コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- ( 秘め事チェリー )( 募集 3/12 更新 )
- 日時: 2014/03/12 19:52
- 名前: ( ノール ) ◆elRWqcFdQI (ID: qNIh9ax1)
- 参照: http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode=view&no=7966
↑ 色々と募集しております ↑
「けーちゃんバイバイー」
「またねー」
友達と別れる。
私はごく普通の高校に通う女子高生。どっちかと言うと地味な子のグループにいる。人前に立って何かをする事も無いし、積極的に動く事も無い。傍観者でいる事が多い。
そんな学校生活を過ごしている私だけど、一つ皆には内緒にしている秘め事がある。それはと言うと……。
「ただいまー」
自宅に着いた。
家の門を開けるとぞろぞろと人が私を出迎える。出てくる人は皆厳つい男性ばかり。顔や手足には傷跡が。
他の人は驚くんだろうけど、私は幼い頃から見ているのでもう慣れた。
「お帰りなさいませ! お嬢!」
厳つい男性達は列を成し、頭を下げ大声で私に挨拶をする。そして私のカバンやら何やらを持ってくれる。
奥からは「お嬢のお帰りだぁ!」という声も聞こえる。
そう。内緒にしている事、それは——私、八柳 螢(やなぎ けい)は任侠一家“八柳組”の3代目八柳 秀一(しゅういち)の一人娘なんです。
>>006 登場人物
>>000 >>001 >>002 >>003 >>007 >>010 >>013
気紛れに更新していきます。コメント大歓迎。
>>014 短編書いてます。
( お客様 )
みちゃおんsama
ren sama
歌織sama
珠紀sama
(20140222)
- ( 4 ) ( No.7 )
- 日時: 2014/02/28 21:36
- 名前: ( ノール ) ◆elRWqcFdQI (ID: qNIh9ax1)
( 4 )
青林と一緒に家へ帰った。
「ただいまー」
青林が門を開けてくれ、私はお礼を言い門を潜(くぐ)る。さりげなくてホント紳士だ。絶対モテそうなのに妻子はおらず独身らしい。そういえば他の皆は女性関係とかそういうの激しいってよく聞くけど、青林さんは聞いた事無い。そういうの興味無さそうだし。
「お帰りなさいませお嬢!」
「青さんと一緒だったんですかい」
「そうだよ」
青林は組の皆に『青さん』と慕われている。流石3代目の右腕。組の皆は「青さんが一緒なら安心だぁ」と言っている。それだけ信頼されているって事だろう。
「遅いからお嬢、また痴漢に遭ったのかと思いましたぜ」
「ちょ乾さん」
笑いながら茶化してきたのは乾。そんな頻繁に遭いませんから。と言うか、大きな声で言わないで、お父さんに聞こえちゃうから。「お嬢綺麗っすからねぇ。危ねぇでさぁ」と乾が言う。綺麗とか照れるわ。
「寧ろお前が危ないな」
「ちょっ、ヒデェっすよ青さん」
サラッと言う青林にすかさず否定を入れる乾。私もそれに乗って「えぇー怖ーい」と言うと「そんな事無ぇっすからお嬢!」と慌てる乾。実に面白い。そんな様を見て私と、青林は静かに笑う。
「んな事より、ソレ何ですかぃ?」
話を逸らすかの様に、乾は青林が両手で持っている大量の袋を指差して問う。そういや青林さんずっと持ったままだったね。忘れてたよ。有難う。
「そうだ、コレ皆にお土産なの。パンケーキだよ」
するとその声が聞こえたのか、他の組の皆が「マジッスか!?」「お嬢マジあざっす!」と反応した。一斉に私の方を向いたので少しビビった。強面ばっかなんだから怖いよ……。
パンケーキセットを皆に渡す。列を成し、楽しそうな顔して待っている強面達が滑稽で仕方が無い。私は笑いを堪えながら配った。
皆笑顔で美味しそうに食べてるなぁ……。甘いものは人をも変える。勉強になりました。皆の幸せそうな顔ったらまぁ……面白い。
ふと右の方を見るとガッツリ食べている乾の隣に、一口も食べていない青林の姿が見えた。私はその二人に近寄る。
「青林さんは食べないんですか?」
「青さん甘いの苦手なんすよ」
「あっそうなの?」
初めて聞いた情報だ。青林は甘いものが苦手らしく、食べるのは勿論甘い香りも駄目らしい。……えっなら、さっきハニーメイトで待ってた時、めっちゃ苦だったんじゃ……。と思っていたら、また青林は察したのか「任務ですから」と柔らかく言う。か、カッコイイ……!
