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人狼系男子≪感想募集≫
日時: 2015/10/11 18:45
名前: ぐりこ (ID: 0UyQBddh)

らぶこめです!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

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Re: 人狼系男子 ( No.2 )
日時: 2015/10/10 18:54
名前: ぐりこ (ID: 0UyQBddh)


≪character≫


◇椎名 楪(shiina yuzuriha)◇


◆都筑 棗(tuzuki natume)◆


◆世良 利人(sera rihito)◆

Re: 人狼系男子 ( No.3 )
日時: 2015/10/10 20:13
名前: ぐりこ (ID: 0UyQBddh)


**

「やっぱかっこいいよね」


「優しくてかっこよくて何でも出来て〜・・・」


口を揃えてみんなが言う。

県外の学校でも噂が立つほど有名な世良くんは私のクラスメイトだ。


「ねっ、ゆずもそう思うでしょ?」


「うん、そうだね」



違う、違う。

それは嘘だ。世良くんなんて本当は好きじゃない。





「ちょ、都筑マジ性格悪いんだけど」


「顔はかっこいいのにねーなんていうか残念だよねーw」



・・・みんなちっとも分かってないんだ。



「ゆず、この前あいつと話してたじゃん、大丈夫?」


「あ・・・あ〜いやいや!!結構いい人だよ?」



本当は、大声で「棗くんはいい人なんだ!!」って叫びたかった。
けれどそれができないのも事実で。


「うわーゆずってば物好きw」


そうやって笑われるのももう慣れてしまったけれど、世良くんを好きになることは女子にとってあたりまえのことだから。

私は未だに言い出せないでいる。





都筑 棗くん。

皆には性格の悪い奴だって思われてるけれど、たまにふわっと笑う顔とか、ちゃんと他人にはっきり言うところとか、そういうところが、


すき。



うん、好きなんだと思う。



Re: 人狼系男子 ( No.4 )
日時: 2015/10/10 20:32
名前: ぐりこ (ID: 0UyQBddh)


≪第1話≫


「ゆず、ゆず、ほら世良くん来たよ」


「え、あ、あぁ、ほんとだ!」


そう言いながらも視線は世良くんの斜め後ろをいく。

今日も棗くんは眠そうだ。


棗くんと世良くんは仲が良いから毎日一緒にいる。
私は皆と世良くんを見るふりをしながら彼を見ていた。



「・・・お、おはよ!」


すれ違いざまのその一言。


その一瞬の数秒は何時間にも感じられた。



「・・・はよ」


そう言ってうっすら笑った彼を見て、すごく、すごく胸の辺りがきゅぅぅぅっとなった。

心臓がばくばくする。

鼓動が速い。



「ゆず、あんたなんで都筑なんかにあいさつしてんのよ」


「あいさつは大事でしょ?」


「そらまぁ、そうだけどさぁ・・・」


納得いかないような女子の顔を知っていながら明るくそう言った。
女付き合いって結構大変だから息が詰まる。

けれど棗くんの代償というなら楽なものだ。



あの綺麗な黒髪と、大きな瞳と長い睫。



私はそれを忘れる事はないと思う。



Re: 人狼系男子 ( No.5 )
日時: 2015/10/11 18:41
名前: ぐりこ (ID: 0UyQBddh)



「え〜ということは、3xになる訳で・・・」


数週間後に行われる中間テストのせいか、先生からも、そして生徒たちからもピリピリとした空気が伝わってきていた。


(絶対当たりませんように、っ)


こんなときに先生に当てられたりしたらたまったものじゃない。
答えられずにおろおろして、皆のイライラした視線を受けるのだけは避けたかった。

それはクラスメイト全員同じ気持ちのようで、必死に理解しようと頭を悩ませていた。


「では、ここを・・・えー10番」


当てられた13番の九重さんは運良くクラスでも上位の成績の優等生だったあめ、周りの機嫌を損ねることなくすらすらと答え着席した。


「はい、正解、さすが九重だな。えー、次、ここを12番」


!?

まさか連続で先生の指名が来るとは思ってもいなかった私は、油断していたのだ。




「・・・12番?たしか・・・椎名だったよな、早く立て」


「は、はい・・・」


皆の視線が私に集まる。


「ここの問2の答えは」


「え、えっと・・・」



どうしよう。

予習はしたはずだたのに。


いざ言おうとすると頭が真っ白になる。


「えっと・・・」


私の様子を察してか、クラスメイト達はざわざわし始めた。


先生も助け船を出そうとはせず、無言で私を見ている。


(・・・そんなに意地悪しなくてもいいじゃん)


私は顔こそ上げていたが、頬はきっと真っ赤だっただろうし、それにもしかすると涙目になっていたかもしれなかった。


「わかりません」と言おうとしたときだった。




「(a+b)x(x−1)・・・ですよね」


私はとっさに声の主を見た。

クラスメイトも驚いたように声の主のほうに視線を送っていた。

当の本人は皆の視線を感じているにも関わらず、なにくわぬ顔でつんとすましたまま、先生の方を見ていた。



「先生は椎名に聞いていたんだぞ、都筑」


呆れたように先生はそう言ったが、彼が動じることはなかった。



「いーじゃないすか、俺、ここの単元好きなんですよ」



にこりともせずに彼がそう返すと、先生は諦めたように「それなら仕方がないな」と言ってまた私の方に向き直した。



「あー・・・椎名、座っていいぞ」


「は、はい」


当の私は状況を理解出来ないまま、力が抜けたようにして着席した。

彼を見ると、何事もなかったかのようにヘッドフォンで音楽を聴いているようだった。



(ヘッドフォン・・・授業中なのに・・・)


くすっと笑いそうになるのを抑えて、私は板書を再開した。

それからのことはよく覚えていない。



ただぼんやりと先生の話を聞きながら、彼にお礼を言わなければならないなとそう、思っていた。


Re: 人狼系男子≪感想募集≫ ( No.6 )
日時: 2015/10/11 18:59
名前: ぐりこ (ID: 0UyQBddh)



「な、棗くん・・・!」



私は帰ろうとしていた彼に声をかけた。

本当はもっと早くお礼が言いたかったのだけれど、なかなか言い出せず、とうとう放課後まで持ち越してしまったのだ。


「・・・なに?」


彼はおもむろにヘッドフォンを外し、肩にかけると、私の方を振り向いて憂鬱そうにそう言った。



「あのね・・・数学の時、助けてくれたでしょ?だからお礼・・・言いたくて」




「・・・あぁ、別にいいって。俺あいつ嫌いだからイライラしただけ」



彼は不敵な笑みを浮かべてそう言った。



「え、あいつって、森尾先生?」


「そ、あいつわざとああいうことするだろ」



「やっぱり、棗くんは優しいよ」そう言いかけて飲み込んだ。





「でも棗くんのおかげで私は助かったんだよ、ありがと」



そう言って笑うと、彼は少し驚いたように私を見たあと、何かを考え付いたようにうっすら笑った。






「じゃあなんかお礼してよ、形あるやつ」









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