コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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旅館『環』においでませ!
日時: 2018/03/29 10:29
名前: 夕陽&狐 (ID: cyfiBIbN)

こんにちは!

今回は複雑ファジーで作品を書いている狐ちゃんが考えた案を私が小説にするという合作みたいな感じです。
ただし、ほとんど私が書くと思うので狐ちゃんの高い文章力を期待してたらすみません……。

話の内容としてはざっくり言うと旅館の話です。

ぜひお楽しみ下さい!

狐ちゃん挨拶>>1

登場人物>>2


プロローグ>>3
座敷童子との出会い>>4
妖怪達との出会い>>5
百人一首>>6
百人一首2>>7
百人一首3>>8
旅館の内部事情>>9

Page:1 2



Re: 旅館『環』においでませ! ( No.1 )
日時: 2015/09/23 13:54
名前: 狐 (ID: owa39mxZ)

深鵺県、月黒市の山奥にある老舗旅館『環』。
当旅館の一人娘である祭は、夏期休暇で帰省した際に、大女将である祖母の撫子から、とある頼み事をされるが……。

経営難に苦しむ『環』の従業員たちが、赤字を黒字に変えるためにとった秘策とは——?

…………………

はじめまして!あるいはこんにちは^^
普段は複雑・ファジー板に出没します、狐と申します!

今回は、私が突如思いついた設定を、心優しい夕陽ちゃんが執筆して下さるということで、この場が実現しました。
私にしては珍しく、コメディというかほのぼの系の設定なので、「私より夕陽ちゃんが書いた方が絶対上手いよ……」と思い、夕陽ちゃんにヘルプミーした次第です(笑)

夕陽ちゃんも紹介していますが、此度は旅館を舞台にした創作小説です。
私が挨拶の場なんてもらっていいのかというくらい、夕陽ちゃんに頼ってしまった作品ですが、一応私も、みなさんが喜んでくださったらいいなと思い考えたので、お時間あるときにでも読んで頂けると幸いです(*´▽`*)
また、もしかしたら我儘をいって、時々狐も出没するかもしれないので、その時はよろしくお願いいたしますw

それでは、失礼いたしましたー!

Re: 旅館『環』においでませ! ( No.2 )
日時: 2015/11/28 20:41
名前: 夕陽 (ID: rBo/LDwv)

登場人物

〜妖怪〜

紅葉(座敷童子)

見た目年齢10歳の女の子。
おかっぱで赤い地に白い花が散らばった着物を着ている。
悪戯大好きでやりたいことは何でもやる。
生きている期間が長いからか口調は昔の人っぽい。
貧乏神を尊敬している。
機嫌と住み着いているところの売り上げは比例する。

サンプルボイス「我は今、百人一首がやりたいのじゃ! 付き合え!」
「流石、十六夜殿は言うことが違うなあ……」
「我は今とても機嫌がいいぞ」

十六夜(貧乏神)

見た目年齢30代の男。
やせているが、目力が強いので弱弱しい感じはしない。
髪の毛は白。
灰色の着物を着ている。
ちょっと不良?
饅頭が好物。
サンプルボイス
「ああ? 俺が来たから旅館つぶれるとか本気で思ってるのか? これだから最近の人間は」
「うっさいぞ、ガキ(座敷童子のこと)」
「早く饅頭よこせ。俺は腹が減ってるんだよ」

稲荷(天狐)

見た目年齢20代のお兄さん。
狐の姿の時は金色の毛並みにしっぽが4つ。
人間の時は金髪に茶色の瞳。
面倒見がいい。
占いが得意。

サンプルボイス「こらこら、皆を困らせちゃダメでしょ」
「僕が占ってあげようか? 僕の占いはよく当たるよ」
「うん、狐の姿もいいけど、人間の姿も楽しいかな」

雪(雪女)

見た目年齢10代後半くらいの女の子。
腰まで届く白い髪の毛で白い着物を着ている。
帯は紺色。
普段は恥ずかしがりやだが、雪の日だけ人が変わったように乱暴になる。

サンプルボイス「あ、えっと、迷惑かけるかもしれませんがよろしくお願いいたしますっ」
「あ、その……な、仲良く、しませんか……?」
「やった! 雪だぜ! 雪合戦の時間だぜい!」

つる(つるべ落とし)

大きい顔のみ。(ちなみに大きさは3メートルくらい)
強そうに見えるが心は乙女。
甘いもの、可愛いものを好む。
また、女の子の服を選んだり、メイクの助言をするのが好きなので祭や雪女はたまに実験台にされる。

サンプルボイス
「あら、これ可愛い〜」
「あなたならこの服似合うんじゃない? あと靴はこれ。アクセサリーはこれをつけなさい」
「やっぱりこの店のクレープは美味しいわね〜」

