コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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きみはきゅうり
日時: 2015/03/19 16:19
名前: 逢逶 (ID: w4lZuq26)

きみはきゅうり→君はキュウリ
と変換してください。

キュウリって好き嫌いの別れる野菜ですよね。
私は好きなんですけど。
嫌いな人は、青臭さが嫌だってよく言います。
でも、私からしてみればその青臭さが大事なのかなって。

〝君〟の青臭さはアリか、ナシか。
それを決めるのは、読んで下さったあなたです。
完結させます!
未熟ですが、応援してくれれば嬉しいです。


よろしくお願いします。



作者プロフィール
名前→逢逶(あい)
住み→北海道
作品→ファイトソングという名前で未完結作品有。
一言→ぜひ読んで下さい。

第零話 >>1
第一話
第二話
第三話

Page:1



Re: きみはきゅうり ( No.1 )
日時: 2015/03/16 19:26
名前: 逢逶 (ID: RnkmdEze)

第零話

大人になれた気がした。
高校生という肩書きは確実に私の心拍数を上げ、周囲の期待をも上げていた。
だけど…入学して間もなく私のトキメキは一瞬にして消え失せた。
大人になるように急かす教師や親たち。
気付けば怒りを通り越し、常に不貞腐れていた。
頑張る同級生を見下していたし、そのせいか私は問題児扱いを受けていた。
ちゃんと出席して授業を受けてテストの順位も良かったのに、成績表は最悪だった。
理不尽だと思った。
だから、授業を受けることをやめた。
学校に行くことをやめた。

そんなこんなで季節は巡り、三年生になった。
久しぶりの学校。
一年生はまだちょっとだけ青臭くて。
私とは違う目をしていた。


「波流先輩!」

突然私の名前を読んだのは、青臭い一年生だった。

「なに?てか誰?」

「1Bの大野遼って言います!」

大野は、元気良くハキハキと答えた。
背が高くて、見上げる形になってしまうのが腹立たしい。

「あそ。で、なに?」

「俺と一緒に住んで下さい!」

「はぁ??!!」

真剣な表情で有り得ないことを言う大野。
私は大きく首を横に振って拒んだ。

が、

ニヤリと不敵に口角の上がった口元が嫌でも視界に入る。
瞬間、全身の毛が逆立った。
悪い予感、と言うのは結構当たるもので…


「もう、荷物運んじゃいましたけど」





強制的に…


謎の同居生活が始まった。



Re: きみはきゅうり ( No.2 )
日時: 2015/06/20 11:50
名前: 逢逶 (ID: /uGlMfie)

第一話 LOVE同居?そんな馬鹿な!


ピピピピッ

目覚まし時計が騒ぐ。

まだ太陽が登っていない。

重たい体を起こして、目覚まし時計のベルを止める。

「おはよーございます」

隣の部屋から出てくる男。
目を手の甲でこすりながら、私に挨拶する。

はぁ…

私は今、この男…大野遼との同居生活を強いられている。

「先輩、朝食作ってくださいよ」

「うるさい。自分でやれ」

「…厳しーっ。でも、そんな先輩も可愛いっす!」

「はいはい。…つーか、どうしてあんた私と住んでるの?」

「それはー、何度も言ってるじゃないですか!蛇口閉め忘れて部屋浸水しちゃったんでお隣の先輩んとこ住んじゃおーって」

住んじゃおー、じゃないよ…
大家から許可とってるみたいだし…もう、何を言っても無駄だ。

「先輩、今日学校行きますか?」

「…行く、わけないじゃん」

「そうすか」

びっくりした…
急に真面目な顔になるんだもん。
私が学校行かない理由知らないくせに、どうしてそんな顔できるのか…不思議だ。
ごちゃごちゃした気持ちを紛らわすように洗面所に向かう。

ブラシで髪をとかしながら…また、考える。

私を変えようとしてくれた人っていたっけ?
私を本気で愛してくれた人っていたっけ?
そもそも、いつから世間に対して幻滅してたっけ?


