コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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【遊園地編】雨降り、えちゅーど。【吹奏楽もの】
日時: 2014/09/14 22:20
名前: 夕衣 ◆Q9Ii4rWFeg (ID: VI3Pf7.x)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode=view&no=33902

一滴の雫、


一滴の雨、


一滴の涙。


──────どれも、次につながるたからもの。




Your smile always makes our happy.












◆◇◆


はじめましての方ははじめまして。
「またこいつか」という方はこんにちは。
起きたばかりの方はおはようございます。
これから寝るという方はおやすみなさい。

夕衣と申します( ´ ▽ ` )ノ
トリップつけてみました。同一人物なのでご安心を(^ ^)

現在上記URLの小説と掛け持ちしております。
よければ足を運んでくださ…⊂((・x・))⊃

こちらは、向こうのネタが尽きたら進めようかな、なんて思ってたり←

とにかく、よろしくお願いします。



◆◇◆ ATTENTION【注意書き】◆◇◆


・いちおう、青春×吹奏楽的なストーリーを考えてます。

・文才とか求めないでください。まじで。

・荒らしさんはお帰りください。

・更新ペースはかたつむりさん、なんて言ったらかたつむりさんに失礼ですね。

・コメントくれたら、嬉しいなあ…なんて思いまs((蹴



◆◇◆ NEWS【お知らせ】◆◇◆

2014.7.13 スレ立て
2014.8.16 参照100突破感謝☆


◆◇◆ VISITOR【お客様】現在5名様 ◆◇◆
全パートそろっちゃったりして。笑笑


2014.07.16 晴さま【Horn】
2014.07.17 雨さま【Clarinet】
2014.07.18 彩乃さま【Euphonium】
2014.08.15 藍羽@1815さま【Trumpet】
2014.08.15 奈緒さま【Trombone】
2014.08.17 結友さま
2014.08.17 日向さま【String Bass】
2014.09.08 みりりんさま
2014.09.09 反戦連邦さま


◆◇◆ CONTENTS【目次】◆◇◆

登場人物紹介 >>011 >>027


#00 ぷれりゅーど。[序曲]>>001

#01 かぷりちお。[狂想曲]>>010 >>012 >>021

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Re: ( No.8 )
日時: 2014/07/18 19:17
名前: 彩乃 (ID: GyOijjIz)

うぉおおおおおう!こんな小説を待ってました!
感謝感激(;∇;)

情景の描き方がとても上手ではっきりと風景が浮かびます。
表現の仕方がとっても好きです^^

雨ちゃんの担当楽器楽しみです…!

金管なら無いて喜ぶ。
ユーフォニュームなら喜んで死にます。←



更新頑張って下さい!陰ながら応援させていただきます^^

Re: 雨降り、えちゅーど。【吹奏楽部】 ( No.9 )
日時: 2014/07/18 21:27
名前: 夕衣 ◆Q9Ii4rWFeg (ID: VI3Pf7.x)

彩乃さま

はじめまして! よろしくお願いします♪( ´▽`)

まままま待ってた!? かかかか感激!?
そんなこと言っていただけてとっても光栄に思います(((o(*゜▽゜*)o)))

情景、表現がいい……? あれ、聞き間違いかな……?←
き、気のせいです!はい!!

雨莉は…金管ではないですね、残念ながら笑笑
すみませんm(__)m

はい、更新頑張りますっ☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
ありがとうございました!

Re: 雨降り、えちゅーど。【吹奏楽部】 ( No.10 )
日時: 2014/07/28 17:49
名前: 夕衣 ◆Q9Ii4rWFeg (ID: Q97r4MCO)

#1 かぷりちお。[狂想曲]





この際はっきり言うが、うちの吹奏楽部は強くない。毎年7月下旬に開催される全日本吹奏楽コンクールの市大会では、『銀賞』というレベルである。ここ数年、県大会には行っていないらしい。

コンクールは中学校のA部門、50人編成の大会だけでも3日間あり、1日18〜19校がエントリーする。吹奏楽部員であれば誰もが闘志を燃やす大きな戦いだ。市大会なんてただの予選に過ぎないけれど。

そして、『銀賞』なんていうと2位だと勘違いする人がたくさんいる。実際のところは10位くらいなのに。

『銀賞』の上に『金賞』がいて、その中でも次の大会──県大会へと進めるのは1日あたり6、7校。進めない金賞のことを、私たちは『ダメな金賞』、略して『ダメ金』と呼んでいる。

