コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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白い絵具と白い紙の絵
日時: 2015/05/24 19:05
名前: 古時計 (ID: bHw0a2RH)

先輩はいつだって、白いキャンパスを見つめている
その横顔は、どこか切なく儚くとても綺麗だった。

「柴田先輩、なにを描いているのですか?」
私が質問をすると、絵に夢中になって聞こえないのか
ただ、ただ白いキャンパスを見つめていた。
すると、綺麗な長い指で筆を持つとすらすらと絵を描き始めた。
「昨日見た、綺麗な空を描こうと思ったんだ」
ねぇ、先輩どうして空を描こうと思ったのですか?
理由が分かっていても質問してみたい、だけどその勇気が私には
ないんだった。空を描こうとする先輩を止める勇気も代わりに
私を描いてという勇気も、ないんだった。

————————
————
——
ちょっと切ない恋愛青春書こうと思いました!
温かい目でご覧ください

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Re: 白い絵具と白い紙の絵 ( No.1 )
日時: 2015/06/23 07:48
名前: 古時計 (ID: LdHPPNYW)

 登場人物 

相川夢(あいかわゆめ)
性格:優しい、真面目、人見知り、ネガティブ
容姿:長い黒い髪の毛を二つ結びにしている
スカートは膝下、シャツは第一ボタンまでしめて赤いネクタイ
青いくりっとした目と長いまつ毛、まるメガネ
その他:生徒会長になる予定の期待の一年生

柴田朔夜(しばたさくや)
性格:ほのぼのしていて、天然タラシ、親切
容姿:茶色の天然パーマ、少しダボッとした白いカーディガン
眠そうな目、左目下のほくろ、締め付けられたくないとネクタイなし
その他:美術部エースで中学のころから期待され数々の絵画部門で受賞される二年生

相川空(あいかわそら)
性格:根が強くて負けず嫌い、楽しいものが大好きな変わった子
熱心でフレンドリーで人見知りしない
容姿:黒髪でショート、妹と良く似た瞳をしている、桜のピンをしていて大事にしている
その他:夢の姉、三年前に病を患って他界している

錦萌香(にしきもえか)
性格:男前で女子にモテる、根は真面目、涙もろい
容姿:ベリーショートで着くずれした制服、猫目、意外とある胸
その他:三年で現生徒会長、だがあまりそうには見えない
相川姉妹の昔からの幼馴染で二人を大切に思っている

黒沢瑠香(くろさわるか)
性格:女タラシ、優しい、呑気
容姿:ストレートの黒髪で黒縁眼鏡、黒いTシャツに白衣
その他:生徒に人気で、モテる、過去にモデルの仕事をしたことがあるらしい

小森蒼(こもりあおい)
性格:やんちゃ、問題、ツンデレ
容姿:赤い髪をポンパドールさせている、青いパーカーにブレザー
茶色の瞳、耳にピアスをしている
その他:不良、夢のクラスメート


大西茜(おおにしあかね)
性格:ぶりっ子、女子に嫌われる腹黒
容姿:青いカチューシャをつけている、スリムで化粧が濃い
ダボダボの黒いカーディガン、短いスカート
その他:朔夜の幼馴染

彩美翠あやみみどり
性格:優等生の女子を超えた男子。真面目さん
容姿:茶色いふわっとした髪の毛。森ガールみたいな男子。
身長は平均より低い163ぐらい←
いつもきっちりとした見本みたいな制服
その他:生徒会書記 二年

(後ほど追加します)

Re: 白い絵具と白い紙の絵 ( No.2 )
日時: 2015/05/25 13:47
名前: 古時計 (ID: bHw0a2RH)

一話 まだ想う

美術部宛ての行事予定のプリントを届けに私はドキドキしながら
美術室のドアをノックした。

でも、やっぱり気持ちの整理がついていなくゆっくりと深呼吸をした
ふぅーと胸に手を当てて気持ちを落ち着かせた。
あの人のことを思うと、想像するとたまらなく心臓が爆発しそうになる
「失礼します」
ガラガラと扉を開けると、窓の光が反射して光る柴田先輩が一人で
絵を黙々と描いていた。落ち着いたはずの胸は太鼓のようにドンドンという音を鳴らす。握っていたプリントが手汗で汚れないかと心配したくらい私は異常になっている。

絵に集中しすぎて、今私が来たと気づかれた
「あ、夢ちゃんこんにちわ」
いつもと変わらず眠そうな顔で笑顔を振る舞う先輩。
私は、誰よりも知っているはず先輩はお姉ちゃんが恋しいことも
あの日々が先輩にとって、すごく辛く悲しかったことも。
「こんにちわ、柴田先輩」
私はそんな気持ちをぐっと堪え作り笑いをした。
「柴田先輩なんて、やっぱり慣れないな…
前みたいに朔さんって呼んでもいいんだよ?」

