コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 白色の語り
- 日時: 2015/10/25 00:06
- 名前: めありぃ ◆bBGGdfy7eQ (ID: 5fLl8M0A)
初めまして、めありぃです。
文才なしですが完結目指します(
ちなみに、この小説はフィクションです。
わたし的には、地味な恋愛もの、ほぼ学園モノですが、私が考えさせられたことを小説にしているので少しでも皆さんに伝わるようにかけたらな、という意気込みがあったりします。
できれば長く続けられたらいいなと思ってます。
未熟者ですが、よろしくお願いします。
「白色の語り 目次」
>>
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- Re: 白色の語り ( No.1 )
- 日時: 2015/10/25 00:19
- 名前: めありぃ ◆bBGGdfy7eQ (ID: 5fLl8M0A)
『主人公紹介(一人のみ。他は番外編などで出します)』
・月詠 唯/Tukiyomi Yui
大財閥の一人娘。物静かで大人しい。植物などの自然をこよなく愛す。
明るい日は外に出るとき、日傘を常にさす。また、学校では指定制服(紺色のブレザーに白のラインが入っているものと黒と白のチェック柄のスカート)の長袖verを常に着用。
髪は腰までの長さで、虹彩は淡青色、瞳孔は葡萄色。
髪は真っ白でまつげも白い。しかしそれらは完全に地毛。
つまり、唯は世間で言う「アルビノ」である。
- Re: 白色の語り ( No.2 )
- 日時: 2015/10/25 00:59
- 名前: めありぃ ◆bBGGdfy7eQ (ID: 5fLl8M0A)
アルビノは希少価値であり、それらは極稀に見るものなのだと医者は言った。
そして、それはメラニン色素の問題であり、黒にする方法はないのだとも言った。
揺れる車内の中で虚ろな目で設置された小型のテレビを見る。
私は世間では有名な月詠財閥の一人娘、つまりは大財閥の令嬢であり、後継者に当たる。
今のところの立場で言えば、「お嬢様」あたり。
決まって友達たちはこういう。
「お嬢様って自由そうだよね」
「苦労しないから楽だよねぇ」
その言葉は16年間生きてきて、耳に蛸ができるほど聞いてきた。
お嬢様が苦労しないなんていうのは確かに間違いではないが、全体的にそんなイメージを持たれるのは少し不愉快だったりする。
なぜなら私は、立場以前に後継のことより生きることに必死だから。
私は希少価値の存在の一部。迷信的な呪術の道具に使用されたりする「アルビニズム」。
メラニン色素の欠損などが原因として見られる「アルビニズム」…「アルビノ」という方が知られているけども。
私はそのアルビノ。睫毛は頭髪は白。肌の色も驚く程に白い。
鏡を見るたびに鏡に映る自分と目が合う。
その目の色は、虹彩が淡青色で瞳孔は葡萄色。
視力は弱いそうだが、私はアルビノの中でも軽い方のよう。
ただ、生きるために細心の注意を払うことに変わりはない。
「私からすればみんなの方が羨ましいのに」
アルビノは希少価値。高い値で買い取れるし、エイズを治すために性的な目で見られることもあるそう。
ほかのみんなは普通なのに、私はいつも自分のことばかり気にしなくちゃいけない。
今も、入学式に車で向かい、その暑い車内の中は黒い遮光カーテンで締め切られ、その中で私は指定制服の長袖を着ている。
外の景色が見たいのに。
「お嬢様」
横に座っているメイドの、少し悲しそうな声が聞こえた。
「大丈夫。頑張る」
ふわりと微笑み、スピードを落とし停まった車。
メイドが降り、私の席のドアを開けて、既に開いている日傘を手渡しする。
何事かと人々の目線が集まり、少し緊張してしまう。
「いってらっしゃいませ、お嬢様」
「行ってきます」
軽く目を合わせ、一歩、また一歩とクラスが書かれた紙が掲示された場所へ向かう。
「綺麗…」
「あれって髪染めてるのかな?」
「外人さんかなぁ」
いろんな憶測などの声、感嘆の声。
もう慣れた状況。誰も私の名前を見ない限りは私がどんな人なのか、とか分かってくれなかった。
「…あ、あの」
俯きがちに歩いていると、横から声をかけられそっちを向く。
小柄な女の子が控えめにこちらを見ていて、その周りには二、三人ほどの女子がいた。
「もしかしてあの方にそっくりな外人さんですか…?あの、月詠 唯に似てるな、って思って」
驚く発言だった。
今までこんなことなかったのに。
少し嬉しかった。私を私としてみてくれているような気がした。
「私は正真正銘日本人。といっても毛が白だからわかんないか」
苦笑を見せると、周りは一気にざわついた。
「じゃあ、あなたが唯さん…」
「そう。私が月詠 唯」
初めて私のことを「月詠 唯」と認識しかけてくれた人がいた。
- Re: 白色の語り ( No.3 )
- 日時: 2015/10/25 16:05
- 名前: めありぃ☆ ◆6rf1zVKLBY (ID: 5fLl8M0A)
「唯さんっ!」
「唯さんってあの唯さん?すごーいっ」
「月詠さん、髪綺麗〜」
「なんで毛が白いの?目の色も若干違う…。綺麗」
教室に着くなり、いろんな女子が声をかけてきてくれる。
その度に素早く答える。積極的じゃない男子は私を見てヒソヒソと話している。
女子もヒソヒソ話している人もいる。
「……ぁ」
一人の男子と目があった。少し頬をピンク色に染めた彼は、慌てて目をそらして教室から出て行った。
「…ああ、彼?長谷川 悠也。中学の頃から女子に人気だったよね」
「恋愛に興味なさそうだったけどねぇ」
中学から彼を知っている女子が楽しそうに話しながら離れて行くと、気になったらしいほかの子達も離れていき、いつもの静かな空間が戻ってきた。
「…長谷川くん、か」
別に興味はないけど、人覚えのためにノートに書き記した。
* * *
*悠也side
彼女は、令嬢でも有名で、そして美少女でもあった。
冷たい色の目の割には穏やかな温かみがある目。
綺麗な髪は風にふわりと舞う。
「綺麗…」
それが第一印象だった。
彼女に触れたいとも、彼女を守ってあげていたいとも思った。
「悠也の初恋がアルビノの人か」
親友の翔からはそう言われたけど、正直恋愛したことないから初恋だとかわからない。
軽くスルーしたけど、目があったさっきすごく緊張したし恥ずかしかった。
「これが好きってこと…か?なんか違うような気が…」
よくわからないまま、その日は刻々と時間が進んでいった。
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