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- ぼくらの町
- 日時: 2015/10/25 20:26
- 名前: 金の伝承者 ◆Y1ovpWewRo (ID: k/.IfVrM)
遠い、あの町で。
あの町で出会った、彼女のことは忘れられない。
__約束したから。また会おうね、と。
ぼくらの町 作者:金の伝承者
白い雲がぼくの頭上をよぎる。少しずつ、ぼくに気付かないように。青空の中、その白い雲はぼくにはわからないように移動をしていた。そう、ゆっくりと。
ぼくが家のベッドが目覚めたとき、二年前の出来事が走馬灯のように甦る。彼女、アリスとの出会いが。そして、父の病気で急に移動しなければならなくなったときに、涙を流しながら彼女を見続けた切なさというぼくの記憶の一ページが甦るのだ。
あれから、今日で二年になる。二年前の今日、大好きだった彼女へ、別れを告げた。
「レーガ、また会おう? 」
「大丈夫よ、またきっと会えるわ。…きっと、ね。」
そんな言葉が心の中から聞こえてくる。彼女は辛そうに言っていたんだ。 あのとき、ぼくが父を選んでいなければ。と、本気で考えてしまう。そんなことを思うなんてぼくは本当に馬鹿だ。親の傍にいてあげられない男が、彼女なんか守れるはずがない。
__カラーン。
太陽の光が窓から差し掛かったとき、玄関のベルが鳴った。
この街に引っ越してきて二年。知らない人とも仲良くなり、同年代とも友達になった。だが、未だ誰もぼくの家には来ようとしなかった。なのに今、ドアベルが鳴っている。誰なんだろう。
ぼくは、はい、と言いドアを開ける。
ドアを開けると、そこには二年前よりもっと美しくなっていた、アリスが立っていたのだ。
「レーガ・アベルさんのお宅はここでしょうか? アリス・グラデシアと申します。あっ…レーガ…? 」
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