コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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   同居人は多重人格。   
日時: 2015/08/29 19:24
名前: 古森。 ◆3LoRZZ9olU (ID: .HplywZJ)



先生、親しい友人、か弱い女子、お父さま、そして私——……
そのひとの〝 格 〟によって態度を変える、多重人格な最低最悪男子。

そんな男子と、とある事情により、同居することが決まりました。


これは、最低最悪男子 × 無愛想女子の、恋のおはなし。




  ***




   @ 挨拶


初めまして、古森(こもり)。と申します(´`*)
今までは他のサイトで活動していましたが、名前を改め今日から此方で小説を投稿していくことにしました。
気紛れ更新ですが、目を通して下さると嬉しいです*

この小説は、恋愛要素が多くなると思います。
「きゅん」を沢山取り入れて、皆さまを物語の世界に引き込めるよう、精一杯頑張らせて頂きます(
もちろん、友情などの要素も取り入れていく為、より一層努力に励もうと思っております。


これから、宜しくお願いします。



   @ 注意事項


・観覧、感想、誤字脱字の指摘などコメントは大歓迎。
・荒らしやナリ、チェーンメールなどはお控え下さい。書き込まれても無視をさせて頂きます。
・雑談のみ、または宣伝などのコメントもお控え下さい。

以上の注意事項、把握宜しくお願いします。



>小説開始日 / 2015.8.21 Friday
>小説終了日 /

>参照100突破記念 / 2015.8.27 Thursday



  @ 目次


【♯000 Prologue】 >>01
【 Cast 】 >>02


【♯001 初めまして、同居人さん。】
 >>03 >>04 >>05 >>08 >>09 >>10 >>14



*参照100突破記念* >>13



  @ お客さま


*紬さま 「蒼葉壮の恋日常。」 >>06
*梨依さま 「雨ノ日ニハ。」 >>11

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Re:    同居人は多重人格。    ( No.1 )
日時: 2015/08/21 22:46
名前: 古森。 ◆3LoRZZ9olU (ID: S6dv/qbT)



  【♯000 Prologue】


小さい頃から、大事に育てられてきた。
お父さまとお母さまから、沢山の愛情を注がれてきた。

そんなふたりの為に、私は〝 完璧 〟な人間になろうとして。
勉強、スポーツ、容姿、礼儀……どんなことにも、気を配って16年間生きてきた。
全て全て、お父さまとお母さまに恩を返す為に。私が、お父さまとお母さまにとって〝 恥 〟の存在にならないように————


でも、高校2年生になりたての4月。
ひとり暮らしを始めた私を心配したお父さまが、〝 執事 〟という名だけのひとを同居人にした為。



 「覚悟しといてね、お嬢さま」



最低最悪男子との、最低最悪な生活が始まった。
これが〝 初恋 〟に変わるなんて、まだ知らずに————……



Re:    同居人は多重人格。    ( No.2 )
日時: 2015/08/27 23:07
名前: 古森。 ◆3LoRZZ9olU (ID: EByIShHF)



  【 Cast 】


・斐織 優衣 / あやおり うい

斐織財閥の娘で、父親と母親が海外出張の為ひとり暮らしをしている。
絹のような髪質の清楚な黒髪ロングヘアーに、ネコ目と言われる瞳とそれを縁取る長い睫毛が特徴の美少女。
親の為に、言葉遣いや礼儀、勉学やスポーツ、そして容姿など、あらゆるところに力を入れてきた。
無愛想な為かひとと関わることが苦手だが、根は優しくひと思いな高2。身長159センチ。



・有栖川 甲斐 / ありすがわ かい

ひとり暮らしをする優衣の為に、執事として同居することになった。
生まれつきのチョコレート色をした髪に、切れ長奥二重の澄んだ黒水晶のような瞳を持つ、相当な美男子。
優衣も通っている「双葉白琳(ふたばはくりん)学園」に通っていて、執事であることは秘密。
優しく、怖く、明るく、そして腹黒いという相当な多重人格な高3。身長178センチ。



・鬱ノ宮 あかり / うつのみや あかり

優衣が中学生のときからの友達で、ひかりの双子の妹である。
生まれつきの明るい茶髪のショートボブヘアと、垂れ気味の大きな瞳が印象的な、可愛らしい容姿。
優衣や甲斐と同じ「双葉白琳学園」に通っていて、優衣とひかると同じ2年C組になった。
見た目と同様、パワフルで明るい性格からみんなに好かれる高2。身長156センチ。



