コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- LOVE・CRAZY【短編集】
- 日時: 2013/07/18 15:59
- 名前: 冬の雫 (ID: HOE8nich)
はじめまして&こんにちは!
またこいつか……と思わないでください(*´Д`*)
たくさん出しちゃってますが、ほとんど合作なので
完結はできるかと…(‾^‾;)ゞ
短編とかいてありますが、ぶっちゃけ短編というには長いです。すみませんm(__)m
コメントは永遠に受け付けしてます!
よろしくお願いします^ ^
★お客様です^ ^
☆千妃さま
☆ばななさま
☆珠紀さま
いつでもお待ちしてます!
お好きなものを選んでください^ ^
↓↓↓
*・゜゜・*:.。..。.:*・'・*:.。. .。.:*・゜゜・*
『左右対称な恋 先生×生徒』>>1
わたしが好きといえば、彼は好きという。
わたしが嫌いといえば、彼は嫌いという。
これはまるで、そう……───
『左右対称な恋』
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『ワンコな彼 ツンデレ×元気っ子』>>13
「あーー先輩みっけーっ!」
そんな声がしたかと思うと、ドタドタと彼が駆け寄ってきた。
…ちっ、またか……。
「せんぱー…「あんたね! 毎回毎回しつこいのよクソガキっ」…ひでぇー」
そう言っても、彼は私の元を離れない。
……全く、なんて犬のような子なの。
『ワンコな彼』
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『サイカイノアト クール×余命宣告』>>18
久しぶりの感触。
久しぶりのぬくもり。
久しぶりの声。
───いつからか、この温かさを忘れてしまっていた。
でも再び出会って、もうこれからは忘れることは出来ないのだと思った。
……どうせ、半年の命だ。
死ぬまでには、あの温かい彼を抱きしめたい。
『サイカイノアト』
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『お菓子な恋 パティシエ×常連客』>>24
わたしには、いつも通う店がある。
いわゆる、『常連』ってヤツだ。
誰でも一人に一つはあるだろう。
「あの店が好きだ」とか、「これはあの店でしか買わない」とか。
それがたまたま、わたしには『お菓子屋さん』だっただけだ。
そこのお菓子はとても甘くて美味しくて、幸せな気持ちになる。
───だから、だろうか。
そこのパティシエに、ふとした瞬間に恋が芽生えてしまったのも、甘いお菓子の所為なのだろうか。
『お菓子な恋』
- Re: 恋のパターン【短編集】 ( No.1 )
- 日時: 2013/07/20 15:29
- 名前: 冬の雫 (ID: JxRurJ5z)
『左右対称な恋 先生×生徒』
プロローグ>>0
わたしは昔から、恋愛には向いてない方だった。
なんというか、相手と上手く付き合いきれなくて、いつも「好き」とですら伝えることが出来なかった。
そんな自分に嫌気がさしたりもして、わたしは、あまり恋とは面と向かって向き合わないようにしていた。
好きな人はいるのに。
頭の中では「好き」と伝えたいのに。
…できない自分が、腹立たしかった。
***
そんなある日、放課後わたしは理科室に残って理科の兎山先生と実験をしていた。
わたしは実験が大好きで、六時限目が理科の時はこうやって残って兎山先生といつも実験をしている。
言うなれば『兎山先生の実験手伝い』のようなもので、わたしは興味しんしんで兎山先生の、器具を扱う手をじっと見ていた。
兎山先生の手は男らしく角ばっていて、見ていて面白い。
兎山先生の手が左にいけば左へ視線を移し、右にいけば右へ視線を移す。
その繰り返しで時々頭に実験内容が入らないこともあって、よく兎山先生から注意された。
『いーじゃん、勉強じゃないんだし』
『でもなぁ。俺が集中できないんだよ』
『あはは、そうだね』
前にこんな会話をして、いつも通り敬語を使わずに、兎山先生と笑いあった。
なんだか懐かしい。
「…兎山先生ってさ、彼女いるの?」
「えっ、」
わたしが独り言のようにぽつりと言ったのを、兎山先生は聞き逃さなかった。
驚く表情も…なんだか、かっこいい。
そう思うわたしは重症だ。
「な、なんだよ急に。先生の恋愛話なんか聞いてどうする」
「いやぁ別に?ただ、先生ってモテそうだしさ」
ほらこの手も、と兎山先生の大きな手を触る。
男らしくて大きくて、わたしの弱々しい手なんか大人から見る赤ちゃんのようだった。
「あと、先生の名前可愛いし」
「…! かわっ…、…」
なんてことを、と兎山先生がわたしを見る。
「だって、兎山って書いて“トヤマ”でしょ? “ウサギヤマ”って呼ばれてもおかしくないじゃん」
ね?とわたしが首を傾げて言うと、兎山先生は「…まぁ…、」と言葉を濁らせた。
「言われないことは…ない」
「! ほら、やっぱり! という訳で、彼女の有無を教えて♪」
「なんでそーなる!」
兎山先生は言うが、わたしはニコニコしながら「ほら早く」と先生を急かした。
「……驚くなよ」
「うんうん」
「…………彼女は、一回もできたことない」
「うんう……、えぇっ!?」
兎山先生は恥ずかしそうに、「だから驚くなよって言っただろ」と子供のように顔を赤くしてうつむいてしまった。
…ウソ、あの兎山先生が?
