コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 恋芽生え、愛咲く〜喜恋・悲恋〜【短編集】*閉館です*
- 日時: 2013/11/30 18:54
- 名前: 珠紀 (ID: xrRohsX3)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode=view&no=33422
はじめましての方ははじめまして
おはようございます、こんにちは、こんばんは(´・ω・`)
現在『†4人の死神と囚われアリス†』を書いている珠紀と申します。
友達や先輩、後輩から毎日のように恋バナをされ頭が爆発寸前の今日この頃…
この短編集でぶちまけたいと思い作りました汗
【実話】や【オリジナル】の恋愛短編集です。
皆様に共感されるものがあったらいいなと思います(^^;)
暖かい目でみてくださると嬉しいです…(T_T)
【ストーリー】
言いたくても、言えないこの気持ち。 言いたくなくても、言わなきゃいけないこの気 持ち。
——ねぇ、どうすればいい?
胸の奥にまかれた種は、いつの間にか芽をだし て育ってたの。 恋という種から咲いた、愛という花。 赤、青、黄……あなたが咲かせる花は何色?
ようこそ。 色とりどりの花々が咲き乱れる、極上の花畑へ。([あなたの小説の紹介文、作ります!]黒雪さんからいただきました。)
【目次】
アンケート>>76
『君の存在を失ってはじめて』>>5
『愛しの神様』>>12
『近くに居すぎて』>>19
『恋の仕方の説明書』>>23
『明日君と恋してる』>>28
『好きなカタチ』>>37
『甘〜いチョコレートの味』>>44
『最後のキセキ』>>49
『もし、あのトキに戻れるのならば』男視点>>55
女視点>>62
『恋愛ゲーム』>>71
『猛犬注意』>>86
『幸せな約束』>>88
『一歩踏み出す勇気』>>97
『ブラックガムは恋の味』>>98
『決して花開くことのない蕾が開く時』>>104
『消えない証』>>105
『強気な君と乙女な君』>>111
『あんたなんてキライ』>>116
『プチムラ☆』>>125
『高校生拾いました』>>126
*お知らせ*>>135
【お客様】
いろはうたさん 第イチコメ様。『4人の死神…』の方でもいつもコメントをくださる優しい方!!この方の作品の『レイヤ』という男の子…カッコいいです…っ
七海さん はじめましてでした!!七海さんの小説にもちょくちょく見に行きたいと思っております!!…迷惑でなければ汗
結緑さん はい。素晴らしいですね…この方は。今は実話をかいてらっしゃるとか…リアルな恋を珠紀もしたいですねww
ひよこさん ひよこさん!!!!!!!文才を交換しましょう!!!!!!!お互いに小説更新頑張りましょうね!!!!!!!
ミムさん こっちも読んでくださってありがとうございます!!!!!!!嬉しすぎて吐きました…。
どんどこ丸。さん はじめまして!こ、これからガッカリさせないように頑張ります汗
朔良ちゃん ありがとうございます!コメントをくださっただけでもとても嬉しかったです(T_T)
湖珀さん 長編小説も短編集も読んでくださったお優しい方!!!!!!!湖珀さんの小説も楽しみだなぁ…(ノ^^)ノ本当にありがとうございました(泣)
千妃さん はじめまして(´・ω・`)bこんな駄作を面白いと言ってくださった方!!!!!!!今度珠紀の糞文才と千妃さんの素晴らしい文才を交換しましょうね←
華世さん(緤華さん) 初めましてデス(´・ω・`)b『コメディ・ライト』で書いた際は早急にお邪魔いたしますね(`・ω・´)こんな珠紀の小説なんかを参考にしたらダメですよ汗
ゴマ猫さん この方の作品の参照は素晴らしいです!!!!!!是非、一度拝見あれ(`・ω・´)そんな方にコメントをもらえるなんて珠紀は幸せ者ですね…(泣)
〒...しあち。さん 短編の先輩。見習って頑張りたいと思います!!!!!!〒...しあち。さんも更新頑張ってください!!応援しております!
チャルトンさん 読んでくださっただけでなく…(泣)コメントまでもくださるなんて…!(T^T)本当にありがとうございました!!!!!!
