コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- アゲハ蝶▼△短編集
- 日時: 2015/03/07 12:23
- 名前: 恋幟あげは (ID: xStpW3P0)
三☆ 三☆ 三☆ 三☆
シュワッ……
微かに弾け喉を潤す
微炭酸は青春の1Pだ
飲み物には性格があり物語がある
微炭酸もその仲間だ
三☆ 三☆ 三☆ 三☆
こんにちは
知る人は知る恋幟あげはです
紗悠と言えば知る人は多いでしょう
ま、よろしくなのです
ここでは短編を珍しく書いていきます
シュワシュワした青春を書いていくので
是非ともよろしくです
めにゅ〜 Contents >>1
- Re: 微炭酸のアゲハ蝶 ( No.4 )
- 日時: 2015/03/06 22:55
- 名前: *恋幟あげは (ID: xStpW3P0)
☆
「好きです!わ、私と付き合ってください!」
54回目。
あぁ、下らない。
退屈だ。変わり栄えがない。
単純、淡淡、単調、直線、一色。
刺激がない日々なんて退屈すぎる。
「ごめん。つまらないから」
俺のセリフはこれだけだ。
告白されたらこれで済ます。
これで全てまとまる。
はずだと思いこんでいたのが今日だった。
俺は前宮友弥、退屈嫌いの刺激欲求野郎だ。
告白は幾度も受けた。ただ、3人くらいと付き合って、皆俺からすれば退屈だった。
それからつまらないものは切り捨て断り弾きとばしている。
ただ手を繋いで恥じらいながらイチャイチャする少女漫画みたいな奴は興味ない。
まだ18禁に入るか否かの極どい出会いや恋の方がよっぽどすきだ。
そんな54回目の告白を受けたその日の放課後。
空は気持ちいいぐらいに晴れ、雲一つ浮かんでない。
晴天には霹靂が付き物というが雲もないのに雷は落ちまい。
そう空に感嘆していたとき。
木々が騒ぎ、鳥が喚き、強風が吹き抜けた。
そう、その刹那、俺に文字の通り晴天の霹靂が襲ってきた。
- Re: 微炭酸のアゲハ蝶 ( No.5 )
- 日時: 2015/03/07 00:35
- 名前: *恋幟あげは (ID: xStpW3P0)
バシュン!
例えるならこの様な音だろう。
空から地に閃光が走り空気を轟かす。
その光の先には一人の少女が。
俺より明らかに年下の軽く卑猥に言えば幼女という言い方が近い。
「イテテ……あ、貴方が私の彼氏ですか?」
彼女は開口一番に俺にそう放った。
いや、少し所じゃないくらいオカシイぞ。
なんで空から雷みたいに降ってきた幼女が俺の彼女なんだよ。
自問を繰り返し突っ込み所満載だったが
新鮮を欲していた俺の心臓は無意識に高鳴っていた。
「刺激に出会える」と。
彼女の名は美郷。
年や所在は言わずただ俺の「彼女」と言う扱いの元勝手に付いてきている。
なんというか毎日が真新しい生活に彩られていった。
初めは周りの目を気にする感覚に駆られ、今は素直に美郷との関わりを楽しんでいる。
美郷はそこらの女子とは違い俺を興奮と刺激の渦に巻き込んでくれる。
刺激は人生のスパイスだ。
いや人生そのものだ。
刺激無き痛み無きの人生なんてただの水のようにつまらない。
俺は刺激だらけの海を周りに目をくれず堪能していた。
- Re: 微炭酸のアゲハ蝶 ( No.6 )
- 日時: 2015/03/07 08:47
- 名前: *恋幟あげは (ID: xStpW3P0)
黒い波。先の見えない興味心。
渦巻く心。高鳴る胸。
俺は今を謳歌している。
「友弥はさ?奇跡とか信じる?」
ある日身長が数cm伸び俺との距離が微妙に縮まった美郷がこう話してきた。
「奇跡?まぁ、信じないわけでもないけど」
繋ぐ美郷の手は華奢で力加減しないと折れてしまいそうだ。
奇跡。
