コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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 君 と い う 名 の 海 に 溺 れ て く 。 
日時: 2015/09/12 19:19
名前: 羽海 . ◆vLMSJh5x/Q (ID: UIcegVGm)




   .

   .

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駄目だと、分かっている。
駄目だと、分かっている。


それでも、僕は————…………




 ×× 小説開始日/2015.09.12
 ×× 小説終了日/


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Re:  君 と い う 名 の 海 に 溺 れ て く 。  ( No.1 )
日時: 2015/09/13 15:19
名前: 羽海 . ◆vLMSJh5x/Q (ID: UIcegVGm)



  ×× 挨拶


初めまして、羽海 .(Umi)と申します。
別の名前で以前活動していましたが、名前を改め新しく小説を書き始めました。
まだまだ未熟なものとなりますが、目を通して頂ければ幸いです**


誤字脱字の指摘、感想、アトバイス等のコメントは、大歓迎です。
コメント頂ければ、作者飛び跳ね泣いて喜びます(


それでは、START!
これから宜しくお願い致しますね。



  ×× 目次


>第1章 恋 を し た 。 >>02->>04



 ×× お客様



Re:  君 と い う 名 の 海 に 溺 れ て く 。  ( No.2 )
日時: 2015/09/12 19:57
名前: 羽海 . ◆vLMSJh5x/Q (ID: UIcegVGm)




  > 第1章 恋 を し た 。


最初彼女を見たとき、硝子のようだと思った。

触った瞬間に砕けてしまう程に繊細な、透き通るように綺麗な彼女。
人魚姫のように、泡となり消えてしまいそうな程に儚く美しい彼女。


僕は、この人に恋をした。
僕は、この人を〝大切にする〟と誓った。



   .

   .

   .



最初彼を見たとき、プラスチックだと思った。

何事も大雑把で、元気だけが取り柄で、まるで犬のようにはしゃぐ彼。
失敗したらそれを悔やんで、でもそこで諦めたりしない、前向きな彼。


私は、この人に決めた。
私は、この人を〝ターゲット〟にした。



Re:  君 と い う 名 の 海 に 溺 れ て く 。  ( No.3 )
日時: 2015/09/12 20:20
名前: 羽海 . ◆vLMSJh5x/Q (ID: UIcegVGm)




  > 第1章 恋 を し た 。


暖かな光が、アスファルトを蹴り上げ走る俺に降り注ぐ。
4月7日の今日。人生で一度しかない、高校の入学式の日だ。

中学の頃と変わらず学ランを着て、エナメルバッグを肩に全力疾走する俺は、稲葉 歩という。
元気なところと前向きなところだけが特徴の……犬系男子、らしい。
犬系男子って何なんだ、なんて考えていた中学の頃の俺を思い浮かべると、笑えてきてしまう。



 「どんな高校生活に、なんのかなー」



ふと、今咄嗟に思い付いた言葉を口にしてみる。
ニッと口元を上げて、エナメルバッグを掛け直した。
走り続ける真っ白のスニーカーに運ばれるがままに、第1志望であった「碧葉高校」へと向かう。


Re:  君 と い う 名 の 海 に 溺 れ て く 。  ( No.4 )
日時: 2015/09/13 12:06
名前: 羽海 . ◆vLMSJh5x/Q (ID: .g3iy5Ut)




  > 第1章 恋 を し た 。


走り続けて約十数分。
漸く、「碧葉高校 入学式」と書かれた板が置かれた正門が見えてくる。
正門の周りには、満開に咲いて枝がピンクに染められた、大きな桜の木が数本。
その下のコンクリートや土の上は、花弁の為ピンクの絨毯が敷かれていた。

正門を潜った後の生徒の胸元には、花飾りが付けてある。
きっと、花飾りを付ける係りである先輩に、付けてもらったのだろう。
そう考えていると、後ろから優しく肩をつつかれた。



 「君、1年だよね。花飾り付けなきゃ」
 「へ? あ、ありがとうございまー……」



可愛らしい声に振り向くと、言葉が途切れた。
サラサラのショートカットの髪が、春風に靡いて。
眉毛辺りまでの長さに揃えられた前髪。そこから覗く、大きな瞳が印象的だ。
華奢な身体で、俺より低い身長の小柄な彼女。


柔らかな風が吹くなか。
細い指で学ランに花飾りを付ける、透明感溢れる彼女に、俺は————





   恋 を し た 。


Re:  君 と い う 名 の 海 に 溺 れ て く 。  ( No.5 )
日時: 2015/09/13 15:29
名前: 羽海 . ◆vLMSJh5x/Q (ID: UIcegVGm)




  > 第2章 海 に 呑 ま れ た 。


暫く俺は、息をすることが出来なかったかもしれない。
目の前にいる彼女から、ふわりと良い香りがする度に、心臓がどきんと跳ねる。
15年間の間、異性に対してこんな気持ちになったことなどないのに。ましてや、今日出逢ったばかりの彼女に。

なんて、ぼーっとしていると、彼女に声をかけられた。



 「よし、ばっちり!」
 「あ、ありがとうございます!」
 「いいえー。じゃあ、入学式頑張ってね」



彼女は俺の花飾りを、ぽんぽんと撫でると。
花飾りよりも綺麗な笑顔を咲かせ、くるりと向きを変えて違う新入生に走って行った。
去り際に目に付いた、彼女の首から下げた高級そうなネックレスが、あの可愛らしい仕草が、声が、笑顔が。



————頭から、離れない。



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