冬の雫さん 恐れ多いお方!!!!!!珠紀なんかが紹介を書いていいものか汗とっっっても人気ものさんです!文才がやばいですね(´・ω・`)b一度作品をごらんあれ。
愛玻さん お優しい方だよ…うん。コメントくださったのだよ…うん。素晴らしいよ…作品。応援してます!!!!!!(*´▽`*)
露草さん 時代物の小説とても、面白いです!!!!!!感動です!!!!!!いつか平助君も出してほしい←ぇまたお伺いいたしますね
音さん こちらにもきてくださりありがとうございます!(泣)音さんも更新頑張ってください!!珠紀も長編の方がすごく長くなりそうです汗
カルシウムさん 誉めてくださって感激です(T^T)カルシウムさんの小説にも度々お伺いいたしますねwwコメントくださってありがとうございました°・(ノД`)・°・
櫻さん はじめまして^^アンケートに答えてくださったお優しい方!!!!!!アンケートなんて、誰も答えてくれないんじゃないかと思っていたときに現れてくださった救世主様です!!!!!!
花野さん はじめまして^^素晴らしいなんて言ってくださったお優しい方!!!!!!本当に珠紀の小説を読んでくださる方はお優しい方ばっかりで泣けてきます(泣)
アサガオちゃん もう!!!!!!お世話になりすぎて涙が…(。・・。)アサガオちゃんは1作目から応援してくださる常連さんです!!!!!!こんな珠紀のことを…本当にありがとう(泣)
璃湖さん こちらにも来ていただきました(T^T)←璃湖さんの『魔法もの』の小説好きなので頑張ってください泣
春歌さん こちらにも来ていただきました!リアルが忙しい中見てくださり、本当に感謝です(泣)本当にありがとうございました°・(ノД`)・°・
koraruさん はじめましてです!文字化けΣ(゜□゜;)そして、ローマ字でのコメント!ローマ字になってまでもコメントをくださって本当にありがとうございました(T^T)更新頑張ります!
杏月さん 短編集の方にも(屮°□°)屮くださいました!嬉しいことこの上ないです!そして『感動』なんて言葉を残してくださいました泣
恋うちゃさん こちらにもきていただけて本当に感動しました!ありがとうございます!この方の小説ぜひ見に来てください!珠紀もこれからも見に行きますね!
妖弧さん 素晴らしい方です!おこがましくてこれまでコメントできませんでしたがこの間コメントしてきました!wwそしたらここにコメントが((((゜д゜;))))本当に嬉しかったです!ありがとうございました!
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- Re: 恋芽生え、愛咲く〜喜恋・悲恋〜【短編集】*アンケート実施* ( No.101 )
- 日時: 2013/07/25 17:22
- 名前: 珠紀 (ID: COqAuw2v)
音ちゃん(`・ω・´)
初めの『好きです!』という言葉に驚きましたΣ(゜□゜;)
珠紀のことかt((殴っ
お、お話でしたか…(´・ω・`)
す、す、
素敵!?!?((声裏返
珠紀の方が音ちゃんに聞きたい…汗
アンケート受け付けてますよ^^
ありがとうございます(。・・。)
優しくされたら『キュンッ』ってなりますよねww
コメントくださってありがとうございました°・(ノД`)・°・
七海さん(`・ω・´)
えと…じゃあ
七海ちゃん?…ですかね
ぅん!
分かった(。・・。)
珠紀は颯派ですww
チャラい男は嫌い←
コメントくださってありがとうございました°・(ノД`)・°・
- Re: 恋芽生え、愛咲く〜喜恋・悲恋〜【短編集】*アンケート実施* ( No.102 )
- 日時: 2013/07/25 17:28
- 名前: 朔良 (ID: 2IhC5/Vi)
珠紀ちゃんのタイトルの付け方ってすごく素敵だよね。
可愛くってすごく読みたいなあ、って感じる。
私は下手だから駄目なんだ……尊敬!
短編書いてて辛くなるのが名前……!
レパートリーがなくなってきました(泣)
珠紀ちゃんはいつもどうやって名前を決めてるの?
更新応援してます(*^_^*)
- Re: 恋芽生え、愛咲く〜喜恋・悲恋〜【短編集】*アンケート実施* ( No.103 )
- 日時: 2013/07/26 08:16
- 名前: 珠紀 (ID: GC8OxdMB)
朔良ちゃん(○´∀`○)
えぇ!?Σ(゜□゜;)
逆に、珠紀は朔良ちゃんの短編のタイトルの方が素敵だと思うけど汗
大人っぽくてドキドキしたり、タイトルだけで感動したりしちゃうもん←
名前?
キャラの名前のことかな?
