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- Beginning of end
- 日時: 2015/08/26 12:07
- 名前: エルルカ (ID: 3NNM32wR)
平凡な世界は終わりを告げる。
現実世界はファンタジーの世界に取り込まれてしまい、現実世界の住民であった人々は全員現実世界での記憶を失い、元からファンタジー世界での住民であったようになっている。しかし、元・現実世界住民である秋山 涼太はただ一人、現実世界での記憶があるだけに今の世界に戸惑いを感じる。
ファンタジー世界が現実世界を取り込んだ事で、ファンタジー世界では多少の違いが生じることになってしまう。だが元のファンタジー世界の住民であった者は記憶を都合よく操られており何一つ疑問を感じていない。だが、元のファンタジー世界住民である少女、エレナは記憶を失わず一人戸惑っていた。
涼太とエレナが出会う時、世界はまた、暴れ始める。
———The ordinary world tells the end
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- Re: Beginning of end ( No.1 )
- 日時: 2015/08/26 12:31
- 名前: エルルカ (ID: 3NNM32wR)
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」
自分が消える。さっきまで持っていたゲーム機も消え始めている。母親が消える。妹が消える。お気に入りの漫画も消えていく。全てが消えていくのに何故か母親も妹も悲しむ顔をしていない。何故だ、涼太は記憶の中からそれらしき物を全て取り出す。そして思い出した、衝撃的なあの言葉を。
『どうやらファンタジー世界に取り込まれちゃうらしいのよ、この世界』
てっきりハマっているスマホゲームのことだと思っていたが恐らく違うのだろう。自分たちの世界がファンタジー世界に取り込まれるから消えるのか———納得はいかないが涼太はもうそろそろ消えてしまう。消えて、母に会えば真相が分かるかもしれない……涼太はおとなしく消えることを選んだ。
「レオン!レオン!起きなさい!」
聞き覚えのある声がレオン、レオンと叫んでいる。誰の声だと記憶の中をひっかきまわそうとすると、それほどの手間をかける間もなく誰の声かを思い出す。————母親だ。つまり俺は消えたようだ。
「こらレオン!」
頭にゲンコツが落ちてくる。なんだなんだと目を開ければそこには母がいて、俺に怒っているようだ。ゲンコツを落とす前に教えてくれよ、と俺はむっくりと起き上がり、母を見上げる。————ん、俺はベッドで寝ていたのか?しかも随分と家のつくりが違う。なんだか物凄くボロい。
「ってか母さん、どうして俺達消えたんだ?なんかファンタジー世界との融合的な感じのこと言ってただろ?あと俺レオンじゃねえし……」
「何言ってるんだい、レオン。まだ寝惚けてんのか。ああ、この調子じゃ学校に間に合わないね、朝ご飯は学校で食べなさい。早く行ってきなさい、エレナちゃんをかなり待たせちゃってるわよ」
母に朝ご飯らしきものを渡され、「エレナちゃん」なる人物のもとに行けと言われるが「エレナちゃん」などという知り合いは俺にいない。誰だよそいつ、と突っ込みたくなるが今は「エレナちゃん」にいろいろ聞くことが優先事項ナンバーワンだろう、何かを知っているかもしれない。
「ええと、エレナ?」
「そうよ。貴方は誰?あー、朝聞いたレオン・ベルーシュ?」
家の前に立っていた「エレナちゃん」はディ●ニープリンセスをスクリーンから抜け出させたかのような美少女であり、思わず俺は見惚れてしまう。
「あのさ、聞きたいことがあるんだけど……俺ってレオン・ベルーシュ?」
「そうなんじゃないの?だってそこの家の表札に書いてあるし」
エレナが言う表札を見ると確かに「ベルーシュ(ジャイルズ・フェリーチェ・レオン・エステル)」と書いてあるが、まだ分からないことがある。
「俺と君って知り合い?」
「ええ、多分。だけど私、貴方のこと初めて見たの」
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