コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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中学2年生なうww
日時: 2016/03/31 22:14
名前: 摩名坂結 (ID: 3NNM32wR)

桜葉中学校美術教師、2年C組の担任となった新卒教師・荒牧 千絵。


高身長すぎて悩んだり、
真面目すぎる思いが伝わらなかったり、

平凡から個性的まで、色々な生徒がいて、生徒たちは成長していき、
そして千絵も成長していく。











……っていうような立派な話にならなくても応援して下さい。by作者

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Re: 中学2年生 ( No.3 )
日時: 2016/03/30 21:29
名前: 摩名坂結 (ID: 3NNM32wR)

≪藤井 美環子≫


それから入学式が来て、学習相談もあり、それから“仮入部期間”つまり1年生が体験で入りたい部活にやってくるというものだ。

人気トップ3に入るバレー部に所属する私——藤井 美環子は1年生の扱いに四苦八苦していた。キラキラした眼差しで自分を見てくる1年生。「私、高身長な藤井先輩に憧れてます!」と言われた時の戸惑い。165は軽く越し、170cm程の自分の身長に。中2女子で170cm級は中々いない。でも、自分の周りの可愛くてモテる女子は皆小柄で華奢なため、自分の身長がコンプレックスな美環子にその言葉は少し、いや……もの凄く、痛かった。

1年生の……何だっけ、美薗さんに責任は無い。だけど、痛いのだ。ただでさえ、身長の事を言われると痛いのに、美薗さんがプレーの事を全く褒めてくれないから。他の子は皆技術を褒められてるのに。私だけ。それが痛くて痛くて……痛い。



「藤井、気にしなくていいからね」
「別、気にしてないけど」
「馬鹿、この天下の竹井様にあんたの嘘が通用すると思うな。あんたはセッターとしては優秀だから。さっきの1年が“KY”なだけだから」


こういう時々優しい所に励まされるんだよなぁ、と確実に自分より10cm以上は低い竹井の頭をぐりぐりと撫でた。一応、お礼のつもりである。


「あたしの、綺麗な、ボブヘアーを、崩すな馬鹿!あー、香坂に藤井はガサツな女だって言ってやろー」
「ちょ、ちょ、皆の前で香坂の名前を出すな馬鹿!」
「ちっちゃい声で言ったけどなぁ」


男バレの香坂。ポジションはあたしと同じ。だから、親近感が湧いたのかもしれない。身長178cm、自分より高い。少なくとも、3cm以上は。


「はい、練習だ馬鹿!見惚れんな」
「分かったって」



それから1年に色々教えた。美園さんには近寄らないようにしたけどやっぱり無理だ。あっちから来るんだから。まあ、いざとなれば竹井に励ましてもらえば良っか。

Re: 中学2年生 ( No.4 )
日時: 2016/03/30 21:27
名前: 摩名坂結 (ID: 3NNM32wR)

≪小林 疾風≫


「疾風のバカヤロー!」
「何だよいきなり……」
「何だよってよぉ……いくら部長がいないからってさ、仮入部期間中に———1年生に夢と希望を持ってもらうための期間中に、校舎周り30周のあとくたばるまで腕立てってキツすぎやしないか」


剛史がどこから取ってきた!——と思わず聞きたくなるようなド派手なピンクのメガホンを取り出して俺の耳元でキンキン叫ぶ。副部長とか、なるんじゃなかった、マジで。


野球部にも1年はそこそこ来ていた。キツい、と有名だがそんなことはお構いなしに野球をしたがる熱血野球少年たちが来ているんだろうと俺は思った。だから敢えてキツイメニューを組んで現実を知ってもらおうとしただけだ。



「1年が1人も入らなかったら、廃部だぞ。これは何処の部活もだけど。野球部はキツイって噂が流れてるから特に危ないんだかんな」
「誰かいるだろ、熱血野球少年が」
「お気楽に考えんな。この広い校舎周り30周は普通でもやらないレベルだぞ。いつもなら20周だし、サボってもバレない。でも今日は30周も走らされるし、菊池が付いてるからサボれない。最悪な環境だ」