キャラの名前は実話とか入り交じってるから、友達の名前を少し変えたものにしてみたりしてるよ(`・ω・´)
コメントくださってありがとうございました°・(ノД`)・°・
- Re: 恋芽生え、愛咲く〜喜恋・悲恋〜【短編集】*アンケート実施* ( No.104 )
- 日時: 2013/07/26 09:17
- 名前: 珠紀 (ID: GC8OxdMB)
『決して花開くことのない蕾が開く時』【オリジナル】
松原蕾 Tubomi Matubara
松原圭 Kei Matubara
*Start*ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
…蕾
決して花開くことなく
ずっと側で幸せに笑っていてほしい
「圭兄ーーーーー…っ圭兄、起きて!朝ゴハンできたよーーー」
朝、第一声に聞こえるのは妹の声。
「もー、また大学の講義に遅れてもしらないよ!?お父さんはもう元気に出勤したのに………!」
布団を無理やりはがされる。
「ん…ーーー…蕾、俺…今日休講…」
「…蕾、寒いよ」
なぜか隣に男。
「今、何時…?」
それを気にせず蕾に問う。
「ボ…Bl…?」
蕾の声が部屋中に響いた。
…***…
「誤解だって!」
「誰がこんなストーカー」
「誰がこんなシスコン」
それでも、じっと見つめる蕾。
「いいか?…よく聞け蕾。純介は本気でヤバい…深夜2時、俺がゼミの呑み会から帰宅したらお前の部屋に外側から侵入しようとしてたんだぞ!!ハシゴまでかけてっ」
「ヒドいや圭兄!俺はちゃんと蕾にメールしたもん!なのに誰も開けてくれないから」
「ゴメン、私寝てた」
「がーん」
落ち込む純介。
…ったく、彼氏でもないくせに他人の家に夜中に遊びにくんなよな。
幼なじみだからって図々しい。
俺の部屋で説教してたら寝るし…
「あ、お母さんたちにもゴハンあげなきゃっ」
蕾は立ち上がり仏壇の前に座る。
俺も横に座った。
「明ママ、瑞希ママ。今日も圭兄と蕾が元気に1日過ごせますように」
「純介が早く蕾を諦めますように、父さんのハゲが治りますように」
「…なんか違くね?」
僕と蕾は、血がつながっていません。
俺は病死した先妻の子で、蕾は事故死した後妻の連れ子。
近所の奥様たちは“松原家に嫁ぐと早死にする”とウワサした。
「いってきまーーす」
学校の準備を終え、玄関を出ようとする蕾の手を引っ張り、ドアに押し付ける。
顎を持ち俺の顔に向けた。
「………香水…つけすぎ。リップも、濃すぎだろこれ…」
唇にそっと手を添える。
「…っ…圭にぃ…」
黒いやわらかな髪
白いうなじ
長いまつげ
薔薇色のほほ
熟した実のような赤い唇
蕾…
頼むから
急いで大人にならないで
俺から、離れていかないで
「…やだっ」
「…っ」
ど突かれて我に返る俺。
「…どうせ私にはメイクなんて似合わないよ、…圭兄のバカ!」
蕾は純介と走っていってしまった。
ー数時間後
「…………どーせ、俺はばかですよーだ…」
「……………兄バカ?」
ただいま、友達に愚痴っているところである。
「…俺おかしいかな?」
「ぃやー普通でしょ、蕾ちゃん高校生にしては色っぽくて落ち着いてるしたなぁ…毎日一緒にいて血つながってないなら恋しちゃっても仕方ないさ」
………………仕方ない…か
ーーーー12年前、春
義理の母と妹ができた。
…あの日、このこを本当の妹として、精一杯大事にしようと思った。
でも…
雨に濡れて透けた下着が
寝起きの無防備な顔が
湯上がりの火照った頬が…
妹じゃなく、血のつながらないひとりの女だって思い知らされる。
……ごめんな、蕾。
こんな気持ち消えてしまえばいいのに。
「ただいま」
「おかえり」
帰ると、笑顔で迎えてくれる蕾。
「18歳の誕生日おめでと」
そう言って買ってきたものを差し出す。
「香水?」
シュッと手首につけると甘いシャンプーの香り。
「……18の女の子には子供っぽすぎない?」
「…………何言ってんだ、18はまだ子供だろ」
そう言って蕾の頭に手を置くと、勢いよく弾き返される。
そのせいで、蕾の指にはまっていた指輪がコロコロと落ちた。
「…ごめん圭兄…」
「…この指輪のサイズ、蕾には少し大きいんじゃないか?」
指輪を拾い上げ、蕾にわたす。
「………いいの」
愛おしそうに指輪を握る蕾。
ーーーーーそうか
小さいけど高価そうな石
大人っぽいデザイン
誤ったサイズは蕾に内緒で買ったから?