・鬱ノ宮 ひかる / うつのみや ひかる

あかりと同様、中学生からの優衣の友達で、あかりの双子の兄。
双子のためかあかりと同じく茶髪で癖ひとつないヘアと、大きめの茶色の瞳が印象的わ可愛らしい男子。
優衣や甲斐と同じ「双葉白琳学園」に通っていて、優衣とあかりと同じ2年C組になった。
可愛らしいが毒舌&ドSな性格だが、そこが好かれる要素の高2。身長165センチ。

Re:    同居人は多重人格。    ( No.3 )
日時: 2015/08/22 00:07
名前: 古森。 ◆3LoRZZ9olU (ID: S6dv/qbT)




  【♯001 初めまして、同居人さん。】



 「優衣さま、おはようございますっ」
 「今日もお綺麗……あ、クラス表見ました?」
 「私、また今年も一緒です! 宜しくお願いします!」



「双葉白琳学園」の、満開に咲いた桜の木に囲まれた校門を潜る。
はらはらと舞い散る桜の花びら。それは、コンクリートや土の上に落ちていって、道にはピンクのカーペットが敷かれている。

斐織財閥の娘の私——斐織 優衣の周りには、数人の女子生徒が集まってきて、口々に話しかけてきた。
私はその数人の女子生徒に、「おはよう」とだけ告げ、にこりと笑顔を振り撒いて天然のカーペットを歩き出す。
それを追いかけてくる女子生徒を見て、私は気づかれないよう、小さく小さく溜め息を漏らした。



 (……今年もまた、面倒になりそう)



私の実の性格は、〝 無愛想 〟に物凄く当てはまる。
ひとと深い関係を築きたくなくて、好きなひとも親友も、あまり作らない。
まあ、一応仲の良い友達はいるのだけれど。

とにかく私は、周りできゃあきゃあわいわい騒がれるのが嫌い……あまり、好きではないのだ。
適当な偽りの笑顔を振り撒いて、取り敢えずその場をやり過ごす感じ。


でもそうしているうちに——私は、今日で高校2年生となった。
入学式からもう1年も、あれでやり過ごせたことが凄い。
なんて、考えてひとりくすりと笑ってしまう。もちろん、気づかれないよう。

まるで雪のように、優しく降る花びら。
風に乗って、色々なひとの制服に模様を描いてゆく。
私の腰まで伸びた黒髪も靡かせて、顔にかかってくる。そんな髪を、そっと左手で抑えたときだった。



 「……この花びら、ずっと付いてるよ」
 「——え?」



いきなり。いきなりだった。
大きくて骨ばった手が、私の髪に付いた花びらを取りながら。
それと一緒に、甘くて、優しくて、少し低くて、透き通るような声が降ってきたのは。


Re:    同居人は多重人格。    ( No.4 )
日時: 2015/08/22 00:05
名前: 古森。 ◆3LoRZZ9olU (ID: S6dv/qbT)





  【♯001 初めまして、同居人さん。】


息が、止まりそうになる。
身長が159センチの私に対し、175センチ以上は有りそうなそのひと。
3年生だろうと思われるそのひとが、私に淡く微笑みかける。
横から覗く太陽に頬が明るく照らされて、綺麗な顔立ちに透明感が生まれた。

彼の細い指により、私の髪から取れた花びら。
それを彼は私に見せて、淡い笑顔を崩さないまま話しかけてくる。



 「急にごめんね、花びらが気になっちゃってさ」
 「あ、いえ。全然大丈夫です、ありがとうございます……」



最後の方まで、きちんと言えなかった。
あまりひとと関わりたくない私は、そのひとから目を逸らす。
でも彼はあまり気にしていないようで、その花びらをブレザーのポケットにしまい込んでいた。

私は俯き加減で小さく会釈をすると、その場を離れようとした。
途中で呼び止められそうだったけれど、友人らしきひとが彼の名前を呼んでいたから。
その声は大きくて、その場を離れ校舎に向かう私の耳にも飛び込んでくる。



 「〝 甲斐 〟!」



カイ……はっきりと、そう聞こえた。
でも私には、全く関係のないひとの名前。
この先関わることなど二度と無い、そんな人物の名前なんだ。



 「……斐織 優衣、か」



甲斐というそのひとが、私の名を口にする。
でもその声は、桜の吹雪のなかを小走りする私には、届いてこなかった。




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