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お姫様が恋愛しちゃいけないルールなんてありませんっ!
日時: 2014/09/23 21:58
名前: もこもこ\(・v・)/ (ID: K79nUGBS)

初めこんおはばんわ〜!

初めましてですっ!

そんなに上手く…と言うか全然上手くないと思いますが、

よろしくお願いします!

ここでは、古風の恋…的なモノを書きたいと思ってます!

アドバイスやコメントをいただけたら嬉しいです!

そして…長くなるかもしれませんが、最後まで見ていただけたらもっと嬉しいです!

一週間に一回は更新します!

よろしくお願いします!



============

登場人物
>>1

第一章『 初恋 』
>>2.>>6.>>7.>>12 .>>13 >>14 >>15 >>20 >>21 >>22 >>24 >>25 >>26 >>27 >>28 >>29

第二章 『永遠と罰』→>>30>>31>>32>>33>>34>>35>>36>>37>>38>>39>>42
>>43>>45>>47>>48>>49>>50>>51>>52>>53>>54>>55

第三章『傷』
>>57 >>58 >>59 >>60 >>61 >>64 >>65 >>66 >>67 >>68 >>69

第四章 『闇と光』
>>70 >>71 >>74 >>75 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80 >>81
>>82 >>83 >>86 >>87 >>88 >>94 >>95 >>96

第五章 『揺れる花』
>>97 >>98 >>99 >>100 >>101 >>102 >>103 >>104 >>108
>>112 >>113 >>114 >>115 >>116 >>117

*お客様*
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コメントくださった方の小説には行かせていただいています!
回覧してくださった人、ありがとうございます!

*お知らせ*
参照300感謝!>>56 予告じゃなくなってしまった…予告
参照500感謝!>>91>>92>>93 番外編 “テーマ 祭典”

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Re: お姫様が恋愛しちゃいけないルールなんてありませんっ! ( No.95 )
日時: 2014/08/23 08:21
名前: もこもこ (ID: K79nUGBS)


「ただいま」

煩った祐季の声に雨揺は筆を持っていた手を止め、振り返った。

「祐季っ!」

彼に縋り付き、叫ぶ。

「なんで…なんでっ!?」

「たまたま早く帰れた。それだけだ」

「違う…なんで私の家族に!?」

彼は笑った。

「自由に」

「え…」

「鞠が言っていた。お前が帰りたがっていると。姉のことに気付いたと」

「祐季…?なにを…」

「雨揺、お前の姉は、分かっただろう?俺の恋人だ」

…知っているに決まっている。

「だから、お前を手に入れて、お前の姉___柳が傍にいるように感じたかった。だが、お前に抱きすくめられて気付いた。自分は__雨揺、お前を求めていると」

「…」

「だから、自ら手放す。お前を柳の様にしない為に」

「姉様の為ってなに…何故お姉さまは…」

「俺の父上だ」

頭を叩かれた様な衝撃を受ける。

病気じゃ…。

「柳を気に食わず、毒を盛った。それで柳は病気になった」

「姉様…は…」

「すまん。すまん、雨揺。俺は彼女を守ってやれなかった。俺のせいで彼女は___」

「彼女を止められなかった私も悪いの」

涙を目に溜め、雨揺はかすれる声で言った。

「違う。全て、俺が___」

「終わったことなの。全て」

「そうか…なあ、雨揺」

「はい」

彼は唇を少し上げて、言った。

「さっきの自由ってことは、お前を外に出すということなんだが」

「え…わ、私行く所なんてない!」

「恋人の所じゃないのか」

「場所が分からないの…」

雨揺は少し頬を染めた。

「使いを渡そう。鞠もだ」

「…ありがと」

そして、彼は私の髪を撫で、言った。

「雨揺____会えて、良かった」

「私も」

最後に彼は私に言った。

お前は、柳に似ている、とても綺麗だ、と。

幸せに、柳と俺の分までなれ、と。


「ありがと…」

雨揺は微笑んでその場を後にした。

Re: お姫様が恋愛しちゃいけないルールなんてありませんっ! ( No.96 )
日時: 2014/08/24 08:23
名前: もこもこ (ID: K79nUGBS)



祐季と別れてから約半日。

雨揺は鞠と遣いの者によって歩みを進めた。

もう少しでつくらしい。

「____いったぁ…」

不自然に歩いたせいだろう。

雨揺は足を挫いてしまった。

「雨揺さま、大丈夫ですか…」

鞠が駆け寄り、雨揺に肩を貸す。

「大丈___」

雨揺は声を止め、口を半開きにした。

「雨揺さま?」

鞠は雨揺の視線の先を見つめた。

敵。雨揺はそう認識した。

懐から短剣を取り出す。

人数は…9.10人。

____いける。

踊る様に旋回をし、相手に斬りつける。

鞠もそれに乗る様にして、次々と刺して行く。

血の生臭い匂いが鼻をとかす。


残るは2人。

雨揺はそのまま剣を斬りつけた。

2人はほぼ同時に倒れた。

「__殺した」

人を、殺めた。

「雨揺さまっ!」

「え…」

油断した。

背後から襲いかかって来る人をみて、雨揺は微かに微笑んだ。

「やっぱり」

目をつむった。

彼の方は見なかった。

「私は柳ではないわ…雨揺…だから」

彼のうごきが一瞬だけ止まる。

「雨揺なの」

彼は苦しそうな笑みで、雨揺に躍りかかった。

「バイバイ___鈴」

あの人の名前を呼んだ。


胸がさすような痛みを感じた。



“鈴、大好き”