〜人間〜

不知火 祭(しらぬい まつり)
主人公。
美大学生。
旅館に帰ると大女将に頼まれて座敷童子の機嫌取りをすることになる。
常識人でツッコミ役。
絵を描くのが好き。
髪の毛は黒のロングで旅館の中では着物で髪をお団子にしている。(大学の時は髪は下ろし、洋服だった)

サンプルボイス
「確かに絵を描くのは楽しいけど……」
「座敷童子のご機嫌取りって何!?」
「だって座敷童子がやれっていうから……!」

不知火 梢(しらぬい こずえ)
祭の母で女将。
40代だが見た目は30代位。
丸顔で優しそうな雰囲気をまとっている。
しかしたまにとんでもないミスをやらかす。
青紫の着物を愛用している。

サンプルボイス
「あら、お客さんがいらっしゃったわよ〜」
「おっと、危ない。危うくお客様への食事をお風呂に落とすところだったわ〜」
「祭が来てくれて助かったわ〜」

不知火 撫子(しらぬい なでしこ)
祭の祖母で大女将。
梢とは逆の性格だが血のつながった親子である。
何でも一定以上にこなせる。
特に気配りはすごく、細々とした物を欠かすことはない。
座敷童子が元々見えていた。(今は見えない)

サンプルボイス
「梢、この買い出しお願いします」
「祭にお願いがあります。座敷童子のご機嫌取りをしてほしいのです」
「2階の茜の間と東雲の間の電球と1階のトイレットペーパーが切れているので補充した方がいいですね……」

2015.9.25 少し修正しました。
2015.11.28 少し修正しました。

Re: 旅館『環』においでませ! ( No.3 )
日時: 2015/09/23 15:25
名前: 夕陽 (ID: T0oUPdRb)

プロローグ

「あー、疲れた」

 私は周りに没になったデッサンが乱雑している部屋で一人頭を抱える。
 これだけ描いても全くいい絵が描けない。

「やっぱり向いてないのかな……」

 絵が好きだって理由で、地元をでて都会の紫柄大学(しがらだいがく)に通っている。
 始めは楽しそうなキャンパスライフや、どんな人がいるのかという緊張で新鮮だったが、3ヶ月もすると課題に追われる毎日に嫌気がさしてきた。

 今でも絵を描くのは楽しい。
 だけど“課題”として“やらなくてはいけないもの”となると面倒くさくなってしまう。

 ぼんやりしつつ、何気なしにスマホの電源をつける。
 ボタンを押すと一瞬で綺麗な紅葉の風景が画面に浮かび上がった。
 私の地元名物の秋の風景だ。
 しばらくそれに魅入り、私はボタンを押した。
 先ほどまで赤を映し出していた画面は一瞬にして黒くなる。

「久しぶりに帰ってみようかな……」

 あと少しで夏休みだし、いいじゃないか。
 最近大学は不登校気味でバイトをやっているからお金はある。
 都会よりも地元の風景の方が描く意欲でるし。

 こうして私は地元の、旅館『環』に大学に入って始めて帰省することにした。

     *     *     *
短くてすみません。
次回から妖怪が出てくると思います。

Re: 旅館『環』においでませ! ( No.4 )
日時: 2015/11/08 16:16
名前: 夕陽 (ID: rBo/LDwv)

座敷童子との出会い

「とはいってもいきなり帰ってきて驚かれそうだな……」

 私は、旅館を継ぐのが面倒くさくて逃げるも同然に大学に行ったような人だ。
 今更私がのこのこ帰っても家族を困らせるだけかもしれない。
 でも、私の友人たちはほとんど別の県の大学に行きここにはいないから当てはここしかない。

 とりあえず三日分の衣服やくしや歯ブラシなど生活に必要なもの、画材、お土産は持ってきた。
 段々紫柄から遠のいていくに従って電車やバスに乗っている人は減っていく。
 そして一つ前の駅で乗客は私と残り三人になった。
 そのまま揺られているとアナウンスが響く。

『次は月黒(つぐろ)稲荷神社前、月黒稲荷神社前です。降り口は左側です』

 そろそろだ。
 私は気合を入れるようにぐっと拳を握る。
 別に大学を辞めたわけではない。
 ただ、休暇に来ただけ。
 心の中で言い聞かせていると、電車が止まった。
 早いな、もう着いたのか。
 私は大きな荷物を持って電車を降りた。

     *     *     *

 バスに乗り、旅館の近くで降りる。
 もうここはすっかり田舎だ。
 雑誌に載っているような流行最先端の服を着ている人や、仕事仕事と急いでいる人はいない。
 のどかで平凡な田舎だ。

 しばらく歩いていると私の家、旅館『環』が見えてきた。
 紫柄県のホテルのように最先端の電子機器やシャンデリアなどないけれど、周りの景色と、和やかな雰囲気はどこの宿泊施設にも負けないと思う。
 私は旅館の裏口、家族が利用する玄関へと歩く。

 チャイムを鳴らして数秒待つと……、

「どちら様〜? って祭じゃない〜」

 お母さんが出てきた。
 天然なところは変わってないのか、何故か判子を持っている。
 宅配便と勘違いしたのだろうか?