「……………ーーー純介とつきあってんの?」
「………」
しばしの無言。
「ーーーーーうん」
……………そうか
「蕾、…純介にたくさん幸せにしてもらいな」
俺は今…笑えているだろうか?
きちんとした笑顔を向けているだろうか…?
「ありがとう、圭兄」
「おう」
キュッと握られる俺の手。
「…手はらってごめんなさい、痛かった?でも、もう子供扱いしないで。私、圭兄が安心できるようなしっかりとした大人の女になりたいから…圭兄もちゃんと幸せになって…」
蕾
俺はもうとっくに
とてもとても…
『幸せだったよ』
ーーーこれで良かったんだ
蕾が幸せなら
こんな痛みなんてどうでもいい
純介と…
「!?」
無理やり蕾を抱きしめる。
「…………っやっぱりムリだ、行くな…!ずっとずっと好きだったんだ」
涙が止まらない。
「バカな願いだって分かってる、蕾を一番幸せに出来るのは俺じゃないってことも…側にいてくれ…遠くに行かないで……」
「………圭兄…」
唇に触れる熱。
「ーーー私もずっと圭兄が好き…っ好きで好きで…毎日苦しかった。ーーー恋はいつか消えてしまうかもしれないけど家族はずっとつながっていられるから【妹】でいるために他の人を好きになろうと思ったの…」
蕾の瞳から雫が落ちる。
「…でも圭兄じゃないとダメだった。ちゃんと恋だと思える瞬間もあったのに、純介を傷つけるだけだった…」
「おま…じゃあ、つきあってるって…ウソ…」
『間違い』なんかじゃない
汚い気持ちなんかじゃない
「俺は…蕾さえいればいい」
だってこんなにあたたかい…
君は蕾
花開いてもずっと
側で笑っていてほしい
*End*ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
- Re: 恋芽生え、愛咲く〜喜恋・悲恋〜【短編集】*アンケート実施* ( No.105 )
- 日時: 2013/08/07 19:43
- 名前: 珠紀 (ID: OjDUGINw)
『消えない証』【実話】
町田直 Nao Machida
小枝春人 Haruto Koeda
*Start*ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
学校の片隅に
「これはもうプロの領域ね…!」
「すごいよ町田さん!」
地味な料理部員がひとり。
「料理は小さい頃から作ってたので」
「あ、そーだ町田さん。美味しいマカロンの作り方教えてほしいんだけど」
マカロン?
「3組の小枝春人くん。もうすぐ誕生日でしょ?だからマカロンをプレゼントしようと思ってさ」
「…悪いけど、私甘いの苦手なの」
甘いのなんて嫌い…
『…幼なじみだからってさ、誕生日に手作りとかひくよな』
…あんなことがあったんだから…
…***…
「おはよ」
「あ!いいところに。直」
朝、寝起きの私を呼び止める両親。
ん?
「今日から私たち、社内旅行でいなくなるじゃない?旅行中の間、小枝さんとこの春人くんのごはんの面倒みてもらえない?」
はぁ?
母親の後ろになぜかハルの姿。
呑気に手をふってやがる。
「やだよ!なんでそんなこと…」
「…小枝さんはお父さんの直属の上司」
耳元で母に囁かれる。
「……………………」
「そういうことだから、ヨロシクネ。直」
笑顔のハル。
っ知るか!!
ー学校
なにが『ヨロシクネ』よ
手作りなんてってバカにしておいて
…アイツはいつもそう…
仲間内で楽しめたらいいと思ってる軽薄男
ヒトの気持ちなんて気遣いもしない…
…まぁ結局
私が同じ住宅の同級生ってだけの存在だからなんだけど
「なー、今日から食堂改装工事だったのよな?」
「えっマジ!?俺、弁当忘れたー」
ハルの話し声が聞こえる。
『弁当忘れた』…?
…ざまあ!
今日1日腹ぺこで過ごすがいい!
…なんて言ったけど。
我ながら馬鹿なことをした。
弁当をハルの机に置いてきてしまったのだ。
…よく考えたら恵んでくれる子いっぱいいるよね…
調理室
材料置いてあったかな…
ありあわせでなんか作って
「誰のものか分からない弁当、机の上に放置されても困るんだけど?直」
「!?」
なんで!?