「去年もやってたじゃんか。本気かどうか試すってさ、だから今回も……」
「レベルが違う!去年は20周でいつもの奴だけど。今回は……」
「今のうちにキツイのしてたら20周なんか楽勝だぜ」
「……今、俺、見に行ったんだけどよ。走ってる奴、5人しかいなかったぜ。他は皆こんなの無理だ、だとよ」


俺は頭を抱えた。やりすぎた。明日部長に怒られる。



「小林!」



部長の声が、頭の中で何度も響く。もう俺、無理かも。

Re: 中学2年生 ( No.5 )
日時: 2016/03/30 15:54
名前: 摩名坂結 (ID: 3NNM32wR)



>せいやさん


新しいですか……教師目線が出てくるのはちょくちょくで……すみません。
教師目線ちょくちょくでも面白くなっていけるように頑張ります。
コメント、有難うございました!

Re: 中学2年生 ( No.6 )
日時: 2016/03/30 21:26
名前: 摩名坂結 (ID: 3NNM32wR)

≪内野 智也≫



——仮入部とか、帰宅部には関係ない話だな。
キラキラした一年とか、ちょっと困る二年とか、微笑ましく見つめる三年とか、そういうのは、帰宅部には全く関係ない別次元の話だ。


「智也くん、部活行かないの?」——母が言った。耳が腐る。キモい。


「うっせぇババア」とか「黙れクソ」とか言い返してやりたいがそれすら面倒くさい。ババアはずっと——「智也君、お菓子あるからね。ママ出かけてくるわ」と言うまでずっと——部活に行けばかり言っていた。
退部したと言えば良いだろうか。でも言えない。言うに言えない。



 「智也、部活はどうなんでしょうか……」
 「え、部活?え、内野君、部活退部したはずじゃ……」



近々あるだろう三者面談。尋ねるババアと、困りながら答える——なんだっけ、若くてそこそこに可愛くてスタイルの良い——先生の様子が浮かぶ。
ダメだ地獄だ、こんな仕打ちをする先生はいくら可愛くて胸がデカいといっても鬼畜だ人外だ外道だドライ・モンスターだ!


「——あいつは、それ以上か」


俺の脳裏を、とある“エリート”の顔がよぎった。

Re: 中学2年生なうww ( No.7 )
日時: 2016/03/31 22:35
名前: 摩名坂結 (ID: 3NNM32wR)

≪黒崎 芽衣≫



 卓球部は基本的に、仮入部体験者が多い。そしてその後そのまま卓球部に入る子が殆ど。他の子は部活をしらみつぶしに回っていくタイプの子。
 芽衣などは、卓球部しか仮入部に行かずその後すぐに入部届を提出したクチだが、今はややそれを後悔しつつあったり……というのは置いといて。



 「由美先輩も手こずってる」
 「相当かな、あの子。ヤバいなぁ」


 今日仮入部に来た子は、なかなかに個性的な子だった。モデル並みにスタイルが良くて、顔も可愛くって、お嬢様オーラのあるスリムな美少女で、みんなその子を見た時「わお」って顔をしたけど、——現実って甘くない。


 「ショボ。マジウケるって感じですね。笑えてきちゃう」


 女の子の名前は角田 晴。かなりの毒舌にして、卓球歴十年。仮入部に来た子史上初、自分のラケットを仮入部に持ってきた。


 「特に目に余るのが——そこのブス。剛毛。貧乳の——」
 「え、ちょ、今奏美のこと……確かに外れてはないけど!」
 「ブスじゃないと思う」「ブスでしょ」


 そしてさらに、卓球部二年生一の卓球歴の長さを誇る中田 奏美に向かってブス・剛毛・貧乳の言われたくない言葉のオンパレードを口にする。


 「ほんと、卓球部入んなきゃよかった」




 こう思うのが如何に最低か。自分で決めたくせに、なんだけどどうしても芽衣の気持ちは止まらなかった。


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