コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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ミカエル図書館の館長は中二病でした。
日時: 2013/04/04 15:40
名前: 香里ー奈 (ID: 5cmk8ohj)

どうも、はじめまして!!
香里ー奈と申す者です!!

今回はじめて、このサイトに投稿させていただきました!!
他のサイトにも投稿していたんですが、このサイトははじめてです
今回投稿する作品は、ギャグみたいな、ファンタジーみたいな、
よくわからない作品です!

なのでみなさん、見守っていてください!!


■目次
登場人物紹介……>>1
第一話……>>2
第二話……>>3
第三話……>>4
第四話……>>5
第五話……>>6
第六話……>>7
第七話……>>10

Page:1 2



Re: ミカエル図書館の館長は中二病でした。 ( No.1 )
日時: 2012/11/25 14:42
名前: 香里ー奈 (ID: 5mOY6DaX)

主要人物紹介

ヒイラギ ルサナ
柊 瑠佐奈   (20)
若くして、ミカエル図書館をきりもりする中二病患者。
ゲームなどが大好きで、実家には大量のゲームソフトがあり、
例えばマリオ、ぜルダ、ドラクエ(以下省略)
ドS。真っ赤な大きなリボンで、髪を括ってポニーテールにしていて、
黒髪。

シガ タクマ
四賀 拓磨 (20)
山でぶらぶらしてたら偶然ミカエル図書館を見つけ、そこで瑠佐奈に
出会った。世話焼きで、困っている人は放っておけないタイプ。
髪は茜色で、長身。

ヒイラギ ユウタ
柊 裕太    (22)

瑠佐奈の兄で、頭がいい。現在は小説家をしていて、その本は
ミカエル図書館にも置いてある。

Re: ミカエル図書館の館長は中二病でした。 ( No.2 )
日時: 2012/11/30 20:16
名前: 香里ー奈 (ID: 5mOY6DaX)


第一話

「まいった・・・」

四賀拓磨は今、道に迷っていた。
現在、町にある小さな山にいる。
その山で拓磨は、宛てもなくブラブラと歩いていたのだ。

普通なら迷うはずがないが、何せ今は夜だ。
薄暗くてあたりが見えない。

そういうわけで、今の状況になる。

———どこか、家があれば

そんなことも考えたが、こんな山に家なんてあるはずがない。
「はあ・・・」
拓磨はとうとう溜息を吐いた。
溜息は吐かないとずっと心に決めていたが、結局出てしまった。
今までの人生で初めて溜息というものを吐いた。


もう、何分この山をさまよったのだろう。
あたりはもうすでに真っ暗だった。
「やば・・・・」
このあたりでは最近、野犬が出るという情報があった。
こんな夜には、野犬の活動はもってこいだ。

その時だった。

すぐ近くで唸り声が聞こえた。
それも、正面にいそうなほどに近かった。
「グルルルル・・・」
はっきりと、声が聞こえてきた。
ヤバい。非常にヤバい。
拓磨は回れ右をして、全速力で走った。
「はあ・・はあ・・・!」


気がつけば、見知らぬ明かりのついた図書館のような所についた。

もう野犬は見当たらなかった。
「こ、こんな所に図書館が・・・!?」
にわかに信じられなかった。
ゴクッと唾を飲み込んだ。
拓磨はそっと、図書館の扉を開いた。

———そこは、

一言で言うと、ファンタジーにでてくる城の中にある書庫のようだった。
燃えるように赤いレッドカーペットに、古めかしい木材の本棚。
西洋のような窓。
中二的妄想をするのにはもってこいだろう。


「こんばんは」


不意に、女性とおぼしき声がかかった。
拓磨は後ろを振り返った。
そこにいたには———

Re: ミカエル図書館の館長は中二病でした。 ( No.3 )
日時: 2012/11/30 20:16
名前: 香里ー奈 (ID: 5mOY6DaX)

第二話


「こんばんは」

不意に声がかかった。そこにいたのは———

「こんな時間にご来客なんて・・・ご利用ありがとうございます」

女性だった。
この図書館の従業員だろうか、と拓磨は思った。
予想は的中したと思う。なぜなら、服装が従業員のそれだったからだ。
ギンガムチェックのシャツと地味なロングスカート。
その上に、シンプルな緑のエプロンをしていやたからだ。