ハル…が
後ろから急に握られた手を振りはらう。
「この弁当、直のだってバレバレ。直の嫌いな野菜が全部細かくしてある…お前昔から弁当に野菜は細かく入れてたもんな」
…そんなこと覚えてたんだ。
「直、半分こして食べよっか」
「はぁ!?」
「俺と食べるの…いや?」
でた。
ハルの上目遣い攻撃。
…こんなので私は負けないんだから。
「………………」
負けないもん。
「………………………」
負けないって。
「…………………………………」
〜〜〜〜〜〜〜〜っっ
「た…べる」
負けた…
「あ、なぁ。今日の晩ご飯何?」
席についていなや、すぐに晩御飯の話をふられる。
「まだ…決めてないけど」
「じゃあ、今決めて」
無茶ぶり!!!!
「はい、さーん、にぃーい、いーち」
ちょ…っ
「ォ、オムライス!」
「…まじで?」
ハルの顔がキラキラと輝く。
「じゃあさ、じゃあさ。今日食材一緒に買いに行こーぜ」
はい…?
「放課後一緒に帰るついでにさ」
そう言ってハルは、いつの間にか平らげていたのか…弁当を私に差し出し教室から出て行った。
数時間前まで避けてた相手と買い物行くって約束しちゃった…
…ほんと想定外の展開
「…だけど、今日友達に遊びに誘われてたし」
そっちを…選ぶよね…ハルなら。
…***…
結局ひとりで帰ってきてしまった。
…いいよね。
だってハルは、友達と遊んでくると思うし。
ーピンポーンー
チャイムが鳴る。
…誰だろ。
扉を開くと、思いっきり肩をつかまれた。
「!?」
「なんでひとりで帰ったんだよ!一緒に材料買いに行くっつっただろうが!」
「えっハ、ハル?」
なんでハルがここに。
「友達と…遊びに行ったんじゃ…」
私の手作りなんかより…友達を選ぶと思ってたのに。
「アホ」
ごつりと頭をたたかれる。
「約束したんだから、直のが優先に決まってんだろ」
…確かに
私、ハルのこと過剰に不信がってた。
「…ごめん…約束破って…ごめん、ハル」
ずっとこのままじゃダメだよね
「…許さない」
頬を両手で包まれて顔を上に向かされる。
そのせいで、目線がバッチリとハルとあう。
「約束破ったお詫びに…欲しい物があるんだ」
トクトクと心臓がなる。
「直があの時俺に渡そうとしたマカロン、もっかい俺にちょうだい」
なんで…
なんで今更、そんなこと言うの
そんなこと言われたら…
そんな目で見られたら…
消したはずの感情が沸き上がってくる
本当は怖くてたまらない
だけど、ハルの気持ちが知りたい
「うん…」
ー次の日
「ハル…いる?」
ハルの教室に行くとざわつく教室。
「うわっマジできた」
「春人の言った通りだ、町田がマカロン持ってくるって」
…なんで知ってるの?
ハルはいったいどういうつもりでーー…
「ってことは賭は俺の勝ち!」
『賭』…?
「くそーフられた相手にまた同じもの作ってくるとは思わねーだろー」
「あ、町田がマカロン持ってきたぞ!春人」
振り向くと、ハルの姿。
…ああ、そっか
「直?」
…また私をからかったんだ
「ハルなんて大嫌い」
雫が頬を流れ出す。
そのままハルに背中を向けて走り出した。
…分かってたこと…分かってたことなのに。
「直!待てよ!」
「来ないで…もう…ほっといてよ…」
もう…
「ハルといるとつらくなる!消えて…っ!」
私の前からも
私の頭の中からも
ハルに対する感情すべて
消えてしまえばいい
「…っっ」
「…もっと俺のことでつらい思いすればいい」
え…
手を引かれキスをされる。
「そうすれば直は俺を消せないだろ…」
「…っ」
「ごめん、直。誕生日の日ダチの前で調子にのって直を傷つけたこと…すごく後悔してる…手作りのマカロン、本当はすごく嬉しかった」
そんな…こと…
今頃、言われたって…
「…嫌いでいい」
ぎゅっと身体を抱き寄せられる。
「嫌いでいいから俺のこと消そうとしないで」
ーつらいことも、悲しい思い出も
ー全部消えないー
『証』となって…
耳元で囁く彼の声に沈んでいく…
*End*ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
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