コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 銀色に燃えるキャンドル
- 日時: 2014/02/28 16:47
- 名前: あい ◆8DJG7S.Zq. (ID: ysgYTWxo)
目次 >>5
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登場人物
来瞳 ‐くるみ‐
漆沢家の長女
柚香 ‐ゆずか‐
漆沢家の次女
翔太 ‐しょうた‐
漆沢家の長男
こうめ ‐こうめ‐
漆沢家の三女
優希 −ゆうき‐
漆沢家の二男
大沢瑠璃
藍星塔花
佐川遥
美山もも
浅野広哉
赤城遼
清水恭太
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- Re: 五つ子の家 ( No.1 )
- 日時: 2014/02/28 16:21
- 名前: あい ◆8DJG7S.Zq. (ID: ysgYTWxo)
「うめ!ちょっと来て〜!」
あたし、漆沢くるみです。
小学、えっと五年生!!
五つ子の 一番上の姉なのです。
「へーい!!」
小梅が、バタバタと廊下を走ってやってきた。
「くるちゃん、どうしたの?」
「あと早くランドセル背負って 玄関集合って 皆に言っておいて」
「了解!あ、ゆうきが気分悪いって言ってた!」
今のは、五つ子の下から二番目の、こうめ。皆 うめって呼んでるんだけど、本人は大のお気に入りの名前らしいの。
「えー!わかった 部屋見に行ってみる」
あたしは頷いた。
ちなみに両親は共働きで、「たまーに」ご飯を作り置きしてくれるぐらいで、ほとんど、あたしたち五人がいろいろやっているんだ。
とりあいず優希の部屋に向かう。
「ゆうき?どうしたの〜?」
入るよーとノックして いいよ と返事がきたので入ってみると
「俺・・休むわ」
と 疲れ切ったような顔をして 優希が言った
「は?どうしたの?」
紙きれと顔を合わせては ため息をついた
「あ、くるみ。こいつ朝から 今日の学校の給食が おしるこだってだけで、仮病使ってるだけだって」
と、後ろから、上から三番目の長男、翔太が入ってきた。
「おい!しょうた!!何ほんとのこと言ってんだよ!!」
「あははー!ほんとって自分で認めてやがる」
翔太が 嫌味に笑う
「ああ、そういうこと。」
あたしは、はははと笑って 優希に言った
「そんなもん 減らせばいいわ!!」
優希は、こくこく頷いて、そばにあったランドセルを背負って 玄関に走っていった
優希は五つ子の末っ子。
「ほら しょうたもいこ」
「うん」
ランドセルを背負って翔太も後ろからついてきた。
——
ただ、この家
ただただでかい。
玄関から子供部屋って 結構な距離があって。
「くる、全員集合したよ」
玄関にいくと、しっかり者の、次女の柚香が居た
「ゆず、ナイスだね!」
小梅もにっこり笑った。
「じゃあ 行こう!」
(六時二分 きょうもいつも通り出発)
そばの公園の時計を見て、あたしは頷いた
——
五人で登校していると、声をかけられた
「ゆずか おはよう!」
(…あたし くるみ…なんだけど)
「あ、ゆずかはこっち!あたしはくるみ。」
こういうこともしばしばある。
でも、あたしは小梅とは似てない。
くるみ&ゆずか&翔太は似てる
小梅&優希は似てる
「くるみー!」
今度は あたしの知ってる顔だ
「だーれだ!」
目をふさがれ
「えっ!」
でも 誰かわかる 声で。
「ルリ!」
スグにあてた
「そうだよー!おっはよ〜」
大親友のルリ。
「だーれだ!」
そしてまたもう一人に目をふさがれた
でも 誰かわかる 手が冷たいから!
「塔花でしょ?」
こっちも大親友、とうか。
「そうだよー!」
あたしたちは 三人でニッコリ笑った。
- Re: 銀の世界 ( No.2 )
- 日時: 2014/02/28 16:31
- 名前: あい ◆8DJG7S.Zq. (ID: ysgYTWxo)
そのまま 急な斜面をあがっていく
「ぎゃー!おちるぅ〜〜」
と、いきなり後方を歩いていた小梅に掴まれ、あたしまで声を上げる
「ぎゃー!!」
「ちょ!うめ!くるみ!」
そのまま ルリと塔花が引き上げようとするが 結局二人とも 落ちそうになる
「滑る!!」
ルリが後ろで声を上げた
「おまえら…しゃべってるからそうなるんだろって!」
小梅とあたしの背中を押して、優希と翔太がこの状況を変えてくれた
「あ、サンキュ、しょうた&ゆうき」
と ルリが軽く言った
「ばーか 気をつけろっての」
セットにされたのが嫌だったのか、二人は道の真ん中でケンカ始めた。それこそ 二人は滑り落ちていく。
「…はあ つかれる」
小梅がひとこと言った
この登り坂、足に神経を研ぎ澄ませないと 本当に落ちるんだ。
なんたってここ、田舎町。
毎朝5時に(少なくともあたしだけ)おきて、6時出発をめどにする。
登校にかかる時間は 最短で1時間なんだけど それは走ったらの話。
あたしたちは歩くのが遅いから 結構時間を取って 余裕もって行っている。
—————
「もも、広哉 25分になったら、廊下に並ばせて」
先生があたしの隣をすり抜けて、学級委員であるふたりの元に声をかけると すぐにそそくさと出ていった。
「あ、くるみちゃん…」
あたしは 後ろに遥が居ることを知らずに ぼんやりしていた
「く、くるみちゃん!・・・・くーるーみちゃん!!」
「な、なにっ!」
大声で言われて、あたしは振り返った。
「…なんか ぼんやりしてたから 声かけてたのに、何回言ってもぼけっとしてるから」
と、遥が笑った。
「あ、ごめん」
平謝りすると くすっと遥が笑った
「ほら 速く並ぼう。今日、体育館で交通指導感謝の日だよ。ももちゃん怒っちゃうよ」
横を向くと、学級委員である ももが、廊下にならんで!と必死に言っていた
「…そうだね。」
あたしは頷いて、廊下に出た。
- Re: 銀の世界 ( No.3 )
- 日時: 2014/02/27 20:41
- 名前: あい ◆8DJG7S.Zq. (ID: ysgYTWxo)
to小梅
あたしたち五つ子は仲良し!
