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サンマ・クエスト
日時: 2014/09/15 19:42
名前: 珊瑚 ◆Wjgitxm3QY (ID: jyOVwInT)
参照: Potpourri

  
——恋は魅惑の香り

  光の熱に染まった、下心と真心と…嫉妬と敵意

 そんな恋に?
良いことあった?

恋なんて 夢よりもばかばかしい。

そう思ってたのに。


∮——————————————————∮

 こんにちは、珊瑚サンゴという者です。
 宜しくお願いします。



   第一章・・・麗かな黒黎
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登場人物 >>1
プロローグ >>2

to1/ >>4 >>6-7 >>9-13 >>15
to2/ >>18-20

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Re: サンマをください。 ( No.6 )
日時: 2014/09/15 16:05
名前: 珊瑚 ◆Wjgitxm3QY (ID: jyOVwInT)
参照: Potpourri

レイトは、小さいながらも、見送りの会があり、村人に送られながら、小さいリンダ国を出た。

「レイトくーん!」
「がんばれよー!」
リンダ国立学校初等部で共にしたクラスメイトたちが、応援の旗を振っている。

「ありがとう。」
俺は軽く会釈するとその場を抜けた。


(…)

『おまえは、向こうの国では、風口誠也と名乗れ』
父上が言った。

『…どうしてですか?』
俺が言った。

『リンダ国の呼び名は、他の国では通じない。六人の勇者は、各地から現れるんだぞ。オルドル国・カオス国で使われる標準語の名前を使うんだ。どの勇者もそう教えられているというぞ。』

『なるほど。だから、そちらの語源も覚えさせられたのですね。』
『そうだ。最初は不便と感じるかもしれないが、旅から戻る頃には、たくさんの国々の語源を覚えて帰ってくるんだろうな。』

父上はさぞ期待していた。


色々入っているリュックサックが、肩に重みを乗せた。

あまりに現実味を帯びすぎていた。


俺は、第一走者だった。
どういう意味かと言うと、六人の選ばれし者の中で、一番「魔術」の力が使えたから、最初に出発し、各地で暮らす、六人の選ばれし者の所へ向かい行くのだ。

向かったら、そのままその選ばれし者を連れて、もう一人の選ばれし者を探しに行く。


(——最初は…。)

母親の万年筆で走り書きされた、リストをポケットから出した。


出身国での名前 光月瑠璃(kouduki ruri)
リンダ国での名前 カレン(karen)
出身国 オルドル王国
年齢 12歳 (飛び級中等部1年)


(ルリと呼ぶんだな。)
父上に教えられた言葉の練習をしてみた。

リンダ国と、オルドル国の学力じゃ、確実にオルドルが上だろう。
なのに飛び級で中等部となると、確実な学力を持っていると、俺は思った。

俺の場合は12歳で(初等部6年エリート)と書かれているのに。

(なんで俺が第一走者なんだよ。)

力があるからとか?

もう一つのカードを取り出した。

スターカード。
効果は未だ分からない。

とても役立つものだ。
と母上も父上も それだけは喜んで渡したのだ。

じりじり照りつける日差しが熱かった。

リンダ国を超え、国境があった。

「ここから先、マリナドール国」
とても歩いた。

リンダ国の隣には、また小さい国々があるが、順路では後回しにされたり、勇者が居ない国もあったりするようだ。

選ばれし者の一覧表には マリナドール国はないので、そのまま抜けて、オルドル国へ行くのだろう。

「そこの者、ちょっと待った。」
そこで、国境の所に待ち構えた門番が言った。

「は?」
(あ、違う。マリナドール国は、すでにオルドル国の語源を使っていたんだ。)

リンダ国の言葉で話そうとした俺は、一瞬手間取った。

「もう一度言ってもらえません?」
「此処から先に何の用だ。」

俺は、オルドル国語で話しだす。

ふと、父親の言葉が頭に入った。

『幻のサンマを求めていることは、誰にも言うな。そしてお前の存在も、信頼できる人物にしか明かしてはならない。分かったな?』

「親戚の家でパーティーするんで、向かってる最中です。」
俺が言うと

「——ほう、とてもパーティーする雰囲気でもないが?普通は馬車に乗り、正装で行くものだろう?いかにも冒険しに行きますという雰囲気だが?」
と意地悪そうに門番は言った。

「此処から道のりが長いんでね。それに、身体が不自由な両親や下のきょうだいからのメッセージなんかをリュックに詰め込んでるんで。」

「フン。まあいいだろう。言い訳はもう少し真面目に考えるべきだぞ」
俺は赤くなった。

(ばれてたか・・・)

Re: サンマをください。 ( No.7 )
日時: 2014/09/13 17:46
名前: 珊瑚 ◆Wjgitxm3QY (ID: jyOVwInT)
参照: Potpourri

俺は歩きながらも色々感じていた。

気付いてみると、マリンドール国についた時点で、もう黄昏だったのだ。

(そろそろ寝ないとなー)

僅かな資金を無駄にしたくないので、野宿をすることに決定した。

野宿と言っても、何処でやるべきだ?