死に…たく、無かった____

もっと…鈴と一緒に…。

Re: お姫様が恋愛しちゃいけないルールなんてありませんっ! ( No.97 )
日時: 2014/08/24 23:46
名前: もこもこ (ID: K79nUGBS)



第五章 揺らぐ雨

「あ…」

頭と心に痛みを感じながら起き上がる。

額から、タオルが落ちる。

「私は…死んだ?」

先程のことを思い起こし、考えてみる。

私は彼に殺され…た?

もう、鈴に会うことは叶わない…?

「…ここ、どこ」

最終的にそんな疑問が残る。

周りを見渡せば、私は布団の上に座っていて、狭い畳の上にその布団が敷かれている状況だった。

「鈴に会った時みたいだな」

そんなことを思った。


「___おい」

「…え」

誰かに声を掛けられ、雨揺は振り返った。

「名前は…」

障子の隙間から見えた、碧くて綺麗な瞳。

「そのまえに。ここは、どこ…」

先程から知りたかったことだった。

「知らねえ家」

「は…どういう…私、死んだの?」

馬鹿か、とその人は障子を全て開け、こちらに出てきた。

「死んで…ないだろうが」

私の頬を掴み、引っ張った。

「いひゃい…」

咄嗟にその人の手を払い、座り直す。

「貴方が…助けてくれたの…?私を…」

頷く彼。

「どうして…」

「なんとなく」

「鞠は…?」

「侍女も」

ありがと、と呟き、彼に質問を重ねる。

「ここは貴方の家じゃないの…?」

「もっと麓だ。俺の家は」

麓…鈴の家には行けるのだろうか。

「暁家の領地?」

「そこからは少し離れている」

「そう…彼方、名前は…」

「…お前は」

「雨揺」

そうか、と呟いた彼は少し間をあけてから言った。

「____碧」

ほんのり彼の頬が赤くなっていることに、雨揺は気づかなかった。

Re: お姫様が恋愛しちゃいけないルールなんてありませんっ! ( No.98 )
日時: 2014/08/25 07:41
名前: もこもこ (ID: K79nUGBS)


「碧…?」

「そうだ」

「いい名前ね…」

「…」

彼によると、
雨揺に刀が振り下ろされた時、たまたま通りかかった碧が助けてくれたらしい。

といっても、実際は雨揺自身が相手を気絶させたらしいが。

その後、倒れた雨揺を担ぎ、鞠と共にこちらの空き家についたというわけだ。

「雨揺…さま?」

もう一つ声がして…

「鞠っ!」

「よかったです…」

そう言った彼女の目は少し潤んでいた。

「_____か」

ふいに彼の口がうごく。

「もう一度言って?」

「だから___」



家 に く る か


彼はそう言った。

「貴方がよかったなら」


平然を装い、こう言った。

Re: お姫様が恋愛しちゃいけないルールなんてありませんっ! ( No.99 )
日時: 2014/08/26 17:17
名前: もこもこ (ID: K79nUGBS)


「ねえ、碧…私、暫くしたら暁の領地へ行きたいの」

ゴツゴツした山を歩き、雨揺は碧に話しかけた。

「…なぜ?」

「家族がいるの。あと…恋人も」

少しはにかみながら笑う。

「とりあえずは、家に来い」

そう言われ、何も言えなくなってしまった。

周りを見渡すといつの間にか日は沈んで、日の残光が残っているだけだった。

「月が見える…」

夕方の空には薄い月が。


___狼の遠吠えが聞こえる。

ガサガサ…。

それに加え、草を掻き分ける音。

「___雨揺、分かってるな?」

「__勿論」

彼に返事をし、懐から短剣を取り出す。

鞠も剣を構え、あちこちを見渡している。

「___来た」

ザク、ザク…と狼に刃を突き付ける。

血がポタポタと地面に垂れる。

「何匹…おっと…いると、思う?碧」

「数十匹」

「本気!?」

ツッコミながら、肉を切り裂いていく。

剣術は嫌という程したので、別にたいしたことはない。

…油断しないかぎりは。



「おわっ…た」

肩を上げ下げしながらつぶやく。

「はい」

「だな」

2人の声が聞こえ、ほっとする。

碧もひどく安心した様な表情。



____私の方へ歩こうとした碧の背中に。


爪が。


_____刺さった。


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