頭の中で言葉を掻き廻す。
普通は無いであろうことが起きる。
奇抜な跡、奇跡。
頼るわけではないが信じないわけでもない。
「ふ〜ん。そっか〜」
美郷は前を向いたまま歩道を一歩一歩小さな足取りで歩んでいる。
「美郷は?美郷は奇跡とか信じる?」
身長差約30cm。145cmと175cm。
「うん。人は奇跡の中で生きてるって思う」
美郷の声が明るくなる。
小さな体から虹が架かるように鮮やかな声色だ。
「だってさ……」
美郷が足を止める。
そして美郷が上目遣いでこちらを見つめる。
黒い瞳が宝石のように瞬きこちらを覗く。
『イヤだ!』
ドクン
心臓からイヤな響きがした。
黒い瞳に意識を吸い込まれる感覚が襲う。
瞳の奥に俺が映る。
その瞬間恐ろしい数の悪夢が俺の脳に襲いかかってきた。
- Re: 微炭酸のアゲハ蝶 ( No.7 )
- 日時: 2015/03/07 11:46
- 名前: *恋幟あげは (ID: xStpW3P0)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
頭に忘れたはずの記憶が滝のように流れ込む。
黒いドロッとした液体のような悪質な塊。
そうだ、思い出した。
俺は昔は刺激なんて一切求めていなかった。
炭酸のように弾ける友達を軽く軽蔑していたぐらいだ。
その時に俺には彼女がいた。
ぱっと見は普通の地味な子だけど、天然なとこが可愛くて好きになった。
穏やかに笑う彼女の笑顔。
今とは真反対の感情を俺は背負っていた。
『刺激なんて要らない。普通に地味にいたい』
その時のある日。
二人で帰り道デートで信号待ちのとき彼女がいきなり
『はい、友弥。炭酸好き?』
と赤いコーラを手渡しながら言ってきた。
凄くニコニコしてて彼女は炭酸好きなんだなって分かった。
それが彼女との会話の最後だった。
コーラのボトルを開けた瞬間、俺の右手から繋いでた手が離れた。
そしてその刹那、目の前の横断歩道で音が響いた。
轟音、悲鳴全てが混じりあった。
あの瞬間バイクが彼女の手を掴み横断歩道に突っ込み左折してきたバスに激突したのだ。
その5秒に満たない出来事に俺は唖然したまま立ち尽くしていた。
コーラが手から離れ炭酸を吹かしながらこぼれていた。
その彼女の名は……
「聡美……」
- Re: アゲハ蝶▼△短編 ( No.8 )
- 日時: 2015/03/07 13:08
- 名前: *恋幟あげは (ID: xStpW3P0)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
そうだ。聡美だ。
俺は記憶から消去していたのか。
それとも目を反らしていたのか。
聡美は即死で儚くこの世を泡のように去った。
その日から俺は刺激を追うようになった。
普通がこの悲劇を誘ったと錯覚し、刺激を開けた瞬間に変わってしまった。
なんで気付かなかったんだよ。
「聡美……なのか?」
「うん……久しぶり友弥」
美郷……聡美は笑顔をまた見せる。
よく見れば懐かしい笑顔にどこか似ている。
さよならも交わさず別れた聡美とまた出会った。
誰も居ない遊歩道。両脇に聳える人工林。
葉が風に揺れ静かに音を鳴らせている。
俺の目から静かに雫が落ちた。
アスファルトに薄くパドルができる。
「なんで聡美が……」
「なんでだろうね?これが奇跡なんじゃないの?」
聡美がイタズラに笑う。
奇跡。
普通も刺激も越える。
涙がこんなにも溢れるのは
普通にも
刺激にも
得られない
「聡美……好きだよ」
無意識に口から出た。
「うん。私もだよ♪」
聡美は悲しそうに笑った。
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