そして県大会を勝ち抜けばその上は東関東だったり東北だったりの一回り大きな大会に出場できる。さらに勝ち抜けば全国大会出場への切符を手にすることができるのだ。
全国の吹奏楽部員はきっとそれを夢見ているはず。だけど、そこまでの道のりは決して平坦ではない。そしてそれは私たち琳星中学校吹奏楽部も同じだった。




***




事は6月7日、土曜日に起こった。

土日の練習は朝9時からある。基本、9時から第1音楽室、『1音』でミーティングを行い、その後は合奏だったり、パート練習だったり、さまざまだ。
今日は譜面台が1音に準備してあるから、楽器を持ってミーティングに行く。先生はいつも必ず5分は遅れてくる。みんなが音出しをしていた。

先生が10分遅れで1音にやってくる。音はぴたっと止んだ。
まず、各パートの出欠をとった。確認したら先生の話がある。今日はそのあと基礎のパート練習だったため、2音へと戻った。

「あっ、おはようございます」
「おはよー」

私の後輩、羽音ちゃんだ。楽器の個数の都合で入って来れなかったかもしれない子だった。運良く近くの中学校が貸してくれて、私は念願の後輩をもつことができたのである。

もっとも、羽音ちゃんは「後輩なんていらないー」って言ってるけれど。

「雨莉ちゃん」
「はい! …あ、おはようございます」

この声は真緒先輩だ。私はとっさに返事をしたが、あいさつをしていなかったことに気づいて慌てて付け足した。
まあ、真緒先輩は優しいから気にしないとは思うけど。

「おはよう。松ヤニ貸してもらっていいかな?」
「あ、はい。どうぞ」
「ありがとー」

松ヤニというのは、弦楽器には欠かせない道具のひとつで、演奏前に弓に塗る滑り止めの役目を果たしている。ただ、塗り過ぎてしまうと変な音が出てしまうので毎日は塗っていない。
そして、私たち3人は松ヤニを共有していて、私のものとして取り扱われている。

「ありがとう」
「あ、はい」
「チューニング終わったら、隊形つくろっか」
「わかりました」

とりあえず開放弦とチューニングB♭だけ合わせ、楽器を端に寝かせた。
それから周囲の机をどかし、2つだけつなげ、そこに1音から持ってきた箱イスを置き、極めつけにメトロノーム on the chairでセット完了。
あとはてきとーに人数分のイスを出すだけだ。

「羽音ちゃんも入れますか?」
「うん、そうだね。基礎だし」
「わかりました」

私たちのパートはリーダーでバスクラリネット担当の湖鈴先輩、真緒先輩、私、羽音ちゃん、湖鈴先輩の後輩で1年生の里穂ちゃん、バリトンサックスの帆佳ちゃんの6人で形成されている。
この内コンクールに出るメンバー、通称『花組』は一応2、3年メンバー。気の毒な話だ。ちなみにコンクールに出れない1年生メンバーは期待の星という意味で『星組』と呼ばれている。

セットし終わり、みんなが席に着いた頃、湖鈴先輩は唐突にこう言った。




「今月の21日、オーディションするんだって」

……え。

Re: 雨降り、えちゅーど。【吹奏楽部】 ( No.11 )
日時: 2014/07/29 20:36
名前: 夕衣 ◆Q9Ii4rWFeg (ID: VI3Pf7.x)

浦水 雨莉(うらみず-あめり)


琳星(りんせい)中学校2年生。コントラバス担当。
名前を読み違えられたことから、ニックネームは『うりちゃん』。2年生のなかでは落ち着いた性格で、たまに思ったことを無意識のうちに躊躇なく言ってしまうことがある。
紺色の瞳をもち、紺色に近い黒髪をポニーテールにしている。




上条 汐乃(かみじょう-しの)


2年生。チューバ担当。
現在雨莉と同じクラスで、1年生のときに北海道から引っ越してきた、ド天然の超鈍感系美少女。ちょー真面目で、キレると怖い。眼鏡をかけていて、肩くらいのふわふわな緑っぽい髪をボブっぽくしている。雨莉の親友。




藤川 帆佳(ふじがわ-ほのか)


2年生。バリトンサックス担当。
雨莉と同じクラス。雨莉と同じ木管低音パートだが、実際あまり仲良しではない。常にふわふわして抜けているが、友達乗り換えが頻繁であまり好かれていない。明るい茶色っぽい髪をふんわりとしたポニーテールにしている。