朔さんって、呼ばない理由はただ単に恥ずかしいだけなのだが
前はあんなに普通に言えていた…そんな自分が今では恥ずかしくて赤面してしまいそうだ。

「い、いや、それよりもこのプリント美術部の部長に渡してください
行事予定の確認です。今年の美術部、去年より大変だって萌香が言っていました。」
震える手でプリントを渡そうと先輩に近づくと
描き途中のキャンパスに目がいってしまう。
描いていたのは紛れもないお姉ちゃんの絵だった。
私の視線に気が付いたのか、柴田先輩は黒い布でキャンパスを隠す
「気色が悪いよね、墓参りも葬式にも来なかった奴が、彼女の絵を描こうなんて…まだ想っているだなんて」
先輩はそういいながら、わざとらしい笑いをした。
「先輩は、気色悪くなんかありません。お姉ちゃんがいなくなったことを認めたくない、それは私も一緒です」

窓の光が、照らす切ない気持ちを持つ二人。
届けたくて、届けたくないそんな想いの私と
今も尚、いなくなったたった一人の愛しい人を探す先輩。

「ありがとう、夢ちゃん…」
先輩はゆっくりと絵具の付いた手で黒い布をはがした、そのキャンパスの絵には笑う姉がいた。私が見たことのない、柴田先輩にしか描けない世界に一つだけのお姉ちゃんの絵。
その絵を見つめる横顔の先輩は、私には生み出せない。
悔しい、羨ましい、そんな思いの裏側は自分が酷い人間という思い。

「それでは、柴田先輩プリント机に置いときますね
           必ず部長に伝えてください」
喉奥が痛くて、苦しくて、逃げてしまいたい。

今すぐ——

お姉ちゃんが好きな先輩を視界から映したくない。



Re: 白い絵具と白い紙の絵 ( No.3 )
日時: 2015/06/18 15:00
名前: 古時計 (ID: JIRis42C)

二話 辛いならやめればいいのに

夕焼けのブランコで錆びた音を響かせ私は公園にいた。
あの日は、お姉ちゃんと喧嘩をしてしまった。
きっかけは、お姉ちゃんの人形が欲しくて奪ったらお姉ちゃんが怒って…私は家から飛び出してしまったという小さな事だった…。

涙が地面に落っこちそうだから、空を向く

『夢、お家帰ろう』

そうすると、お姉ちゃんが目の前にいて迎えに来てた。
酷い事をしたのに、謝らなきゃって思っていたのに…
涙がぶわっと、溢れ出てしまって酷い顔の私。

『なに、泣いてるの!ほら、行くよ』
温かな微笑みを浮かべたお姉ちゃんは、空よりも輝いていた空より美しい空に見えた。

今思うと、あの頃の幼い私は
お姉ちゃんの真似をするのは、お姉ちゃんがとても眩しく見えて羨ましかったり、憧れてたりしたからかもしれない。

だって、私はお姉ちゃんのように輝ける自信がなかったから。

‾‾‾‾‾‾‾‾
‾‾‾‾‾
‾‾


深呼吸ができないくらいに、息が苦しい。
私は、どうしてこんな酷い気持ちになったのだろうか?
お姉ちゃんの大好きだった人を好きになるなんて最低。
まるで、あの時の私のように輝けないからお姉ちゃんを真似しているの?…最低だ…最低…。

もし、奪ったとしてもお姉ちゃんはもう私に怒ってくれないし笑って許してくれるはずがない…。

「おーい、夢ちゃん!なーにしてんの?」
遠くの廊下から萌香が私に手を振ってくれる。
来ないで…今、私はとても酷い顔をしている。萌香には見られたくない。見られてしまったら涙が出てしまう。

「なにしてんの、こんなとこで立ち止まって?」
いつの間にか、萌香は私のすぐ近くにいて手が震える。
萌香は、それを見て察しがついたのか、ゆっくりと萌香は口を開き始めた。
「また、あいつのことで不安になってるでしょ」
どうしてだろう、萌香には全て見通される。言わなくても私の気持ちが理解しているようで、怖い。

「…酷いって思ってた、私があの人のこと好きってことが」
重い口を開く私。どうしょう、涙が頬から一滴溢れてしまってどんどん涙が溢れる。嗚呼、萌香にはやっぱり見せたくなかったよ、泣き顔と自分の気持ち。

「酷いって思うなら辛いって思うなら、やめればいいのに」
萌香は険しい顔をして言った。萌香はいつもそうだ、私とお姉ちゃんの味方でお姉ちゃんとギクシャクするといつも間に入って止めてくてた。

やめるなんて…考えてみれば…そうかもしれない。
だけど、やめるなんてできるはずがないと思う…

いや、そうじゃない私はやめたくなんかない。

嗚呼、そうか…。これが最低な性格の一部か…。
いくら、お姉ちゃんお姉ちゃんと言い訳をしても本当の答えはこのまま好きでいたい。ち、違う、そうじゃない…はず。

「私は、恋なんてしたことないけどさ…やめたいって思うならやめればいいじゃん…そうやって中途半端な気持ちが一番酷いよ夢ちゃん?」

中途半端な気持ち…。私は甘えてたってこと…?
「も、萌香ちゃん…」
萌香に抱きついてしまった。自分が弱くて甘えた人間だってことを知ると涙が止まらない。萌香の洋服が汚れようがその考えが思い浮かばないくらいに、子供のように豪快に泣いた。


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