コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- そ れ で も 君 が 、 欲 し か っ た 。
- 日時: 2013/03/05 15:59
- 名前: yuki (ID: UTKb4FuQ)
こんなにも長く一緒に過ごしてきた、君と僕。
君の時折見せる、はにかんだような笑顔が大好き。
・・・先輩だけじゃなくて、僕にも見せてよ。
・・・・・・こっちを向いて、笑ってよ。
幼馴染×鈍感少女×先輩
「 ・・・好きになってごめん・・・これで最後にするから。 」
この恋、諦めるのが正しいの・・・・・・?
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この小説では、いろいろな視点で
楽しんでいただきたいです。
頑張りますので、よかったらコメントくださいm(__)m
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- Re: そ れ で も 君 が 、 欲 し か っ た 。 ( No.1 )
- 日時: 2013/03/01 15:59
- 名前: yuki (ID: UTKb4FuQ)
side 春子
・・・いつもより時間をかけたメイク。
・・・・・・気づいてほしい。
そう願いながら、私はいつもの通学路を歩いていた。
先輩に会える、この時間帯。
寝坊の多い私にとって、なかなかない貴重な日。
・・・だからこそ、気合が入ってしまう。
いつもより巻かれた髪を触りながら、
私は目で先輩を探していた。
人通りが少ない今の時間。
朝練のある先輩は・・・
「 ・・・いた・・っ 」
すぐに見つけることができる。
見つけたら、すぐさま偶然見つけたかのように、
「 あっ せんぱーい!! 」
・・・なんて、わざとらしく声をかける。
・・・私のお決まりの挨拶。
「 ・・・あ、春子ちゃん。 おはよう。 今日は早いんだね。 」
そうすれば、いつだって私はこの笑顔を見ることができる。
「 あ、はい。 ちょっと用事があるんで。 」
そんなのないけど、怪しまれないように嘘をついた。
「 そっか、俺は朝練。 ・・・あ、そういえば、
前から言おうと思ってたんだけど・・・
・・・バスケ部のマネージャーやってみない? 」
「 ま、マネージャーですか・・・っ?! 」
彼の口彼出た、想像もしなかった一言に、
私は目を大きく見開き、パチパチと瞬きをした。
「 うん。 春子ちゃんなら、安心して任せられるからね。
返事は急がなくて大丈夫だよ。 」
「 ・・・あ、はい!! 了解です!! 」
そう答えた私にニコッと微笑み、
校舎の方へと走っていってしまった。
時計を見れば、もうすぐバスケ部の始まる時間。
歩幅の狭い私と一緒に歩いたから、遅くなっちゃったんだ。
・・・でも、嫌そうな顔一つせずに、私の隣にいてくれた先輩。
・・・・・・もっと惚れてしまいそうになる。
にやける顔を必死で隠しながら、私は携帯を開き、
親友の美月にメールを送った。
- Re: そ れ で も 君 が 、 欲 し か っ た 。 ( No.2 )
- 日時: 2013/03/05 16:00
- 名前: yuki (ID: UTKb4FuQ)
side 唯人
朝、教室に入れば、ピンクオーラ全開の幼馴染が、
美月に抱きついていた。
・・・聞かなくてもわかるが、つい聞いてしまう。
「 ・・・ハル(春子)、なんかあったの? 」
・・・そう聞けば、
ハルの満面の笑みが見れることを知っているから。
・・・あとで、自分が苦しむことを知っているのに、
やっぱりハルの笑顔には勝てなくて。
「 わかる—?! うん!
実は、先輩にマネージャーにならないかって…!! 」
「え、先輩って・・・ 安堂先輩・・・?」
その問いにコクンと頷いて
その状況でも思い出したのか、再び顔を赤らめていた。
・・・そんな顔するなよ。
そう言ってしまいそうになる口を、咄嗟に塞ぐ。
・・・僕のほうが、幸せにさせる自信はあるのに。
そんな格好いいセリフを吐けるような顔ではないかもしれないが、
俺のほうがハルとずっと多くの時間共にしてきている。
・・・なのに。
なぜ、こんなにもうまくいかないのだろうか。
仕方ないことなのかもしれない。
頭では理解しているのに、
体が勝手に動いてしまうそうになる時がある。
・・・いい加減、諦めろよな、自分。
・・・・・・ハルの恋は、応援するつもりだ。
自分の好きな子が幸せになれるなら、別にいい。
・・・でも、ハルは男運がなさ過ぎて。
だからこそ、不安になってしまう。
・・・ふと、ハルを見つめた。
・・・この笑顔に惚れたんだよな。
えくぼの出来る、可愛くてキラキラと輝く、ハルの笑顔に。
こんな笑顔を見せられたら、
諦められなくなるじゃないか。
・・・照れ臭そうに笑っているハルに、
『頑張れ』
僕はそう呟いてから、席に戻った。
- Re: そ れ で も 君 が 、 欲 し か っ た 。 ( No.3 )
