コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- きっと大丈夫だから(短編小説)
- 日時: 2015/09/22 00:03
- 名前: 新感覚 (ID: FWNZhYRN)
どうも新感覚です!小説の腕は悪いですがどうぞよろしく。
(新)コメントやアドバイスを頂けたら幸いです。
(新)悪口や荒らし、皮肉、無視などの行為は絶対にやめてください。
(新)この小説を見て不快さを感じた場合即戻るを押してください。
(新)これは完璧な手抜き小説です。分かっていると思いますが期待はしないように
もしあなたが重い病気にかかり死を宣告されたらどうしますか?
もしあなたの友達がそうなったらなんて言葉をかけますか?
これはそんな運命に巻き込まれた二人の少女の物語です。
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- Re: きっと大丈夫だから(短編小説) ( No.1 )
- 日時: 2015/09/14 22:36
- 名前: 新感覚 (ID: FWNZhYRN)
大病院の出入り口の自動ドアが開き一人の少女が入ってきた。
少女は背が少し高く長い髪の後ろ側を紐で結っていた。
服は私服で半袖のジャケットにミニスカートを身に付けていた。
右手の指には何かが入ったビニール袋を引っ掛けていた。
おそらく見舞いの品だろう。
少女は病院の受付の前に立ち
「すみません、面会に来たんですが」
と言った。
受付の窓口に座っていた職員は何も言わず二回頷いた。
「患者の名前は?」
「千歳雪音です」
「千歳雪音さんは・・・・。三階にいますね。部屋は304号室です」
少女は職員にお礼を言うと近くにあったエレベーターに乗り込み三階行きのボタンを押した。
エレベーターは途中で止まることなく上の階に上がっていった。
三階に到着すると少女はエレベーターから降り304号室まで続く長い廊下を歩いた。
途中で車椅子に座っていた老人の患者が困った様子で廊下の真ん中で止まっていた。
よく見ると地面に落としてしまった折鶴を拾おうとしている。
少女は左手で折鶴を拾うと老人の手に差し出した。
「ありがとう、お嬢ちゃん」
「どういたしまして」
少女は笑顔で答えた。
ようやく304号室の前まで来るとビニール袋の中身を確認し扉をノックした。
「どうぞ」
扉の向こうから静かな少女の声がした。
雪音に間違いないだろう。
扉を開け中に入る。
部屋の中で雪音は顔を青くしてベッドに横たわっていた。
ぼさぼさに乱れた髪、古そうな患者服。右手には注射針の跡。
とてもじゃないが今にも意識をなくしてしまいそうな感じだった。
「こんにちは!ゆっきー!お見舞いに来たよ!」
少女は彼女の名をあだ名で呼んだ。
- Re: きっと大丈夫だから(短編小説) ( No.2 )
- 日時: 2015/09/18 21:50
- 名前: 新感覚 (ID: FWNZhYRN)
「宮子ちゃん・・・・来てくれたんだ・・・・」
宮子ちゃんと呼ばれた少女は持っていたビニール袋からプラスチックのカップに入った苺のショートケーキを取り出した。
「それコンビニで買ったやつでしょ・・・・?」
暗そうな雪音が微笑んだ。
宮子は爆笑して
「あはははは!ケーキ屋行ったんだけど売り切れてて!」
「でもありがとう。後で食べるね・・・・」
宮子は分かったと答えケーキをベッドの横の冷蔵庫にしまいこんだ。
冷蔵庫には甘いお菓子やジュースがけっこう入っていた。
「だめじゃないかゆっきー、甘いもんばかり食べて」
その発言に雪音の表情がさらに暗くなり
「だって私の命あと数年しか残ってないんだもん。好きな物をたくさん食べてもいいじゃない・・・・」
雪音は重い病気にかかり現在末期症状に苦しんでいた。
余命もわずかでいつも点滴や大量の薬による症状抑制を行なっていた。
だがその行為も空しく病気は彼女の身体を少しずつ蝕んでいた。
「おいおいそれは言わない約束だろ?」
宮子が真面目な表情で言う。
「ホントの事だもん・・・・」
こうやって平気そうにしていて死ぬのを恐がっていないように見えるが本当は恐くて恐くて仕方がなく心の中ではいつも絶望が渦巻いているのだと宮子には分かっていた。
励ますことは逆に彼女に苦痛を与えてしまうのではないのかと感じた。
それでも雪音を励ます事にした。
宮子は近くにあった椅子を持ってきてベッドの横に置き座った。
そして横たわっている雪音の手を握り
「ゆっきー、あと数年しか生きられないなんてそんなの分かんないじゃん。もしかしたらもっと生きられるかもしれないし奇跡が起きて病気が治るかもしれない。一番大切なことは最後の最後まで諦めてはいけないことなんだ。諦めずに生きていればきっと報われるよ。信じるんだ」
- Re: きっと大丈夫だから(短編小説) ( No.3 )
- 日時: 2015/09/20 20:39
- 名前: 新感覚 (ID: FWNZhYRN)
「・・・・・・」
雪音は何も言わなかった。
もう何も言わない方がいいのかもしれない。
宮子の言葉が彼女を勇気付けたのか絶望を抱かせてしまったのか。
それは誰もが知らなかった。
「DVDでも見よっか?」
宮子はビニール袋からDVDの入ったディスクケースを取り出した。
「DVDなんて持ってきたの・・・・?」
「そうだよ、前からゆっきーが見たがってた「お笑い天国」だよ〜」
「ホント!?見たい見たい!」
さっきまで元気がなかった雪音が子供のようにはしゃいだ。
「じゃあこれを見る前のお約束!」
「約束?」
「もう数年しか生きられないとか私は死ぬんだって絶対言わないこと!分かった?」
「うん!」
雪音は笑顔で答えた。
「えっとディスクは・・・・ここにいれるのか」
宮子はDVDをテレビのデッキに押し込んだ。
雪音がリモコンで再生ボタンを押す。
楽しいお笑いが始まった。
(お笑いの内容)
千里「ごめんね楓ちゃん。もうおかずがないの・・・・」
楓「大丈夫よ千里。あなたの裸で玄米10杯はいけるわ」
千里「気持ち悪いよ!!!!!」
「あははははは!!」
「きゃははははは!!」
小さな病室で二人の笑い声が響いた。
雪音にとってこんなに大きな声で笑ったのは本当に久しぶりだった。
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