「あの・・・お客様?こんな夜に、どういったご用件でここに?」

拓磨ははっと我に返り、必死に言葉を考えた。
先ほどまで考えていた言葉が跡形もなく消え去ってしまった。

———なぜなら、そこにいた女性がとてつもなく好みだったから。

やっと言葉を思いついた。
「えっと・・実は野犬に襲われまして・・・急いで逃げてきたのが
この場所ということだったんです」
——ま、ここに住んでるってことはそういうこともよくあるんだろうな
と、思ってあまり驚かないと思っていたが——
「ええぇ!?大丈夫でしたか!?お怪我はありませんか!?」
ものすごく心配している。意外だ。
「あの・・この山じゃよくあることじゃないんですか・・?」
「いや〜、そういう話を聞くのは今日が初めてです。ていうか、
本当に大丈夫ですか?」
どこまで心配性なのだろう、この人は。

「で、どういったご用件で?」

この人はさっき言ったことを聞いていなかったのだろうか。
「い、いや、さっき言ったとおり・・」
「あ——!!わかった!普通に本をお読みにいらっしゃったのでしょう!?わざわざありがとうございます!」
「だから———」
言おうとした言葉を飲み込んだ。
なぜ、彼女が妙に貧相な服装なのか、やっとわかった。
それに少しぐらいここにいたっていいじゃないか、という
軽い気持ちがあったからだ。
「こんな時間帯でも、この図書館は開館しているんですか?」
「いえ、本当は2時間前に閉館しているはずですが、こんな夜にわざわざ来てくださったので、今回は特別によろしいですよ」
と、言われてもなんか罪悪感バリバリな気がする。

Re: ミカエル図書館の館長は中二病でした。 ( No.4 )
日時: 2012/11/30 20:17
名前: 香里ー奈 (ID: 5mOY6DaX)

第三話


拓磨はとりあえず中をうろちょろすることにした。
古い紙のにおいがぷんぷんとにおう。
拓磨はある本に興味を持った。

赤い表紙の本や、青い表紙。そして、輝く金色の表紙など、
色とりどりの本が並べてある。本に題名と思しきところはない。

「その本は一般の人から募集した物語を一冊にまとめた本なんですよ」

気づくとまた後ろにあの女性がいた。
「そ、そうなんですか?へ〜・・・」
曖昧な返事をしたあと、女性はキラキラ輝く笑顔を向けてきた。
そして興奮したように、話し始めた。
「例えばですね〜・・・この赤い表紙!これはコメディ系の物語があります!そしてこの紫は・・・ダークやホラー系ですね!そしてはたまたこれはシリアスとかです!みなさん一般人ですけど、面白い小説書いてきてくれるんですよ〜!」

約2行分、台詞だけですませた。

「で、この金色の表紙はなんですか?」
気がつけば拓磨も女性の話に取り込まれてしまった。

「これですか!?これはみなさんの投票の結果、『これだ!』と
思ったものをまとめた『殿堂入り』の作品なんです!!
ほかの人のやつも面白いですが、ここに集まった作品はもっと
面白いですよ!!」
彼女の目を輝いていた。それほど、本が好きなのだろう。

拓磨はほかの所もぶらぶら周った。
この図書館には最近出版されたものもあれば、大正や昭和の時代の作家が書いた古書もある、範囲が広い図書館だ。
拓磨はあることに気がついた。

この店なら———

拓磨は踵を返し、女性店員の元へ向かった。
女性は拓磨が近付いてきたのをいち早く気づき、あちらから
問いかけきた。
「はい、どうしましたか?」
拓磨は息を大きく吸い込んだ。

「俺を———この図書館の司書にしてください!」

少し沈黙。

「・・・・は?」
その女性の口から聞いたこともない言葉が返ってきた。
だが、拓磨はかまわず話しを続けた。
「この図書館見たところ、館員はあなただけでしょう?
きっと人員不足に悩まされてたはずです。
それに俺は20なのですが、大学にはいっていません。それに無職です
図書館の経験なんて一度もありません。仕事に就くことだって、
めんどくさがってました。だけど今回は違います!!
今回は、あなたを助けたい。そう思いました。
だから、お願いします!この俺を雇って———」

「いいですよ?」

返事は拓磨の台詞が言い終わる前に、言われた。
「そうですよね・・・いきなり雇えなんて言われても、そりゃ困りますよね・・・。わかりました。ほかの所に・・・・って
ええええええええええええ!!!?」
ここが、山の中でよかった。と、拓磨は心の中で思った。
住宅街だったら苦情がきていただろう。
「って、ええ!?いいんですか!?こんな働くという言葉を知らない
バカに任せて?」
「いやー、私も悩んでたんですよ。人員不足。
働いてくれるなら、正直誰でもいいや〜って思ってたんです」
「そ、そうだからって俺を?」
「あれ、働かせてくれって頼んできたのはおたくでしょ?」
たしかにそうだ。でも「いい」と言われるとなんだかひける。
「というわけで、今日からあなたは我が『ミカエル図書館』の
司書です!がんばってくださいね」
妙に名前が中二くさかった。
「あの・・・これからは呼び捨てにしませんか。どうやら年も近そうだし」
というか拓磨はその女性の名前も知らないのだが。
「いいよ〜、私の名前は柊 瑠佐奈!君の名前は?」
切り替えが早い。
「拓磨・・・四賀 拓磨」
「よろしくね拓磨!」

