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夢に溺れて淡く包まれ【短編集】
日時: 2015/04/18 22:16
名前: 春音 ◆ejQgvbRQiA (ID: mYpnieC/)

えーっと、初めましてじゃない方もいるかもですね……。
春音と申します。
小説を掛け持ちしまくる馬鹿です、ハイ。←

こちらの小説では恋愛を主とした短編集になります。
感想等を下さると嬉しいです(*´∀`)♪
また、リクエストやこの話の続きが読みたい、というのもお待ちしております(*^^*)

では、改めてよろしくお願いいたします。

   ***

貴方を見る度、胸がきゅっとなって
思わず夢見てしまって
私の心の内を知ったら、貴方は笑うの?

目が合う度、胸があったかくなって
何かに包まれたようになって
ねえ、貴方は気づいているの?

夢見ても叶わないのに 叶うかもしれないと毎日願って
こんな私はバカみたい?
苦しいのに、求めてしまって
苦いのに、甘くとろけた気がして
つい、目で追いかけてしまう

一緒に笑えたらな 隣を歩けたらな
貴方の笑顔を独り占めできたらな
どれだけ嬉しいんだろう

誰にも秘密の私の想い
いつか、言わせてください

   ***

【好きなんていらないのに】>>1-3

Page:1



Re: 夢に溺れて淡く包まれ【短編集】 ( No.1 )
日時: 2015/03/08 11:33
名前: 春音 ◆ejQgvbRQiA (ID: .lMBQHMC)

【好きなんていらないのに】

「さんきゅー助かった!! マジでお前好きだわー」
「はいはい。私も好きだよ、アンタみたいな能天気」
「えっ、地味にその言い方ひどくね」

簡単に好きって言いあえる仲。
浩人とは昔からの幼なじみで、みんなに「付き合ってるでしょ〜」って言われる。
確かに男女ではありえないくらい仲がいい。
だけど、そんな「好き」なんていらないんだよ。

───「愛してる」って言ってほしい

特別な関係、確かにそうかもしれないけど。
特別な友達、確かにうれしいのだけれど。
そんな特別じゃなくて、女の子として特別になりたい。

「でもさあ、久本くんが下の名前で呼ぶの美津留だけじゃん」
「そうだけどさ……普通はッ! 普通は、簡単に好きとか言わないでしょ!! なんで期待させるんだよぉ〜」
「あんたらの仲の良さが普通じゃないからだよ」
「うっ」

友達の美咲。美咲は、つんっと私のおでこを突っつく。
そんなこと分かってるし……。
それに、私は………

「私は、好きなんていらない……。愛してる、って言ってほしいのに」
「彼女でもないんだから無理に決まってんでしょーが」
「分かってるけどぉ……」

期待しちゃうんだもん。
心の中でそう言うと、私は弁当にがっつき始めた。
ここは屋上。今は昼休みなんだけど、みんなは教室で食べてるから私たち以外誰もいない。
みんなはわいわい食べるほうが楽しいんだって。

「まあ、久本くんモテるしね」
「うん…。困りものだよ」
「母親かっつーの」

美咲はカレーパンを食べながら言った。
ちなみに、もう片方の手にはいちごミルクが握られている。
カレーパンといちごミルクって合うのかな…?

「……ん? 何、飲みたいの? ホレ」

美咲はすっといちごミルクを差し出す。
私は、迷いもせずにストローに飛び着いた。

「甘〜い♪」
「いちごミルクだからね」

美咲は無表情のまま言うと、またカレーパンにかぶりついた。
はあ……浩人の心が分かればいいのに。
そんなことできるわけないけど、と心の中でツッコミを入れ、私は弁当を食べるのを再開した。

   ***

続く

Re: 夢に溺れて淡く包まれ【短編集】 ( No.2 )
日時: 2015/03/08 22:25
名前: 春音 ◆ejQgvbRQiA (ID: mYpnieC/)

続き

   ***

いつまであのままなんだろう。
今の関係性を壊したくない気もするんだよなぁ……

「ねえ美咲〜」
「何?」

私が告白すればすむ話かもしれない。
まあ、伝わるかどうかは置いといて。
でも、やっぱり……

「告白はやっぱり男子からだよね!? ロマンチックにふたりきりで……!! いやでも、大勢の前でってのも素敵かも!!」
「お前の頭はお花畑かっつーの。メルヘン飛ばすな」
「メルヘン飛ばすなって…日本語おかしくないー?」
「美津留よりマシだし」
「何気にヒドッ」

さらっと返す美咲。地味に毒舌。
可愛いのにね。顔は可愛いのにね!? これがツンデレという奴か!!?

