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- ある夜の夢
- 日時: 2015/10/04 10:41
- 名前: しほりん (ID: QPMsskdF)
はじめまして、しほりんです。
閲覧ありがとうございます!!
初めて投稿するのでいろいろ未熟だと思いますが、どうぞよろしくお願いします!
SS「ある夜の夢」 目次
☆1☆ ……下へどうぞ。
☆2☆ ……>>01
☆3☆ ……>>02
☆4☆ ……>>03
☆最終話☆ ……>>04
ちらちら、ひらひら。
雪が降ってきた。
花菜は宿題をする手を止め、窓の外を見上げた。
「きれい……。」
独り言をつぶやく。
『今夜は雪模様となる地域が多いでしょう。明け方まで降り続くこともありそうです』
さっきからずっと流れていたラジオから、タイミングよく天気予報が流れ出した。
「雪かぁ……。」
花菜は夢見るように頬杖をついた。
積もった雪についた動物たちの足跡。それを彼氏と一緒にたどっていく。そうしたら動物たちはパーティーを開いていた。二人は動物たちに歓迎され、パーティーに参加。忘れられない一日を過ごす……。
(彼氏、かあ。いたらいいのにね)
花菜は一気に現実の世界に呼び戻され、ため息をつく。
「花菜、そろそろ寝なさいよー!」
「はーい!」
時計を見ると、十時半をさしていた。
「ふわぁ」
あくびが出た。
(もういいや、寝よーっと。残りは……、明日の朝!)
花菜は電気を消してベッドの中に入った。
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- ある夜の夢 続きです。 ( No.2 )
- 日時: 2015/10/03 09:46
- 名前: しほりん (ID: QPMsskdF)
数分後。花菜たち二人は山のふもとに立っていた。
「これからどうするの?」
花菜が声をひそめてたずねると、少年は手のひらを花菜のほうに向けた。
『ちょっと待って』
同時に口を動かす。しかし声は出さない。
しばらく待つと、山の中から真っ白なうさぎが二匹歩いてきた。
うさぎは二人をじっと見つめていた。しかしすぐに興味をなくしたらしく、ちがう方向へ歩いていった。
少年はうさぎの足跡を指差す。そして指で次々と足跡をたどっていった。
「なに……? ……足跡をたどっていくの?」
少年はうなずき、歩き出した。花菜はあわててそのあとを追う。
(なんだか、寝る前の空想みたいになってきた……。もしかしたら、すごいところに連れて行ってくれるのかも)
花菜は次第にわくわくしていく気持ちをおさえられなかった。
静かな山の中に、静かなものと少し弾んだもののふたつの足跡が響く。
- Re: ある夜の夢 ( No.3 )
- 日時: 2015/10/04 10:13
- 名前: しほりん (ID: QPMsskdF)
再び歩き出してかれこれ十五分ほどがたっただろうか。
少し視界が開け始めてきた。
それでも足跡はまだまだ続いている。
まだ歩かねばならないのか、と少し疲れてきた矢先のことだった。
突如、視界から木やごつごつとした岩が消える。
かわりに現れたのは……。
幻想的な風景だった。
雪をかぶって白くなった山脈、その間からのぞく太陽。朝日が下の家々を照らしている。
その美しさに花菜はただ言葉をなくした。
彼女の横では少年が優しく微笑んでいた。
花菜ははっと気づいて少年に礼を言った。
「ありがとう。こんなにきれいな景色がここにあるなんて……」
少年はううんと首を横に振った。
『ハナの、声が聞けてよかったよ』
少年はそう口を動かした。
そして彼の姿は少しずつ薄くなっていった。
「えっ……!?」
花菜は驚きの声をあげたが、その少年をずっと見続けているしかなかった。
彼女の足下では、さっきのうさぎがつぶらな瞳を花菜と少年に向けていた。
- Re: ある夜の夢 最終話 ( No.4 )
- 日時: 2015/10/04 10:40
- 名前: しほりん (ID: QPMsskdF)
花菜はずっと考えていた。
ずっと、考えて……。
そして、思いついた。
* * *
花菜が独りで家に戻ると、もう東のほうから太陽が見え始めていた。
それから再びベッドに入ったが、全くといっていいほど眠れなかった。
彼女が考えていたのはただひとつだけだった。
少年は、何者なのか。
花菜は起き上がり、着がえ始めた。
そしてリビングへ向かった。
「おはよう、花菜。早いのね」
「うん。ねえお母さん、私に兄弟っているの?」
母親ははっとして、痛ましげな表情を見せた。
「……思い出したの?」
* * *
「兄弟はね、いたわよ。……二年前に、死んだの」
「……死んだ?」
「すごく体が弱かったのよ。それまで生きてたことさえ奇跡だったの」
「でも。なんで、私、……それを覚えてないの?」
そうだ。気になるのはそこだった。
「花菜と悠、……花菜の弟の名前ね。二人はすごく仲がよくて。花菜は
悠が死んじゃったってことがきっとすごいショックだったんだと思うの。
それで花菜、……交差点に飛び出して、事故で。記憶喪失」
「うそ、まさか……」
だって、私その前のことで覚えてることあるもん。
そんな花菜の思いを読み散ったように母親は言った。
「花菜、その関連のことだけ忘れてたみたい。それから私たちもそのことには触れないようにしてて……。」
「……」
母親は花菜の顔を痛ましげにみつめた。
「ありがと、教えてくれて」
花菜は自分の部屋へもどった。
『花菜、気にしないで。僕はずっとここでみてるから』
「悠……!?」
『だから、花菜は幸せな人生を送ってね。僕のためにも』
「……わかった!!」
花菜の顔は晴れやかだった。
終わり
お読みくださり、ありがとうございました!!
- Re: ある夜の夢 ( No.5 )
- 日時: 2015/10/04 10:45
- 名前: 寧音 (ID: 3mln2Ui1)
終わるの速いですね!
番外編書いてほしいです♪
- Re: ある夜の夢 ( No.6 )
- 日時: 2015/10/10 17:03
- 名前: しほりん (ID: Jy8hJEx5)
ありがとうございます!!
これはショートショートなので、すぐに終わるんです。すみません(汗)
番外編は、思いついたら書いてみますね。
番外編ではないけど、またすぐちがう物語を書くので、よければまた見てください!!
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