 私の母、不知火 梢(しらぬい こずえ)は旅館『環』の女将でもある。
 お母さんは驚くほどおっちょこちょいだ。
 ただ、その雰囲気が和むと常連の人達には人気なのだけど。

「お母さん、ただいま」

 こうやってお母さんの顔を見て話すのはいつぶりだろう。
 実際は半年も経ってないけれど。

「おかえり〜。丁度良かったわ〜」

 ということは今、たくさんお客様がいらっしゃっているのだろうか。
 忙しい日はお母さんに頼まれてたまに手伝っていた。

「お客さん、最近来なくて大変だったのよ〜。祭が来たなら大丈夫ね〜」

 しかしお母さんの言葉は私が予想していたのと逆だった。
 お客さんいないなら私が手伝う必要ないんじゃ……?

「大女将〜。祭が帰ってきましたよ〜」

 疑問に思っている間にお母さんは旅館の方に行ってしまった。
 いいのだろうか、判子を持ったままだけど。

「本当ですか?」
「ええ。玄関にいますよ〜」

 そう思っているとお母さんとは正反対の厳しい声が聞こえた。
 おばあちゃんも変わってなさそうだなあ……。

 不知火 撫子(しらぬい なでしこ)。お母さんの血のつながっているお母さん、つまり私のおばあちゃん。
 実質、おばあちゃんのおかげでこの旅館の清潔さが保たれていると思う。
 お母さんが人を癒すならおばあちゃんは気持ちよく使える場を提供している。

「祭、おかえりなさい」

 珍しい。
 いつも旅館の時は“大女将”、家のときは“祖母(もしくは母)”としての顔を使い分けているのに今は“大女将”の顔のままだ。

「少し話があります。……ここで話すのは長くなるので止めにしましょう。畳に来て下さい」

 そして隣にいたお母さんに「梢、祭にお茶を出して」といい、おばあちゃんは畳の部屋に向かった。
 私も荷物を元々自分の部屋だったところに置くと畳の部屋に向かう。

     *     *     *

 お母さんが淹れてくれたお茶を飲む。
 夏だが、周りは涼しいので温かいお茶でも美味しく飲める。

「祭にお願いがあります」

 一口お茶を飲んでからおばあちゃんが口を開く。

「何ですか?」

 おばあちゃんの“大女将”モードに合わせて私も“従業員”モードに変わる。

「あなたには紅葉のご機嫌取りをしてほしいのです」

 もみじ?
 そんな子、知り合いにいたのか。
 思い出そうとするが全く思い出せない。

「紅葉は人間ではありません」
「まさか幽霊とか……ではありませんよね」

 おばあちゃんの眉根に皺がよってしまった。

「まあ、そこまで外れていませんが。紅葉は、座敷童子です」

 そっか。
 座敷童子か。
 って、え?

「だから座敷童子なんです」

 二回言われなくても理解した。
 うん、そう、座敷童子か……。

「って、座敷童子!?」

 遠くで何かが割れる音がした。
 多分お母さんがびっくりしてお皿をひっくり返したのだろう。

 …………。

「驚いてしまうのは分かりますが、彼女のご機嫌をとらないとこの旅館も潰れてしまうのです」

 よく分からないけど確かに今日の旅館は活気が少ない。
 ということはおばあちゃんの言っていることは本当だろう。
 大体、おばあちゃんが冗談を言うことは今まで一回も聞いたことがない。

「分かった、やるよ」

 大変そうだし、継ぐ気はないがだからといって見捨てたいとも思わない。

「ただ、私に出来る範囲でだけど」
「ありがとうございます。……紅葉、この子が私の孫の祭です」

 おばあちゃんはそうすると押入れの方に向かって呼びかけた。

「よろしくなのじゃ! 祭」

 そうして出てきたのは、赤い着物を着た10歳くらいの女の子だった。

     *     *     *
少ししか妖怪出せなくてすみません……。

あと少し登場人物修正しました。
祭とつるべ落としのところです。
祭のところは結構変わってしまったのでもしよければもう一度目を通してください。


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