「……じゃあ青林さんの、他の人にあげてきますね」
「いえ、食べないとは言ってませんよ?」
「えっ?」
甘いの駄目なんだから食べないんじゃないの……?
「折角お嬢がお土産に買ってきてくれたのですし、食べない訳にはいきませんよ。しかし私は甘いものは苦手ですから、お嬢が食べさせて下さい」
……ん? 今何か聞こえた気がするんだけど気のせいかな? 表情一つ変えずにサラッと言う青林。こういう人だっけ……?
けどまぁ、勿体無いし、減るもんじゃないし、寧ろ増える、と言う事で私は付属のフォークに一口大の大きさのパンケーキを刺し、アーンと青林の口元へとやる。
「……甘いな」
青林はそれを食べると、一言ボソッと言った。少し眉間に皺が寄っている。
「青さんだけズリィっすよ! お嬢! 俺にもやって下せぇ!」
「乾さんも!?」
私達のやり取りを黙って見ていたと思いきや、それが終わるなり乾も大声で頼んできた。30代40代のおじさんに食べさせるとか結構恥ずかしいんだぞコレ。“介護みたい”という言葉は飲み込んだ。
しょうがないな、と仕方無しに乾にもそれをやった。
「っかぁー! お嬢から食べさせてもらうと一段と美味くなるなぁ!」
大喜びする乾に私は「ははは」と苦笑い。そりゃあようござんした。
そんな乾の大声と一部始終を見ていた他の皆が「俺もやって下せえ!」とわらわらとやって来る。
「やっやらないから!」
私は一目散にその場から逃げた。逃げる途中、父に見つかってそれをやらされたのは言うまでも無い。
....
- Re: ( 秘め事チェリー )( 2/28 更新 ) ( No.8 )
- 日時: 2014/02/28 21:31
- 名前: ren ◆whqbkF.zHs (ID: Ol8BE7Vi)
とっても面白いです!!
文も丁寧で細やかで・・・・・本当憧れます
あ、自己紹介遅れました。renです
更新楽しみにしてます!!!青林さんかっこいい・・・!!
- Re: ( No.9 )
- 日時: 2014/03/01 10:47
- 名前: ( ノール ) ◆elRWqcFdQI (ID: qNIh9ax1)
( ren sama )
初めまして、ノールです。
嬉しいお褒めの言葉を有難うございます。とても嬉しいです//
おぉ青林好印象! なら青林の出番増やさないとですね(笑)
気紛れ更新ですが、これからもご贔屓に(^v^)
- ( 5 ) ( No.10 )
- 日時: 2014/03/01 16:06
- 名前: ( ノール ) ◆elRWqcFdQI (ID: qNIh9ax1)
( 5 )
「いっけねぇ、酒足んねえや」
台所の前を通り過ぎようとすると、中から声がした。組の皆の胃袋を癒してくれる仲原(なかはら)だ。夕飯の支度をしようと食材を確認したところ、お酒が残り僅かで足らないとの事。
「私買ってきましょうか?」
丁度コンビニへ行こうとしていたし、贔屓にしている酒屋はそのコンビニをちょっと過ぎた所にある。「ついでだし」と言うと仲原は「お嬢に行かせる訳には行きませんよ!」と食い気味に却下したが、何とか説得して渋々承諾した。
仲原からメモ用紙とお金を貰い、外に出た。
+ +
コンビニに寄り、授業で使うノート2冊とアイスを買った。アイスを食べながら酒屋“エノモト”へと向かう。
「嬢ちゃん、こんなとこに一人でいちゃあ危ないよ。……俺みたいのがいるからねえ!」
「……!」
向かっている最中に突然後ろから何とも物騒な声を掛けられた。私は反射的に回し蹴りをする。するとヒョイっと避けられた。声を掛けた人物を見ると…………ハァ……。
「……何やってんですか島崎(しまざき)さん」
