コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- レモネードに似た恋心
- 日時: 2015/06/14 00:42
- 名前: rose (ID: dRfQEy98)
どうも、cinnamonことroseです!
今回は、またまた完全オリジナルな恋愛小説を書いちゃいます!
皆さん、レモネードってご存知ですか?
お店によっては、炭酸を入れるところもありますが、基本はどこでも、
レモンの果汁をたっぷり使った、甘酸っぱい飲み物です( ´ ▽ ` )ノ
そんなレモネードが、ある恋のきっかけになるのがこの物語です!
それでは、甘酸っぱい恋の物語をどうぞ!
- Re: レモネードに似た恋心 ( No.20 )
- 日時: 2015/09/05 18:25
- 名前: rose (ID: 76LSjzh0)
「琉坐ー!久しぶりだね〜」
「そりゃあ、クラス離れたしな。お前は…」
「もう!3組だよ!今さっき、そこの教室から出てきたじゃん!琉坐は?」
「俺は6組。階も違うし、そんなに接点ないよなー」
「うんうん。中学では2年連続おんなじクラスだったし」
久しぶりだとは言え、檸檬と琉坐の会話はまるでそこに空白の間がなかったかのように自然だった。
喧嘩もしていないのに、しばらく話さないなんて今までなかった。
だからこそ、こうして自然と話せていることにホッとする。
「で、琉坐はなんでこの廊下に来たの?」
琉坐のいる6組は、檸檬の3組とは違い、2階にある。
音楽室も体育館も6組側にあるから、琉坐がここを通るのは、美術室へ向かう時程度だ。
「あー、俺の友達に会いに…って、おー功大!」
「功大って、うちのクラスの瀬名さんの事?」
「そっか、檸檬と功大っておんなじクラスなんだっけな」
琉坐に呼ばれてこちらに来たのは、檸檬がいつもクラスで何度となく見てきた顔だった。
今は新たな席替えで隣となり、これから話す機会も増えるはずだ。
「こいつ、瀬名功大。結構おもろいんだぜー!」
「琉坐…自分で自己紹介くらいするっての」
「へー!瀬名さんって面白いんだ。何か意外かも」
「だろー?実は結構うるさいんだよな、これが」
「俺、物じゃねーし…」
(ほんとだ。結構面白い)
瀬名はいつも、男子とばかり一緒にいることが多く、あまり男子と話さない檸檬にとっては、同じクラスでも関わりの少ない人物だった。
今だって、自分から檸檬に話しかけることはないけれど、琉坐と話すときは、表情が豊かだ。
「琉坐って、瀬名さんと仲良かったんだ。それも意外」
「意外なのか?俺と琉坐が一緒にいるのって」
「いやぁ、琉坐ってサッカーバカだから、瀬名さんみたいな真面目さんと話合わなさそうって言うか…」
(本当は、琉坐が人見知り気質な事が、一番大きいんだけど)
琉坐は、明るい性格とは一転し、実はかなりの、それも女子に対しては特に人見知り気質だ。
琉坐と長い付き合いの檸檬は、それが分かっていたから、瀬名と琉坐が友達関係だったことがかなり意外な出来事だ。
しかし琉坐は、自分と共通点がある人には人見知りしないという、不思議な一面を持っている為、普段、真面目な瀬名と友達になるのは、至難の技だったのではないだろうか。
当の本人は、「バカじゃねぇ」とぼやいているが、瀬名は明らかにそうだろ、と苦笑を浮かべている。
「まぁ、俺だってそんな真面目じゃないしな。テストの点だって散々だぜ?」
「え!そうなんですか!?瀬名さんって、なんだか、家で勉強しかしてないみたいなイメージがあるのに…」
その檸檬の一言で、2人ともスイッチが入ったように吹き出した。
檸檬としては、家で勉強しかしてないイメージだと言うのは、紛れもなく本音なのだが、こうも吹き出されてしまっては、言った自分も、おかしくなってつい笑ってしまう。
「ほら、やっぱり功大はガリ勉に見えるんだって」
「本当は違うのになー」
「な?檸檬だって、功大のこと、ガリ勉に見えるだろ?」
「ガリ勉…なのかな」
「ほらな!」
「こんな奴がガリ勉だと、世の中のガリ勉に申し訳ないんだけどな」
「そこ、申し訳なくなるとこですか?」
「「絶対違うな」」
見事に2人の声が重なり、檸檬はまたまた吹き出した。
琉坐と瀬名は、お互いを呆れたように見た後、揃って苦笑を浮かべた。
そんなところも似ていて、檸檬には2人が兄弟のように見えた。
(瀬名さんって、琉坐と本当の兄弟みたい。それに、この二人もみてると、私まで楽しい気持ちになれるような…)
檸檬が瀬名と話したのは、今日が初めてなので分からないが、琉坐には兄弟がいない。そんな琉坐が、こんなにも兄弟のように話せる友達がいたことに、檸檬は何故か安心していた。
(私が安心するのも変な話だけど…)
琉坐は、幼なじみとして、今まで変わらず檸檬の隣にいた。
そして、高校に入って少し距離が出来ていても、こうして出会えばいつも通り話せる。
しかし、そんな幼なじみが、自分と同じように接する人を、これまで檸檬は知らなかった。
それは決して、琉坐が孤独だったと言う意味では無いが、心のどこかで、琉坐は自分以外の人に距離を取っていたように思っていた。
だからだろうか。
こんなにも似ていて、こんなにも対等に接し合える友達が、琉坐にいた事に檸檬は本人以上の嬉しさと、安心感を噛み締めていた。
瀬名が、委員会の仕事でこの場から離れた後、檸檬は独り言のように話した。
「良かったね」
「ん?何がだよ?」
檸檬は、予想通りの反応に苦笑しながら、
「え?独り言だよ?」
と返した。
「そーいや、弁当まだだったな。久しぶりに2人で食うかー」
「うわぁ、本当久しぶり!」
この2人の間を流れる空気は、今はまだ、穏やかだった。
- Re: レモネードに似た恋心 ( No.21 )
- 日時: 2015/07/27 09:58
- 名前: 蜜柑 (ID: SUkZz.Kh)
シナモンさんが、コメントくれた小説書いた、蜜柑です。
気になって来ちゃいました!
