コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

怪盗と鬼【短編】
日時: 2015/09/24 15:25
名前: 珈琲Time (ID: vJF2azik)

イキナリですが、ほとんど更新しません!

短編ですぐ終わってしまうと思いますが、書きたいのでやってしまいました。

メインも更新して、これも更新できるように、しようと……

テスト…やって…、いや、テストの合間に!やります!

すぐ始めます(* × *)=3=3



※題名、少し変えました。

Page:1



Re: 怪盗と鬼【短編】 ( No.1 )
日時: 2015/09/27 17:45
名前: 珈琲Time (ID: u6EedID4)


豪華な窓を開けたら、暗闇の中で月夜に照らされ、目を真っ赤に灯らせる少女がいた。


______鬼だ。



とても繊細で美しい鬼。



君が後ろで隠しているもの。



この世で一つしかない、不死鳥の涙から取り出したダイヤモンドから作ったオルゴール。



僕は、それを盗むためにきた。



しかし、君は、ダイヤモンドのオルゴールが霞むほど美しい。



闇に溶け込んで孤独な僕は、鬼に魅せられた。



赤い目が二つ。



君には、黄金の満月も暗闇に紅く輝く燃え上がる三日月に見えるだろう。








Re: 怪盗と鬼【短編】 ( No.2 )
日時: 2015/10/08 22:37
名前: 珈琲Time (ID: Uj9lR0Ik)


____君を盗みたい



ダイヤモンドのオルゴールが目から消え、代わりにゾッとするほど美しい鬼が入ってきた。



たとえ、君を盗めても君の瞳は盗めないだろう。



君は、僕の後ろ、ぽっかり浮かぶ満月の向こう、真っ黒な闇を見つめている。



恋しさを匂わせるその瞳には、誰がいるのだろう。



____その瞳が欲しい



その瞳が僕を捕らえてはくれないか。



満月に踊り出された僕の影は、ゆっくり窓辺を降りて、鬼の傍へゆっくり歩み寄った。



満月が雲に隠れ始めていた。



Re: 怪盗と鬼【短編】 ( No.3 )
日時: 2015/09/27 18:03
名前: 珈琲Time (ID: u6EedID4)




僕が近づくと、やっと少し目をこちらに向けた。



瞬間、満月が隠れて部屋が真っ暗になった。



満月の灯りを頼りにしていた僕は、赤い目しか見えなくなった。



君が目を瞑ってしまったら、この世が一つ残らず真っ暗になってしまうよう。



なにか動く気配がした。



トンッと胸に何かが当たって、不思議に思ってそれを手に取る。



満月が雲から薄く現れて、部屋が薄暗くなると、僕は見えた。



君の手にはダイヤモンドのオルゴールが無く、代わりに僕の手の中にあった。



君は、何事もなかったように満月を見つめている。



違う



僕が欲しいのは、ダイヤモンドのオルゴールじゃない。



____君が欲しい




真っ赤に灯らせる目が、少し見開いた。



そして、僕を見た



初めて目以外のところが動くのを見た。



口が開いて、君は言った。



____あなたが死んだら、この瞳を差し上げましょう













Re: 怪盗と鬼【短編】 ( No.4 )
日時: 2015/09/28 20:07
名前: 珈琲Time (ID: Z6QTFmvl)



僕は狂っている。



____あなたが死んだら、この瞳を差し上げましょう



という言葉に、



____なんだ、そんなことでいいのか



と、思ってしまったからだ。



今まで、盗めないものはなかった。



どんなに警備が万全でも、どんなにダミーやら罠やらあっても、いつも軽々しく盗んでいた。



今日だって、ダイヤモンドのオルゴールはきっと美しいだろう、と考えながら鼻歌を歌いながらきたのだ。



しかし、ダイヤモンドのオルゴールのそばには、僕を狂わせるほどの美しい鬼がいた。



もう、すべてがどうでもよくなった。



君さえ僕のそばにいてくれたら、世界が終わっても僕は幸せだ。



そう、確信した。



けど、いくら狂っていても、君の瞳の奥に潜む恋心は見逃せない。



僕が死ぬことで、君の瞳が僕をうつす。



僕が死ぬことで、君の瞳の奥の恋心に少しでも曇りを与えられればいい。



僕が死ぬことで、君が気にも止めなくても、僕は絶望すらしないだろう。



____喜んで



僕は、窓に近寄ると落ちた。



一瞬、満月を見つめている赤い目がこちらを見たような気がした。



オルゴールの儚い旋律が、遠くでかすかに聞こえた。


Page:1



この掲示板は過去ログ化されています。