「………そうか!!」
「うるさい。耳が壊れる」

ぢゅー、といちごミルクを飲みながら美咲が言う。
なるほど分かったよ! 冷たいがさすがは我が心友!!

「私もツンデレ属性身につけるよ!!」
「お前アホなの、何なの?」
「分かってないなぁ美咲ちゃぁ〜ん」
「え、いきなり何、キモ」

キモってヒドイな…
ま、とにかく!! 私もツンデレ属性を身につける!!
そうすれば女子として見てもらえるかも!!!

「おい美津留。まず落ち着け」
「至って私は冷静だよ!!? どうすれば浩人をノックアウトできるか必死で考えてるよ!?」
「そーいう話じゃなくって」

そう言うと、美咲はコホンと咳払いをした。

「あのな、ツンデレって二次元の世界だからこそ通用するんだよ? 分かってる??」
「え?? いや、通じるって!!」
「だからさ、キャラ作る時点で怪しいから。今まで『はいはい。私も好きだよ』って言ってた奴が『べ、別にっ!! 私は、アンタなんか好きじゃないんだからねッ!?』なんて言ったら即引くから」

た、確かに。。
じゃ、じゃあどうすれば…!!? なんかなかったっけ、なんか……

「しょ、少女漫画!! 私は勉強不足だった!!」
「学校に漫画持ってくるなよ」

パラパラっとめくって見る。
んん? 上目遣い?? これで男子はキュンと来るのか…!!
さらにアヒル口! これは使えそう!!

「ど、どぉ…?」
「うん。慣れてなさ過ぎて不自然。顔ひきつってるし。逆効果間違いなし」

う〜、どうすればいいんだぁ……

「あのさー、やっぱり少しずつアピールするしかないんじゃない?」
「えー?」
「告られたいんでしょ」

何もしないよりは……マシなのかな
よし!! 決めた!!

「クッキー作ってくる!!」
「なぜにクッキー前提」

   ***

続く
結構続くなぁ。。

Re: 夢に溺れて淡く包まれ【短編集】 ( No.3 )
日時: 2015/03/13 18:57
名前: 春音 ◆ejQgvbRQiA (ID: mYpnieC/)

次の日の昼放課

   ***

「浩人ー!! コレっ、コレあげる!」
「んぁ? んだよ急に……お、クッキー?」

作戦第一☆クッキーで愛を伝える!!

「まさかオレ実験台? 不味かったら承知しねーぞ」
「美味いに決まってんでしょー。ほら食べた食べた!!」

ふっふっふ……どうよ、この作戦。さりげなくっていい感じじゃない?
クッキーのデコレーションに『love』ってチョコペンで…これで浩人も……!!

「お、意外にうま。さんきゅー」
「……おー。任せろい」

くー、こうなったら作戦第二☆ウィンクで悩殺!!

「……え、何急に。目でもいてぇの?」
「違うけど」

あぁぁぁああぁぁぁ鈍感めぇぇぇええぇぇ!!!!!
なんで伝わらないんだよぉぉぉおおぉおぉ!!!!!!!

「……久本君、ちょっと美津留借りてくわ」
「おー。ご自由にー」

がしっと首根っこを掴まれ美咲に連行される。
え、ひどいよね? この状況ひどいよね? アピれっつったの美咲だよね!!?
とかなんとか思ってると、屋上についてぺいっと放られる。

「何すんのさー!! せっかくアピールしてたのに!」
「あんなんで気づく奴居たら逆に引くわボケ」

え!? 今さらっと凄いこと言った!?? 日に日に毒舌度が増してないかい!?
私がぽかーんとしてると、美咲は何かをひゅっと投げた。
条件反射でキャッチ。それはメロンパンだった。
なんで急に…? ……あ!!

