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- 中学生体験記
- 日時: 2015/08/26 14:17
- 名前: 暇人A (ID: 3NNM32wR)
中学生、やってみます。
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- Re: 中学生体験記 ( No.1 )
- 日時: 2015/08/26 14:42
- 名前: 暇人A (ID: 3NNM32wR)
「一緒にせーので入るんよ!」
理央は明日美に念を押す。中学校生活は一緒に始めよう、って小学生の頃約束したので、校門に入るのも一緒だって事前に約束してあるが、明日美の場合理央より先に入ってしまう可能性があるので要注意だ。
「分かっとるよー、よし……」
『せーの!』
理央は二人一緒に中学校生活を始められたことにまず安堵した。それから雨のせいでびちょ濡れになってしまった校舎を見渡し、自分たちの学年は雨に良く当たる、と卒業式以来溜息をつく。
「っていうかさ、雨ばっかりじゃん」
「まさか入学式まで雨だとは……」
明日美も同じことを思ったらしく、珍しくため息をついていた。それから、靴箱の前まで行って名簿らしき者に丸し、ついでにクラスが一緒の人もチェックしておく。因みに理央は二組で、五組の明日美とは違ったので少し残念だったが、定期的に遊びに行ってやろうと気を持ち直す。
「うち琴音と川上と一緒だった」
「そんだけ?少っな!」
「本当だよねー、少なすぎだわ」
この中学校……南中学校には、人数が多い順番に並べると、理央達が通っていた寿小学校、寿南小学校、南小学校、西小学校となる。つまり寿小学校が一番多く、一クラスにもそれなりの人数がいるはずなのに理央のクラスには三人しかいなかったのだ。どうやって友達を作れと言うんだ、とこのクラス割を考えた人に心の中で文句を言う。
「明日美んとこは何人?」
「十人くらいおったで」
「えー、三倍以上じゃん!ずるいなぁ」
愚痴りながらさほど遠くない靴箱まで行き、もう一度クラス表を確認する。
どれだけ探しても二組には元寿小は三人しかいなかった。でもまあ、これはこれでいいかな、と明日美に笑いかける。正直、寿小の六年生時代は理央にとって最悪に最も近い一年だったと思う。
それから上級生に案内されて、理央は二組、明日美は五組に向かった。無駄に広いこの校舎の三階に一年生の教室があり、理央と明日美は階段を上る所で別れてしまい、少し歩くと教室に着いた。
「入るか……」
新しい場所に踏み出すというのも、なかなか勇気がいるものだな……と理央はしみじみ感じた。そして、ようやく覚悟を決めて踏み出した後に、理央は気付いてしまった。———ここ、一組じゃないか!
「すすす、すみませんでした!」
上級生が連れて行ってくれた場所は正しかったのだが、二組の前でうろうろしているうちにどうやら一組にたどりついてしまったようだ。理央は恥ずかしさで顔を赤く染め、今度はきちんと二組に入った。
「誰もいないか……」
誰もいないのをいいことに、理央は暫くの間教室を観察していた。
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