがあたったらしい。
「誰の…これ…?」
頭をさすりながらボールを拾う。
「ごめん! 大丈夫?」
ボールを投げたのは同学年の男バス、鈴谷 廉(すずや れん)だった。
「あ、うん。全然平気だよ。」
言いながらボールを渡す。ありがとーと言って廉はまたシュートを打ち始めた。
廉はバスケが上手い。身長は余り高くはないけどドリブルが上手いのとカットイン、パスカットなどが買われて三年生を押しのけてベンチ入りしている一人だ。今年同じクラスになった。あんな人もいたんだ、と今更ながら発見した。

ココロの鎖 ( No.5 )
日時: 2012/06/23 18:24
名前: ミケ (ID: G2fsKg0M)

鈴谷廉。あいつは変な奴だ。いつもワイワイ系のグループにいると思ったら、一人で何かしてたりする。たいていは、二人組、少人数でいることが多いみたい。
ボキッ
「あ……。」
シャーペンの芯が折れて作業が一瞬止まった事気付く。いつのまにか廉の事を考えている事。授業をただ受けているだけなのに、廉は私の席の右前にいるから視界に入って考えてしまう。バカみたい。なんであんな奴の事なんか考えているんだろう。あんなナルシスの奴の事なんか。
「きりーつ。」
「あ。」
そんな事を考えていたから号令にワンテンポ遅れた。目立ちはしないけど何か嫌だ。
「…調子狂うなぁ。」
「何が?」
「ぅわ…! も、びっくりさせないで。」
いつのまにか未玖がすぐ隣にいた。全然気がつかなかった。
「別に驚かそうなんて思ってないよーぅっだ。」
「分かってるよ。次はお昼ご飯?」
「そうともさ!!」
未玖が私の机にいきおいよく教科書を叩きつけた。周りの人が何事かとこっちを向く。
「次は待ちに待ちすぎて首が伸びすぎた私の腹に美味しいという刺激的な刺激をくれる、素晴らしく幸せな時間だ!!」
「うん。…未玖?」
「何?」
「目立ちすぎ。お腹減って声のボリュームが変になってる。」
未玖はあ〜とだけ言って教科書をしまいにいった。
「っく。」
「え?」
声のした方を見ると、廉がいた。
「何?」
「いや、あいつ。未玖って面白えな。それだけ。」
「…そーだよね。」
何だかわからないけど、私は返事をするときに少し悲しいような苦しいような、変な気持ちになった。心に薄暗い色の薄いもやがかかった感覚。これは一体なんなんだろうか。そしてなぜか、私はこの事を未玖に一言も伝えなかった。

ココロの鎖 ( No.6 )
日時: 2012/06/25 17:23
名前: ミケ (ID: G2fsKg0M)

後輩がいることにも慣れた。廉と結構話をするようにもなった。そんな五月は行事が盛りだくさんだ。体育祭から始まって、定期テスト、キャンプ、そして期末テスト。次々と行事が始まってはすぎて行く。私達はこの五〜六月にかけて、師走よりも走っている。今、目の前に立ちはだかっているのは夏の公式戦よりも、キャンプだった。
キャンプは二年性の学年行事だ。二泊三日で富士山の麓、富士五湖の一つ西湖に行く。あれもこれもと予定を積み込んだハードスケジュールは、始まる前なのに生徒に不人気だ。
「何でこんなに用事を詰め込むのかなぁ! 全然遊べないじゃん!!」
「まあまあ、しょうがないよ…。」
「あなたはこれをしょうがないで終わらす気かぁ!!!」
「………。」
こんな風に未玖はもう怒りの絶頂。私はスケジュールが発表されてからほぼ毎日、未玖をなだめながら帰っている。未玖の言い分をまとめてみると、それでも長いけれど、次のようなことになる。
「大体、学年行事ってゆうものは楽しむためにあるんだと私は思うんだよね。何でキャンプで富士山の麓まで行ってきつきつのすぐ、で動かなくちゃいけないのさ! もっとのんびりしながら自然を満喫、的なものの方が富士山の自然を感じれるし、いろいろなことを勉強できるじゃん! 何で森まで行って都会みたいなきつきつスケジュールなんだょぉ!! 先生の馬鹿ぁ!!!」
でも決まってしまったことを覆すような力は生徒にはないので、ルール通りに私達は準備をした。不満は準備をすることでなぜか消えたらしく、未玖の怒りは跡形もなく消え去っていた。何はともあれ、未玖もキャンプが楽しみなのだ。そんな二泊三日のキャンプはもう明日から始まる。朝の集合はいつもより早い。私も未玖と同じように、期待に胸を膨らませていつもよりも早めに布団に潜り込んだのだった。


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