コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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記憶をなくした少女 
日時: 2015/02/22 13:32
名前: 莢咲フレイ ◆4z4yLUbQKo (ID: jyOVwInT)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode=view&no=36506

 
 
URL小説———
莢咲の代表作(未完 参照40000越え感謝))です。

この作品のやり直しなので タイトルが似てます。
話は全然違いますが・・・w

∮————————————————————∮

  わたしは 青く黒闇に染まる深海に、

  沈んでいく少女を見つけた。



       伝えて?


    あの時の、わたしに。
 

∮————————————————————∮


     プロローグ>>1



第一章 目次 >>3
    登場人物 >>5

第二章 目次 >>6
第三章 目次 >>7


*******************

 お知らせ


2015 2/20 執筆開始

2015 2/22参照100

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Re: 記憶をなくした少女  ( No.10 )
日時: 2015/02/21 20:31
名前: せいや。 (ID: Ft4.l7ID)

コメあざっす。
あってますよ。

読んでいただけるなら光栄っす。

俺も読んで明日感想ぃいまっす

Re: 記憶をなくした少女  ( No.11 )
日時: 2015/02/22 10:11
名前: 莢咲フレイ ◆4z4yLUbQKo (ID: jyOVwInT)

「——んっ……」

そうだ、ここは病院。


でもどうしてこんなところに?
身をゆっくりと起こした。

「あ、よかった。どう、気分は?」
カーテンをしゃっとあけて人が入ってきた。


「——普通、かな?」
一瞬、視界がぼけて見えたが、双子の弟の誠也だった。

「今、何時ぐらい?」
わたしが聞いた。

「——えっと、午前、九時半ぐらい?」
腕時計をさっとみて確認した誠也に、わたしはあわてた。

「えっ!わたしったらそんなに寝てたの…。誠也は、学校行かないの?」
わたしが病院に居ることも忘れて呟くと、

「今日土曜日だから。」
「土曜——…あれ、野球は?クラブチーム。」


「藍乃。」
「なに?」

珍しく真面目な顔をした誠也が、言った。

「おまえ、よーく思いだせ。何で病院に居るのかわかってる?」
何で?分からない。


「どうし「———…俺だって、一応家族が入院してるんだから、野球やってる暇じゃなくて」」
と質問の答えも言わせずに誠也が言った。


「あ、ほら、看護婦さん来た。俺、もう行く。母さんとかにも、おまえが起きたって言っとかなきゃだし。」
「あ……うん。」

足早に去って行った誠也に、部屋の雰囲気が少し重くなる。


カーテンは、誠也がちゃんと閉めなかったので 少し隙間が空いて、外の風景が見える。



(女の子が……ひとりと、おばあさんがひとり…いる)

入れ違いになって看護婦さんが体温計を持ってやってきた。

腕を見ると点滴があった。


(わたし、そんなに重大な病気にかかったのかな)

体温を測っている途中、看護婦さんが今日の天気だとか、どうでもよい日常話を持ちかけてくれるが、全く持って上の空だった。


(おまえ、よーく思いだせ)



「うーん?」
何を思い出す。

「どうしました?」
「…あ!いえ。何でもないです。」



ま、いいか。今はちょっと、考える気分じゃないし。

Re: 記憶をなくした少女  ( No.12 )
日時: 2015/02/22 12:48
名前: 莢咲フレイ ◆4z4yLUbQKo (ID: jyOVwInT)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode

両親が来て 明後日には退院できるだろうと言ってくれた。


(よかった)
余命あと何日とかそういう病気じゃなくて。
少し安心。

誠也はなんで入院しているのか教えてくれなかったから、わたしはひとつしたの弟、慧に教えてもらおうと思った。

退院したら何でも良いんだけどね。


暫くしてなんだかすごく暇になった。


——と。

「…こんにちは。」
カーテンを開けて人が入ってきた。

Re: 記憶をなくした少女  ( No.13 )
日時: 2015/02/22 13:43
名前: 莢咲フレイ ◆4z4yLUbQKo (ID: jyOVwInT)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode

「——……!」
びっくりしたわたしの目を見て、入ってきた子は笑顔で言った。

「あ、ごめんなさい。勝ってに人様の場所に入ったりして。わたし、そこのベットの妹の看病で来ているんです。」

「そうなんだ!!」

「百瀬祈って言います。おヒマだったらお喋りしたいなあと思いまして。」
行動は大胆なのに、白いワンピースを着た祈は可愛く、優しく可憐な雰囲気だった。

「ああ、いいよ。わたしは星永藍乃っていうの。」
一瞬ビックリしたけどヒマはヒマなので、頷いて隣に座ってもらった。

「星永さんですね。」
祈が笑顔でうなずく

「あ、藍乃で良いよ。いのちゃんで良い?」
私は不思議と、この子と仲良くしたくて、言った。

「いいですよ。むしろ嬉しいです。藍乃さんですね。失礼ですが、おいくつですか?」

(うー)
この敬語のしゃべり方は、どうやら崩せないようだ。

「えーっと、小学六年、だよ。いのちゃんは?」

「わたしは中学一年生です。——……あれ、驚かれました?ふふっ。小さい頃から病気がちなので。あまり身体は大きくありませんからね」
と、祈は笑顔で言った。

藍乃は祈を同級生か年下くらいに思っていたのでびっくりした。

「藍乃さんはきょうだいいらっしゃいますか?」

「いるよ。双子の弟と、五年生の弟が」
わたしが言うと

「いいですね。弟さん。双子さんだったんですね。良いなあ。わたしもきょうだい欲しいんですよね。あ、妹はいますから、弟とか」
と天然っぷりに、話していると意外と楽しかった。

Re: 記憶をなくした少女  ( No.14 )
日時: 2015/02/22 14:15
名前: 莢咲フレイ ◆4z4yLUbQKo (ID: jyOVwInT)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode

祈と仲良くなったせいで、別れが惜しかった。

今日は退院の日だった。
それから一日中、祈とずっとしゃべっていた。

明日の朝 退院という日の夜、祈は、思い切ったように切り出した。


「あの——・・・」
「どうしたの?」

「うちの妹を助けて下さりありがとうございました。」
「へ?」
何のことかさっぱり分からなかった。

「おかげで命を救われました。わたしの家は、両親が交通事故で他界しているものですから、孤児院に住んでいるんです。こは——妹が居なければ、わたし、正直生きていけなかったのです。」

「そうなんだ——……。」
思わず同情するしかなかった。



(……私は何をしたの?)

「でもわたしはいったい?何もしてな「何がです。…あ。でもやっぱり」
祈はわたしの手を強く握っていたが、すぐにおろした。


「でも、本当にありがとうございました。あの——…また会うコトがあったらよろしくお願いします。」
にっこりと笑顔で笑った。



次の日、退院する時、祈は病室に居なかった。



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