「いやぁ良い蹴りだったねぇ。おいちゃん危うく食らっちゃうとこだったよ」
……全然余裕のよっちゃんだったくせに。
その人物は八柳組の幹部、島崎 竜平(りゅうへい)。焦げ茶色の髪のオールバックで後ろで1つに結んでいる。黒いサングラスに銜(くわ)え煙草が特徴の40代の男性。一人称が『おいちゃん』と飄々としていて頼りなさそうだが、これでも3代目の左腕。右腕の青林と並んでやり手の大幹部だ。よく青林と一緒に『青島コンビ』と言われている。
「てか何でいるんですか?」
「ん〜? そりゃあ螢お嬢をお守りするナイトよ〜」
「はいはい」
軽くあしらう様に相槌を打つと、島崎は「酷いねぇ〜」と笑いながら言う。絶対思ってないでしょうに。
「ほら、螢お嬢痴漢に遭ったでしょ? だから更に護衛を強化してんのさ」
「えっ島崎さんまで知ってんの!?」
どんだけバレてんの……。すると島崎が「まぁ、3代目以外は皆知ってんじゃな〜い?」と適当に言う。だから仲原さんあんなに行かせたくなかったのか。お気遣い有難うございます。
「で、おいちゃんが来たって訳よ」
そうなんだ。けどあの会い方は無いよ……。
+ +
そんなこんなで酒屋“エノモト”に着いた。
「こんにちはー。シゲさん居ますかー?」
すると商品の棚の奥からヒョコッと顔が出た。この酒屋の店主、榎本 茂(えのもと しげり)だ。黄土色(おうどいろ)の髪に赤いバンダナ、白いTシャツに黒の作業用ズボン、紺色のエプロンを掛けている30代前半の男性。
榎本は作業をしていたのか、手に持っていたビンを床に置いてこちらにやって来た。
「シゲさん、これ欲しいんですけど」
仲原からのメモ用紙を榎本に見せる。榎本はそれを受け取ると、一言「ん」とだけ言って奥の方へ酒を取りに行った。相変わらず無口な人だなぁ。
数分後、榎本が奥から酒のビンを両手に持ちやって来た。「7,520円」と短めに言う。私は預かった1万円札を出し、お釣りを受け取った。
島崎の姿が見当たらないので店内を見渡すと、洋酒コーナーの所に居た。「行きますよ」と声を掛けると私に気付き、「ん〜はいよ」と私の方へ歩き出す。
レジで書類に何かを記入している榎本に、島崎は笑いながら言った。
「シゲリンは真面目だねぇ〜」
グサッ
一瞬、時が止まった。私と島崎は動けず固まっている。青ざめている島崎の顔スレスレを掠めたモノ、それは先程まで榎本が使っていたシャープペン。それが壁にグサリと刺さっている。
榎本は女性の様な名前が嫌いらしく、皆には『シゲ』としか紹介していない。けれど極僅かにフルネームを知っている人がいる。その一人が島崎だ。あんな性格の島崎なので、おちょくる様に勝手にあだ名を付けて呼んだらこんな事になった。自業自得という訳だ。
さ、流石八柳組御用達(ごようたし)の酒屋だけあるね。普通ならシャーペン壁に刺さんないよ……。
榎本は引き出しからシャープペンを取り出し、何事も無かったかの様にまた書類に記入し始める。
私達二人はもう絶対『シゲリン』と言わないと心に決めた。
....
- Re: ( 秘め事チェリー )( 募集 3/1 更新 ) ( No.11 )
- 日時: 2014/03/01 20:18
- 名前: 歌織 ◆7mMhpffKaM (ID: qNIh9ax1)
はじめまして タイトルに惹かれてきました
読みやすくて面白いです‼︎
ノールさんみたいに書きたい・・・
キャラ全員好きです(o^^o)
登場キャラの年齢が高くて、私好きですww
更新頑張ってくださいね‼︎
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