ぎゅっと握られた手が、熱くなった。

Re: ミカエル図書館の館長は中二病でした。 ( No.5 )
日時: 2012/12/11 20:34
名前: 香里ー奈 (ID: k8mjuVMN)

「っていうのが私と拓磨の出会い」
「おいちょっと待てぇぇぇ!!あのままでよくね!?あのまま俺目線でいったほうがよくね!?」
「いちいちうるさい。あのままだったら主導権お前に握られるだろうが。
主要人物紹介のところ見てみろ。私の名前がいちばんにあがってるだろ?」

瑠佐奈は無理矢理小説の主導権を自らにうつした。

あの日出会ってから瑠佐奈と拓磨は親しくなった。
瑠佐奈は言葉が乱暴になってきたし、拓磨はツッコミが上手くなったし。

すべていいこと、というまではいかないが親しくなったので万事解決というやつである。日本語があっているか確かめたい。

「じゃ、拓磨はこのフィルムかけたら次はこの本ホラー系小説のところに置いてきて」
「ほいよ」

拓磨もこの仕事に慣れてきているようだ。
瑠佐奈はそれが嬉しくてたまらなかった。今まではすべて自分が行ってきたことを他の人と一緒にやるなんてどれだけ嬉しいことだろう。

午前中の仕事は大体終わった。というか、終わるはずである。
なんといっても客があまり来ないから。
客は来るがそれっきり来ない、というのが正解だろうか。
とりあえず暇である。

「あー、暇だね」
「そうだな。瑠佐奈、もうちょっと一般募集の小説の上限、上げたらどうだ?俺の友達にも出たいとか言ってたやついたぞ」
「そっか、じゃあ考えてみる」

返事をして、昼ごはんを食べるために図書館の裏にある母屋に戻った。
母屋と言ってもキッチンとテレビと風呂、トイレ。あと寝床しかないという簡素なものだが。
作り置きしておいたサンドイッチがあったことを思い出し、冷蔵庫の中を物色し始める。冷蔵庫の中はぐちゃぐちゃなので手探りをしないと探しにくいのだ。

「えーと……サンドイッチ……あった!!」

ぱさっとした感触が指に伝わって、それを一気に引っこ抜く。
少し野菜の水分を吸ってしまっているがおいしいはずだ。食べれるくらいの味は残っているはず。
その時だった。
母屋の外に気配を感じた。

「……ッ…はぁ…」

気配の犯人がわかり溜息を吐いた。安堵感もある。
扉を開け放つとそこには見慣れた姿があった。

「お兄……ノックしてよ」
「ごめんごめん。それよりも今週の分」

瑠佐奈の兄、裕太だ。今日は土曜日。小説家である裕太から新書を入荷する日だった。
そういえば拓磨はまだ一度も裕太の姿を見たことなかった。

「そうだお兄。ちょっと来て」
「あ〜?俺今すぐ帰りたい」
「いいから来てよ。紹介したい人がいるの」

兄を促しながら図書館に向かう。サンドイッチはあとで持ってこよう。




「は〜い、拓磨さ〜ん。紹介したい人がいるのでちょっと外出てきてもらってよろしいでしょうか〜?」

ドアノブをまわす音が聞こえてドアが当たらないように一歩後ずさる。
案の定、拓磨の顔が出てきた。
しかし、裕太に姿が目に留まった時に拓磨の顔つきは険しくなった。

「誰だよ、その人」
「この人?私の兄貴、柊裕太!」

拓磨は心底驚いたようだった。それはそうだ。瑠佐奈は兄がいることを拓磨に話したことがなかった。

「て、る、瑠佐奈さんの、お、お兄様でございますか!!これはとんだご無礼を!!お詫びの今日の俺の昼食、4分の1あげますので!!」

何時代のお詫びだろうか。というか噛みまくっている。
人見知りなのだろうか。外見の割にかわいい性格だ。それとも———

瑠佐奈はその考えを打ち消した。

「あ…どうも。瑠佐奈の兄の裕太です」

やはりこちらも人見知りだ。拓磨よりはすらすらと話せているが口数が少ない。すぐにぎこちない空気にまてしまった。
2人にまかせたら窒息死してしまいそうだ。

「ま、2人とも一緒にランチしようよ。裕太もまだ食べてないでしょ?」

この提案がのちに、この場よりもぎこちなくなってしまうのを瑠佐奈はまだ知らなかった。


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