とても、面白かったです!
ネーミングセンスがあって、うらやましいです…
更新楽しみにしてます!!
- Re: レモネードに似た恋心 ( No.22 )
- 日時: 2015/07/29 19:47
- 名前: rose (ID: 76LSjzh0)
蜜柑さーん!
来て下さったんですね(=´∀`)人(´∀`=)ありがとうございます!
面白かったら良かったです(*'-'*)
ネーミングセンスなんてありますかね?~(・・?))
題名のレモネードはただ好きだから、キャラクターの名前はとっさの思いつきです(苦笑)
またお暇があれば、見に来て下さい( ´ ▽ ` )ノ
- Re: レモネードに似た恋心 ( No.23 )
- 日時: 2015/07/29 22:18
- 名前: 蜜柑 (ID: SUkZz.Kh)
蜜柑でいいですよ!
また見に来ます!
更新頑張ってください♪
- Re: レモネードに似た恋心 ( No.24 )
- 日時: 2015/09/05 21:07
- 名前: rose (ID: 76LSjzh0)
〜chapter2〜 第二章
どこまでも、どこまでも澄み渡る青い空の下___
色鮮やかな弁当箱が、膝の上に置かれている。
今日は自分の膝の横に、別の弁当箱がある。
たったそれだけのことが嬉しくて、琉坐は自然と顔が綻んでいくのを止められなかった。
(檸檬の水筒、またレモネードなんだろうな)
ゴクゴクと、女子とは思えないくらいに喉を鳴らしながら、水筒の中身を飲む幼馴染を、琉坐は呆れた顔で眺めていた。
「ぷは〜っ!青空の下で飲むレモネードは最高!」
「確か前は、雨の音聴いて飲むレモネードが最高とか言ってなかったか?」
からかうような口調で尋ねる琉坐に、檸檬は食い気味に反論する。
「はい!?そ、それは、まぁ…で、でもさ、レモネードって極論すればどこで飲んでも美味しいんだから!」
「ふーん…レモネードねぇ…味忘れたな」
「えぇーひっど!なら、また作ってくるけ…ど……」
図星をさされても食い気味に反論して、半ば八つ当たりだった檸檬は、自身の言葉で気がついた。
(そういえば…いつからだろう…私が琉坐のお弁当、作らなくなったの…)
実は中学二年の夏、琉坐の母親は心臓の病気により、無念の死を遂げたのだ。
それ以来、琉坐の弁当は、どんな時でも檸檬が作ってきた。
しかし、その風習は、檸檬にも分からないくらい前から、いつの間にか途切れていた。
急に黙り込んだ檸檬の状態を見た琉坐は、何故か嬉しそうだ。
何故そんなに嬉しそうなのか、理由を聞こうとしたが、一拍遅かった。
「レモネード。作ってくれるんだろ」
「……うん……」
(なんで、なんで、なんで……)
何故、もっと早く気づけなかったのだろう。
檸檬は今、自分を責め続けていた。
琉坐の母親が亡くなった時、琉坐よりもずっと長く、泣き続けたくせに。
一番悲しいはずの琉坐に、良い年して慰められてたくせに。
散々琉坐に迷惑かけて、この先は絶対に琉坐に迷惑はかけないと誓ったくせに。
その為に、自分に出来ることとして、お弁当を作ると、自分から言ったくせに。
(私……)
琉坐は、今にも泣きそうになる檸檬に、少し戸惑いを浮かべながら話しかける。
「……あ、あのさ」
「なに?」
「…………弁当、待ってるから」
その言葉に、檸檬は、一筋の涙を流す。
その涙は、檸檬色に煌めく水筒へと、沈んだのだった__
水筒に映る青空は、檸檬の悲しみを吹き抜けるように青かった。
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