コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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◆皆さん、その男、ガールズバンドの一員です◆
日時: 2015/09/18 22:33
名前: アメト ◆ThWTpT5/Zk (ID: y98v9vkI)

初めまして、アメトです。

題名を見て、はぁ?と思った貴方は正しいです。

いや、ガールズバンドって男入れないだろうと。

その疑問はごもっともでございます。

では、まずあらすじから。




《あらすじ》

調辺 未十《シラベ ミト》は、女子高生であると同時に、インディーズバンド 『Houndaze(ハウンデイズ)』のギタリストである。

しかし、ひょんな事から、今人気急上昇中のガールズバンド『SHOUT HAIRS(シャート ヘアーズ)』の秘密を知ってしまう。

『SHOUT HAIRS』ボーカルの「Ichica」は、未十の同級生、旋名 秋一 《センナ アキヒト》(※男子)が女装した姿だったのだ。




バンドを軸に、青春と恋愛する話です。


初めての作品なので、不自然な箇所も多々あると思いますが、楽しんで頂けたら、これ以上の喜びはありません。


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Re: ◆皆さん、その男、ガールズバンドの一員です◆ ( No.1 )
日時: 2015/09/16 20:15
名前: アメト ◆ThWTpT5/Zk (ID: EP9rvI.Z)

【登場人物】


◆調辺 未十《シラベ ミト》

高校2年。

インディーズバンド『Houndaze(ハウンデイズ)』のギタリスト。

ギターは、フェンダーのテレキャスター使用。

普段は真面目な女子高生。



◆旋名 秋一《センナ アキヒト》

高校2年。

女装し、『Ichica』という名前で、ガールズバンド『SHOUT HAIRS(シャート ヘアーズ) 』のボーカルを務める。

未十の同級生であり、クラスメイト。生徒会副会長でもある。


◆春崎 緋那子《ハルザキ ヒナコ》

22歳。

『Houndaze』のドラマー。

未十の頼れるお姉さん。


◆三槻 留偉《ミツキ ルイ》

21歳。

『Houndaze』のベースボーカルを務める。

冗談をよく言う





◆◇◆

多分、これから増えて行きます。

Re: ◆皆さん、その男、ガールズバンドの一員です◆ ( No.2 )
日時: 2015/09/16 20:11
名前: アメト ◆ThWTpT5/Zk (ID: EP9rvI.Z)

第1話



調辺 未十《シラベ ミト》は、音楽が好きだ。

音楽と言っても、様々なジャンルがあるが、未十は特に、ロックに心を奪われた。

憧れのバンドに少しでも近付きたくて、12歳の時、初めてギターに触れた。

流れる旋律を一緒に口ずさみ、リズムをとる。気に入った音だったなら、直ぐにギターで再現する。

ギターは、未十の体の一部の様なものだった。


ギターを鳴らす事は、未十にとって、呼吸する事、臓器を動かす事と同じ事で、何より未十はギターが好きだった。

だから、このバンド『Houndaze』のギタリストとなったのは、必然なのだろうか、と未十はふと思った。

音楽を始めるキッカケとなった、『あの人』の事を思いだしながら。

「未十、出番だよ、準備して。」

バンドメンバーに肩を叩かれ、未十は我にかえった。

そうだ、今日は対バンで、私達が演奏させてもらえる事になったのだ、と未十は意識を覚醒させて行く。

そして、今は、舞台袖。

「うん、ボーッとしてた。ごめん、ハルさん。」

未十の肩を叩いたのは、『Houndaze』のドラマーだった。

春崎 緋那子《ハルザキ ヒナコ》、22歳。

赤髪が良く似合う女性で、未十の憧れである。

「オイオイ、頼むぜ。

お前はオレらのメンバーなんだから。

・・・という訳で、今日も宜しくお願いしますよ、我等がギタリスト様?」

茶化しながらこう言ったのは、『Houndaze』でベースボーカルを務める、三槻 留偉《ミツキ ルイ》。未十よりも4歳年上の21歳で、兄の様な存在だ。

「分かってるよ、演奏に支障は出さない。」

未十はそう言うと、もう5年も共にしている、ギターを手に取った。

舞台袖からステージに向かう時、丁度4人組のガールズバンドの演奏が終った所だった。

『SHOUT HAIRS』。今人気のガールズバンドで、メジャーデビューも近いだろうという注目のバンドであった。

メンバーのルックスの良さで有名だが、演奏技術も中々のもので、顔だけで売っていない所が、人気の秘訣なのだろう。

中でもボーカル『Ichica』は飛び抜けて美人で、歌も誰もが惹き付けられる魅力を持っている為、未十は密かにファンだったりもする。

「SHOUT HAIRSの後って、やりにくいよな。オレらが余計にショボく見えるしよ・・・。」

三槻はブツブツ言いながらも、ベースをアンプに繋げる。

未十も、ギターをアンプに繋いだ後、エフェクターを接続して、音を確認する。

予備のピックをマイク台に取り付けて、春崎に視線を送る。

準備完了の合図だ。

三槻も音合わせが済んだようで、春崎を見る。

春崎の顔が凛々しくなり、丁度スポットライトが照らされる。

春崎のドラムがリズムをとって、未十はギターを掻き鳴らした。

◆◇◆

全てのバンドの演奏が終わり、未十は撤収作業を手伝っていた。

今日は中々、良い演奏が出来た。

苦手なリフも、今日はノリが良かった。まだまだ未熟だが、これくらいは喜んで良いと思う。

未十はもうあがって良いと言われ、帰り支度をする為に、荷物を取りに戻る。

そしてその途中、トイレの前を通った時、何か怒鳴り声が聴こえて、未十は何かトラブルだろうか、と思って、トイレを覗く。

「あの、何かトラブルで・・・」

すか、という言葉は、未十の口から出なかった。

いや、出せなかった。何故なら、女子トイレに男がいて、その男が、電話で話している声が、

「あ、もしもし、SHOUT HAIRSのIchicaです、お疲れ様です。」

そう、Ichicaの声そのものだったからだ。

「はぁぁぁ!?男ぉぉぉぉ!?」

未十は思わず叫んでしまい、Ichica(男)は驚愕の表情をこちらに向けていた。







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