フラフラと歩いていると、誰も使ってなさそうな公園があった。
廃墟ビルに囲まれていて、ベンチは俺が乗ってもしっかりしてそうだ。


だが、俺には交代で見張りをするような仲間が居ない。
寝ないと人間は生きていけない。

寝ている間に、リュックごと物を盗まれたら最悪だ。
ましてや、その中に入っている 幻のサンマまでの地図を広げて悪用されるのが一番最悪だ。

自分が一文無しになって死ぬ方がまだましだ。
それまでに炎であぶればいいからね。


などと思ったが。


(まあまあ 落ち着けって。)

俺には、この力がある。

さっきのルリの詳細リストにだって、あの下に、一行、こう書かれている。

グリモワ属性 光
チャーム属性 月
ソーセリ   羽
マジック   光

と書かれている。

何のことかと言うと、使える魔法の属性が書かれている。
実は、選ばれし者は、魔法が使える。

他の村人には使えない。

俺の場合は

グリモワ属性 風
チャーム属性 羽
ソーセリ   吹

と書かれている。

グリモワ属性は、基本的に操るもののことが書かれていて、
チャーム属性は、そのグリモワ属性を引き立てる力。

ソーセリは、親などから強く受け継ぐ。遺伝した属性が書かれている。

力が強い者には、特に強い力が、チャームという欄に記されている。
力が対して強くない俺には、チャームはないらしい。 


「グリモワスキル!」
俺はひとりでしゃべってるのも可笑しいと思いながら、 

Re: サンマをください。 ( No.8 )
日時: 2014/09/13 18:19
名前: 綾香 (ID: RGE11PHh)

グリモワスキル
なんか響きがいい

Re: サンマをください。 ( No.9 )
日時: 2014/09/13 18:21
名前: 珊瑚 ◆Wjgitxm3QY (ID: jyOVwInT)
参照: Potpourri

ひとり、嘆くように呟くと、

さっと風を切るような音が鳴った。

風の答えが耳から入り込んできた。


「身を包む優しき風よ 我が身を守れ」
風のグリモワを持つ俺は、風は思うがままに操ることができる。

この技は、自分の身、持ち物を、シールドのように風が集まって守ってくれるようになっているのだ。

最近はどんどん範囲の大きいシールドも作れるようになった。

(これで大陸中を包んだら、核兵器も落とせなくなるだろうな。)
と俺は思った。

その時——・・・


「おまえは グリモワの力を使えるのか?」
ふっと意味ありげに笑いながら、誰かが歩いてきた。

「—おまえは誰だ?…」
俺はつぶやきながら、風のシールドを解いて、後ろへじりじりと下がった。

右目が長い髪で見えなかった。

「俺?別に名乗るほどじゃない。どうせまたおまえとは会うだろうからな。」
意味深だ。

妙なカッコつけだ。とも面倒くさそうだとも、俺は思ってしまった。


「おまえ。絶対に油断するな。今日の夜、この国の兵隊がやってくる。おまえが撃たれる夢を見た。」
「はあ?なんでお前、リンダ語がしゃべれるんだ?。なんでこの国の兵隊がやってくるんだ?なんでそれをお前は知ってるんだ?」

「そんなことはどうでもいい。機関銃のように質問するな。お前だってリンダ語の方が分かりやすいだろ?」

「何で俺のことを知ったような——・・・」
俺がびくびくしていると、その少年は言った。


「分からないのか?とにかく、今夜はその辺の鳥でも味方に付けて、兵隊が来たときのために身を隠す準備をしておきなよ。風のグリモワを持ってるんだろ。」
その瞬間、その少年は影と化かして消えた。


(今のは誰だったんだ——)

少年が取り巻いていた空気から、悪寒と冷気が急に伝わって…

Re: サンマをください。 ( No.10 )
日時: 2014/09/13 21:12
名前: 珊瑚 ◆Wjgitxm3QY (ID: jyOVwInT)
参照: Potpourri

父上はわたしに言った。

きっと未来で、呪文を心の中で唱える術だって必要だろう。
と。

夜の修行は、眠いけど決して苦ではなかった。


夜中、稲妻がなった。

最近ずっと鳴っている。
この国では、よくあることだけど、光のグリモワを持つ本家のわたしの家系では、稲妻と言う意味を持つエクレアを
毎日のように食べ、雷様へお祈りを続けていたが、雨の降らない雷は、時折りなり続ける。

今日も稲妻が目に見えるような雷が鳴っていた。

その時、わたしはひとり静かに座っていた。

ビルとビルに挟まれた夜の路地裏

(グリモワチャーム・・・昏き世に光を灯せ)
心の中で念じると、路地裏は パッと光輝いた。

(もうすぐかもね。)
そろそろ、迎えがくる。


それを光が告げていた。


      ф


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