あたしは うめって呼んでほしくて みんな うめって言ってくれるから嬉しい
くるみは くるちゃんって呼ぶし
ゆずかは ゆずって呼ぶ
ゆうきとしょうたは そのまんまなんだけどね。
「じゃーねー!」
一緒に帰る友達と別れ、一軒家に足を踏み入れる。
あたしたち、五つ子の一日は、学校から帰ってきてから始まる
「ただいまー!」
誰も居ない家のドアを開けた。
いつも帰ってくるのは あたしが一番で、次はくるちゃん その次が優希、翔太と続いて マイペースなゆずがいっつも最後。
帰る時は、五人一緒じゃない。
何時だって 五人一緒でいるわけじゃないし、五人が一緒だって思われたくないっていうのが 五人それぞれにある。
「ふあー!!」
とりあいず宿題を行うことにした。
お母さんもお父さんも、夜、最中に帰ってくるけれど、最近は口論ばかりして、あたしたち子どもにも全く顔を合わせない週もあるほど、くるちゃんに家を任せているの。
だから、あたしはアシスタントだけでくるちゃんを助けるしかない
「おやつを用意しとこう!」
くるちゃんたちのために。
戸棚を開けて、クッキーを見つけた。
クッキングペーパーを四角いお皿の上に引いてクッキーを並べた
「ホットチョコレートでも作ろうかな」
パウダーと温めた牛乳を混ぜて、五人分のコップに入れて、テーブルにならべた。
丁度グットタイミングで、ドアが開く音がした
「ただいまー!」
あ、くるちゃん帰ってきた!
「お帰りなさーい」
宿題をしていた手を止めて、玄関まで走る。
この屋敷、やけに大きい。
走って玄関まで行く
「お、いい匂いするー!」
くるちゃんが、靴をそろえて置いて、自分の部屋にランドセルを置いた後、宿題一式と筆箱を持って リビングに戻ってきた
「あ、作っておいてくれたんだ!!」
「冷めないうちに、飲んでいいよ」
あたしは、ホットチョコレートを勧めた。
「ただいまー」
ほら やっぱり予想した通り優希が帰ってきた
「おかえりなさーい」
くるみは、クッキーを片手に、言った。
扉が開いて、リビングに入ってきた優希は、ランドセルを放り投げてソファに苦しそうに寝ころんだ
「どうしたの?」
くるちゃんが心配そうに近寄った
ほっとけばいいのに。
宿題やってやることやって 楽になっちゃえばいいのに。
でも くるちゃんは自分のコトだけを考える人じゃない。
他の人のことまでちゃんと見てくれるんだ。
- Re: 銀の世界 ( No.4 )
- 日時: 2014/02/27 20:51
- 名前: あい ◆8DJG7S.Zq. (ID: ysgYTWxo)
toくるみ
「どうしたの?」
あまりに顔色が悪い優希に、あたしは近寄った。
甘いチョコレートのかおりが身体をいやしてくれる。
「…気持ち悪い」
「———そっか」
額に手を当てる。
ちょっと熱い気もする。
体温計を取り出して、測らせる。
「ただいまー」
小梅がおかえりなさーいと言い、玄関に走っていった。
「あ、翔太お帰り」
リビングに入ってきた翔太に、あたしは言った
「うん ランドセル置いてくる。」
と二階にあがっていった。
ピピッ…ピピッ
体温計が音を鳴らした
「なになに…?」
あたしが 優希から体温計を受け取った
「37,4…微熱。いつから気持ち悪いの?」
そう言うと、口を開いた
「おしるこ食べたあと」
普段はなんでも食べる優希だが おしるこだけは大嫌い
——なぜかね。
「そっか…それが問題…はは。」
渇いた笑いを浮かべると、二階で寝るよう促した
「そうする」
優希はふらふらと二階へ上がっていった
それと入れ違いに、翔太も宿題を持って、テーブルに座った
「お、美味しそう!」
クッキーを手に取って おいしそうに頬張った。
「翔太、優希ちょっと熱あって寝てるから、あんまり部屋に出入りしないであげてね」
翔太と優希は同じ部屋なのだ。
あたしと ゆずとうめもそうなのだが…
あたしが そう言うと 翔太は頷いた
「了解、あいつおしるこが原因だろ?」
と見事に当てるので
「そうらしいね」
と頷いた
「おしるこ美味しかったのにー!」
と宿題を終えた小梅が、顔を上げた。
「さて…。優希に氷枕でもあげようかな」
と冷凍庫から 氷枕を取り出して、カチカチだと寝ずらいので、机の上でタオルにくるんで叩いていると、
「くるちゃん宿題やってたら?あたし、氷枕おいてくるよ」
と、小梅がたちあがった。
「本当?ありがとう」
あたしは、言葉に甘えて、宿題を始めた。
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