コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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ちょっとだけでいいんです。
日時: 2015/08/06 18:22
名前: 杏 (ID: bUOIFFcu)

こんにちは。杏といいます。

初投稿です。どうか温かい目で見てやってください…!

ちなみに、なりきり掲示板なんかで違う名前を使って活動しているので、もしキャラとかで勘付いたらコメントくださると嬉しいです(・ω・)

それでは!

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Re: ちょっとだけでいいんです。 ( No.1 )
日時: 2015/08/06 18:29
名前: 杏 (ID: bUOIFFcu)

prologue

「だからっ、一週間でいいんですっ!」

「無理だわボケェ!こちとら何年ニートやってると思ってんだっ!」

クソ暑い8月某日。
妹に使いっ走りを頼まれて、家から出てすぐそこではあるが炎天下の中コンビニに向かう激務を果たそうと歩いていたら_____

「あの、すいません、ちょっとだけお話してもいいですか…?」

_____こいつに出会ったんだ。

Re: ちょっとだけでいいんです。 ( No.2 )
日時: 2015/08/07 12:40
名前: 杏 (ID: bUOIFFcu)

第1話

「え、あ、はい、な、何ですか?」

完全に社会に慣れてないニートの舌足らずさを発揮させながら、なんとか対応したところ、

「お願いがあるんですッ!」

と、思いっきし頭下げられた。

頭下げたこいつは150cmちょいくらいの身長の美少女。それはもう美少女と言って差し支えないレベル。綺麗な茶髪のロングヘアを振り上げて頭下げるからびっくりした。

「あ、えっと…お、お願い?」
「はい!」
「…どんな?」

名前も名乗らずいきなりお願いがあるとか言われて戸惑わないことはなかったが、目の前の美少女との出会いを無駄にしたくないと俺の愚かな頭が言ったんで、まあお願いの内容によっちゃあやってあげてもいいかなー…なんて思考した俺はお願い内容を聞いてしまった。

そう。

「一週間だけ、私の彼氏やってくれませんか!?」

「……………はぃ?」

…俺は、バカだった。

Re: ちょっとだけでいいんです。 ( No.3 )
日時: 2015/08/18 11:52
名前: コトコト (ID: bUOIFFcu)

「ま、間違えました!彼氏じゃなくてパートナーですっ」
「あぁ、それならまぁ………ってぇえ!?」

この子何言ってんだ!?
ぱ、パートナー?何の?彼氏とかの流れからして、もしかして男女のパートナーとかそういう?嘘マジで!?

…いやいやいや、それは無いだろ。うん。

…いや…もしかしてもしかしたら、この美少女とそういうことに…

…いやいやいやいやっ!

「パッ、パパパートナーって何の…?」
「え?…あぁ、すみません!そこ説明してなかったですね…」
「あ、いや、別に…それで?」
「それで?」
「それで、何のパートナー?」
「あぁ、えっと…」

美少女は一拍置いて告げた。

「ダンスの、です」

Re: ちょっとだけでいいんです。 ( No.4 )
日時: 2015/08/20 09:57
名前: 杏 (ID: bUOIFFcu)

「は…はぁ?」

ダンス…?
ダンスなんて…もう何年もやってないし…

………何より、俺自身がダンスなんてやりたくない。

「あの…ダンス、お得意なんですよね…?わ、私、噂を聞いて探してたんです」
「…そう」
「それであのっ、私、イベントで男の人と一緒に踊らなきゃいけなくて、だから彼氏をそれに誘ってたんですけど、彼氏が熱出しちゃって…夏風邪かなぁ…」
「…そう」
「だからさっき彼氏の代わりって言っちゃったんですけど、つまり、そういうことです。…あの、やってくれませんか_____」

「断ります」

「…そうですよね…」

美少女はその返事を予想していたようにうなだれた。
この子には悪いが…ここで縁を切らせてもらおう。

「悪いね。…俺はもう、ダンスなんてしないタチで」
「え…?」
「じゃあね。俺じゃなくたって、他にも踊れる奴はいるさ」

そう言って俺は去った。

***

去っていくその人の背中を見送りながら呟く。

「………勿体無いわよ」

Re: ちょっとだけでいいんです。 ( No.5 )
日時: 2015/08/21 18:25
名前: 杏 (ID: bUOIFFcu)

第2話

「今日もまた使いっ走りかよ…」

昨日と同じ道を歩くことになった。何故。
…いや何故も何も、妹が悪いんだ。クソ、俺を養ってくれてるからってな、ニートに体力の限界見せんじゃねーぞ妹よ…。

「暑い…いや昨日よりマシか…あー暑い」

なんてことをブツブツ呟く。
正直ハタから見たらかなり気持ち悪いことになってるだろうが、そんなことは気にしない。ていうか気にできない。

「あのっ!」
「あーはいはい、誰…ってぅおあ!?」

目をやると目の前に昨日の美少女が立っていた。

「お願いがあるんですっ!」

そして、昨日と同じく綺麗な髪を振り乱して頭下げられた。

「…また同じこと?」
「はいっ!」
「やらないって俺言ったじゃん…」
「でも、頼れる人が他にいなくて…!」

おい待て、そんなうるうるした目で上目遣いすんじゃねえ、助けてやりたいとか思うだろうがこの野郎!

「…いや!やらないからな!俺は!」
「一週間ですよ!ちょっとだけ!だからお願いします!」
「無理だよ!」
「だからっ、一週間でいいんですっ!」
「無理だわボケェ!こちとら何年ニートやってると思ってんだっ!」

恥ずかしいこと暴露してしまったが、そんなこと気にしてられない。
とにかくこいつの誘いを断らなければ…!

「少しですよ…ちょっとですよ…一週間ですよ、だからお願いします!」
「長さなんか関係ないわ!俺がやりたくないんだって!」
「うぇぇ…そうですか…」

言い合いの末、美少女はしゅんとなった。
まったく…。

「これで懲りろよ」

そう言い放ってまた俺は去った。


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