Re: 雨降り、えちゅーど。【吹奏楽部】 ( No.12 )
日時: 2014/08/18 16:28
名前: 夕衣 ◆Q9Ii4rWFeg (ID: VI3Pf7.x)

私は、オーディションを行うということよりも21日だということに反応した。
ああ、 汐乃がかわいそう……

「……えっ!?」
「ほんとですか!?」

真緒先輩と帆佳ちゃんも驚いた様子だ。
なにそれ、聞いてないって。

「うん。試験範囲は自由曲のどこかで、当日の朝発表されるんだって」
「まーじでー……」

詳しく聞くと、1年生は課題曲をやるらしい。先生の意地悪。

自由曲には低音パートにも高音の旋律があったり、テンポ128、8分の6拍子で八分音符があったり木低しか伴奏がいないところだってある。
課題曲のマーチのほうが絶対よかった。

「……なんで自由曲なんですか…」
「まんべんなく練習しておいてね、できないとこは特に」
「…はい」

私はしぶしぶ頷いた。




***




その日から毎日、私は朝練のときに猛練習した。出るところはほとんど予測がついていたからだ。
でも、ぶっちゃけオーディションなんて私の中では二の次だった。
それよりも大切なことがあった。


オーディションの1週間前、その日の午前中の合奏が終わると、先生は言った。

「最後に、上条さんからお話があるそうです」

私はその内容を昨年の3月から知っていた。聞いたとき、頭がフリーズしてしばらくなんにも考えられなかったのをよく覚えている。

汐乃が、前に出た。



「突然ですが、今月の、21日に、茨城県に、引っ越すことになりました」

次の瞬間、周りが少しだけ動揺した。隣と顔を見合わせている人もいる。
汐乃も緊張しているのか、一語一語区切って話していた。

「だから、コンクールは、一緒に出られませんが、県大会に出場できるように、心から、祈っています」

汐乃の言葉一つ一つに思わず涙が出そうになった。そのとき真緒先輩が悲しそうな顔をしてこっちを見たから、慌てて笑って返しておいた。

「短い間ですが、これからもよろしくお願いします」

ぱちぱちぱち。
1音は、しんみりしたムードに一瞬だけ包まれたがすぐにお昼モードへと切り替えられ、みんなが教室を出て行っていった。




「そっかぁ、もうあと1週間か……」

そう。バスパートの2、3年は事情を知っていた。まだ1年生が動揺を隠しきれない様子だった。

「ほんとは、単身赴任でも良かったんですけど……」
「え、じゃあ何で!?」
「いろいろめんどくさいから」

めんどくさい。それだけの理由で引っ越してしまう上条家はある意味すごいと思った。

「ウチだって、ほんとは雨莉と離れたくなかったよ。もちろん、先輩とかクラスのみんなとも」

今にも崩れそうな柔らかい笑顔を浮かべ、 汐乃は言った。私はうっすら浮かんだ涙を隠すようにして 汐乃から顔を背ける。最後くらい、笑ってなくちゃ。
そのほうが汐乃だって嬉しいに決まってる。

そのとき、ガラガラっと教室のスライドドアが開いた。そこにはトランペット担当の依織、愛称『いーちゃん』が顔を覗かせていた。

「汐乃、引っ越すってほんと!?」
「うん…黙っててごめんね」
「や、そんな謝ることじゃないけど……びっくりした」

汐乃はそのままいーちゃんとのおしゃべりに教室を出ていってしまった。



「…………よし」

汐乃の姿が見えなくなったのを確認した湖鈴先輩は、汐乃について話を始めた。

「明日、みんなで『さざなみランド』行くじゃん。そのときに、なんか汐乃ちゃんにサプライズしない?」

『さざなみランド』とは、近くにあるテーマパークのことだ。私自身も行ったことがないので、とっても楽しみにしている。
もちろんそれは、男子の先輩含めパート全員で行くことになっている。だけどチューバの海道先輩は、用事があって来れないらしい。

「いーね! やろーよ!」
「楽しそうじゃん!」

真っ先に賛成したのはユーフォニアムの奈都子先輩だ。金管低音のパートリーダーであり、副部長も務めている。

だけど、あの汐乃にサプライズなんてしたところで気づくか分からない。何せあの子ちょー天然だから。

結局全員が賛成し、作戦も立てられた。
明日、どうなるのかなぁ……


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