「弁当持ってくるの忘れてたッ」
「うん、だろうと思った」

そう言うと美咲は自分の分のカレーパンを取り出してかぶりつく。
毒舌だけど、やっぱり優しいんだよなぁ……。

「告るしか、ないんじゃない?」
「………へ」

唐突に言ってくる美咲。
一瞬理解できなくって、言葉が詰まる。

「そうかも、しれないけど…」

告白しても通じない、っていうのは口実で。
本当は怖い。この関係が壊れてしまうのが。一緒に話せなくなるのが。
浩人の私だけに向けられた笑顔が見れなくなるのが………。

「怖い。怖いよ。浩人は、どんな反応するのか」

たぶん、浩人は気にしてない。私を女の子として、見ていないんだ。
だから簡単に「好き」なんて言ってくる。

「そうだね。それを決めるのは美津留しだいだよ」
「え……」
「自分で決めな。ここで止まるか、踏み出すか、違う道へ進むか…結局は自分で選ぶことになるんだから」

ここで止まるか、踏み出すか、違う道へ進むか……。

「うん。考えてみる…」

   ***

あれからなんだかあっという間で。
今は部活の途中。私も浩人もバスケ部で、今日も浩人を自然と目で追ってる。

「浩人くん、お疲れ様〜」
「はい、タオルどうぞ」

マネージャーの子たちが、浩人に近寄っていく。
みんな、キラキラしてるなあ……
女の子ってゆう感じ。私もあんなふうにしていればよかったんだろうか。

「今日の部活はここまでー! 気をつけて帰れよー」

先生の声が響く。そうか、もう帰らなきゃいけないんだ…
今日帰ったら、明日の朝になるまで浩人には会えない。いつものことだけど。いつものことなんだけど……
今日は、あんな話をしてたからか、すごく悲しく感じる。

「美津留ー。帰ろうぜ」
「………うん」

いつもの浩人の笑顔。
いつまで私にその笑顔を向けてくれる? いつかは違う人だけにしか見せなくなるのかな

「……る、美津留?」
「……………」
「美津留!! どうしたんだよ!?」
「え、あ…。ごめん、ぼーっとしてた……」

いつもなら、話していられるのが嬉しいのに。
家が隣りってだけで一緒に登校して、下校して。それだけでもうれしいのに。

「じゃーな。また明日」
「………うん」

『また明日』
そうだよ。明日があるじゃん。きっと、明日は……

『ここで止まるか、踏み出すか、違う道へ進むか』

そんなときに、美咲の言葉を思い出した。
……本当は、答えなんてとっくに心の中で決まってたんだと思う。
どうしたいんだろう、考えなくてもきっと分かってた。
背中を押してもらいたかった、ただ、それだけ。

「………待って!!」

明日があるからいいんじゃない。
明日を笑顔で生きたいから、今日を頑張って生きるんだ。

「どうした? 美津留」

決めたよ、私。
振られたっていい。笑われたっていい。
……『私』は、後悔したくないから。

「私、私ねっ」

他の人だったらどうしたんだろう。
でも、やっぱりそんなことどうでもいいんだろうな。
『私』はひとりしかいないんだから。

「浩人が好きッ……!! 友達としてじゃない、特別な、好きなの…!」

涙が溢れ出てくる。
今、浩人はどんな表情しているんだろう。
涙で見えないや……

「愛してる………!!!」

そう言った瞬間、私は浩人の腕に引き寄せられた。
ぎゅっと抱きしめられて、思わず涙が引っ込む。
浩人の顔をのぞきこんで見ると、すごい真っ赤だった。

「んだよ…いつも、お前簡単に好きなんて言ってくるから……」
「そ、それは浩人がッ浩人が言うからぁ」
「なっ、オレのせいかよ!?」

浩人はぎょっとすると、少しだけぶすっとした顔になる。
そして、私の頭を抱えると、小さな声で言った。

「……オレも、愛してる」

すると、ぱっと抱え込んでた手を離すとくいっと顎を持ち上げてきた。
慌てる暇も、なかった。

「………うん……」

ただ、幸せで。ただ、嬉しくて。私はそれを自然と受け入れた。
唇から伝わる浩人の熱。

愛してる、浩人……

私たちは唇を離してクスッと笑いあった。
そして、もう一度唇を重ねあった。


【好きなんていらないのに】完

Re: 夢に溺れて淡く包まれ【短編集】 ( No.4 )
日時: 2015/11/30 00:16
名前: 春音 ◆ejQgvbRQiA (ID: mYpnieC/)

スレ上げです
すみません!!


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