「でも先生女子の間では結構人気あるよ?」
「どうせ見た目だろ。俺は臆病者だから、彼女すらできたことない」
「臆病って…、」
とてもそんな風には見えない。
兎山先生はいつでも堂々としてて、背も高いから、『男らしい』とばかり思っていた。
……ていうか、見た目のこと認めてんだ。
「それでも彼女くらいはできるでしょ? 先生今何歳?」
「26」
「若っ! こんなの女子が放っておかないって!」
興奮して机をバンバンと叩くと、「俺にだって色々あるんだよ」と少々拗ね気味に言った。
あなた、本当に教師ですか?
「もういいだろ! ほらやるぞ」
兎山先生は生徒にバカにされた(バカにしたつもりはないんだけど)のが嫌だったのか悔しかったのか、完全にむくれて、実験の続きを始めた。
───……わたしは今日も、先生に「好き」と言えなかった。
***
わたしが昔付き合っていた───といっても、中学生の頃だけど───彼は、結構軽い男だった。
根はマジメなのに、女の子を前にするところっと優しくなる。
そんな彼を知っていても、わたしは彼と付き合った。
───でも。
わたしが「好き」といえば彼は「好き」としかいわない。
わたしが「嫌い」といえば彼は「嫌い」としかいわない。
───……こんなの、おかしいよね?
そんな恋が嫌で、わたしはずっと逃げてきたんだ。
***
でもまぁ必然的に恋はしてしまうもので。
わたしが好きになったのは“センセイ”という壁の高いものだった。
さてこれからどうしようか、と廊下を歩きながら考えていると、見憶えのある後ろ姿が見えた。
「兎山先生!」
名前を呼んで、駆け寄る。
兎山先生は「あ」と口を開けて、次には優しく笑った。
「やあ、昨日ぶり」
「…先生…わたし、昨日言えてないことがあったんです」
「言えてないこと?」
先生は首を傾げる。
わたしは大きく息を吸って、先生を真っ正面から見た。
幸い周りには誰もいない。
───言うんだ、勇気を出せ、わたし!
「先生はわたしのこと好きですか?」
……あれ?
なんかヘンなこと言っちゃった。
***
「…え? もちろん好きだよ」
先生はきょとんと答える。
わたしは「好き」って言いたかったのに……!
「…あ、はい。そうですか」
で、なに素直に受け止めてんのわたし!
「急にどうしたの? 結構深刻な顔してたけど」
「いえ……、」
なんでもないですと首を横に振ろうとしたとき。
───ふと、脳裏にあの言葉がよぎった。
『左右対称な恋』。
先生とは……違うよね?
「わたしは嫌いです」
気が付けば、わたしはそう言っていた。
だって、あの言葉が本当か確かめたかったんだ。
先生も、わたしのことを「嫌い」というのか……
「俺は好きだよ?」
…………
…………え?
今の言葉、教師だから言った訳じゃないよね?
「……え?」
「だから、俺は好きだよ。
先生だから。」
……ああ。
…『先生だから』、か。
泣けてくるな…。
「……そう、ですね」
わたしは顔を一度伏せて、
笑った。
「うん。また放課後でな」
兎山先生も笑った。
…そっか。
どうせこれも、
左右対称な恋。
*・゜゜・*:.。..。.:*・'・*:.。. .。.:*・゜゜・* END