コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- Promis〜巡る運命〜
- 日時: 2013/08/28 11:49
- 名前: 紅茶 (ID: cm34dabg)
誰が決めたわけでもない
でも 確かにあるのが運命?
自然と心が惹かれ合う
それが 恋というもの?
身体を支配する縛り
これは 本当の記憶?
ずっと胸に染みているもの
この暖かさが 偽物じゃない想い出?
巡る運命 記憶と混ざる想い出
様々に交差する 大人の悪や正の企みや考え
巻き込まれた子どもは どうすればいいの?
何も悪いことなんてしてないのに 何で?
運命は苦しみを運ぶ 運命は喜びを運ぶ
さあ この運命のゴールを探せ
自らの その手で
真の想い出を 呼び起こして
φ登場人物φ
片桐 伊織 Katagiri Iori
安城 秋夜 Shuya Anjo
美濃和 凛 Rin Minowa
沢木 大地 Daichi Sawaki
鍋谷 麗華 Reika Nabeya
桜庭 杏衣日 Aika Sakuraba
綾瀬 杏里紗 Arisa Ayase
如月 騎士 Naito Kisaragi
井原 太一 Taichi Ibara
加治 俊 Shun Kazi
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- Re:Promis〜巡る運命〜 ( No.1 )
- 日時: 2013/08/28 11:48
- 名前: 紅茶 (ID: cm34dabg)
*伊織
朝から窓の外が五月蝿い。
電線の上で雀がちゅんちゅん鳴いているから。
「伊織ちゃん、起きてる?」
「うん。おはよう。お母さん」
ドアの向こうからお母さんの声がした。
そっと扉が開くと、ちょうど目があった。
いつ見ても美人だな。
自分の母親を美人と言う人は少ないと思うけどね。
私達親子はよく似てないって言われるから、
私には遺伝してくれなかったんだよ。
「おはよう。朝ごはん出来てるよ。着替えておいで」
ニコッとお母さんが笑うと、戸は閉められた。
時計を見ると、七時三分を表している。
早起きが多い私には珍しいかな。
地元では可愛いと有名なセーラー服に着替える。
ブレザーもあるけど、今日はこっち。
「お父さん、おはよう!」
三階の部屋から二階に降りる時、
すれ違いに三階へ上がるお父さんに会った。
「伊織さんか。おはようございます」
「今日もお仕事頑張ってね」
「はい。伊織さんも、学校いってらしゃい」
身内にもきちんと話す優しいお父さんは、
ニコニコと笑ってそう言った。
お父さんは、会社に行かないでこの家で
小説を書いているの。いわゆる小説家。
リビングではお母さんがお弁当を用意していた。
急ぎめに食べないと、電車間に合わないかも!
「ごちそうさま! ……行ってきまーす!」
勢いよく玄関を開けて、駅までダッシュ。
駅前の自販機の横には…………。
やっぱり!凛ちゃんも沢木君ももう来てる〜!
「いーおーりぃー!」
真っ赤な自販機の横にいた凛ちゃんが
私の名前をかなりの大きな声で呼んだ。
その隣の、男子にしては背が低い沢木君も
おっきく口を開いて何か言おうとしてますよ?!
「おーそーいー!!」
もう、恥ずかしいよ〜!通勤通学時間なんだよ?!
人が沢山いるんだよっ?!公衆の目線があるのですよ。
二人とも加減を知って……とはいえないしなぁ。
「ごめん、遅れちゃったかなー。
でも、ちょっとだよねっっつえぇ?!」
- Re:Promis〜巡る運命〜 ( No.2 )
- 日時: 2013/08/28 11:47
- 名前: 紅茶 (ID: cm34dabg)
*伊織
うん、何だろう。この状態。
凄い勢いで同級生の女の子に
プロレス技をかけられているよ?!
「何がちょっとだあ! 十三分遅れてンだよ!!」
「凛ちゃん〜苦しいです〜ぅっ」
「……凛ちゃん、もう止めてあげて。伊織が死んじゃうよ」
十三分ですか。そうでしたの。
我が家の母親は結構呑気ですのね。
沢木君、止めてくれてありがとう。
凛ちゃんがやっと腕を外して、言った。
「もーうーっ! 行くよ!」
「あはは。凛ちゃん牛みたい」
「はぁ?!」
これが私達のいつもの通学風景です。
あえて付け足すと、私こと片桐伊織は
決してMとかそういうものじゃない。
凛ちゃんに技をかけられたら本当に痛いから。
「あれ……?」
沢木君が目を細めて何かを見てる。
ちなみに凛ちゃんと沢木君とは幼なじみ的な
関係ではなくて、中学校で知り合った。
「どうしたの?」
「うーん、あれってウチの制服じゃない?」
あれ、と言って沢木君が指差したのは。
「おんなじ制服だからおんなじ学校の男子だね」
「いや、それはそうなんだけどさ、ネクタイの色が」
凛ちゃんの言葉に納得。
沢木君の言葉には…………あれ?
「あの子、転入生かな?」
「え? はい?! 伊織、ちょっとはしょり過ぎ」
え、そんなに説明とばしてないけどなあ。
「だからさ、ネクタイの色が紺の無地ってことは
中等部の二年でしょ? でも、私達と同じ学年なのに
あんな人見たことないから。転入生かなって」
「そーゆーことかぁ。じゃあさ、名前訊いてみよ!」
「え、何でそうなるの……?」
もう一年ちょっとくらい付き合ってるから
慣れてきたけど、凛ちゃんの思い付きには
着いていくのが大変だよ。
沢木君も若干呆れてるね。目が言ってるよ。
『学校に遅刻するよ。早く行こう?』って。
「おしっ! 行こう!!」
本当に、何でそうなるのかなぁ。
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