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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 届くかな。
- 日時: 2015/09/26 22:32
- 名前: 雫乃恵璃 (ID: l8Wvg9Qa)
走りつづけて棒になった足を無理やり動かし、生えたまま放置され黒く枯れつつある草をかき分け前に進む。
とにかく会わなくちゃ。
例えこの足がなくなったとしても、それでも構わない。
──彼に会えるのなら、なんだってできる。
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- Re: 届くかな。 ( No.1 )
- 日時: 2015/09/27 07:28
- 名前: 雫乃恵璃 (ID: l8Wvg9Qa)
重たい瞼を開けると、目の前に飛び込んできたのは見たこともない森だった。
「え…えっ!?」
勢いよく立ち上がり、足に激痛を覚えしゃがみこむ。見ると、膝を擦りむいていた。
このままでは動けないので、回想に浸ることにしよう、と決めて近くの小さな切り株に座る。
切り株のやや湿った温度がとても気に障ったのはなぜだろうか。そもそもなぜ私はこんなところにいるのか。どうしても思い出せなかった。私が誰なのかとか、家の場所や学校だって覚えているのに。まるで、記憶のパズルの1ピースが何処かにいってしまったような気分だった。
目を閉じ、落ち着いて考える。大丈夫、思い出せる。いや、思い出せ。
私の失っている記憶は、絶対に、絶対に重要なものだということは分かる気がするから。
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