- 日時: 2013/03/03 13:15
- 名前: yuki (ID: UTKb4FuQ)
人物紹介
城宮 春子 *-Haruko Shiromiya-*
年齢 *-高校2年生-*
性別 *-♀-*
容姿 *-ぱっつんの前髪。
茶色でふわっとした柔らかそうな髪。
小さな顔。
大き過ぎず、笑うと月目になる瞳。
ぷっくりとした赤い唇
清楚な雰囲気-*
唯人には、”ハル”と呼ばれている。
- Re: そ れ で も 君 が 、 欲 し か っ た 。 ( No.4 )
- 日時: 2013/03/03 14:49
- 名前: yuki (ID: UTKb4FuQ)
side 光流
「 よしっ 朝練終了、みんな集まって!! 」
午前8時。 バスケ部の朝練終了時間。
今日はパス練と、ドリブルを集中的に行った結果。
「 ぶちょー・・・ もう歩けないっす・・・ 」
ヘトヘト状態の後輩たちが、地面に這いつくばっていた。
まだ鍛え上げられていない1年生の体は、限界に達していたようだ。
「 はい、立ち上がって。
・・・お疲れ様。
午後練は、4時からだから、遅刻しないように。 」
『はいッ!!!』
「 それじゃ、解散!! 」
『ありがとうございましたーッ!!』
部長の俺は、朝練は滅多に来ない顧問の代わりに、
後輩たちをまとめている。
後輩たちはいい子だし、挨拶も大きい声だから、
清々しい気持ちになる。
部長って大変だけど、
慕われるのって、凄く嬉しいし、やりがいがある。
・・・最近だ、バスケ部が楽しく感じるようになったのは。
・・・面倒くさい仕事がたくさんあるバスケ部のマネージャー。
だからこそ、そういうことがきっちり素早くできる子に
やってもらいたいのだが、
正直、多くの子がマネージャーに希望して、
すぐにやめていってしまっている。
今は一人となってしまったマネージャー。
ボール拾いを手伝っていると・・・
「 ひーかるくんっ
今日もかっこよかったじゃーん。」
肩にぐっと重みを感じた。
「 ・・・颯太か。
そんなこと言ってないで、
お前も手伝ってよ。 」
そう言って、肩に回された手をほどき、
ボールを籠に投げ込んだ。
「 もー しかたねーなー。
ってか、いい加減マネージャー増やさないとな。」
「 あ、今日 お願いしてみた。
・・・その子はきっちりしてるから、
やってもらえると嬉しいんだけどなー。 」
ふと、春子ちゃんを思い出す。
「 ふーん。 誰? 1年? 」
「 2年。 城宮春子ちゃん。 」
「 あーっ!! あの可愛い子ね!!
清楚な雰囲気がたまらないんだよなー!! 」
・・・お前、彼女いるだろ。
そんなことを思いながら「 そうだな。 」なんて、
軽い言葉を返しながら、
器具庫へとバスケットボールの籠を運び入れた。
- Re: そ れ で も 君 が 、 欲 し か っ た 。 ( No.5 )
- 日時: 2013/03/05 15:57
- 名前: yuki (ID: UTKb4FuQ)
side 美月
学校に着いて、教室の扉を開けた瞬間、
妙に息苦しかった。
・・・その理由は、もちろん知っている。
「 美月〜!! もうヤバかったよぉー!!!」
先ほどまでメールでやり取りをしていた親友の美月が、
ぎゅーッと腰に抱きついてきた。
・・・相当舞い上がってるな、こいつ。
話によると、バスケ部 部長の、安堂先輩に
マネージャーにならないか、と勧誘されたらしい。
そんな甘い声に、この子ったら完全に浮かれちゃって。
・・・そりゃ、あんなイケメンに言われたら、
好きじゃなくても入ってしまうそうになるよね。
まぁ、春子は入学初日に一目惚れしたみたいだけど。
目の前でキャッキャと騒いでる春子に、
私はちょっと不安になった。
この子、本当に一途だから。
・・・これまで、何度ダメ男にハマってきただろうか。
彼女は、恋をすると周りが見えなくなり、
冷静に判断することができなくなる。
単純に言えば、”騙されやすい”タイプだ。
そのせいで、春子はこれまで色々な問題に巻き込まれていた。
今までの春子の苦労を知っているから、
次こそは春子を心から愛してくれる人と出会ってほしい。
・・・でも、次に好きになった人の名前を聞いて、
少し安心した・・・けど、やっぱり油断できない。
「 早速、今日の午後返事しに行けば・・・?
・・・どうせやるんでしょ? バスケ部のマネージャー。 」
「 うん!! ・・・でも、一人だと心細いなぁー。 」
眉を下げて俯く春子。
「 ・・・わかった。
わたしもやってあげる、バスケ部のマネージャー。
それなら、安堂先輩がどんな人か良くわかるし、
春子を見張ってられるからね。 」
「 美月、お父さんみたーい・・・ありがとー!! 」
私は再び腰に抱きつかれ、
小さな春子の頭を撫でた。
・・・次こそ、幸せになりなさいよ、春子。
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