「先輩っ!」

「うぉ!」

…何だ、大野か。
モヤモヤした黒い雲が心を支配して、気持ちが悪くなった。

「先輩、大丈夫すか?顔色悪いですよ」

「…大丈夫」

「そう、ですか…。あ、そうだ!朝食作って下さいよ!」

「私、朝は食べないんだけど」

「えっ!だからそんなに細いんですか?!」

「細くないけど」

「俺はぽっちゃりしてる女の子が好きなんですけどね」

あんたに好かれたくないし、そう言いかけた。
でも…、言えなかったのは大野に嫌われたくないと少しだけ思ったから。
何だろうな、持ってかれそうな気がする。



生きることの意味を見出せない私に普通に話しかけてくれるのは大野だけ。
どうも好きになれないけど、嫌いじゃないんだ。

Re: きみはきゅうり ( No.3 )
日時: 2015/10/11 18:34
名前: 逢逶 (ID: RnkmdEze)

第三話 私にはいない

大野は朝食を食べずに家を出た。
お腹が空いた、とかご飯作って、とかずっと子供みたいに駄々をこねてた。
私が相手にしないからか諦めて学校に行った。


♪♪♪♪♪

携帯が鳴る。
確認すると〝ホノ〟と表示されていた。
ホノは私の唯一の友達。

彼女も不登校でこの世に幻滅している。

「もしもし?」

『あ、もしー、ホノです笑』

「うん笑」

『今日さ、親が暴れてんだよね。だから、そっち行っていい?』

「うん、おいでー。泊まる?」

『いい?』

「うん、全然いいよ」

『じゃあ、お世話になります』

「うん笑」




電話を切ると、すぐに思い出した。
大野がいるじゃん。

ホノは性格上、何も聞かないと思うけど。
何も勘繰らないだろうし。




それから少ししてホノがやってきた。
男物の服が干されているのに気付いたけど、やっぱり何も言わなかった。

だけど、説明しないと。


私は大野と同居する経緯を話した。
ホノは興味無さそうに、ふーん、と言うだけで持ってきた雑誌をペラペラめくっていた。


私はコップに注いだ、オレンジジュースを飲みながら、テレビを見た。

一人の芸人がトークに失敗し、派手にスベった。
すると、一人の大御所芸人がフォローを入れ、笑いに変わった。

私はそんな様子を羨ましく眺める。
どれだけ失敗しても見捨てない人がいる。
どれほど心強いことだろう。



私にはいないから。

Re: きみはきゅうり ( No.4 )
日時: 2015/10/11 18:58
名前: 逢逶 (ID: RnkmdEze)

第四話 救いたい

遼side

俺は入学してしばらく経って友達が十分にできた頃、ある人の話を聞いた。
その人は、〝波流〟という名前だった。

話によると、彼女は成績優秀だったのに突然がくんと成績を落とし、その後滅多に学校に来なくなったという。

彼女に憧れている人は結構いて、彼女は誰の目からも眩しくうつる存在だった。
大人は、デキる彼女に必要以上の努力を迫った。
研究発表大会では宇宙学の論文を書かせ、三年間のイギリス留学をさせ、数学オリンピックに出場させ…。
どれも彼女は頑なに拒否したのにも関わらず無理やり実行させたのである。

人は考えすぎると、思考回路が停止するらしい。
彼女は全ての情報をシャットアウトするように、深く眠り込んでしまった。
しばらくして目を覚ますと、彼女はもう大人の期待には答えられなくなっていた。
そして、当て付けのように成績が落ちた。
家を出た彼女は一人で暮らしている。


俺の隣に。



彼女を救いたいと思った。



偶然だけど、不注意で部屋が水浸し。
大家さんは、どこか違う部屋に止めてもらいなさい、と言うけれど正直そんなに図々しくは出来なかった。


なのに、

学校に波流先輩がいたんだ。


隣に住んでいることは知っていたから、言ったんだ。



「俺と一緒に住んで下さい!」


って。

Re: きみはきゅうり ( No.5 )
日時: 2015/10/12 20:07
名前: 逢逶 (ID: Ft4.l7ID)

第五話

ホノはしばらく雑誌を読んだ後、ぽろぽろと泣き出した。

「アイが死んだ」


アイとは、ホノの妹である。


死んだって?

「何言ってるの…?」

「アイが目を覚まさない」




アイは私と同じだ。

期待されすぎている女の子。
ホノはデキる妹と比べられ、歯痒い思いをしてきた。



アイは壊れたんだ。私と同じように。

アイを止めないと。
私のようになってしまう。


「ホノ!今すぐにでもアイを起こして!それでアイを絶対に救って!」


執筆中


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